大手企業を対象とした法人営業を成功させるためには、顧客の担当者ではなく、顧客のキーマンとなる決裁者にいかにしてへアプローチをすることが重要なポイントになります。
その理由としては、いくらプロダクトが優れており、積極的な営業活動を行ったとしても、キーマンである決裁者と商談をしないと、決裁の前段階で断られてしまうケースは珍しくないからです。
そこで今回は、キーマンとは、営業では決裁権のあるキーマンとの商談が重要な訳について解説します。
■キーマンとは?
キーマンとは、大手企業の社長や役員クラスなど組織や団体などの重要人物を指します。特定のプロジェクトや事業部においては、その会社の経営資源をマネジメントする中心人物というニュアンスになります。
キーマンとは英語で、「key man」と表現されます。キーパーソンは英語で「key person」になります。日本語で表現すると「カギとなる重要人物」を意味します。
法人営業におけるキーマンとは、特定のプロジェクトの予算を掌握しており、ビジネスを進めるにあたって重要となる人物のことになります。
あらゆる企業にはキーマンが存在していますが、中小企業の場合だと社長になるケースが多くなります。キーマンは、ビジネスを推進する上で知識や経験、人脈を十分に保有していたり、会社の資金を使うための予算や決裁権を持つ取締役や役員クラスを指します。
■BtoBビジネスは、キーマンとの商談が大事な訳
BtoBビジネスは、担当者が「Yes」といっても受注になりません。特に大手の法人企業が自社に製品・サービスを導入するには、担当の方個人の意思で決定することはほぼありません。
そのため、法人営業においては決裁権を握るキーマンをいち早く見極めて、アタックすることが重要になります。
特に大手企業の場合には、決裁権のない担当者にいくら営業を掛けても最終的に提案している商品やサービスを買ってもらえない場合が多いからです。
その理由としては、多くの会社の場合、事業部決裁、役員決裁、社長決裁などによる社内稟議をハードルを通過して、最終的には決裁者、いわゆるキーマンの了承を得る必要があるからです。
大手企業を対象とした企業間取引の場合、より沢山の成果をあげていくためには、最終GOALである決裁者となるキーマンにいかに多く接触し、製品・サービスの魅力を伝える商談をどれだけ増やせるかが重要な鍵になるのです。
法人営業に携わる社長の皆さんは、トップダウンで受注が決まった、あるいは失注したという経験が一度はあるかと思います。
法人営業において「誰と商談をするか」は、非常に重要な要素と言えます。
そのため、『新規獲得が順調な会社や売れる営業はキーマンとの商談率も非常に高い』といっても過言ではありません。
■受注できるかは誰と商談するかで決まっている
自社でテレアポをする多くの営業は、企業リストの作成後すぐにテレアポをしてしまいがちで、キーマンアプローチを徹底できていないのが現状です。
運良くキーマンに接触できる場合もあるかもしれませんが、それでは中々安定した成果となる案件化率や成約率を高めることは出来ません。これは数字を追いかける営業にとっては致命的な問題です。
また、間違った方にアプローチをすると、受注までかなり長い道のりを歩くこともあります。「一度お会いしたご担当者様が窓口になってしまい中々キーマンとお会いすることができない・・・」こんな経験はないでしょうか?
法人営業はだたでさえ受注期間が長いことが多いため、これも営業にとっては問題です。
これを防ぐためには、アプローチの前段階でその部門におけるキーマンが誰なのかを把握し、最終的にはその人物とコミュニケーションを取る必要があります。
特に大手企業を新規開拓する場合には、キーマンが誰になるを把握することが大事だとされています。キーマンと商談を行うこと条件面を調整したり、説得することを「キーマンを押さえる」という表現をすることもあります。
これらの問題を解決するためには、商談の機会を創出するテレアポの時点から「誰にアポイントを取るか」を徹底的にこだわって望む必要があります。
■キーマンは、会社や業界ごとに異なる訳
キーマンの探し方は、自社の製品・サービスの決裁者となる方がどのような部署の方で、どのような役職の方が多いのか、過去の受注経緯から分析することから始まります。
1、自社サービスの特性から、キーマン像を考える
法人営業において「キーマン」とは、製品・サービスの導入を決定する人、すなわち決定権者のことを指します。
また、多くの場合決定権者と予算を執行する「決裁者」は同一であるため、法人営業ではキーマンと決裁者はほぼ同一の意味で使われています。
それでは、ここで言うキーマンとはいったいどんな方か。まずは自社の製品・サービスの検討者がどのような部署の方かを分析する必要があります。
人材系のサービスであれば人事部の部長、セキュリティシステムであれば情報システム部の部長、アクセス解析ツールであればマーケティング部の部長、大雑把に言うとこんな具合です。
2、企業規模や組織構成からキーマンを見極める
それでは、どうやってキーマンを探すのか?
結論から言うと、企業の”規模”、”組織構成”、”歴史”によって、キーマンがいる部署や役職は異なってきます。
例えば、「社員数500名の上場企業」と「社員数50名の中小企業」にそれぞれ人材サービスを営業する場合、キーマンはどちらとも人事部の部長でしょうか?
おそらく前者は人事部の部長が、後者は社長が、それぞれキーマンになると思います。従業員が多い企業では部署単位で権限移譲されている場合が多く、従業員が少ない企業であればトップダウンの風土が強くなるのがその理由です。
3、購買の責任者をプロファイリングする
キーマンへのアプローチを徹底したリストが成約率の高いリストになるのは想像のとおりですが、実は、”アポ率の高い営業リスト”になるということもあります。
その理由としては、現場担当者は日々の業務や数字に追われ、中々新しいことを検討する時間がありませんが、キーマンは往々にして効率化やコストカット、次の戦略を考えており、いつでも情報収集する態勢ができているからです。
そのため、キーマンを分析する際は部署や役職だけではなく、企業ごとに分析をする必要があります。
分析方法としては過去の成約事例から「どのような部署」の「どのような役職の方」がキーマンであったかを調べることです。その上で、企業規模や組織構成、歴史といった情報を加味し、分析していくことが重要です。
■キーマンへをチェックをする際の3つのポイント
特に気をつけてチェックをする3つのポイントをご紹介します。
ただし、製品・サービスによっては当てはまらないこともあると思いますので、あくまでひとつの参考としてご覧下さい。
1、企業規模
従業員の数が200人以上の規模になると、決裁者が社長ではなく役員や担当部署のトップになるケースが多くあります。
・従業員数200名をひとつの基準とする
・200名を境に最終決裁者が社長でなくなるケースが多い
・200名以上は役員or事業部長 / 200名以下は社長にアタック
200人以下の場合には、社長に直接商談をした方が、話がスムーズにすすむケースが多いです。
2、組織構成ついて
組織図を確認することによって、指揮系統が分かる場合もあります。
・組織図の有無をチェック
・対象部署は社長直下かそうでないか
・検討に関わってきそうな部署は他にあるか
・会社概要で役員が複数人存在するか
・複数人存在する場合いずれかが決裁者である可能性が高い
例えば、対象部署が社長直下の場合には、社長がキーマンになるケースが多いですし、検討にかかわる部署が複数ある場合には、キーマンが対象部署のトップではないこともあります。
また、会社概要で役員が複数人いると、いずれかが決裁権を持っている可能性が高いといえます。
3、歴史について
注意したいのが一族経営の場合です。
・一族経営かどうか
・一族経営の場合、社長or同じ名字の方がキーマンの可能性が高い
社長や、同じ苗字を持つ方がキーマンの可能性が高いので、歴史や沿革についても確認をしておきましょう。
■まとめ
キーマンとの商談機会を設定することができれば、大型受注などの効果が期待できるので、その費用対効果は絶大で再現性の高い手法になります。
特に大手企業を対象とした営業において決裁者とアポイントを獲得することは、必須と言っても過言ではありません。
顧問の人脈ネットワークや人的な古い繋がりを通じて、大手企業の重要な決定権を持つ社長や役員クラスなどのエクゼクティブ層へ直接アプローチする戦略は、商談の短縮化に繋がります。
営業の効果がなかなか上がらないとお悩みの方は、大手企業の取締役や事業部長などのキーマンや、ターゲットとする業界の人脈やネットワークを豊富に持つ営業顧問を活用することで決裁者であるキーマンに絞って商談を進めてみてはいかがでしょうか。
■最後に
ターゲットのリストアップをどんなに頑張ったとしても、最終的に問題になるのは、企業のキーマンへのアプローチ方法です。
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その理由としては、現場担当者へのアプローチに時間をかけるより、経営層へ直接アプローチする方が意思決定が早く、導入後の展開もトップダウンでスムーズに展開できるため、無駄な交渉を減らすことができるためです。
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