CAOとは?CMOとの違いとCAOの仕事内容・役割について

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

データ解析という仕事が会社を経営のトップであるCEOの意思決定をする上で、中心的な役割を果たすようになる中、CAOのを任命しデータのガバナンスに取り組むことは、経営改善や新たなイノベーションを起こす上で不可欠な構成要素となっています。

ビッグデータは、企業の飛躍的な収益増に役立つ「金脈」になります。

なぜなら、CAOが中心となり価値あるデータを解析することで、誰も思いついたことが無かった「ビジネス・インサイト」を掘り当てられる可能性が高まるからです。

そこで今回、CAOの意味とは何か、CMOとの違いとCAOの仕事内容・役割について解説します。

■CAOとは?
CAOとは、英語の「Chief Analytics Officer」の略語になります。CAOの日本語の意味としては、「最高分析責任者」を指します。

CAOは、CEOやCOOなどの経営陣のさまざまな意思決定の局面において、データに基づいて合理的な判断を行えるように意思決定者をサポートすることが職務になります。

CAOは、トップマネジメントの1人として「データサイエンティスト」を束ね、「マーケティング部門」や「IT部門」などの利害関係者を結び付けることが責務となります。

全社的なデータエコシステムを作り上げるためのより良い戦略策定に向けて支援を提供する新たなミッションを担います。

他のCXOとの連携を図り、社内の部門を横断し、データ分析やデータアナリティクスの幅広い文化を醸成するというのが、CAOの役割となります。

CEO(最高経営責任者)やCIO(最高情報責任者)のような、「CXO」の名前が付くことからも、CAOの役割の重要さが分かると思います。

■CAOが誕生した背景
10年前にデータ解析に注目する企業は、BtoCのビジネスモデルの一部に限定され、POSデータなどの顧客データを解析し、商品開発に活かすような企業はそう多くはありませんでした。

ここ数年ビックデータの解析のニーズが高まってきた背景には、ライバルとの競争環境が激しさを増したことや、顧客の購買行動の変化、既存顧客を重視するようになった企業の姿勢の変化があります。

ビッグデータの価値に気付いた企業が増えた今、「データアナリティクス」の市場が成長と進化を始めた結果、CAOを任命する企業が増え、それらの役割は時代を経て大きく進化しています。

価値あるデータはもはや、IT部門が事後に処理すればよいものでは無くなりました。

組織にとってビックダータは非常に重要な情報になりますが、それらのデータを分析するには、クリエイティブな好奇心を持ち、ハイテクの発想を利益創出の新たな方法へと変換するスキルが求められます。

「CAO」という役割のルーツは、学術界にもあります。大学では数年前から、プログラマーであると同時にチームプレイヤーでもある人材を経営者が求めていることに気づき始めました。

こうした要請に応じて講義内容を調整する教授たちが現れ、ノースカロライナ州立大学高度アナリティクス研究所などのように、次世代の「データ・サイエンティスト」を養成するための課程が設置されるようになりました。

現在では米国各地の大学で同様の課程が60以上も提供されています。

■CMOとCAOとの違い
CMOとは、「Chief Marketing Officer」(チーフマーケティングオフィサー)の略称であり、日本語で直訳すると「最高マーケティング責任者」となります。

部署を横断してマーケティング戦略を検討し、実行する立場にある役職です。

一方、CAOには、データアナリティクスのトップを担うデータ分析力が求められます。顧客の行動や商品・サービスの売れ行きなどのデータを分析し、次の施策を決めなければならないからです。

データアナリティクスとは、データ資産を最大限に活用し、迅速かつ的確な意思決定を行い、業務効率化とコスト削減を成し遂げ、未活用のデータから新たな収益源の発見をする仕事になります。

■CAOの仕事内容と役割
現在、データサイエンティストやアナリティクスはデジタル変革の基盤となりました。

アナリティクスが業務上の意思決定で中心的な役割を果たすようになる中、CAOによるデータのガバナンスとスチュワードシップはイノベーションにおける不可欠な構成要素となっています。

【CAOの仕事内容】
・データを可視化するアナリティクス戦略の立案
・データを生かすためのアーキテクチャの構築
・データの有用性を保証するアシュアランス
・データのディスカバリー環境の構築
・データを意思決定に生かすデータ駆動型企業文化の育成
・データ資産管理のためのデータガバナンス
・データからビジネスを生むマネタイゼーション
・データ品質の確保

CAOの役割に関しては、どの組織にも共通する確たる職務内容が決まっているわけではありません。

しかし、以下に示すような職務はCAOが担当する可能性が高いと言えます。

・統一性のない大量のデータの収集と、より利用しやすいフォーマットへの変換
・ビジネス課題をデータ主導型の手法を用いて解決
・SAS、R、Pythonを含む幅広いプログラミング言語による作業
・統計情報の的確な理解(統計的検定と統計的分布を含む)
・分析手法に関する最新動向の把握
・機械学習、ディープ・ラーニング、テキスト・アナリティクスなど
・IT部門および業務部門とのコミュニケーションとコラボレーション
・データに潜む秩序やパターンの発見と、ビジネスの最終利益に寄与する傾向の特定

■CAOが必要な企業
CAOというポジションを設置する前に、現状の課題や組織について幾つかの点を見極める必要があります。

1、大量のデータを扱っており複雑な課題を解決する必要を抱えているか?
CAOを中核にデータ・サイエンティストを本当に必要としている組織には2つの共通点があります。

・膨大な量のデータを日々、管理していること。
・難しい課題に日常的に直面していること。

典型的なのは、金融、官公庁、製薬などの業種です。

2、データに価値を置いているか?
CAOのポジションを置く必要があるかどうかの判断には、組織の文化も影響を及ぼします。アナリティクスをサポートする環境が整っているでしょうか?

経営幹部の賛同は得られているでしょうか?そうではない場合、CAOへの投資は、資金の無駄遣いにしかなりません。

3、変化を受け入れる準備ができているか?
CAOとして働くようになると、分析に基づく経営陣への進言を真剣に受け止めてもらえることを期待し、少しでも自分の仕事が実を結ぶ様子を見たいと考えるでしょう。

組織が優れた成果を上げる方法を見つけるために時間を費やすのですから、これは当然のことです。

ただし、そうした適切に欲求が満たされるかどうかは、CAOが導き出した知見を積極的に業務に反映させるという点について、組織側の態勢が整っているかどうかに依存します。

■CAOと任命する際のポイント
データアナリティクスを活用すれば、ビジネスにイノベーションを起こし、まったく新しい収益源を見つけ出し、これまで想像もしなかった製品や提案を生み出すことができるようになります。

それはいわば、新しい強力な武器を手にするようなものです。

しかし、データに基づてビジネスの意思決定を導くために「CAO」を任命することは、組織によっては大決断であり、そのような場合は、組織全体の足並みが揃うまでにも時間がかかります。

ですから、組織が適切な考え方をしており、かつ、変化を受け入れる準備が整っている必要があります。

多くCAOは、統計担当者やデータ分析担当者としてキャリアをスタートしています。統計解析やITのスキルに加えて、ビジネスや市場トレンドなど幅広い知識が求められます。

■まとめ
CAOとは、「Chief Analytics Officer」の略で「最高分析責任者」もしくは、「最高アナリティクス責任者」という意味を持ちます。

データを用いて経営課題を解決したりデータ分析から経営課題を発見したりすることを主な業務とするポジションです。

企業が抱えるビッグデータを、自社のビジネスに戦略的に活用する役割担います。

分析部門において、統括をする役割を担います。データを分析することによって経営課題を発見したり、データを用いて経営課題を解決したりするために設置されます。

現在、保険金融や医療分野の企業に増えています。

データを利用してビジネスにイノベーションを起こすためには、大量に溢れるデータを集約することが必要です。集めたデータを優れたインサイトを生み出すためのデータ資産として活用するには、データに誤りがあってはなりません。

データ品質の確保は、確かなデータガバナンスから始まります。

データは体系的に整理され、データ間に関連性があるだけでなく、正確で理解可能なものでなければなりません。

「優れたマーケティングは新しくて秀逸なアイデアを生み出す力と、ビッグデータの分析から最新のトレンドやセグメントを探知する力を土台としている。」

<フィリップ・コトラー>

■最後に
現在、大手企業にとって資産価値の高い「ビックデータ」をどのように扱うかは、企業にとって業績を左右しかねない大きな問題です。

例えば、ビックデータは、企業の売上予測や天気予測などへの利用が考えられるでしょう。

毎月・毎年の売上を学習することで、今後の企業の売上傾向を予測します。また、これまでの天気を学習すれば、雨雲が出てきた場合には降水確率が上がるなどというデータがAIによる「機械学習」で予測が立てられるのです。

機械学習の手法として良く聞くのは、「ディープラーニング」です。機械学習とはAIを支える技術で、AIをより「知能を持つ機械」に近づけてくれる技術だと言えます。

CAOが活躍するフィールドは、AIシステムの必要な企業と密接に関係しています。なぜなら、どちらも膨大なデータの蓄積があって初めて役に立つ機能になるからです。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、有名企業でのデータアナリティクスの経験者や、AIシステムの構築、機械学習のマネジメントに携わっていたシステム顧問や技術顧問が集結しています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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