アンコンシャスバイアスとは?無意識バイアスの意味と対処法

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

ビジネスの現場では、経営判断や人材の採用、新規事業の立ち上げ、広告への投資など、様々な場面で「アンコンシャスバイアス」が発生する可能性があります。

アンコンシャスバイアスは、物事に対して本人が気が付いていない思い込みや、人に対して偏った見方を指し、日常生活や仕事を問わず起こる現象になります。

企業経営におけるアンコンシャスバイアスの問題点は、偏見そのものではなく、自分でも気づかないうちに「決めつけ」や価値観の「押しつけ」をしてしまうことにあります。

そこで今回、アンコンシャスバイアスとは、無意識バイアスの意味と対処法について解説します。

■アンコンシャスバイアスとは?
アンコンシャスバイアスとは、自分自身は気付いていない「考え方の癖」「物事に対する偏った見方」「人に対すると捉え方の歪み」「偏りのある言葉の表現」など、「無意識バイアス」を指します。

アンコンシャスバイアスは、英語で「unconscious bias」と表記され、日本語では、「無意識の偏見」を意味します。

ビジネスマンであれば誰しも、過去に勤務した会社の社風や業界特有のワークスタイル、実際に体験した仕事の経験、組織文化、親の教育方針、学生時代の先生の影響など、周りの環境などから自分自身では気付かないうちに身に着いたものの見方や、捉え方の偏りがあります。

なぜなら、アンコンシャスバイアスの元となる考え方は、人が無意識に持っている偏見や様々な事柄に対する「思い込み」がベースになっているからです。

年齢を問わず、あらゆる人の考え方や行動パターンは、子供の頃に育った家庭環境、過去のビジネス実体験、日頃の仕事の習慣が元になり、瞬時に物事を認知することから来ています。

認知とは、「理解」「判断」「論理」などの知的機能を指しますが、「第一印象」「現実の受け取り方」「ものの考え方」のことを意味します。

心理学で認知は、知覚を中心とした概念になるため、判断、想像、推論、決定、記憶、言語理解などの要素が含まれ、アンコンシャスバイアスと同様の特性を持ちます。

アンコンシャスバイアスは、本人が意識しない様々な場面で反射的に反応する知覚や考え方、スピーディな物事への理解、判断、論理が求められる際の知的機能になります。

そのため、経営者による大事な意思決定、業績等に与えるインパクトのある戦略の立案やアクションプランに対しても大きな影響を与えます。

■アンコンシャスバイアスと自動思考の関連性
様々なシーンで瞬間的に浮かぶ考えを「自動思考」と呼びます。

自動思考とは、アンコンシャスバイアスと同じく、子供の頃の家庭環境やこれまでの経験則や過去の実体験によって、気づかないうちに身に付けた考え方の癖になります。

人は、何か出来事が起こった際には、その出来事が自分にとって良い事か悪い事かを瞬間的に判断します。

【自動思考の例】
良い事:判断すれば気分は爽快、行動はポジティブなる。
悪い事:悲しみや怒りが生じて行動はネガティブになる。

アンコンシャスバイアスは、人生の中で過ごした周囲の人の影響を色濃く受けます。

これまでに勤務した会社や実際に体験したビジネスの経験、子供の家庭環境や学生時代の先生の言葉、友人の属性によって形成されます。

同じような出来事を体験しても人によって反応が異なるのは、人それぞれの生き方によって形成されたアンコンシャスバイアスの傾向により、物事の捉え方が異なるためになります。

マイナス思考から抜け出すために、これまでに培った考え方や行動パターンを変えたいと思っても、何をすればいいのか分からず、自己変革に取り組めていないビジネスマンは多く見られます。

考え方を変えるためには、アンコンシャスバイアスを知り、まず、自分の考え方の傾向を理解することが大切になります。

■アンコンシャスバイアスは、人材採用にも影響を与えている
あらゆる人の思考や行動パターンは、過去のビジネスの経験や周囲の人の意見、読書やセミナー、テレビや映画を含めて日々接する情報から形成されます。

企業経営においても、経営者の考え方やビジネスへ取り組む際の姿勢は、その人の過去の経験や知識、そして、価値観が元になります。

価値観というとスタートアップの起業家が掲げるビジョンやミッションに繋がる信念にも通じるものがありますが、アンコンシャスバイアスは、物事の判断を自動的に行うため、何気ない発言や行動として現れます。

ですが、著名な経営者でも自分ではアンコンシャスバイアスによる無意識の偏見を意識するのは難しく、企業規模を問わず多くの社長は、自身の考え方の歪みや偏りがあるとは認識していません。

ビジネスマンの場合、自己啓発を意識し人間性を高める教養を身に付けたり、チャレンジングな環境に身を置く回数を増やすことで、新たな環境に慣れていけば、人の上に立つリーダーしての経験値が増え「自動思考」を高めることに繋がります。

アンコンシャスバイアスは、近年、個々の特性や違いを生かし、多様な人材を積極的に活用するダイバーシティの推進に取り組む会社や、文化の違う様々な国のハイクラスな人材を登用するグローバル企業などで注目されています。

また、日本企業の場合、正社員の採用を重視する傾向が高いですが、欧米企業では、ジョブディスクリプションや成果主義が浸透していまます。

労働人口の50%をフリーランスが占めるアメリカでは、スキルや結果を出すことを重視し、優秀なフリーランスを活用することが常識になっています。

日本でも人材不足の問題を解消するためには、人材の採用を行う場面でも正社員の採用がベストだという、アンコンシャスバイアスの壁を壊す必要があると言えます。

■起業家は、アンコンシャスバイアスとは無縁なのか?
人によって考え方の傾向や行動パターンに癖がありますが、一般的に人間は、動物と同じく本能でリスクを避ける傾向が高いです。

日本人の多くは、就職活動の際にも仕事を失う危険性が最も低い大手企業を好み、安定した会社がベストだという自動思考を持っています。

その理由としては、両親を含めて周囲にサラリーマンが多く、周囲に起業家がいない場合、ゼロベースで会社を興し、自分が成功した結果を予想することがとても難しいからです。

例えば、祖父が創業社長であるなど、疑似体験でもリスクを冒して何かにチャレンジし成功した経験がなければ、冒険の旅に出るのはそう簡単でなありません。

漠然とした夢を持っていたとしても将来の予想できないと、「起業家としてビジネスに成功するのは難しい」、「リスクを負って挑戦する価値はない」と自分を言いくるめてしまい、コンフォートゾーン「安全地帯」から抜け出すことができなくなります。

ですが、起業家精神の高い人であれば、コンフォートゾーンから抜け出し、自己変革を起こした上で革新的なビジネスモデルを作り上げ、古いビジネスの常識を覆すことができます。

ビジネスの立ち上げに際していかなる障害があっても忍耐強く頑張れる起業家は、困難なことを成し遂げたときに得られる喜びを知っているからです。

アンコンシャスバイアスへの受け止め方が、新たな挑戦や体験をポジティブなものにするか、ネガティブなものにするかを分ける分岐点になります。

困難な新規事業のを立ち上げる際に起業家はビジョンを掲げ、5年から10年先を見据えた目標にフォーカスし、今やるべきことに集中する習慣があります。

スタートアップの場合、思い付きで考えたアイデアが外れ、ピポッドが必要な時も往々にして起こります。

ピボットとは、新規事業立ち上げ時における「方向転換」や「路線変更」を意味します。

ピボットは、アイデアのコア部分やビジネスモデルを軸足として、それ以外の部分を変更することを指します。

リーンスタートアップやPDCA、アジャイル開発もアンコンシャスバイアスへの対応に近い取り組みになると言えます。

■経営者やリーダーがアンコンシャスバイアスを理解することが重要な訳
先入観による偏見や思い込みは、組織運営や仕事において、適切な判断や意思決定を妨げます。

特に経営者やリーダーは、組織活動に対する影響力が大きいため、良くない思い込みは、ネガティブな影響を与えると言われています。

外国人の採用など、組織内でいかに無意識の偏見があるケースでは、先入観が作用しているかを認知させ、悪影響を取り除いていくことが経営の意思決定の課題となります。

一方では、企業の経営判断においては、様々な経験値が高く、卓越の領域に達した経営者の場合、熟慮したプランよりも直感の方が良くあたるケースも多いと言えます。

第六感が見事に的中し、リスクを回避したり、直感を信じて新規事業を立ち上げたことが見事に成功することもあるため、アンコンシャスバイアスは、全て取り除くべきという見解は、正しくありません。

判断ミスは誰にでも起こり得るものだからこそ、偏見に対する気づきのアンテナを立てることが、人と人との結び付きを高めます。

ステークホルダーとの結び付きを強化するためには、多様性を受け入れ、企業と人との関係性を改善したり、業務提携によりアライアンスを推進するなど、組織をより良く変えるためのスタートとなります。

アンコンシャスバイアスを最適化するためには、以下の3点を意識し、取り組むと効果的です。

・円滑な組織運営を妨げる偏った考え方を改善すること。
・偏見を無くし、思い込みを発生しない仕組みを作ること。
・オープンマインドで多角的な視点で物事を判断すること。

組織を率いるリーダーであれば、大事な経営判断を下す際に「思い込み」や「決め付け」がないか、自己認識を深めることが重要だと言えます。

■アンコンシャスバイアスの起源
私たちは、過去の経験や見聞きしたことに基づいて「恐らく〇〇だろう」「常識的に〇〇のはずだ」「あの人は〇〇な人だ」と決めつけたり、偏った見方をしたりしてしまうことがあります。

日常に潜む、こうした無意識のうちの思い込みや決めつけこそが、アンコンシャスバイアスです。

アンコンシャスバイアスの概念は、1995年に社会心理学者のM.R.バナージとA.G.グリーンワルドが発表した論文「暗黙の社会的認知理論」(theory of implicit social cognition)で使われたのが始まりになります。

アンコンシャスバイアスは、人種差別の抗議運動の一環として2010年代から注目を浴びるようになりました。

その後、2013年ごろから#BLM運動の高まりと共にこの言葉が欧米で広まりました。

IT企業大手である米Google社やFacebook社が、従業員から人種や性別の偏りがあると指摘されたことがアンコンシャスバイアスを改善する一つのきっかけとなりました。

Google社はこれを受けて、2013年から社員向けにアンコンシャスバイアス研修を実施しています。

オンライン動画で研修内容を行ったり、人への偏見に対する教材を公開するなど、組織にネガティブな影響を与える「無意識の偏見」を排除する取り組みを行っています。

アンコンシャスバイアスにおける最大の問題は、無意識の偏見や自身のエゴが他者を縛る見えない「足枷」となったり、無意識の思い込みが「言動」となって表出し、意図せずに誰かを傷つけたりしてしまうことです。

日本では、ダイバーシティインクルージョンの機運の高まりや、多様性を受け入れる組織が増えたことからアンコンシャスバイアスの使用回数が増え、一般的な言葉になりつつあります。

■企業経営でアンコンシャスバイアスが生じてしまう要素
企業経営におけるアンコンシャスバイアスを生み出す要因は、3つあります。

1、自分を守ろうとするエゴ
エゴとは、哲学的な概念として、認識や行動の主体としての「自我」を表します。

人間心理学では、3つの領域から成る人間の心、「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」の中の一つの層として定義されています。

自分を正当化したり、よく見せたいと考えたり、自分にとって心地よい状態を保ちたいという自己防衛心、自己保身もアンコンシャスバイアスの表れでもあります。

例えば、スキルを持った中堅社員が希望する働き方と異なる業務をいい渡された結果、退職してしまうケースなどです。

採用しても人が辞めてしまう、人材が育たないといった課題を抱える組織は、アンコンシャスバイアスの悪影響がないかどうかを見定めることが大切です。

2、ビジネスの習慣や商慣習
企業経営を推進する上では、慣れ親しんだ商慣習や儲かるのが当たり前だと思い込んでいたビジネススモデルが、時代に合わなくなる現象は良く起こります。

多様性が増す中で顧客ニーズとのズレが生じているにも関わらず、それに気づかないまま事業活動を行うと、時代錯誤を生んだり、売上低迷に陥ります。

同質性が高く暗黙のルールが強くある組織ほど、アンコンシャスバイアスが起きていないかを気を付ける必要があります。

ビジネスが成長著しいスタートアップの場合、独自の社風や採用基準が存在しているケースがあります。

新たに採用する人材のスキルの有無などに対する、無意識の偏見は、普段の態度や会話に表れます。

愛社精神が強い人であればある程、組織文化を守るために、他者の良い面を客観的に見ることができなくなったり、時には攻撃的な言動を取ってしまうことがあります。

3、組織で働く人には感情が存在しているから
ネガティブなアンコンシャスバイアスが原因で、感情のスイッチが入り、上司や部下の関係など職場のチームの関係性が悪化したり、怒りなどの感情に心を支配されて人間関係を壊したという経験は誰しもあるでしょう。

「人間は感情の生き物」と言われるように、感情にスイッチが入ると論理的な思考が出来ない方は意外と多く、これによりそこで働く人の心理的安全性が損なわれるケースは少なくありません。

心理的安全性とは、心理学用語で、自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態のことを指します。

普段は穏やかな人でも、アンコンシャスバイアスにより、平静心が崩れると、人は本能的に「自己防衛反応」を取ってしうまうこともあります。

チーム内に感情的な人がいると、周囲はついそれに振り回され、心理的安全性が脅かされがちな組織になります。

■アンコンシャスバイアスのメリット・デメリット
アンコンシャスバイアスは誰もが持っている自動思考になるので、いずれかが良い悪いという捉え方はできません。

1、アンコンシャスバイヤスのメリット
アンコンシャス・バイアスは、高速思考の一つになります。

現在、高速思考は、「ヒューリスティックス」という直感による思考のスピードアップとして科学的にも注目されています。

多くの知見を持つプロ人材の多くは、「無意識の思い込み」によって、物事を迅速に判断する高速思考を可能にしています。

つまり、大量の情報を処理し、すばやく行動するためには欠かせない要素になります。

高速思考は、瞬間的かつ無意識に生じる知的連鎖プロセスの一種となります。

アンコンシャスバイアスが機能することで、大枠で物事を理解したり、スピーディに適切な判断することが可能となります。

2、アンコンシャスバイヤスのデメリット
自分の先入観や思い込み、勝手な解釈で、無意識に発した言葉や態度が、否定的なメッセージとなり、相手を傷つけたりストレスを与えることがあります。

アンコンシャスバイアスは、「思い込み」「決めつけ」「押しつけ」となり、周囲に悪影響を与えることがあります。

多くの人は、最初の知覚が偏っていたり、咄嗟の思い込みは、自動的に瞬時に処理されるものであるため、簡単に修正することができません。

無意識の偏見をそのまま放置すると、社員のモチベーション低下やコンプライアンス違反、ハラスメントの増加に繋がります。

多様性を認めない企業体質に陥っている場合、職場のコミュニケーション不全、ひいては組織や個人のパフォーマンス低下する要因となります。

オープンイノベーションを阻害したり、外部人材を受け入れる度量がない組織は、新しい風が吹かないなど、様々な弊害を生みます。

■アンコンシャスバイアスのビジネスでの事例

1、正常性バイアス
正常性バイアスとは、ビジネス的に危険な状況にあってもちょっとした変化なら「日常のこと」として処理してしまう人間心理を指します。

正常性バイアスは、異常を正常の範囲内のことと捉えてしまう錯誤、心の安定を保つメカニズムを意味します。

【事例】
・うちの会社は、従来通りの方法で大丈夫。
・自分の部署には、コンプライアンスは関係ない。
・今回の問題は、たまたま偶然起こっただけ。

2、集団同調性バイアス
集団同調性バイアスとは、集団に所属することで、同調傾向・圧力が強まり周囲に合わせてしまう人間心理になります。

本来であれば問題である長時間残業に対して、「このくらいの働き方は当然だ」と考え、退職率の高さを無視してしまうことも集団同調性バイアスの一つになります。

企業が正常な判断ができないと、不利益が大きくなり、損害が大きくなる可能性があります。

コンプライアンスの意識が低い会社では、「周りもやっているから大丈夫」という「集団同調性バイアス」と「正常性バイアス」の二つが働き、不正行為が横行する傾向が高くなります。

【事例】
・経営会議は、役員の満場一致が原則になっている。
・コンプライアンスに違反する行為が、横行している。
・ハラスメント的な指導が常態化しているが、誰も意見しない。

3、確証バイアス
確証バイアスとは、自分がすでに持っている先入観や仮説を肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向性のことを指します。

「認知バイアス」、つまり自分の思い込みや周囲の要因によって非合理的な判断をしてしまう心理現象の一種です。

思い込みを持っていると、ほかにどのような情報があっても最初の考えを支持する情報ばかりが目に付きます。

これが「認知バイアス」で、確証バイアスは「認知バイアス」の一種になります。

<事例>
・ワーキングマザーは、仕事より家庭を優先する。
・フリーランスよりも、正社員の方が仕事をする。
・長時間働かないと、ビジネスの成果が出ない。

4、アインシュテルング効果
アインシュテルング効果とは、従来から慣れ親しんだ考え方や視点、対応方法などに固執してしまうことを指します。

何か対応が必要な事態が生じても、別の考え方や対応などの可能性を無視し、慣れ親しんだ考え方やものの見方に固執してしまい、他の視点に気づかないことを指します。

【事例】
・過去のビジネスの失敗が、トラウマになっている。
・過去の成功体験に酔い知れ、新たな挑戦ができない。
・どんなにいいプロジェクト案も前例がないと許可されない。

5、コミットメントのエスカレーション
コミットメントのエスカレーションとは、過去の自分の意思決定を正当化し、自分の立場に固執することを指します。

投資による損失が明確で合理性を失っているにも関わらず、自分の判断ミスを認めたくないエゴが該当します。

投資家として一発逆転を期待する心理や、起業家として失敗を先送りにしたい思いなどが混じり合うことで実行され、損失の深みにハマってしまうことを指します。

【事例】
・新規事業が上手く行っていないが、事業の方向転換ができない。
・駄目だとわかっていても追加投資をしてしまう投資家の心理。
・経営者の判断で多額の投資をした不採算プロジェクトが撤退できない。

■まとめ
アンコンシャスバイアスは、「偏った傾向」「思い込みによる偏向」「物事への先入観」といった「自動思考」を指します。

物事の考え方や判断をする際に、特定の偏りをもたらす要因や得られる知覚が偏っていることによる認識の歪みを意味します。

リーダーの無意識の偏見やマイナスの思い込みは、企業経営に深刻な悪影響を及ぼすことあります。

経営者のアンコンシャスバイアスの悪影響は、社長一人の言動にとどまらず、経営幹部や従業員、ステークホルダー全体の考え方にも波及します。

特にスタートアップの場合、CEOやCXOのアンコンシャスバイアスは、企業のパフォーマンスや意思決定に大きな影響を与えます。

対応を怠れば、職場全体のモチベーションが下がり、ビジネスを推進する上で必要な人が辞めたり、チームの生産性が低下してしまうなど、深刻な問題に発展していきます。

コンプライアンス違反、ハラスメントの告発、ブランドイメージの失墜など、組織が社会的信用を失うことにもなりかねません。

持続的な企業の発展を目指す、経営者であるならば、アンコンシャスバイアスの意味合いを知り、自身のこれまでの言動や行動を鑑みる機会も必要だと言えます。

リーダーとして人を動かす立場にある人のアンコンシャスバイアスに対する取り組みに問題点があれば、CEOやCXOがリフレクションをすることも欠かせません。

企業として多様性のある考え方を尊重し、組織のリーダーとしてのオープンマインドが形成されるからです。

物事には様々な見方があり、角度を変えて見れば全く違った風景が見えることもあります。

感情に心を支配されず論理的に話し、他者を理解するということがコミュニケーションの基本になります。

経営者として人との対話を重視したマインドが形成されることで、組織文化としてアンコンシャスバイアスに対処することが可能になると言えます。

「偏見のある社会環境で、冷静な意見を述べられる人は限られている。それどころか、意見を持つことさえ出来ない人がほとんどだ。」

<アルベルト・アインシュタイン>

■最後に
企業経営者が、アンコンシャスバイアスを知らず、偏った考え方や偏見を放置することは、経営リスクとなります。

同じ行動を続けていると、考え方や思考パターンはマンネリ化するからです。

考え方や思考に変化を与えるためには、自己変革を意識し、普段使う言葉を変え、行動を変えることです。

次元上昇の波に乗るためには、「付き合う人を変えること」、「仕事や働く環境を変えること」、「住む場所を変えること」が大事なポイントになります。

経営者が率先して様々な環境整備を行い、一人一人が小さな変化をまず起こすことで、組織として大きな変化に繋げることから始めること意識してみましょう。

「自分の言葉を知ること」「他人の感情に気付くこと」「日々の行動を変えること」というステップは、習慣化を促す考え方の枠組みとなる「マインドセット」の形成に役立ちます。

アンコンシャスバイアスは、子供の頃からの癖に近い部分もあるため、1人の力だけで問題点に気づくことは、非常に困難だと言えます。

経営者の場合には、アンコンシャスバイアスとは何か?知るこだけでも、自分の言動をリフレクションしたり、人それぞれに価値観の違いがあることを認識することに繋がります。

リーダーとして、多様性のある組織を作り上げるためには、日頃のビジネスの取り組む姿勢やステークホルダーへの対応を考慮し、アンコンシャスバイアスの存在に気付き、人への接し方やコミュニケーションの取り方を改善することが重要になります。

アンコンシャスバイアスの弊害への対応する際には、スキルセットと同じぐらいマインドセットに関わる自己啓発が大切になります。

経営者がアンコンシャスバイアスに取り組み、自己変革を起こすには、目的、ゴールを明確にした上で、第三者にコーチングやコンサルティングを依頼することも、企業全体のモチベーションを飛躍させることに繋がる有効な施策になります。

豊富な知見を有する専門家への相談など、人的資源を持つ外部リソースを活用しつつ、効果的にアンコンシャスバイアスを克服することで、健康経営を目指すことが可能になります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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