顧問とは?役員との違いと顧問の意味や種類と役割について

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

スタートアップの起業家や中小企業の経営者は、少ない経営資源で会社経営を行う必要があるため、社長にとって「顧問」という存在は、経営課題を解決し、ビジネスを飛躍するためのメンターとしての立ち位置となります。

顧問とは、経営者の指導者として専門的な知識や経験を活かしたアドバイスや実行支援を行う人の役職のことになります。

ですが、新たに顧問として活躍したいと考えている人でも、役員との違いやポジション、顧問の種類や役割について詳細には分からないという人が多いと思います。

そこで、顧問とは何か、役員との違いと顧問の意味や種類と役割について解説します。

■顧問とは?
顧問とは、企業の経営者や取締役などのマネジメント層からの経営相談や課題解決の依頼を受け、顧問契約を締結した上で、専門的な知識や経験、人脈、ノウハウを活用し、社長の補佐や幹部クラスの指導に当たる役職のことです。

顧問は、業界や特定の企業で培ったビジネス経験をもとに、高度な専門性活かし、経営者のアドバイザーとして、企業価値の向上に向けて課題解決のアドバイスや特定任務の実行サポートを行うプロ人材を指します。

顧問の英語での表記は、「advisor」「Senior Adviser」になります。日本語でも英語でも、経営コンサルタントのような専門家やプロ人材を顧問と呼ぶことが多いです。

会社顧問は、「Corporate Adviser 」、特別顧問は、「chief board advisor」、相談役は「senior corporate advisor」と表現されます。

また、自社の会長や社長以外の取締役が退任後に顧問として仕事を請け負う場合には、「executive advisor」という表現を使うケースもあります。

■顧問の役割と仕事内容
顧問は、社長や経営陣の経営課題を解決することを目的に、会社経営の知見を持つアドバイザーとして登用されています。

現在、中小企業の経営者の間では、顧問の持つ知識、経験、人脈、スキル、ノウハウを活かし、実務的なアドバイスに留まらず、課題解決の実行支援を受ける企業が増えています。

中小企業は、顧問に以下の目的で顧問に仕事を依頼するケースが多いです。

・いつでも気軽に経営戦略などの相談が相談できる。
・特定の課題に対して専門的な助言が得られる。
・トラブル発生や問題悪化などのリスクを最小化できる。
・信用力が高まり社会や取引先に対する信用が高まる。
・経営者や取締役が経営とビジネスに専念できる。

顧問というポジションを設置することは、会社法には規定がないため、それぞれの企業の任意で決まる事項になります。

そのため、仕事内容、期待する役割、ミッション、顧問報酬、社内での待遇、権限、名刺の肩書、顧問契約の期間などは、顧問を登用する企業で自由に設定することができます。

■顧問の仕事の役割と仕事の範囲
これまで市場にコンサルティングというビジネスが定着していない頃は、海外企業の成功事例や海外のマネジメントの方法論を顧問先向けに加工して、情報提供するだけでビジネスが成立しました。

しかし、IT技術の発達に伴って世界中のあらゆる情報を誰でも瞬時に入手できる時代になると、顧問の役割は、情報提供やアドバイスだけでは成立しなくなり、課題解決に必要な実行支援を行うことにシフトしています。

顧問の仕事は、クライアントがプロの手を借りたい業務プロセスの一部を切り出して相談したり、適切なアドバイスを行うだけでなく、積極的に課題解決に関与することが求められています。

従来の顧問は、受け身の姿勢でクライアント企業に対して助言する立場でした。

ですが、人手不足の中小企業の顧問になる場合には、顧問が企業の課題解決に必要な事柄を考え、自身が担う施策を練り上げ、顧問先企業に提案したり、実行サポートすることを期待されています。

顧問のスタンスとしては、顧問先の課題解決に向けていつまでに何をやるか全体を俯瞰して見て、課題解決に必要なアクションをデザインし、優先順位を決定して自ら行動することも必要になります。

どんな施策を行い、どこに人的資源を配分するかを考え、成果にコミットできる顧問には、沢山の会社や経営者から、課題解決の仕事が集中する傾向が高くなっています。

■顧問は役員なのか?
顧問を役員なのか、顧問は登本に登記するのか、顧問料はどの程度が相場なのかが、多くの社長が疑問を持つ部分として挙げられています。

顧問が役員なのか、顧問料の相場について知りたいという質問が多い理由としては、顧問というポジションや扱い方、取引形態が一律ではなく、会社の方針によって大きく異なり、自由に決めることが可能だからです。

顧問という役職は、代表取締役、取締役、監査役、社外取締役と違い、会社法で決められている役職ではありません。

そのため、中小企業が新たに顧問を選定し就任して貰う際には、株主総会や取締役会の決議事項ではなく、顧問の就任が決まった場合には、登記簿登本への登記手続きは、必要はありません。

ただし、上場企業が元取締役を顧問として迎え入れたいケースの場合、待遇や期間などの必要な上限について定款で定めたり、就業規定の中に顧問の報酬体系について記載するケースもあります。

■常勤顧問と非常勤顧問の枠割と勤務形態の違い
顧問の勤務形態は、「常勤顧問」と「非常勤顧問」とに分類されます。

1、常勤顧問
常勤顧問とは、通常の従業員と同じく、1つの会社に専属で会社に出勤して労働する顧問のことを指します。会社に定期的に出社してアドバイスをする顧問になります。

常勤顧問は、出社から退社まで決まったタイムスケジュールで動くことが多く、仕事内容を除けば働き方は通常の社員とほぼ同じになります。

決められた出社時間は社員のように働くケースでは、常勤顧問の場合、「雇用契約」「委任契約」どちらもあり得ます。

雇用契約を結ぶと社員と同じ扱いになるため、顧問としての報酬も社員と同程度の月額報酬の金額になり、社会保険や福利厚生などの待遇を受けられます。

2、非常勤顧問
非常勤顧問とは、アドバイスが必要になったときのみ必要に応じて労働する顧問を指します。

非常勤顧問は、1社専属ではなく複数の会社を顧問先に持ち必要なタイミングで労働することが多く、必ずしも会社に出社する必要がない場合が多いです。

リモートワークが一般的になった今、顧問として出社する必要性が薄れ、仕事内容や労働時間などのワークスタイルは、クライアントとなるプロジェクトの趣旨を鑑み、企業と相談した上で決めるのが一般的です。

非常勤顧問の場合には、仕事内容や稼働日数、スキル、難易度などにより、顧問料の相場にもかなりの差があります。

■内部顧問と外部顧問の違い
顧問のポジションとしては、「内部顧問」と「外部顧問」の二つに分けられます。

1、内部顧問とは?
内部顧問とは、元々、社内にいた取締役や元社員が定年退職後に顧問に就任することを指します。その際、常勤で働く場合もあれば、非常勤で働くケースもあります。

内部顧問に就任する場合、以下の3つのパターンがあります。

1.取締役や監査役の退任した後に常勤役員として顧問になるケース
2.会長、社長、副社長、専務、常務など経営に関わっている役員が兼任するケース
3.元社員が定年退職後に嘱託社員となり、その肩書が顧問になるケース

顧問契約の条件面は、企業と顧問の合意により、任意で自由に決めることが可能です。ただし、株式公開企業や大手企業が内部顧問を専任する場合、取締役会で指名されるなどの方法により決定することも多いです。

大手企業だと取締役から内部顧問に就任する際の待遇は、通常、役員と同じ扱いで高額な顧問報酬になることもあります。

また、内部顧問の場合、常勤顧問は有給ですが、業務にほとんどタッチしない非常勤顧問には無給となるケースも珍しくありません。

2、外部顧問とは?
外部顧問とは、専門知識を必要とする際に外部の専門家を顧問として顧問契約を結ぶプロ人材のことを指します。

また、弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士などと顧問契約を締結するケースも外部顧問という扱いになります。

国家資格を保有する弁護に法務を相談したり、税理士や公認会計士に税務を依頼する等のほか、経営戦略や特定分野の専門知識を持つプロフェッショナルに、専門知識を生かしたアドバイスや実行支援を貰う目的で行われています。

大手のコンサルタント会社と比較すると、外部顧問ならリーズナブルなコストで実務経験を豊富に持つ、その道のプロである第三者から客観的なアドバイスを貰えるという大きな特徴があります。

そのため、現在、外部顧問をコンサルタントとして活用する企業が増えています。

■顧問・相談役・参与の違い
顧問と混同されやすい役職として、「相談役」と「参与」があります。社内での位置づけは、「相談役」と「顧問」がほぼ同じ立場、次に「参与」と考えるのが一般的です。

ここでは顧問と「相談役」、「参与」の違いについて解説します。

1、相談役とは?
相談役とは、会社経営に強く影響する様々な問題に対し、長年の知見をもとにアドバイスや調整を行う役職です。企業経営で起こる突発的な問題に対し、第三者的な視点でアドバイスをするケースが多いです。

経営の意思決定を行う権限なしに経営陣に影響力を発揮することが求められるため、元社長や元会長など、社内の重役が退任後に就任する場合が大半です。

会社法上の役員ではない相談役は「経営の意思決定権を持たない」という点で、役員とは明確に異なります。

顧問に比べて、より名誉職の意味合いの強い役職です。なお、相談役も日本独自の役職であり、会社法上では定められていません。

2、参与とは?
参与とは、その職業での上位等級を指す職位名です。会社によって参与の位置づけは異なりますが、おおむね執行役員や部長級が多く、部長に準ずる役割を担います。

参与は、社内の専門知識を持つ人材に対する、職能資格です。役職のポジションに空きがないときに、役職者と同じ待遇にするという考えのもとに置かれることもあります。

管理職経験者が定年後に就くことが多く、部下などを持たず、単独で専門分野での特定の業務を遂行するケースがほとんどになります。

参与は、専門的な分野で実務を執り行い、経営者を補助するため、意思決定権があります。部長職を離任しても、降格させず、参与として部長級として処遇することで人材の有効活用を担う狙いがあります。

■顧問が役員の肩書を名乗ることもあるのか?
日本の会社法上、株式会社の役員とは、「取締役」「会計参与」「監査役」を指します。

役員は、経営方針や戦略、組織づくりなど、会社経営や業務執行に関する意思決定を行う権限を持ちます。そのため、権限をもたない顧問や相談役とは異なります。

ただし企業によっては、役員と顧問もしくは相談役を兼任するケースもあります。この場合、会社法上は役員として登記されて経営に参画します。

取締役会を設置している会社の場合、取締役は最低3人必要になります。

親族経営の会社の場合、新たな取締役が見つからず、役員の人数が足りない場合に、元々、取締役であった人が、取締役の地位を保持しながら、顧問として兼任するというパターンもあります。

中小企業の創業者が、60歳を超えて世代交代を目的に、二代目社長にポジションを譲り代表取締役の退いても、「取締役」として登記を残したまま、顧問や相談役といった立場で経営に関わるケースも良くある話です。

このような場合、顧問や相談役は立場上、取締役として登記された状態になりますので、会社法上では役員に該当します。

通常、顧問というと外部の専門家に依頼することが多いですが、社長や会長など社内の重役が退任後に顧問に就任するケースもあると言うことです。

■内部顧問の弊害と問題点
株式公開を果たした企業や業界の大手企業などで、顧問というポジションを設けている場合、長年培ったノウハウや人脈を持った人物に経営の指南を受けられるというメリットがあります。

ですが、反対にデメリットもあるのは事実です。顧問契約を行うデメリットとしては、「内部顧問」というポジションであることが問題で、引き起こされるケースが殆どになります。

内部顧問は、創業者や社長、取締役などマネジメントの経験者が就任する形になるため、現役の引退後も現職の社長や取締役よりも権力を持ってしまうことも少なくありません。

そうなると現職の社長や、取締役は、若手時代に役員だったような長年の元上司に意見を言うことが難しくなり、本来は、立場的に経営陣に対して、様々な意思決定に口を出す権限が無いはずの顧問が、強大な権限を持ってしまうことが起こります。

内部顧問は、長年業績に貢献してきた人に名誉職としてポストを与えることが多いため、従来のビジネスモデルの大きな改革や古い体質にノベーションを起こすという観点から、マイナスの影響を及ぼすことがあります。

そのため、大手企業では、コンプライアンスの観点から内部顧問の役割を問題視し、制度自体を廃止する企業も増えてきています。

一方で近年では、外部から顧問を積極的に活用する会社が非常に増えてきています。

■企業が外部から顧問を登用する5つのメリット
顧問を活用するメリットとして、以下のものが挙げられます。

1、事業スピードの速さに対応することができる。
近年、テクノロジーの進化により、事業の変化スピードは加速し続けています。企業経営やビジネスサイクルも、よりスピ―ディな舵取りを求められるようになりました。

経営の多角化、市場ニーズの多様化、技術革新が進む現代においては、短いサイクルで事業や製品の変化が急速に起こる可能性が増しています。

そのような現代社外では、専門性や知見を有した人材を顧問として契約することで、社内でノウハウを一から貯める必要なく、スピード感ある企業経営やビジネス展開が可能になります。

2、コンサルティング契約より柔軟な対応して貰える。
近年、多くの企業がコンサルタントや顧問を活用して、事業を拡大しています。ですが、コンサルタントに相談すると「報酬が高いかもしれない」どハードルが高いイメージはありませんか?

コンサルティングの契約は、通常、主に業務範囲や成果物、納期で契約する業務委託契約です。

業務委託契約は、契約内容を納品するまで成果は保証できる反面、契約中に追加で発生した問題に対しては別契約となるので、コストが増えるリスクがあります。

顧問契約であれば、必要に応じて的確なアドバイスや指導などを貰える柔軟性があります。

3、社会的信用や取引先に対する信頼度が高まる。
顧問に求める専門的知識は会社によって異なりますが、おおまかには経営や税務、会計、労務、法務などの分野に分けられます。

例えば、弁護士と顧問契約を結べば、企業としての信用力が高まります。中小や零細企業にとっては、弁護士の有無だけでも信用力が変わるでしょう。

顧問弁護士との契約で法令順守をアピールできます。弁護士は法律の専門家であり、顧問契約を結んでいれば「この企業は法律やコンプライアンスをきちんと守っている」と認めて貰えるようになります。

中小企業はどうしてもステータスを低く見られがちですが、顧問弁護士がいるだけで取引先や金融機関などから立派な企業であると評価してもらえるようになるでしょう。

業界で権威がある人材に顧問に就任して貰うことで、専門的な知見やアドバイス、指導を受けられれます。社会的信用や取引先に対する信頼度の向上や、社員のモチベーションアップにも繋がります。

4、専門的かつ客観的なアドバイスが得られる。
各分野の専門家から的確なアドバイスや支援、指導を受けられます。外部顧問は、法務、税務、営業窓口開拓など、テーマに沿って深い専門性や知見、経験を有しています。

企業が強化したいテーマを一から学習するより、その道のプロフェッショナルの力を顧問という形で借りることで、無駄なくスピーディに専門的な視点を得られるようになります。

また、外部の人材ゆえに、客観的な視点から問題を指摘してくれるため、しがらみにとらわれないアイデアや本質的な課題解決策を見出せることがメリットです。

第三者の意見は、理論的、論理的に善悪を決める上で、冷静に決めれる意見となります。第三者の意見、とは、解決すべき物事に対し、利害が無いため、感情的にならない、という事が多いのです。

5、社内にはない知見や人脈を活用できる。
顧問という名称は付いていますが、外部顧問は内部顧問と違って課題解決に必要な知見と提供するプロ人材という立ち位置になるため、忖度することなく、必要な専門性を求めることができます。

社内では持ちえない知見に加え、顧問の人脈を借りた新規開拓や大企業との提携など、顧問の持つネットワークをトラクションの獲得に活用できることも魅力です。

顧問の人脈を「トップダウン営業」として活用すると、「信頼の高い人」というフィルターを通しますので、全くニーズがない開拓先へのアピールに時間を取られることが減ります。

結果として受注率が上がるため営業の合理化へと繋がり易くなります。社内では解決することが困難な問題が発生した場合でも、顧問が持つ広い知見を得ることで、スピーディな問題解決に繋がります。

■企業が顧問と顧問契約を行うデメリット
顧問を活用する際のデメリットとして、以下のものが挙げられます。

1、優秀な外部顧問を独自に探すのは大変
自社のビジネスの課題解決にマッチする顧問を企業が独自に探すには、多くの時間と労力、コストが掛かります。

顧問は正社員とは異なり、フリーランスという立ち位置になるため、1つの会社に就職するためのリクルーティング活動とは大きく異なります。

2、人気の顧問は複数の顧問先を持ち忙しい。
顧問は、1つの会社に専属で契約するケースは少なく、クライアントとなる企業から人気の高い顧問は、複数の顧問先と既に契約をしています。

多くの知識・経験・人脈を持つ、即戦力となる顧問は、業界の中でも限られています。

沢山の企業が希少価値が高く、数少ない有力な顧問にオファーを出している場合、自社の顧問を引き受けてくれるかどうかは、企業の魅力度と顧問報酬の条件次第となるケースもあります。

3、顧問としての実力を見抜くのが難しい。
顧問の候補者とは、契約前に書類選考や面談を行うのが一般的です。

その際、経歴や実績は確認しやすいものの、自社の組織文化にカルチャーフィットし、企業の課題解決に寄り添う視点で、顧問の役割を担って貰えるかどうかは、顧問やプロ人材ごとに大きく異なります。

最近では、オンライン面談が普及しているため、1時間程度の限られた時間の中で、企業側の顧問への期待と条件を擦り合わせながら、お互いの相性を判断するのはそう簡単ではないと言えます。

そのため、企業の要望に応じて最適な人材をアサインする顧問紹介会社やフリーランスエージェントが活躍しています。

■雇用契約と顧問契約・業務委託契約の違い
会社法上の役職ではない顧問は、法律の規定がないため、契約形態はそれぞれの企業に任されています。

外部顧問の場合には、正社員とは異なり1社専属という概念が無く、複数のクライアント企業に関与することが可能です。そのため、常勤、非常勤を問わず、雇用契約ではなく業務委託契約を結ぶのが一般的です。

業務委託契約とは、委託者となる企業が自社の業務の一部を外部に委託する際に、受託者との間で締結する契約です。

業務委託契約は、雇用契約とは異なるため、委託者と受託者の立場としては、対等な立ち位置になります。受託者は委託者の指示によらず、自己の裁量で業務を行えます。

雇用契約とは、「民法623条」により定義されている労働供給契約の1つです。

具体的には、当事者である労働者が相手方に使用されて労働に従事し、使用者である相手方は、その労働に対して賃金を与える約束をする契約のことです。

ただし、常勤の顧問で会社法上の役員ではない場合には、雇用契約を適用できるケースもあるとされています。

■顧問は社会保険に加入できるのか?
契約形態により社会保険加入の可否が変わります。

雇用契約:加入が認められる。
委任契約:社会保険の資格は取得できない。

また60歳以上であれば社会保険の同日得喪が可能となります。これは、定年後の再雇用制度と同様の扱いです。

60歳以上の従業員が定年退職した後1日も空けずに再雇用された際、事業主との使用関係が一度中断したことになるため、一度退職扱いとなります。

そのため、健康保険・厚生年金保険の資格はなくなりますが、再雇用とともに任意で資格を再取得できるのです。

■顧問料は給与の支払になるのか?
顧問料は、業務委託の報酬という扱いになるため、給与とは異なります。給与については、正社員としての雇用契約の場合のみ発生します。

非常勤顧問の場合、通常は委任契約となるので、顧問料は給与の支払にはなりません。

・委任契約の場合 個別に取り決めた顧問料が報酬として支払われる。
・常勤顧問で雇用契約を結んでいる場合 給与が支払われることもある。

■顧問料の相場と顧問報酬の目安
顧問料は、委任契約か雇用契約か、内部顧問か外部顧問か、常勤か非常勤か、何の分野についてアドバイスするのか、個人の能力や経験、人脈などによって、大幅に変動するというのが実情です。

1、内部顧問の顧問料の相場
内部顧問は、常勤と非常勤に分かれますが、両者の違いは、労働時間の長さで区別されることが多い傾向にあります。

一概には言えませんが、一般的に常勤と非常勤の違いは、以下になります。

・常勤顧問:フルタイム(1日8時間)で週5日勤務
・非常勤顧問:1日8時間で週3日、1日5時間で週5日など、フルタイムの勤務時間に満たない場合

依頼する企業側が主導権を持つ場合が多いので、その企業でどのような立場にあり、どの程度の年収だったかのかが、内部顧問としての顧問報酬の目安になります。

2、外部顧問の顧問料の相場
外部顧問は、複数の会社の顧問になることも可能になりなるため、5社から10社の顧問先を兼任する人も多いです。

既に複数の企業の顧問に就任しているのであれば、各社との契約内容や特定の企業で締結した顧問報酬の金額が、外部顧問としての顧問料の相場になるとも言えます。

■職種別の顧問料の相場
稼働頻度や業務の難易度によって変動するのが一般的です。スキルが必要で専門性が高い分野であれば、顧問料は上がる傾向が高くなります。

・経営顧問:月額20万~100万円
・戦略顧問:月額30万~60万円
・IT系顧問:月額40万~60万円
・財務顧問:月額30万~60万円
・人事顧問:月額10万~50万円

【プロジェクトやスポットの顧問料の相場】
・プロジェクト型契約の場合:相場は年間120万円~400万円
・アドバイザリー契約の場合:月額5万~50万円
・時間契約・スポットコンサルの場合:1時間1万5,000円~3万円

■まとめ
企業における顧問とは、役員とは異なる立場で、豊富な専門的知識や経験をもとに経営上のアドバイスを行う役職になります。顧問は会社法で定められた、株主総会や取締役会での決議事項でなく、登記が必要な役職ではありません。

顧問契約の内容は、顧問にどのようなアドバイスを求めたり、何の仕事を委託するかどうかにより、勤務形態、報酬、業務内容などは企業のニーズによって異なります。

企業の発展に繋げるために、明確な目的を設定した上で顧問のポストを設けることが可能です。

顧問には、大手企業の元管理職や元役員だけでなく、経営コンサルタントや税理士、公認会計士、弁護士、社会保険労務士など、外部の専門家がプロ人材として就くこともあります。

これまで顧問というと、国家資格を持つ士業や大手企業を60歳以上で定年退職したOB人材がアドバイザーとして就任するケースが殆どでした。

ですが、最近の傾向としては、30代、40代、50代で特定の分野のフリーランスのプロ人材や副業として実務を担うプロ顧問が増えています。

フリーランス大国のアメリカでは、コロナの対策の影響により、スキルを提供するフリーランスの40%が、パンデミックの始まった時よりも時給や報酬が上がっていると回答しています。

世界的に外部人材の需要が継続して上昇する中、フリーランスの顧問やプロ人材にとって成功のチャンスは、日本でもかつてないほど高まっています。

特に若手のIT系のフリーランスは、リモートワークの浸透と、正社員を増やすことなく、ハイスキルなプロ人材を活用したい企業の要望が増えたことにより、世界的な時給上昇の波が押し寄せ、ビジネスの課題解決の需要増加の両方で、最も恩恵を受けていると報告されています。

■最後に
海外では、より多くの労働者が、フリーランスは報酬が高く、柔軟性に富み、金融、マーケティング、プログラミングなどの高度な技術者に門戸を開いているキャリアパスであることに気がついています。

フリーランス経済のお陰で、プロフェッショナルとしての知見やスキル、人脈を持つ顧問も国内でも海外でも居場所を問わず、強みや得意分野を活かすことが可能な時代になりました。

得意分野とする仕事内容を見極め、関与する顧問先の数を増やしながら、自分の人的資産を活かした価値ある仕事をすることができ、様々な企業に貢献することができます。

顧問という仕事は、クライアント企業に対して、アドバイスを行うだけに留まらず、課題解決に向けた実行支援を実施し、その対価として、顧問報酬を頂戴するといったものにシフトしています。

顧問やコンサルタントは、皆同じ業務を果たすモノではなく、様々な業界や特定の分野に精通したプロ人材がコンサルタントとして、それぞれの組織が抱えている問題を解決に向けて積極的に関与しサポートして行きます。

多くのプロジェクトでは、企業の予算がある程度は定まっていますが、顧問報酬の相場を鑑み、月間の稼働頻度により顧問料が概ね決まる形になります。

■顧問紹介会社を活用する際の注意点
現在、大手の顧問紹介会社がエージェントとして介在している場合、クライアント企業が支払う顧問報酬やプロジェクトの担当となる顧問の顧問料の金額は、全て顧問紹介会社が一律で定めていることが大きな問題になっています。

つまり、顧問紹介の多くが顧問料の相場をコントロールしており、企業が支払う顧問料に対して50%を超える中間マージンを搾取している会社がほとんどになります。

そのため、経営課題の解決や特定の事業課題の解決に顧問を活用したいが、顧問料が高額で敷居が高く、使いたくても使えない中小企業やベンチャー企業が非常に多いと言えます。

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例えば、中小企業の支援案件としては、以下のようなプロジェクトがあります。

【顧問案件の例】
・過去にお勤めの企業や取引先のキーマンの紹介
・クライアント企業の新規事業・部門の立ち上げ
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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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