終身雇用が崩壊した現在の日本では、卓越したスキルを武器にプロのフリーランスとして独立する選択肢を選ぶビジネスマンが増えています。
激動の時代では、本業をベースに知識・経験・人脈やノウハウという人的資産を活かし、副業に従事しているビジネスマンも非常に増えています。
仕事で求められるスキルは職種ごとに異なります。しかし、職種に関わらず共通して必要な三大スキルがあります。
それは、「問題解決」「コミュニケーション」「マネジメント」のスキルになります。
業種や職種に関わらず、あらゆる会社で通用するエグゼクテイブ人材になるためには、「ポータブルスキル」を磨く必要があります。
そこで今回は、ポータブルスキルとは何か、副業・独立にポータブルスキルが大事な訳について解説します。
「努力して結果が出ると自信になる。努力せず結果が出ると驕りになる。努力せずに結果も出ないと後悔が残る。努力して結果が出たとしても経験が残る。」
<山里亮太>
■ポータブルスキルとは?
ポータブルスキルは、性格や人柄など、資格や経験だけでは図り切れない能力を評価するための基準です。そのため、ポータブルスキルとは、特定の業種・職種・時代背景にとらわれない能力になります。
ポータブルスキルは、英語で「transferable skills」と表記されます。日本語では、移転可能なスキと表現され、「持ち運びができるスキル」という意味があります。
例えば、真面目さや積極性、几帳面さなど、その人のことを表す性格や人柄などの評価をいいます。資格などのように、明確な基準がないことが特徴です。
ポータブルスキルとは「持ち運び可能な、仕事をする上で重要な能力」と定義されています。
その人自身に備わっている能力なので、自由に持ち運ぶことができるということで、たとえ別の業種、職種に移ったとしても活用することが可能です。
このことから、「どんな仕事にも持ち込むことが可能な汎用性の高いスキル」=「ポータブルスキル」だと言えます。
■ポータブルスキルはなぜ必要とされるのか?
入社から定年まで一つの会社で勤め上げる、つまり終身雇用が当たり前とされていたこれまでの日本では、社員が入社後に会社の業種に即した内容で経験を積み、地位や給料を上げていきました。
しかし、時代が進むにつれて転職が珍しいものではなくなり、雇用の流動はいまだ進行し続けています。
また、IT化の浸透にあわせてグローバル化が加速し、国内外の企業との競争に勝ち抜かなければならず、特定の能力だけでは対応し切れない状況も増えているのです。
このような傾向が強まるにつれ、各企業では特定の業種にこだわらず幅広く活躍できる人材を求めることになっています。
ポータブルスキルを重要視した採用活動や人事考課を取り入れるケースが増加しています。
決断力や判断力、場に沿った行動が取れる社員ならば、技術的なスキルは経験を積むにつれ身につけることができます。
また、ポータブルスキルを持つ社員の場合、能力を発揮できる仕事に制限がなく、どのような分野でも活躍ができる可能性が高いため、会社の状況に合わせて雇用をすることが可能になるというメリットがあります。
現在の日本では、転職することが一般的になり、生涯にわたって同じ企業に勤めるという人は少なくなりました。
また、経験の無い新しい業界や業種に挑戦したりしたり、フリーランスとして独立したり、スタートアップを自ら起業をする可能性あります。
働き手がキャリアを積む過程で転職を重ねるというスタイルは、もはや一般的となっています。
このような背景もあり、「専門的なスキル」に加えて、「どんな企業・業界でも役立つスキル」を磨き、自己啓発に投資することがより重要になっているのです。
■ポータブルスキルの能力別分類とは?
ポータブルスキルがどのような能力を指すかということについて、簡潔に言い現わすことはできません。能力の種類に応じて、「 対人力 」、「 対課題力 」、「 対自分力 」の3つに分類されます。
■対人力
対人力とは、その名の通り相手とコミュニケーションを取る際に求められる能力のことです。この能力を把握することで、その社員が組織の中でどのような立ち位置を取りながら職務を遂行していくかが分かります。
なお、対人力を細分化すると、「主張力」「否定力」「説得力」「統率力」「傾聴力」「受容力」「支援力」「協調力」の8種類に分けることができます。
さらにこれらをグループ別にすると、以下の2つに分類できます。
1、「主張力」「否定力」「説得力」「統率力」が強い…主張や説得で推し進めるタイプ
2、「傾聴力」「受容力」「支援力」「協調力」が強い…相手の意見に合わせるタイプ
前者・後者のグループは正反対の意味合いを持ち、双方をあわせもつ人はほぼ見られないという特徴があります。
1、主張や説得で推し進めるタイプ
自分の見解をためらわずに伝えることができ、それを納得させるだけの行動力を持つタイプです。
自身の思考を外部に発信できる「主張力」、相手の意見に指摘をする「否定力」、相手を説得し、納得をさせることができる「説得力」、リーダーシップを発揮し的確な指示ができる「統率力」を持つ人が当てはまります。
このようなタイプの人は相手の考えに対する意見や批判をはっきりと伝えることが可能で、組織をまとめていく傾向があります。
2、相手の意見に合わせるタイプ
相手の意見や希望をじっくりと聞き、受け入れることができるタイプです。
相手の話に耳を傾けることができる「傾聴力」、相手の意見を受け入れる「受容力」、相手に対して配慮ができる「支援力」、集団での行動を取ることができる「協調力」を持つ人が当てはまります。
場の空気を読むことに長けており、手助けやサポートが進んでできる傾向があります。
■対課題力
対課題力とは、その名の通り課題解決力のことです。
仕事をするにあたって生じるさまざまな問題を解決するための対応能力であり、問題を解決するまでの時間や仕上がった仕事の出来栄えが異なることに特徴があります。
なお、対課題力を細分化すると、「試行力」「変革力」「機動力」「発想力」「計画力」「推進力」「確動力」「分析力」の8種類に分けることができます。
さらにこれらをグループ別にすると、以下の2つに分類できます。
1、「試行力」「変革力」「機動力」「発想力」が強い…クリエイティブ思考タイプグループ
2、「計画力」「推進力」「確動力」「分析力」が強い…論理的な思考タイプ
こちらも対人力の場合と同じく、前者・後者のグループは正反対の意味合いを持つという特徴があります。
1、クリエイティブ思考タイプ
いわゆる、右脳の働きが強いとされているタイプです。自身で課題を見つけ、解決までの道のりを進んでいくことが可能で、臨機応変な対応を得意とします。
また、新しい考え方や物事に敏感で、取り入れることができるという長所を持ち合わせています。
こちらには前述の、少ない材料の中で判断することができる「試行力」、これまでの常識にとらわれない考えを持つ「変革力」、状況に沿って迅速に動ける「機動力」、新規のアイデアを企画できる「発想力」を持つ人が当てはまります。
2、論理的な思考タイプ
いわゆる、左脳の働きが強いとされているタイプです。一つの物事を深く掘り下げ、じっくりと推考する傾向があります。
点在した情報をまとめ、手順を踏みながら作業を進めることが可能で、一つひとつを確実に実行する能力に長けています。
こちらは、的確に順序立てた計画を立てる「計画力」、目的に向けて邁進することができる「推進力」、正確性の高い作業ができる「確動力」、物事に対して深く掘り下げた思考をすることができる「分析力」を持つ人が当てはまります。
■対自分力
対自分力とは、その社員自身が取る行動や抱く考え方などをコントロールする際に発揮する傾向のことです。
この傾向を把握することで、社員の性質を見抜くことができ、長所を生かす職務に就かせる方法や、弱点の克服を目的とした人材配置に役立てることが可能となります。
なお、対自分力を細分化すると、「決断力」「曖昧力」「瞬発力」「冒険力」「忍耐力」「規律力」「持続力」「慎重力」の8種類に分けることができます。
さらにこれらをグループ別にすると、以下の2つに分類できます。
1、「決断力」「曖昧力」「瞬発力」「冒険力」が強い:即決派
2、「忍耐力」「規律力」「持続力」「慎重力」が強い:慎重派
こちらも対人力、対課題力の場合と同じく、前者・後者のグループは正反対の意味合いを持ちます。
1、即決派
自分の意見を発信することが得意で、判断までの時間が短いタイプです。一度決めたことを曲げないという意志の強さを持ち、リスクを恐れず進んでいくことができます。
また、不安要素も把握した上で、集中して職務を遂行する能力も持ち合わせています。
こちらには、優れた洞察力を持ち迅速な決定ができる「決断力」、不明瞭な状況を受け入れる「曖昧力」、短い期間で集中できる「瞬発力」、リスクの高い物事にチャレンジする「冒険力」を持つ人が当てはまります。
2、慎重派
じっくりと検討をし、時間をかけて判断を行うタイプです。秩序を重んじる傾向があり、確実性の高い方法で仕事を行います。また、辛い状況に陥っても耐えうる能力があり、継続して物事を進めることを可能としています。
こちらには、辛い状況に耐えうる「忍耐力」、ルールに沿った行動ができる「規律力」、長時間集中し続けることができる「持続力」、落ち着いて的確な行動が取れる「慎重力」を持つ人が当てはまります。
■まとめ
近年のコロナウィルスの影響で業界そのものが大きな打撃を受け、会社の業績が急速に悪化した会社も多いです。
また、グローバル化や新しい技術の発達によって、様々な業界で今までなかった事象が起こる可能性がある「VUCA」時代といえます。
いつ、何が起こるか予測がつかないからこそ、日頃からポータブルスキルを意識して仕事に取り組む必要があります。
ポータブルスキルが高い人であれば、必ずしも経験や資格がなくても、会社のビジョンに沿った考えを持ち、職務遂行能力が高い人材であれば、どの会社でも通用します。
なぜなら、業種や職種の垣根を越えて通用する、ポータブルスキルを持った人物なら、企業文化やビジネスへの関わりを通じて一緒に成長する度合いも早く、戦力となる可能性が高いはずだからです。
人材の選考時に評価するべきこととしては、技術的なスキルや経験は、プロ人材の能力を判断するために有効な基準です。
更にこの基準にポータブルスキルを加えることが大事になっています。
その理由としては、性格や人柄、仕事の進め方、仲間との関わり方など、特定の業種・職種・時代背景にとらわれない能力が、様々な企業の成長に欠かせない要素になっているからです。
■最後に
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多くの経験を積んでいたとしても、決断力や判断力に欠ける経営者の場合、人材の採用に時間がかかるケースがみられます。
そのため、正社員の採用シーンに限らず、顧問やプロ人材などのフリーランスとの顧問契約を検討する場合でも、ポータブルスキルを基準とした採用活動を行うと良いでしょう。
業界トップクラスの顧問やプロ人材などのフリーランスや副業人材の採用活動を行う前に、理想とする経験値やスキル、人脈に加え、理想とする人物像をポータブルスキルとして明確化して置くことです。
加えてジョブ・ディスクリプションを明確にすることで、会社の求める人材を獲得することが可能となり、顧問契約のミスマッチを防ぐことができるのです。
更にエージェントを活用することで、経験値や資格の有無を基準とした場合と比べ、より効果のある選考をすることができる可能性があると言えます。
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