他者と効果的なコミュニケーションを図る上では、表情や顔色、声のトーン、話す速度、ジェスチャー、視線、ボディランゲージなどは、言葉以上に大きな役割を果たします。
こうした非言語コミュニケーションをビジネスマンの多くは無意識に使い、必要に応じて自身の感情を表現するシーンで意識的に使い分けています。
そこで今回、ボディランゲージとは何か、非言語コミュニケーションが大事な訳について解説します。
「非言語行動は、他人がどう見るかだけでなく、自分で自分のことをどう思い、どう感じるかも決めるのです。」
<エイミー・カディ>
■ボディランゲージとは?
ボディーランゲージとは、音声によらず身振りや手まね、顔の表情などで相手に対して自身の感情や意思を伝えることを指します。
英語では、「body language」と表記されますが、日本語では、感情表現の方法を意味し、身体言語と定義されています。
基本的に「非言語コミュニケーション」、「ノンバーバル・コミュニケーション」と同義語ですが、非言語行動、身振りなどと同じ意味合いを持ちます。
この定義からは、ただ相手へ自分の意思を伝えるための行動もしくは、身振り手振りで伝える方法のように感じられますが、ボディランゲージには様々な意味や意義があります。
「ボディーランゲージ」は、コミュニケーションの大きな部分を占めています。
しかし、大半の人は、非言語コミュニケーションについての知識がないようです。ボディランゲージは、見方さえ分かっていれば、人を理解する上で沢山の情報を得ることができます。
UCLAの研究では、人はコミュニケーションをする際、人のことを7%を言葉から、38%を声のトーンから、残りの55%をボディ・ランゲージから理解しています。
Talent Smartによる調査によれば、EQ「エモーショナル・インテリジェンス」の高い人は、仕事で高いパフォーマンスを出す傾向があることが分かっています。
■非言語コミュニケーションとは?
非言語コミュニケーションとは、言語に依らないコミュニケーションのことを言います。英語では「non-verbal communication」「ノンバーバル・コミュニケーション」や「Silent messages」「サイレントメッセージ」とも呼ばれています。
ボディランゲージや言葉でメッセージを書くといった言葉を使うコミュニケーション以外の意思伝達方法を指します。
2012年に社会心理学者のエイミー・カディが、TEDカンファレンスで「ボディランゲージ」に関するスピーチを行いました。
簡単に自信がつく「パワーポーズ」や、ボディランゲージがいかに行動に作用するかを論議した彼女の講演は、TEDが始まって以来、最も再生数の多いビデオの一つになっています。
エイミー・カディの研究によれば、ボディランゲージを変えることで、日常生活をより有意義な方向に変えることができるのだそう。
人前でのプレゼンテーションを行う際など、緊張したり、自信が持てないようなシーンでも、意識的に自信が溢れるポーズを取り、表現することで自分自身を変えられると語っています。
非言語コミュニケーションは、スタートアップの起業家や中小企業の社長など、ビジネスを通じて多くの人を動かすことが求められるリーダーにとっては、事業の成長を左右する程、非常に重要な要素になります。
なぜなら、あらゆる企業には、様々なステークホルダーがいますが、リーダーが話をする際の声色や表情、間の置き方などによって、受け手に与える印象を大きく左右するからです。
非言語コミュニケーションを上手く活用することで、プレゼンテーションや商談、部下との面談、人材採用時の面接などのコミュニケーションが円滑に行えるようになります。
■ボディランゲージの2つの機能
非言語コミュニケーションである「ボディランゲージ」には 2 つの機能があるとされています。1つは自己指向的機能で、もう1つは他者指向的機能になります。
1、自己指向的機能とは?
自己指向的機能とは、話し手の発話生成を促進する機能でイメージの検討や言葉の選択を促すのに役立つ認知的機能です。
話し手にとって言語化や表現のしにくい概念、または話し手の語彙力の手助けをする機能が「自己指向的機能」になります。
2、他者指向的機能とは?
他者指向的機能とは、聞き手の理解を助けるための機能で、社会的機能と言われています。
話し手が話している内容や言葉の意味を、聞き手に分かりやすく解釈させるために役立つ機能が「他者指向的機能」になります。
■ボディランゲージの3つの効果
非言語コミュニケーションは大きく分けて「話の内容を補完する」「相互に信頼できる関係の構築」「相手への理解を深める」といった効果をもちます。
ボディランゲージの3つの効果について具体的に説明していきます。
1、話の内容を補完できる。
非言語コミュニケーションは、言語コミュニケーションと組み合わせて使うことで、言葉だけでは伝えられない気持ちや意思を補完する効果を発揮します。
言葉に合った「ボディランゲージ」を行うことで、相手に気持ちが伝わりやすくなります。
例えば取引先に初めて新商品の説明をする時、話しながら机の上の資料を探すように手を動かしていると、聞いている人は「新商品のこと、分かっていないのかな」と不安になります。
相手の表情を見ながら胸を張って話すと自信を持って新商品を勧めていることが伝わります。
例えば、強調したい部分を大きな声でゆっくりと話すことで、相手に大事なことを話しているという印象を与えたり、相手との距離を詰めることで、相手に仲良くなりたい・好意的に思っていることを伝えたりできます。
非言語コミュニケーションの効果を理解し、意識的に活用することで言葉にプラスしてポジティブな印象を与えたり、言葉の説得力を強める効果を得ることできます。
2、信頼関係を築きやすくなる。
非言語コミュニケーションは、相手との信頼関係の構築にも役立ちます。
例えば、友人と話が盛り上がってくると自然と声が大きくなり、座る感覚が狭くなりがち。これは相手に共調することで声が大きくなり、安心感が増したことで距離が近づいているのです。
具体的には、目を見て話をする、背もたれに寄りかからずに身を乗り出して話を聞く、真剣な表情で話すなどといった態度を示すことで、相手に関心を寄せているという気持ちを表すことができます。
いずれも無意識ですが、気持ちが「ボディランゲージ」となり表れています。
視線や表情は特に無意識に動いてしまうものです。無表情で「ありがとう」と言われても嬉しい人は少ないと思います。
このように非言語コミュニケーションを上手く活用し、相手にポジティブな印象を与えることで、相手との信頼関係を築くことができます。
3、相手を深く理解できる。
非言語コミュニケーションには言葉には出てこない感情が現れるため、相手を深く理解することにも効果的です。
意図的に「ボディランゲージ」を使うことで初対面の人とでも早く打ち解ける、話題が盛り上がるなどコミュニケーションスキルがアップできます。
例えば、部下に何か指示を出した際、部下が笑顔で「分かりました」というのと不満げな顔で「分かりました」と言ったのでは、納得の度合いが違うことが分かります。
言葉だけをとらえるのではなく、非言語コミュニケーションにも着目してコミュニケーションを取ることで、言葉の裏に隠れた相手の感情や意思に気づくことができ、相手への深い理解につながります。
ボディランゲージを行うと相手に安心感が生まれます。心を開いて相手のことをいろいろ教えてくれることでしょう。
言葉だけでなくボディランゲージを使うことで良好な人間関係が実現できるのです。
■メラビアンの法則とは?
メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて、言語・聴覚・視覚から受け取る情報がそれぞれ異なった際に、言語情報(Verbal)が7%、聴覚情報(Vocal)が38%、視覚情報(Visual)が55%の影響があるとした「心理法則」です。
メラビアンは、人間は他人とコミュニケーションを取るとき、言語・聴覚・視覚の3つの情報から相手を判断している定義しました。
メラビアンの法則は、情報が相手に与える影響の数字の割合を取って、「7-38-55ルール」とも呼ばれています。
・言語:7%
・聴覚:38%
・視覚:55%
この比率を見ると、言語情報はたった7%しか影響を与えていません。
中には表情や声のトーンが良ければ言葉が下手でも好印象を与えられる?と解釈する人もいるでしょう。
しかし、スムーズなコミュニケーションには、言語、聴覚、視覚すべてが表す内容に矛盾がなく、ボディランゲージを含めた3つのバランスが取れていることが必要なのです。
「Silent messages」「非言語コミュニケーション」では、感情を伝えるコミュニケーションにおいて、言語・聴覚・視覚から受け取る情報が異なる際は、聴覚・視覚からの情報の影響が強くなります。
そのため、アルバート・メラビアンによれば、非言語コミュニケーションが大切であると結論づけられています。
■非言語コミュニケーションのビジネスでの活用法
非言語コミュニケーションをビジネスで活かすにはどうしたらよいのでしょうか?
クライアントとの商談、部下との面談、採用面接の3つのシーンを例に挙げて、非言語コミュニケーションの活用法を考えていきましょう。
1、商談・プレゼンテーション
同じ商品でも、営業マンによって、高く売れたり値引きさせられたりするのはなぜでしょうか?
売れる営業は、言葉で伝える情報だけを意識するのではなく、ボディランゲージによる身振り手振りや声のトーン、表情などを話の内容に即して変化させることで、より相手とのコミュニケーションがスムーズにしている点になります。
セールスは、「人間対人間」の人間心理に基づく取引です。
人間心理に通じる「行動特徴」や「心理法則」を利用することで、商談時の折衝、プレゼンテーションスキルを高め、顧客からの信頼を獲得し、成約率の向上につなげることは、誰にでも可能だと言えます。
クライアントや取引先との商談では、相手に対し、安心感や期待感を持って欲しいものです。相手の感情や隠れたニーズをボディランゲージでくみ取るために、相手の非言語コミュニケーションにも着目するといいでしょう。
このような場合の非言語コミュニケーションの活用法としては、下記のことが考えられます。
・服装や身だしなみを整え、清潔感をアピールする。
・笑顔でハキハキと話す。
・重要なポイントを話すときは間の取り方を意識し、ゆっくりと話す。
・身を乗り出して話を聞く。
・席の配置を工夫し、適切な距離感を取る。
・相手に与えたい印象を狙ったインテリアにする。
2、部下との面談
1on1ミーティングという対話の方法が注目されています。1on1は、振り返りを通じて部下の成長を促進することが目的です。
上司が報告を求め、指摘するような「管理のための時間」ではありません。部下の現状や悩みに寄り添いながら部下の能力を引き出す「部下の育成のための時間」なのです。
そのため、1on1が終わったあとに、部下が「話してよかった」と思えることが、まず第一のゴールになります。部下との面談では、部下の悩みや本心を聞き出したいと考えるでしょう。
このような場合の非言語コミュニケーションの活用法としては、以下が挙げられます。
・笑顔でゆっくりと話す。
・真剣な表情で話を聞く。
・適度に相づちを打つ。
・距離感を少し近づけて親しみやすさを演出する。
・面談の場所に配慮し、話しやすい環境を作る。
・敵対を意味する腕組みはしない。
当然のことですが、親しみやすさを演出しようとして、部下との距離を縮めすぎたり、不適切なボディタッチをしてしまうとハラスメントにつながってしまうので、注意が必要です。
ビジネスのスピードや上司・部下の関係性が変化している中で、1on1は部下が本来持っている能力を開花させてあげる手段のひとつになります。
短期的に見れば効果が見えづらいかもしれませんが、中長期的な視点で見ると、上司・部下双方にとって、メリットがあると言えます。
部下の反応や表情をボディランゲージでよく観察するなど、部下の「非言語コミュニケーション」に注目することで、部下の本心がより理解できるようになります。
3、採用面接
FBIの捜査官は、ボディランゲージについて徹底的な訓練を受けるそうです。なぜなら、尋問のときに、相手のボディランゲージを読み取ることは非常に重要であるからです。
視線、足の向き、身体の開き具合などをヒントに、相手の言っていることにどれだけ信憑性があるか、まだ隠していることはないか判断するのです。
採用面接では、応募者の適性を見極め、どのような考えを持った人物かを知りたいと考えるでしょう。
そのためには、応募者の緊張を和らげ、応募者の本来の力が発揮できるように、面接官が高圧的にならず、穏やかな印象を与えるような非言語コミュニケーションを活用しましょう。
例えば、以下のようなことが挙げられます。
・猫背にならず姿勢よく話を聞く。
・ゆっくりと笑顔で話す。
・適度に相づちを打つ。
・目を見て話を聞く。
・社風に合った服装を選ぶ。
身体は口ほどにものを言います。相手の本音や仕事への興味、人間性など見抜く際には、話す内容だけでなく、話すときの表情、身振り、手振りにも注意しましょう。
また、腕組や髪を触るなど、ネガティブなボディランゲージは面接時には避けて、面接のときは、身体を若干開き気味にし、手のひらを見せてポジティブなボディランゲージを心がけましょう。
面接官は応募者にとって会社の顔です。この会社で働きたいと思って貰えるように、非言語コミュニケーションも意識してみることで、優秀な人材の確保につながります。
■非言語コミュニケーションを使う際のポイント
「目は口ほどに物を言う」という古い諺が日本にはあります。目に喜怒哀楽の感情が最も表れることから、口で言葉にしなくても、目つきから相手の気持ちが分かるという意味です。
英語圏では目もさることながら、ボディランゲージによるコミュニケーションが盛んに行われています。
一説によると、言葉の内容以外の非言語情報が人に影響を与える割合は90%以上を占める、と言われています。
非言語コミュニケーションは、伝達内容をコントロールするのが難しいという特徴があります。時に隠したり、コントロールしようとしている感情さえも、露わにしてしまいます。
より本能的なコミュニケーション方法であるといって良いでしょう。だからこそ、他者の真意を読み取るときには、言語よりも非言語的な情報が頼りになるのです。
しかし、非言語コミュニケーションの解釈は、民族や文化、社会などが異なる場合、必ずしも同じであるとは限りません。文化や地域によって、非言語コミュニケーションの頻度や形式はさまざまな種類が存在するということも覚えておきましょう。
クライアントや取引先の担当者が外国人の場合、ジェスチャーや距離感によって、狙った効果と別の印象を与えてしまう可能性があります。
文化の違いによって意味が異なる非言語コミュニケーションを理解し、注意を払う必要があると言えます。
■まとめ
「非言語コミュニケーション」は、言葉によるコミュニケーションに加えてボディランゲージで、意思や感情を伝えたり、人間関係を良好にすることに役立ちます。
社内でのコミュニケーションでは、相手の話にただ相槌を打つのではなく、表情や仕草でも、相手の話に興味を持っていることを示すようにしましょう。
営業時の商談や交渉をしている際に気になるのは、相手の気持ちが「イエス」「ノー」どちらの方向に傾いているかではないでしょうか。
たとえ口には出さなくても、ボディランゲージや仕草を丁寧に読むことで商談相手のホンネは掴めてきます。
Web会議やテレワークの普及により、テキストコミュニケーションもそうですが、画面を通して対面するコミュニケーションも増えてきました。
非言語的コミュニケーションを駆使したボディランゲージは、直接対面する以外にも、テレワークでのWeb会議やオンライン研修などの場面でも活用することができます。
1対1、1対多を問わず、より深いコミュニケーションを取るためには、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」に矛盾がなく、バランスを取ることが肝になります。
非言語的コミュニケーションを意識して活用し、3つのV「Verbal」「Vocal」「Visual」を一致させることで、互いに補完しあった時に一番メッセージが伝わりやすくなります。
■最後に
大手企業を対象として営業活動における最初のプロセスは、見込客のキーマンを探してファーストコンタクトを取る「アプローチ」を行いアポイントをどのように推進するかが一番難しい部分になります。
BtoBのビジネスモデルで法人営業が必要になるスタートアップの場合には、購買金額や購買頻度の高い、大手企業の役員クラスや購買の意思決定を行う決裁者とのリードを獲得するまでのプロセスを最適化することが、売上を上げる最大の鍵になると言えます。
このような際に、営業顧問という存在があれば、アポイントの獲得が可能になるだけでなく、スタートアップの起業家によるプレゼンテーションのシーンで、ボディランゲージを駆使しながら、商談に同席くれた顧問からトスアップをして貰うことも可能です。
ですが、フリーランスとして関与する顧問の場合、正社員の営業マンと比較すると、月間の稼働日数が非常に少ないため、費用対効果が低く、課題解決に結び付かないと言われるケースがあります。
それは、大手の顧問紹介サービス会社が、顧問報酬をコントロールし、担当する顧問が得る顧問料の中から50%を超える中間マージンを搾取していることが、稼働頻度と商談の結果に対して大きく影響を与えているからです。
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