振り返りとは?パフォーマンス向上に定期的な振り返りが有効な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

ディ・ステファノの研究によれば、1日の終わりに15分間かけてその日の学びについて、「振り返り」を行なったビジネスマンは、行わなかった人に比べて、10日後には23%もパフォーマンスの向上が見受けられたという検証結果があります。

二刀流としてメジャーで活躍中の大谷翔平選手は、二つの大きな目標を達成するために、必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを「振り返り」、そのメリットを効果的に活用したことで成功を収めたとも言えるでしょう。

そこで今回、振り返りとは何か、パフォーマンス向上に定期的な振り返りが有効な訳について解説します。

■振り返りとは?
振り返りとは、人材育成の分野において「自分自身の仕事や業務から一度離れてみて、仕事の流れや考え方・行動などを客観的に内省すること」を意味します。

振り返りは、英語で「review」(レビュー)、「lookback」(ルックバック)になります。日本語では、「内省」という意味合いで「reflection」(リフレクション)と表現されることもあります。

振り返りは、仕事をする中で、失敗したこと、成功したこともすべて含めて見つめ直し、行動のプロセスと結果の中から、成功の秘訣やキーファクターという気づきを得て、新たな行動へとつなげる「未来志向」の方法論になります。

例えば、振り返りを行うことが圧倒的な成果に結び付く例としては、スポーツで試合をした後、学校でのテストの結果、社会人として取り組んだスキルアップを仕事で活用した後など、多様なケースで効果的に活用することが可能です。

ビジネスにおいては、施策や実務を推進した後のフィードバックを行うことで、PDCAサイクルを回転させ、実践を通して得た貴重な「経験」を学びとして、成果に繋がる「行動」に転換していく時間を作ることが「振り返り」による「内省」の効果を高める最大のポイントになります。

■振り返りの目的
振り返りでは、「間違い」や「ミス」だけにスポットを当てるのではなく、成功した点や上手く行った出来ことにも着目することで、取り組みに対する自信を高めることにも非常に役立ちます。

俯瞰的な的な視点からフラットな視点で振り返り、客観的に自分が起こしたアクションの結果を分析し、定期的に見つめ直すことで、パフォーマンスを向上に繋げることを目的にしています。

例えば、スタートアップの起業家や中小企業の社長の場合、ビジネスで重要な決断や前向きな取り組みを実行した後に、一層の結果を出すために、以下のような「振り返り」を定期的に行い、次の行動へとフィードバックすることが飛躍の鍵になります。

・現状はこうなっており、結果はこうなった。
・それまでに自分はこんな行動をしてきた。
・もう少し上手くいく方法はあっただろうか?

仕事でパフォーマンスを上げるためには、働く中で現状も振り返りつつ、自分の考え方や行動の結果を踏まえ、検証し今後の戦略や戦術をどうすべきか考え、次のアクションに繋げて行くことが成功を掴み取る上で、振り返りを行うことが、「勝利の方程式」を導き出す上で、最も重要な「内省」になると言えます。

■振り返りと反省の違い
振り返りと混同されがちなのが、反省になります。反省も「振り返り」と同様に自分の行動に対して、振り返ります。

しかし、反省は失敗や間違いに対して、行われる点が大きな違いです。

反省:原因や責任の所在を明らかにしなければならない場合もある。                振り返り:失敗にも成功にも行い、人の行動の責任追求が目的でない。

振り返りは、あくまで現状より良い結果を出すことを目的に、考え方や行動パターンを改善することで未来を変える「成功の方程式」を導き出すことを重視し、士気を高めることを見据えて行います。

■振り返りを行う効果

1、個人のパフォーマンス向上に直結する。
リフレクションは個人で行うことができます。客観的にアクションの内容や結果がどうだったかを振り返ることで、「新たな発見」と「大きな気づき」が得られます。

個人としてそれぞれが行動を振り返り、新たな気づきや改善が行われることで、仕事への取り組む姿勢が活性します。

そのため、仕事やスポーツなど様々な行動の改善することやパフォーマンスの向上に繋がります。

2、日々の業務の仕方に行動変容が起こる。
考え方が変化することで、行動自体にも変化が生まれ「行動変容」に繋がります。

行動変容とは、スタートアップの起業家であれば、社長としての目標の達成やビジョンの実現に向けて、自発的に行動を変化させることを指します。

振り返りの効果は、医療分野でも「行動療法」として活用されています。

3、仮説・検証・改善のサイクルが身に付く。
仮説→検証⇒改善というPDCAの思考が定着し、成功も失敗も含めて今後の改善策を導くことができるようになります。

PDCAサイクルとは、元々、品質管理など業務管理における継続的な改善方法になりますが、営業やマーケティング、ビジネスモデルの改善にも効果的です。

Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(改善)の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法です。

4、チームの生産性向上に繋がる。
振り返りは、個人の業務改善だけにとどまらず、チーム全体の効率化を図ることにも繋がります。

リーダーの役割はメンバーの一人一人が自立して成果を上げて行けるようにサポートするです。

楽しいだけのチーム、和気あいあいとしているチーム、リーダーだけが頑張って成果を上げるチームが成果を出せる状態の場合、振り返りを取り入れた「チームビルディング」が必要になります。

5、マネジメント能力の向上に効果的。
リーダーが振り返りを行うことで、マネジメント能力の向上にも役立ちちます。

最終的にはメンバー一人ひとりがリフレクションを行うように進めていくことで、チーム全体の力が底上げされることになるでしょう。

リーダーが「振り返り」を積極的に行うことで、マネジメントにも新たな変化が生まれます。チーム全体のマネジメントが効率よく行えれば、自然と業務全体の改善が進んでいきます。

■振り返りの5つのステップ
振り返りのステップとしては、主に以下の5つを段階的に進めて行くと効果的です。

1、振り返りをする事例をピックアップする。
漠然と考えているだけでは、本来どのポイントで改善が必要だったのかが明確になりません。

振り返りは過去のよかった点や悪かった点を客観的に把握し、次の改善する行動まで具体的にできるようにすることが大切です。

実際の結果はどうであったか?を把握し、そこでひとつの事例に焦点を当てることがポイントになってきます。

2、一つの事例を工程ごとに分けて客観的に振り返る。
本来求められていた結果と実際とはどのような違いがあったか?

を鑑みながら、更に事例を細かく分解し、それぞれの工程を客観的な視点で振り返ってみます。

振り返りは客観性を意識して実践することが大切です。主観を取り入れてしまうと、失敗をネガティブに捉えがちになり、正しい原因分析ができない場合があります。

3、それぞれの工程ごとに「何ができて」いたかを内省する。
結果的に成功していたとしてもそれぞれの工程で、良かったこととが把握できます。

「間違い」ではなく、理想と結果との「違い」に気づき、改善策を練ることがポイントです。

4、成果を上げるために「何かできることはあったか」考える。
もっと改善の余地があったところの問題と改善ポイントが見えてきます。

結果的に成功していたとしてもそれぞれの工程で、良かったことと、もっと改善の余地があったところの両面が見えてくるでしょう。

改善点をあぶりだしていくことで、次回の行動につながる価値ある学びのサイクルが確立されていきます。

5、次回の最適な方法を考える
振り返りを実践する際には、ただ反省するだけに止まらず、次に役立てることが大切です。

実際望んでいた結果になるためにはどこを変えるといいか?

振り返りをする際には、未来のことを考え、実践できる内容でなければいけません。特に改善点となる次の行動が具体的な行動につながらなければ、振り返りの意味はなくなってしまいます。

■まとめ
振り返りとは、これまでの自身の行いを思い返し、自分の内面を見つめ直すことで、思考や気持ちを整理することを意味します。

また、過去の自分を後悔する、過去から学ぶといった意味もあります。組織の経営者に求められる振り返りは、過去から学んで次に生かすための内省です。

振り返りでは、自分の感想と事実を切り分けて捉えることが大切です。

なぜなら、振り返りは過去のことを振り返るため、失敗があると、自分を責めてしまう場合があるからです。

過去から学ぶとは、自分のとった行動や決断がどのような結果に結びついたのか見つめ、その原因を探し出し、次に同じ状況が起こった時の対策を立てることです。

単に失敗を責めるだけでは、次の行動につながらず、モチベーションも低下してしまいます。「振り返り」においては、誰が間違いを犯したかは、問題ではありません。

しかし、経営者がビジネスで次の改善に繋げるためには、失敗した事業のビジネスモデルや業務プロセスの振り返りを行うことも非常に大切だと言えます。

チャレンジしたことによる失敗は、挑戦したことに対する行動の結果を責めるのではなく、上手く行かなった原因や改善案を整理し、前向きに受け入れ、次の糧にするよう心掛けることが欠かせません。

今後、どの点に改善を加えれば、「より良くなるか」を考えることが再挑戦する際の限界突破の武器になります。

経営者やマネージャーが事業全体に関する振り返りを行う際には、これまでの考え方や取り組む姿勢が間違っている可能性もあります。そのような際には、「マインドセット」を行った上で、変革から行動変革に繋げることも必要になります。

社長による経営全般の振り返りでは、行動の結果により得られた気付きやヒント、現状を打開する可能性のあるアイデアを未来の行動にどのように変えていくと良いのか、建設的に考えることが大切になるのです。

「効果的な行動の後には静かな振り返りを行おう。その静かな振り返りからより効果的な行動が生まれる。」

<ピーター・ドラッカー>

■最後に
「未来志向」でその日の行動、1週間の行動、1ヵ月の行動などを区切り定期的に行うことが大事になります。

組織行動学者のデービッド・コルブも「経験学習モデル」という経験を元にした振り返り理論を提唱しています。

「経験学習モデル」では、以下の4つのステップを繰り返します。

1.具体的経験:自分が体験した具体的な事実・経験を振り返る。
2.省察的観察:客観的に経験を観察する。
3.概念化:具体的経験と省察的経験を総合的に踏まえ、次に活かせるよう概念化する。
4.実践:概念を実践する。

しかし、社長が一人で振り返りをすると、どうしても主観が入ってしまうため、客観性を確保しより一層のパフォーマンスを向上を目指すのであれば、経営全般や営業、マーケティングなどのテーマごとに、外部の専門家やフリーランスのプロ人材の知見を借りることが有効です。

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中小企業の社長やスタートアップの起業家の場合、事業の成長フェイズに合わせて、ビジネスの状況に応じて要所要所で振り返り、豊富な「人的資産」を持つ顧問からフィードバックを受け、経営革新に積極的に活用することが企業の飛躍的な成長に繋がります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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