機会費用とは?経営資源の限られた中小企業が機会を逃さないコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

能力が高いプロ人材が、一般社員と同じような仕事をしている場合、せっかく高い能力があり、その能力で大きな収益を上げることが可能であるにも関わらず、収益性の低い作業をしていることは、大事な「機会費用」を失っている、という状況になります。

この「機会費用」は、中小企業の経営者による経営判断や経済学上の計算だけではなく、日常の選択でも様々なケースに当てはめて考えることができます。

そこで今回は、機会費用とは何か、経営資源の限られた中小企業が機会を逃さないコツについて解説します。

「チャンスは、『今がチャンスだ』と思うものではない。後から『あれはチャンスだった』と思うものなのだ。」

<見城徹>

■機会費用とは?
機会費用とは、複数の選択肢のうちのある1つの案を採用した場合に、採用しなかった案のうち最善の案を仮に採用していれば得られたであろう利益のことになります。

「機会費用」時間の使用、消費の有益性・効率性にまつわる経済学上の概念になります。

機会費用は、何かの選択をして、「機会を得た」=「別の機会を失った」ことに伴う費用です。

ある経済行為を選択することによって失われる他の経済活動の機会の中で、もう一方の選択をしていた場合に、「得られたはずの利益」を指します。

会社経営を行うためには、様々な意思決定が欠かせませんが、特にビジネスの参入領域やポジショニングを決定する際には、複数の選択肢があるものです。

特定分野で強みを発揮するためには、事業領域をフォーカスすることが必要になるため、このような際に「逃してしまった利益」が、「機会費用」になります。

■機会費用と埋没費用の違い
機会費用について意思決定を行う際は、1つの案しか選択できない場合には、代替案を採用していれば得られたであろう利益もコストに含めます。

これに対して、意思決定に影響を与えないコストを埋没費用といいます。

埋没費用とは、既に支払ってしまっていて、今さら取り返すことのできないコストや時間的・労力的なコストを言います。

「今さら取り返すことができないのだから、考えても仕方のない費用」ということで、意思決定に影響を与えない(与えてはならない)費用ということになります。

■機会費用と逸失利益の違い
機会費用とは、別の事に従事していたために、何か選択、実行できなかったことによって生じるコストのことです。

機会費用は、損益計算書上には表れてきませんが、非常に高く付くものです。

特にリソースをほとんど持たない小規模ビジネスでは、絶好のチャンスを逃すと大きな損失となります。

機会費用とは、「他の選択肢であれば、得られたはずの利益」ですが、この「得られたはずの利益」を直接的に意味する言葉として「逸失利益」があります。

例えば、多くの人は「大学に進学する」選択をし、その機会を得ています。

これは「大学に進学せず、就職して働く」機会を失ったことを意味します。仮に、高校を卒業して就職していたら年250万円の収入があったとすると、4年間では1千万円の「機会費用」が発生することになります。

機会費用も含めて、大学進学にかかる費用は、様々な能力を高めるための「投資」と考えられます。大学に進学することは、多額の投資になるため、大学進学にかかる費用を上回る能力を身に付けたり、優良企業に就職することが投資コストの回収に必要になります。

また、逸失利益は、法務系で使われる言葉であり、債務不履行や不法行為 が生じたことによって得られなくなった利益を意味し、損害賠償の項目として使用されます。

経済や会計の分野では、この利益を反対側から見て「機会費用」と言っていることになります。

■機会費用が意思決定で必要な理由
スタートアップの場合、機会費用についての問題は、それを上手く予想したり、測定したりできないことにあります。

後から振り返ってみると、大きなチャンスを逃したと明らかになるのです。

機会費用を考える際に重要な要素は、マーケットの大きさや需要があることを認識すべきタイミングになりますが、その決定を行った時点では分からないのです。

機会費用は、「もし、他の案を選んでいれば」という仮定に基づく費用ですから、実際の現金の支出を伴いません。

しかし、意思決定においてはこれを「費用」と捉えなければ、正しい意思決定ができない場面が多々あります。

機会費用を「何も起こらなかった」と考えるか「費用」と考えるかで、事業は大きく変わってくるのです。

■意思決定時に機会費用と実現利益を図る重要性
機会コストと実現利益を比較することで、事業展開の成否判断に活用することもできます。

実現利益は、売上予測にも密接な関係があります。売上予測とは、一定期間における将来の売上の予測を立てることを指します。売上予測は、企業が経営戦略や営業戦略を考える際に、参考にするべき重要なデータの一つです。

売上予測には、組織の漠然とした「期待」や「目標」を含めずに、根拠に基づいた計算により客観的な正確さを追求することが求められます。

選択した事業で利益が上がれば、財務会計上は利益となり、その事業は成功したと判断されます。

しかし、機会コストと比較することで、別の選択肢の方がより多くの利益を獲得できたということになる可能性があります。

こうした計算を考慮することで、その後の事業で同じ過ちを繰り返すことなく、より有効な経営判断を下すことができるようになります。

企業活動とは、限りある資源を有効に投資することで利益を上げることに他なりません。

機会費用を検討すれば、人的に、金銭的に、また時間的にも限られた経営資源を、より有効に投資するために役立ちます。

■まとめ
ビジネスにおける機会費用は、意思決定において「もしそれを選択せず他のことをやったら、どれくらいの価値があるか」を図ることにです。

機会費用を端的に言えば、「儲かるか」を考える概念です。

沢山の選択肢がある場合に、すべての選択肢を実際に行動に移して、すべてを実現して利益を出すというようなことは、ほぼ不可能だと言えます。

ビジネスを多角化することは、売上が増える可能性が広がりますが、一方では限られた経営資源が分散するため、それぞれのビジネスの強みが弱まり、効率を落とすなどの損失も考えられます。

そのため、ビジネスにおいては、行動しなかった場合の機会費用を計算するということは、そのような数ある選択肢の中から1つを選ぶという状況において、とても大切で有用な概念です。

事業の意思決定を行う上では、複数の選択肢があるもので、同じ使うならどうすれば最も合理的で効果的かを考えるべきです。

「複数の可能性を考え」「それらを比較する」という機会費用の概念は、ビジネスにおいて大変重要だということができます。

機会費用を「費用」と考えたとしても、常にベストな選択ができるとは限りませんが、少なくとも1つの方法や手段しか考えなかった場合と比較すれば、より良い結果を期待できると言えるのです。

■最後に
ビジネスにおける壁打ちとは、「自分の考えを知見が豊富なプロ人材と言える人に話し、そこから返ってくる反応を元に、さらに考えを深めていく」という手法です。

テニスの壁打ちに起こるボールのように、商品のアイデアを壁打ちの相手に話し、複数のプロ人材を意見交換をしているうちに、思いがけない方向からボールが返ってきたり、打った場所から遠く離れた地点にアイデアが跳ねていくことがあります。

その結果、今までとは違う角度から物事が見えてきたり、より広い範囲でビジネスモデルを考えたりできるようになります。

ただし、起業の相談だど、「起業した経験がない人」に相談すると「できない理由」を言われるだけになるケースもあるため、相談する相手の選び方というのは実は極めて重要になります。

ビジネスにおける壁打ちとは、次のようなやり方で行います。

・壁打ちの相手に対して、自分の考えを言葉で投げる。
・壁打ちの相手に、壁のように、言葉を跳ね返して貰う。
・壁打ち相手が1人のこともあれば、複数人いることもある。

壁打ち相手へ向けて自分の考えや意見を話すことにより、自分の考えを深化させていくことができます。

壁打ちする相手は、「壁打ち相手」や「ディスカッションパートナー」と呼ばれています。

ビジネスで成功を勝ち取ったシリコンバレーの有名起業家には、分野ごとに複数の壁打ち相手となるプロ人材が例外なくいます。

分野毎に適切なビジネスの壁打ち相手がいれば、壁打ちしながら自然と解決策が見つかったり、アイデアも広がりやすくなります。

知見を豊富に持つハイスキルな相談相手なら、「そういえば、競合他社がこんなことをしてましたよ」「その件なら、こんなデータも出ていましたが」など、現状を打開するヒントとなる何かしらの「好転反応」が返って来ます。

優秀なプロフェッショナル人材とデスカッションを重ねることにより、多くのアイデアや解決策が生まれ、そのアイデアの中から、最良のプランを選択することが可能になります。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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