CINOとは?CXOの肩書であるCINOの特徴と仕事内容・役割

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

ビジネスシーンにおいて「イノベーション」は、様々な企業の持続的な成長や短期間での飛躍に大きなインパクトを及ぼす「KSF」となります。

KSFとは、「Key Success Factor」の略で、日本語では、「重要成功要因」と言い、経営戦略を達成するために何が必要かを定めることをいいます。

しかし、CEOが日々のオペレーションを順調に進めるマネジメントだけを意識してしまうと、新たなイノベーションに繋がるチャレンジや事業開発に着手できず、社内に眠った大事な機会を逃してしまうケースがあります。

CEOが新たな領域に参入し、イノベーションの活動をしようとする際、アイデアをまとめる船頭がいないと、新規事業のアイデアや行動が成果に繋がらない課題があります。

この課題の対策として今、欧米企業で人気が高いのは、「CINO」を任命することです。

そこで今回、CINOとは何か、CXOの肩書であるCINOの特徴と仕事内容・役割ついて、解説します。

■CINOとは?
CINOとは、英語の「Chief Innovation Officer」の略になります。日本語では「最高イノベーション責任者」を意味します。

CINOは、CEOやCTOCSOなどと同じく、CXOというトップマネジメントの肩書きを持ち、社内でのイノベーションを専属で行う役員や管理職を指します。

企業のイノベーション戦略、新規事業立ち上げに対して責任を持つポジションです。

イノベーション的な経営戦略、ステークホルダーとの関係性構築などを含めた細かいコミュニケーションを行い、日常的な事業活動では生み出すことのできない新たな価値を創り出します。

CINOのミッションとしては、ビジネスの相乗効果のある企業とアライアンスを推進したり、企業間のコネクターの役割を担います。

また、腕利きのデザイナーや著名なIT系のサービスの開発実績を持つエンジニアに対してオファーし、プロジェクトに参画して貰えるよう提案することで、自社の経営資源だけで生み出せないプロダクトを開発に導きます。

経営のボードメンバーの一人になるため、経営者視点を持ち合わせ、新規事業の「種」となるシーズを発掘するために情報を収集するために、業界イベントに参加したり、有識者にインタビューするなど、地道な積み上げが必要になります。

CINOには、人脈を駆使して外部とのパイプを作り上げたり、アンバサーダーとして「オープンイノベーション」を促進するなど、革新的な事業開発を創発する異業種とのコラボレーションに取り組むことも期待されています。

■CINOの肩書が誕生した背景
ビジネス環境は、グローバリゼーション、ビッグデータや人工知能といった最新技術の普及などを要因として、予測不可能なほどに急激に変化しています。

主力事業に対する危機感から、破壊的なイノベーションを起こし、事業転換を図りたいと考える会社も増えてきています。

特に長く既存事業を継続している企業では、現状維持のために利益の伸びしろが行き詰っているだけではなく、業務のマンネリが起こっていることが多いです。

そのような中、CINOがいれば、「イノベーション」によって生まれた新たな商品や技術は、新しい価値創出や市場開拓を可能になります。

実際、「業界初」、「先駆者」、「No1」というブランドはビジネスにとってかなり有効ですので、それだけでもイノベーションの有用性が高く、会社に与えるインパクトが大きいと言えます。

GAFAが出版業界、音楽業界に変革を起こしたように、既存事業を継続しているだけでは、やがて新規参入者に置き換わられてしまいます。

CINOを任命することによって、イノベーションを創出し、自社の優位性を保つことで、既存事業や新規事業を飛躍させることができます。

■イノベーションとは?
イノベーション「innovation」とは、これまでにない新しいサービスや製品などを生み出すことを目的にしています。

イノベーションは日本語では、「技術革新」と訳されますが、本来は技術に限らず広い概念を持っています。

モノ、仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新しい価値を生み出し、社会に大きな「革新」「刷新」「変革」をもたらす、それこそが「イノベーション」だと言えます。

シリコンバレーの起業家であれば、沢山の革新的なアイデアを保有しているケースが多いですが、大手企業の経営幹部になるとマネジメント色が強くなるため、反対に「起業家精神」を持った人材が少ないのが現状です。

そのため、シリコンバレーのスタートアップ並みのイノベーションを出したい会社の間で、「CINO」を登用する会社が増えています。

「CINO」の肩書は、Chiefで始まるため、CIO「最高情報責任者」やCFO「最高財務責任者」のように、CEO「最高経営責任者」である社長直属のポストになります。

■「Chief Innovation Officer Summit」とは?
「Chief Innovation Officer Summit」とは、世界の「最高イノベーション責任者」が集結し、先駆的なイノベーションを起こすリーダーによって作成された、刺激的なコンテンツを提供するカンファレンスになります。

世界最大の企業やエキサイティングな新興企業を未来へと導く人々が集まり、テクノロジー、プロセス、人材を活用してイノベーションと成長の文化を推進する方法を発見することを目的にしています。

CINOカンファレンスは、対面型のイベントになるため、様々な企業のCINO同士の本物のつながりを形成でき、関係を築き上げることにも役立っているようです。

また、企業やメンターとなるCINOを見つけ、実践的なアドバイスを得ることにも繋がっています。

ロンドン、ニューヨーク、シドニー、シンガポール、上海、サンフランシスコなどの世界各都市で、年間通して複数回開催されており、欧米以外の国でもCINOの存在感は高まっています。

「Chief Innovation Officer Summit」には、ウォールマート、アマゾン、CITI、Facebook「メタ・プラットフォームズ」3M、マクドナルド、メイシーズ (Macy’s) 、ネットフリックス、イーベイ、アンダーアーマー、グルーポン、ピンタレストなどが参加しています。

このような幅広い企業がイノベーターとなる「CINO」を輩出し、幅広い業界で企業や団体が組織一丸となって「イノベーション創造」のために取り組んでいるということが分かると思います。

■CINOの仕事内容と役割
世の中の急速な変化により新規事業の成長も厳しさが増す中、注目を集めているのがCINOが、社内で「アクセラレーター」の役割を果たすことです。

アクセラレーターは、1を10や100へと拡大させる「事業開発」や「事業成長」にもフォーカスして支援を行います。

1、アイデアを社内の人材から広く集めること。
CINOは、斬新なアイデアを創出し、既存のリソースを利用して自社を成長させたり、社内の凝り固まった風土に新風をもたらしたりすることが主な役割となります。

従業員は仕事をしながら、様々なことに気づき、様々なアイデアを得る機会が多々あります。しかし、それを積極的に集めないと、世に知られないまま忘れられてしまうケースが多いと言えます。

そのため、アイデアを持っている従業員が改善提案や新商品のアイデアを提出できる社内プロセスを設定することが必要になります。

2、アイデアを出した人を評価する仕組みを作る。
CINOはCEOと共に、アイデアを出す企業文化を根付かせ、社内から提出された新規プロダクトの案やビジネスプランを評価の対象にする仕組みを作り上げます。

このような評価制度ができあげれば、実際の市場や現場の状況に即した事業の創出ができ、経営者の同意を得られれば比較的柔軟な事業展開が期待できます。

自分たちで新たな事業にチャレンジし様々な経験を積むことは、人材の急激な成長やモチベーション向上につながり、ひいては企業への定着率の増加も期待できるでしょう。

3、アライアンスに繋がる社外の繋がりを作ること。
良いアイデアは社内だけではなく、社外からも来る可能性もあります。

CINOがオープンイノベーションに取り組み、社外からもアイデアを募り、新規事業を立ち上げ、利益を生み出す仕組みを作り、業績向上やリスクを回避することに役立てます。

そのため、CINOは、大学やベンチャー企業、個人の発明者とのつながりを作ることによって、最新のテクノロジーとビジネスモデルを入手して、それをイノベーションに活かすことも大事な役割になります。

4、革新的な事業アイデアを見分けること。
社内外のアイデアを評価して、どれが最も大きな可能性を持っているかを判断し、それに予算を与えて開発に導く。

従業員から集まったアイデアやミッションの中で、実現可能なビジネスプランや事業として成功できる可能性があるものを経営者が選出し、実際に社内ベンチャーとして実行します。

企業にとっては、これまでに生み出せなかった新規事業に乗り出すことができ、新しく利益向上の基盤を作り収益性を上げることが期待できます。

CINOの立場はそんな判断をするには相応しいジョブタイトルだと言えます。

5、社内調整を推進し意思決定を促進すること。
革新的な事業に乗り出す流れは、社内の風通しをよくして人材の新たな可能性を見出します。

良いと思われるものは成功するように、社内からのサポートを得られるように、CINOが対応します。

また、既存事業に従事していた従業員のモチベーションを向上させるなどの効果もあります。

CINOがインキューベートした新商品に勢いがついた場合、今後の運営のために事業部にうまく引き渡す必要もあります。

こういった活動をしながら、CINOは社長と密接に連携をして、伸ばそうとしているイノベーションが会社の戦略と本当に一致しているのかどうか常に確認することがミッションになります。

■CINOというポジションを設置する際のポイント
社員に新たなアイデアをアウトプットさせる機会を与えることことが必要になります。企業側の姿勢として、従業員が積極的にアイデアを発案したり、社内ベンチャーに参加できる環境を作ることは課題です。

そのためには、会社の方針としてCINOのポジションを作ることで、新規事業に繋がる新たなプロダクト開発への後押しをする意向を示し、協力体制をしっかり構築しなければなりません。

それが会社のサービスとして実際に試作品を増やし、製品開発の実用化へと進んでいく仕組みがあることも、社員のイノベーション参加へのモチベーションを上げることに繋がります。

企業の管理下に置かれる社内ベンチャーにおいては、経営者や上層部の介入はできるだけ少なくし、意思決定や人員配置などの権限は、CINOに一任することが得策です。

企業は、CINOに対して自社の資金やノウハウなどのリソースを積極的に提供し、社内ベンチャーの事業に有効活用させる仕組みを確立させなければなりません。

なぜなら、リスクを恐れてリソースの提供を惜しんでいては、新たな事業の成長を効率的に後押しすることが難しくなるからです。

CINOには、事業のアイデアを創出して具現化するための思考力、実行力が求められます。さらに、経営ノウハウを身に着けることも重要です。

こういった意味で、CINOは、ほかの幹部は会社の現在に日々対応しながら、会社の将来も見据えることができる重要な存在と言えます。

■まとめ
CINOとは、組織一丸となってイノベーション創出にコミットする社内環境を整備するだけでなく、外部とのコラボレーションを推進する役割があります。

CINOを任命している、企業に共通して取り組まれていることは、社員1人1人にイノベーションを起こす当事者である自覚を持たせることを企業文化として浸透させている点になります。

イノベーション人材を増やすためには、大きな組織の中の誰か1人、どこか1部署だけが取り組んでも、現実的には難しいこともお多いと言えます。

やはり、重要になってくるのは、会社全体が一丸となってイノベーションを起こそうと努力することです。

会社のイノベーション創出を担当するCINOのような役職が組織に誕生することは、組織全体としてイノベーションに取り組もうという姿勢の現れの一端になります。

事業開発を成功させ、新たな収益の柱を作り上げるためには、CINOがイノベーションを起こす先頭に立ち、新規事業を牽引するイノベーターになることが飛躍の鍵になります。

CINOを中心に組織全体としてイノベーションを起こすことにコミットした上で、社員1人1人がイノベーション創出の当事者である自覚を持たせられるような環境を整備すること役割が期待されています。

「はじめのうちは特に、自分が知らないことを喜んで受け入れましょう。知らないことがあなたの最大の資産になり、他の人とは全く違うやり方でやることを確実にしてくれます。」

<サラ・ブレイクリー>SPANX 創業者

■最後に
不確実性が増している現代だからこそ、CINOが事業開発のリーダーとしてCEOと共にブルーオーシャン戦略を実行し、今ある経営資源を最大限に活用し新規事業を立ち上げ、新たなる価値の創出を行う必要があります。

スタートアップや一般企業内の新規事業部門に対し、アクセラレーターが支援を行うことにより共創・協業を目指すプログラムを「アクセラレータープログラム」と呼びます

オープンイノベーションを推進するためには、顧問やコンサルタントがアクセラレーターの役割を果たし、外部のCINOとして事業開発をサポートすると効果的です。

また、CINOが社内にいる場合でも、強力なブレーンとなり即戦力となる顧問がいれば、顧問契約をベースに知識や経験、人脈を持つ外部から取り入れることが可能になります。

ライバルからの参入障壁を築くためにもブルーオーシャン戦略には、知識・経験・人脈・ノウハウを持ったプロは、絶対に欠かせない存在だと言えます。

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大手企業やスタートを問わず、様々な業界にイノベーションを起こす新規事業立上げや、競合となる会社とは異なる視点で、競争優位性の高いプロダクト開発の経験が豊富なプロ人材が揃っています。

KENJINSは、オープンイノベーションを推進役となる外部のCINOとして、事業開発の経営課題を抱えている経営者へのアドバイスだけでなく、実行支援を行うことを最大のミッションとしています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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