ビジョンとは?社長が掲げるビジョンが目標達成の鍵になる訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

ビジネスの特性を最も理解している社長がビジョンを掲げることは、ライバル企業との差別化優位性を築き、大きな目標を達成するための鍵になります。

なぜなら、VUCAの時代の競争環境下においてステークホルダーにビジョンを指し示すことは、未来の経営状態を大きく左右する重要なキーファクターになるからです。

ビジョンは、会社が事業を推進する上で最も重要な「人」を惹きつけ、ゴールとなる大きな目標を目指す原動力として機能する「ブループリント」になります。

そこで今回、ビジョンとは何か、社長が掲げるビジョンが目標達成の鍵になる訳について解説します。

■ビジョンとは?
ビジョンとは、事業を通じて成し遂げたいことや将来の目指したい像を指します。言い換えれば、社長が会社経営を行う上で、創造していきたい未来のイメージになります。

ビジョンは、英語で「vision」と表記されます。日本語では、社長が掲げる「企業理念」をベースに、 事業を通じて将来的に成し遂げたいことを「青写真」として明文化したものを意味します。

「企業理念」とは、各企業が何のために活動を行うのかを指したものです。

つまり、会社の目的や存在意義、使命を表現したもので、時代に寄らず不変のものです。

ビジョンは、「ミッション」「経営理念」「社是」「社訓」などと呼ばれることもあります。

ビジョンは、時間軸を入れて策定し、時代に合わせて変えていくものです。

そのため、ビジョンは、「ブループリント」「事業ビジョン」「経営目標」などと呼ばれることもあります。

いずれの場合も、経営者が「企業理念」や「ビジョン」「スタイル」として掲げ、ステークフォルダーに対して公にコミットすることで、その真価が問われます。

ビジョンは、社長や経営陣だけが知っていることがゴールではありません。

従業員一人ひとりに浸透させ、行動に落とし込み、習慣化するまでをゴールにすることで本当の価値を生み出すからです。

■ビジョンを掲げることが大事な理由
企業経営において共通の目的とは、「ビジョン、戦略、行動指針」にあたります。ビジョンを実現するための鍵は「社会や業界で差別化を図れるようなオンリーワン性の追求」になると言えます。

なぜなら、持続的な企業価値の向上が重視される中で、自社が何のために存在しているのか、社会における存在意義を問い直し、改めて定義・明確することが必要になるからです。

社長が掲げるビジョンの本質的価値とは、社員だけでなくステークフォルダーを含めて、顧客に価値を提供することで会社が目指す「共通の行き先」を「ブループリント」として示すことにあります。

会社経営をする上では、社長しかできない仕事があります。

スタートアップの起業家の「ビジョン」が原動力になり、水が100度を超えると沸点に到達するように、それまで停滞していたビジネスがある日を境に成長の兆しを見せることがあります。

また、日々の絶え間ない努力と改善により、ある日を境に「ティピングポイント」が訪れ、革新的なビジネスモデルが生まれ、世の中に普及する分岐点になることがあります。

会社を創業し日々の仕事をする上では、現在進行形で今、取り組んでいるこの仕事が、結果的にどこに辿り着くのかを具体的にイメージできているか否かは、成果に大きな違いが出てきます。

ビジョンをベースに企業理念や存在意義の明確化することは、自社の競争優位性を明確化することに繋がり、経営戦略のコアを特定する上でも非常に重要な「KFS」になると言えます。

■KSFと連動したビジョンを社長が掲げる3つのメリット
KFSとは、経営戦略を達成するために何が必要かを定め、成功への鍵を握る大事な要素となります。日本では「重要成功要因」、英語では「Key Success Factor」と表現されます。

KFSを支える精神的な支柱になるものが「ビジョン」であると言えます。

1、社員の共通の行き先の明示することができる。
ビジョンの本質的価値とは、社員みんなで目指せる「共通の行き先」を示すことにあります。

日々様々な仕事があり、企業が長く存続するほどに事業の多角化・複雑化が増すと、社員は今自分がやっているこの業務が、結果的にどこに辿り着くのかをイメージしにくくなってきます。

結果として、ビジョンがある会社とない会社では、一人ひとりの仕事や組織のあり方に大きな違いがでてきます。

ビジョンが存在しないと組織は存在意義や大目的を見失いやすくなるため、既存の状態で硬直化してしまい、新たな価値を生み出せないなど衰退に繋がりかねない状態に陥ります。

一方で、しっかりとしたビジョンがあると、組織は柔軟に変化し企業はどんどん発展することができます。

2、ミッションを達成するためにビジョンが必要
企業経営において、なぜビジョンが重要なのでしょうか?

ビジョンを設定することにより、会社の全ステークホルダーに会社の進む方向性を示すことができるからです。

ミッションやバリュー、企業理念、経営理念と似たような用語は多々ありますが、基本的にはミッションを達成するためのものとしてビジョンを掲げるケースが多いです。

社長や企業経営者の方は、会社の未来像をしっかりと社員に伝えなければなりません。

なぜなら、ビジョンがしっかりと浸透し、社員と共有できることで、結果的に企業文化の醸成にも繫がからです。

現在の仕事だけに注力することがないよう、社長が未来のビジョンを描くという大切な試みもしっかりと行うことが企業の発展に不可欠な要素になると言えます。

3、ビジョンが日々の仕事の判断軸になる
ビジョン(実現したい未来)を掲げることは、「ビジョンが日々の仕事の判断軸になる」というメリットがあります。

ビジョンを示すことで、長期的な目標および中短期的な目標を全社員で共有でき、株主にも会社の未来像を示すことが可能になります。

行き先さえしっかり示されていれば、経営陣だけでなく社員もやるべきことかそうで無いかの判断、また未来に向けてやった方がいいということなどにアンテナが立つようになります。

社員の一体感の醸成、そして自立的な活動を引き出すためにはビジョンを掲げることが、大きな影響を発揮します。

■ビジョンを策定する際のポイント
ビジョンは、競争環境の変化によって変わるもので、社長の考えや内部環境によってのみ変化するものではありません。

ビジョンの朝令暮改は良くありませんが、同じ事業を推進して行くとビジョンは、競争環境の変化によって進化を遂げる必要があることもあります。

例えば、技術革新や顧客ニーズの変化といった外部環境の変化になります。「このビジョンで従来は乗り越えられた」といった過去のビジョンに囚われ過ぎると、時代の変化に乗り遅れた自己満足のビジョンで終わります。

従来の成功体験に固執せず、環境の変化にも素早く対応できるようにすることが必要でしょう。

また、ビジョンを策定する上では、KSFを意識することも必要になります。なぜなら、KFSは、ビジネスを成功へと導くための鍵になるからです。

KFSを的確に抽出できると、現状における組織の実力と、掲げた目標とのギャップが測定できます。KFSはゴールとなる目標に向かうための現実的で効果的な解決法を示唆してくれるので、効率の良い事業戦略の立案が可能なります。

一方でビジョンを策定する場合、「時を超えた普遍的な言葉」で明文化することも理想になります。

内部環境、外部環境に影響を受け、流行に乗った経営理念やミッションを思案していくと、魅力的なビジョンを作り上げることが難しくなることも少なくないからです。

■まとめ
ビジョン「Vision」とは、会社のステークホルダー全員が共有する、会社が目指す目標です。ビジョンは、「社長が思い描く、会社の未来のあるべき姿」と言い換えられます。

強い企業には、必ず将来の目標である「ビジョン」が明確化かつ共有されています。

なぜなら、ビジョンは社員にとっての行動指針であると同時に、外部にメッセージし続けることでステークホルダーの共感も得て、ビジネスを通じて共に達成しようとする大きな集合体になるからです。

現在、世界は「VUCAの時代」に突入したと言われています。

そうした中、明確で人々の賛同を得られる優れたビジョンを掲げた会社は、顧客や従業員を含む多くのステークホルダーの共感と賛同を得られるでしょう。

ビジョンを策定するためには、起業家としてそもそもなぜ事業を始めたのか、という自社の原点を振り返ってみる機会が必要です。

会社にとって売り上げを上げることは重要ですが、顧客に価値を届けたい、自らの存在価値を証明したい、社会に貢献したい、などの純粋な気持ちがあるはずです。

その原点を今一度理解し、その原点を見つめ直した上で、人を惹きつける魅力なビジョンを策定することが、企業の持続的な成長に繋がる「コアコンセプト」となるでしょう。

「同じ夢を追求し続けていると、その夢はどんどん鮮明で、細かいとこまで分かるようになり、ついにはカラーで見えるようになります。

それがビジョンです。そういう心理状態になった時、私は自分のビジョンが実現することが分かるのです。」

<稲盛和夫>

■最後に
ビジョンとは、会社が描いている近未来像であり、起業家が会社を興す際に最初に心の中に描くものです。

つまり、「こうありたい」というように長期的にわたって企業が目指すべき指針になる道しるべになる原点と未来を繋ぐものだと言えます。

ビジョンとは、挑戦する過程で困難に遭遇した場合でも、会社にとっての行動指針となります。会社の事業計画などを具体的に策定していくフェーズにおいて、迷ったときの拠り所であるべき「旗印」にもなります。

だからこそ、ビジョンは会社にとって重要な位置づけであり、全社員で共有し実行される必要があります。その会社のビジョンが明確でなければ、ステークホルダーたちの協力を得られません。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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