CKOとは?CIOとの違いとCKOの仕事内容と役割について

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

終身雇用制度が崩壊しつつある今、「暗黙知」が失われることや、働き方改革の推進による知識の「属人化」を防ぐことを目的に「ナレッジ経営」の重要性が高まっています。

ナレッジ経営とは、社員がもつ知識や経験、ノウハウを企業内で共有して企業全体の生産性や競争力、企業価値を高めていく経営手法です。

価値ある情報をデーターとして保存し、ノウハウの共有化したり、CXOの一人として「ナレッジマネジメント」を担う「CKO」の役割が重要になりました。

今回、CKOとは何か、CIOとの違いとCKOの仕事内容と役割について解説します。

■CKOとは?
CKOとは、英語で「Chief Knowledge Officer」の頭文字を取った略称になります。CKOは日本語で、「最高知識責任者」を意味するポジションを意味します。

営業スキルや技術的なテクニック、様々なプロセスで伝承したい知見やスキルなど、企業の有する卓越した知見をデータとして保存し、長年培ったノウハウを組織内で共有することで、企業価値の向上に生かす「ナレッジマネジメント」を統括する役職です。

価値ある知見の保存し、従業員教育に効果的に生かすことにとって、ノウハウが伝承され企業価値が最大限になるよう、知見を共有する仕組み作りに対して、トップマネジメントとして責任を持つCXOのことを指します。

CKOは、以下のようなことに対して責任を持ちます。

・知識管理を指導する企業全体の構成を展開する。
・企業内での知識の行動指針を活動的にさせる。
・価値ある知識の構造基盤の発展を管理する。
・暗黙知を企業内で共有し、情報伝達を促進させる。

売れる営業ノウハウなど、組織が重視する情報や後世に必要とする知識などを把握した上で、従業員に対して知識の蓄積やノウハウの共有、スキル向上の意識改革を促していく役割を担います。

■CKOが求められる背景
CKOは、組織が重視するものや、必要とする知識などを把握した上で、社員に対して知識の想像や普及・意識改革を促していく役割を担います。

CKOは、社員1人1人が有する知識やノウハウを組織内で共有しつつ、企業価値の向上に生かす「ナレッジ経営」の戦略策定を担う役職です。

「ナレッジ経営」とは、各従業員が個別に持つ知識やノウハウを財産として捉え、組織のナレッジとして保管・共有していく経営手法です。

こうした役割を担うCKOの役職を導入していない企業では、組織の掲げる理想の「ナレッジ経営」を社員に受け入れられやすい形に落とし込むことが容易ではありません。

なぜなら、「ナレッジ経営」が成果を上げるためには、従業員一人一人が「ナレッジを相互に共有していく」という意識を持つことが欠かせないない要件になるからです。

知識に基づく競争優位を確立するためには、企業全般にわたって知識やノウハウを管理し活用する戦略に対して責任を持つ「CKO」の役割が重要になります。

■ナレッジマネジメントとは?
ナレッジマネジメントとは、従来個人が持っていた「暗黙知」となるベテランの経験知識や熟練工のスキルなどを企業内で共有しすることを指します。

新たなイノベーションを起こす技術革新の促進と生産性の全体的な向上を目指すための管理手法です。ナレッジマネジメントにおいて、最終的に重要な役割を果たすのは、「CKO」の知見になります。

ナレッジ経営を組織内に根付かせるためには、組織の構成員が次の3つの要件を満たす必要があります。

・物事を部分ではなく、全体の枠組みの中で客観的に捉え、その本質を把握する。
・従業員全員が自律型人材として行動し、自己実現を目指し自己啓発を行うこと。
・状況に応じて古い世界観やイメージを捨て去り、新しいパラダイムに移行する。

組織の「ナレッジマネジメント」の責務を担う「CKO」には、上層部の意向を反映しつつ、従業員が一丸となって参加しやすい形で「ナレッジ経営」を導入することが求められます。

■CKOとCIOの違い
CKOは、CIOと異なりシステム系の情報戦略立案したりマネジメントするポジションとは異なります。

CIOとは、「最高情報責任者」という意味合いがあります。主に社内の情報システムの構築や運営に関する技術的な役割を担います。

CKO:社内外のノウハウやの共有をベースに「ナレッジ経営」を担う
CIO:ITを活かした経営戦略の立案など、「情報技術」の施策を担う

CIOは、企業のDX推進、デジタルシフト、情報システム戦略的なニーズが高まるにつれ、重要度が高まっている役職になります。

【CIOの詳細はコチラ】
CIOとは?CTOとの違い・最高情報責任者CIOの仕事内容と役割

一方、CKOは、社員の持つ知識をデータ化し、ノウハウを管理・共有する役割も担うことから、「ナレッジ経営」を実現するために欠かせない存在になります。

企業の顧客対応部門やカスタマーセンターなどが得た情報の取り扱いも、CKOの管轄に含まれます。CKOという役職を設置することで、顧客から寄せられた意見や苦情をデータベース化することも効果的です。

苦情だけでなく、顧客ニーズや要望を全社員で即座に共有・伝達できるようにすれば、大事な経営資産となる「顧客の声」をフィードドバックできます。

営業でトップセールスのノウハウを共有することができれば、人材育成や売上を上げるために必要な組織開発にも直結します。更に、顧客ニーズを新たなプロダクト開発に生かし、顧客満足度の向上につなげることも可能になります。

■CKOの仕事内容と役割
ナレッジマネジメントの考え方において重要なのが「暗黙知」と「形式知」という組織がもつ知識の分類であり、いかに「暗黙知」を「形式知」に変えていくかが鍵となるでしょう。

1、ナレッジマネジメントを推進する
CKOの主な役割は、社員1人1人の持つ知識・ノウハウ・情報などの「暗黙知」を組織全体で共有し、企業価値の向上に生かしていくの戦略を立てることです。

暗黙知:個人がもつ蓄積されてきた知識やノウハウ、長年の勘
形式知:言葉や文章で表現された「知識」や、データ、マニュアル

ナレッジマネジメントの戦略策定に際しては、組織の経営方針・目標、必要とする知識などを把握しつつ、1つの部門内に滞留してしまいやすいスキル・ノウハウを集約することが大切です。

その上で「暗黙知」を「形式知」にすることで、全社員に共有することが求められます。

暗黙知を言葉や文章で表現したものが形式知となり、企業内で活用できます。

2、ナレッジ経営を推進する。
CKOは、CEOを含めた経営陣と社員の二つのメリットを反映させる仕組みを作り、従業員の持つ知識やノウハウをまとめて管理・共有していくナレッジマネジメントの役割を担います。

「暗黙知」を「形式知」(文章や図表、数式などによって説明・表現できる知識)へと転換することで、組織的に共有できれば、さらに高度な知識を生み出すことに繋がります。

組織全体を知的に進化できるというのが「ナレッジ経営」の基本的な考え方です。

各社員の持つ知識・ノウハウを言語化し、企業のナレッジとして1箇所に集約・活用して行くためには、CKOが経営手法に沿ったの情報の保管、共有ツールを導入することも必要になります。

また、CKOが社員の個人的学習により革新的思考を引き出したり、社員が率先してナレッジを共有したくなるような評価制度を作り、内発的動機付けを作り上げることも大切だと言えます。

3、人材を育成しスキルを高める。
ルーティンワークでマンネリ化しやすい現場を活性化し、新たな発想が生まれるような改革意識を促します。

そのためには、CKOが以下のようなナレッジマネジメント・モデル構築プロセスを作り上げる必要があります。

・課題と目的の明確化: (ヒアリング、文書電子化、重要文書管理)
・収集、蓄積: (アンケート、データベース構築、一時的/恒久的保管)
・共有化:(エンタープライズサーチ、Q&Aサイト、掲示板など)
・可視化 体系化: (カテゴライズ、業務と情報の関連付け、取捨選択)
・知識化: (情報交換活性化、ベストプラクティスとテンプレート化)
・新しい知識 創造:(水平展開、情報や知識同士の連結)

このことから、CKOは、組織(上層部)の掲げる理想を、社員が参加しやすい形に落とし込むための高度な能力が求められる役職です。

■まとめ
CKOは、「chief Knowledge officer」の略語です。企業内における知識やノウハウ、情報などを管理する責任を担う「最高知識責任者」のことを指します。

CKOは、ナレッジ経営の戦略立案から実践にまで関わるCKOは、ナレッジが適切に共有される組織を作るために欠かせない存在です。

経営者目線と従業員目線のどちらの視点も持つことができる高度な人材であることが求められます。

CEOCTOCBOCINOCHROがいてもCKOのポジションを設置していない場合、組織は「組織としての理想のナレッジ経営」を従業員に受け入れられやすい形に落とし込むことが出来ません。

価値ある情報の共有や人材育成を推進する上で大事な情報資産を有効活用が出来ないことになります。

なぜなら経営陣が率先して社内にノウハウや価値ある情報を共有する目的や文化が浸透していないと、社員が情報を保存し共有するモチベーションが湧かず、意味が薄れる結果となってしまうからです。

ナレッジ経営を実現するためには、知識武装の戦略立案のみならず、情報の蓄積と共有する社内文化の変革と、トップマネジメントが欠かせない要件になるため、その役割を果たすCKOが欠かせない存在になると言えるのです。

「知識への投資は、常に最大の利益『ベストパフォーマンス』を生む。」

<ベンジャミン・フランクリン>

■最後に
終身雇用制度が事実上の崩壊を迎え、雇用形態の多様化が進んだ現代社会では、伝統的な「暗黙知」の自然継承に任せているだけでは、企業全体の知の総和量を維持するのが困難になっています。

CKOというポジションを任命すれば、暗黙知を形式知へと転換・集積することができるため、労働者の質を短期間に向上させたり、従来は現場でベテランから自然継承されてきた技術の継承を短期化・高密度化させることも可能になります。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、知識・経験・人脈・スキル・ノウハウという人的資産を豊富に持つ、5000人を超えるフリーランスの顧問や副業のプロ人材をネットワークしています。

KENJINSは、業界トップクラスの様々な分野のプロが持つ知見を活かし、CKOという立ち位置で、組織の中で規範となるべき優秀な社員の行動や思考を形式知化の支援を推進しています。

顧問契約をベースに社内の知識や経験をナレッジとして共有する仕組みを構築し、組織全体のスキルの底上げを推進する文化作りの実行支援を行っています。

ノウハウを伝承する知見を持った顧問やプロ人材が、CKOとしてプロフェッショナルな思考パターンや行動パターンを形式知化し、データベース化することで、社員の能力向上させ、業務の効率化を図り、売上アップを実現します。

例えば、優秀な営業マンの「勝ちパターン」をさまざまな面から分析し、暗黙知から形式知への転換をすることを社内ルール化し、「成功の方程式」を共有することに繋げて行けば、他の営業マンの営業力を底上げし売上向上が実現できます。

そして、業務で培った貴重な知見を活かしオペレーショナル・エクセレンスに成功すれば、組織全体で「ナレッジ経営」に繋げることが可能になります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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