環境整備とは?仕事の効率化に繋がる環境整備が大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

近年、ビジネスを効率化する取り組みとして、様々な分野で「環境整備」を行うことで、仕事の効率化や業務プロセスを改善する取り組みが注目されています。

社長が率先して「環境整備」に取り組んだことで、そこで働く人材のワークライフバランスの実現し、売上UPやコスト削減に成功する企業は少なくありません。

社員の勤務状況が見えないテレワークでも、「環境整備」を行うことは、個々の働き方の改革に繋がるため、仕事の効率化に大いに役立ちます。

そこで今回は、環境整備とは何か、仕事の効率化に繋がる環境整備が大事な訳について解説します。

■環境整備とは?
環境整備とは、職場、職種、企業規模を問わず、労働環境における整理整頓を行うことを指します。

環境整備することは、単なる整頓や掃除を指すものではありません。

なぜなら、整理・整頓・清潔を徹底することで、ムダに気づき、仕事の効率化が図れ、ひいては業績アップに繋がるからです。

環境整備により様々な業務をやりやすくすることで、社員一人ひとりの生産性が高まります。 また、“仕事効率化”を考えて動けるようになるため、会社が利益体質になります。

仕事効率化とは、既存業務の無駄や手間を省略し、コスト削減に繋げることを言います。生産性向上という目的を達成する手段の一つが業務効率化です。

つまり、生産性向上は、業務効率化を内包する形で存在しており、生産性を向上するための手段は、仕事の効率化や環境整備を行うことが大事になると言えます。

■環境整備がビジネスの断捨離に繋がる
ビジネスの断捨離とは、不要な物を断ち切り、物への執着心をなくすことで環境整備を行い、快適なビジネス環境を手に入れようとする考え方のことです。

断捨離のそれぞれの文字には、断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)の意味があります。

・断行(だんぎょう):入ってくる不要な物を断つ。
・捨行(しゃぎょう):会社にずっとある不要な物を捨てる。
・離行(りぎょう):収益を生み出さない物への執着心をなくす。

断捨離は、単なる片付け論と認識している方も多いと思いますが、ヨガの思想が元になっているため、片付けとは異なるものとされています。

つまり、断捨離は単なる片付けではなく、毎日、定期的に環境整備に取り組むことにより、働くマインドを向上させ、快適なビジネス環境を手に入れようとする思想だと言えます。

■環境整備と5Sの関係性
5Sとは、主に製造業を中心とした様々な会社・医療・看護などの現場で行われる改善活動、およびその考え方のスローガンのことで、辞典で紹介されているような言葉ではなくビジネス用語として用いられます。

5つのSの名称は、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5つの頭文字Sを取って名付けられました。

5Sに含まれる5つの項目は次のようになります。

1.整理:必要なものと不要なものを分けて、不要なものを捨てること。
2.整頓:必要なものを適切な場所に分かりやすく整理すること。
3.清掃:きれいに掃除しながらあわせて点検すること。
4.清潔:きれいな状態を維持すること。
5.躾:きれいに使うように習慣づけること。

ビジネスにおける環境整備は、職場環境を整え、仕事の効率をアップさせることを目的にしています。

5Sが実践されている環境では、誰でも分かるように必要なものだけ配置されているため、探し物をする時間がありません。そのため、必要なものを効率的に取り出せ、職場の生産性が高まります。

トヨタ生産方式の中で環境整備が5Sが体系化されました。トヨタでは「5Sは仕事の基本」と位置づけられ、新入社員の基礎として5Sを叩き込まれるそうです。

■環境整備は、厚生労働省も重視する事柄である訳
厚生労働省でも、従業員の健康と安全、生産性向上を目指すためには、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の環境整備を行うことが重視されています。

1、整理
整理とは、必要なものと不要なものを区分し、不要、不急なものを「断捨離し」取り除くこと。

例えば、業務における悩みや問題などは、頭の中に留めておくのではなく、ノートに書き出せば「何に悩んでいるのか」「どのような問題であるのか」などが整理されるため、具体的な解決につながりやすいです。

2、整頓
整頓とは、必要なものを、決められた場所に、決められた量だけ、いつでも使える状態に、容易に取り出せるようにしておくこと。

また、アイデアやノートに日頃から考えていることをまとめておくと、仕事に活かせることも着実に蓄積されていくため、ひとつの情報資産になります。

3、清掃
清掃とは、毎日の日常的に出る汚れを綺麗にすることの総称です。

一般的な清掃を日課することも非常に大切ですが、仕事をやりやすく、問題点が分かるようにすることも含まれます。

思考が整理されないのは、頭の中の考えをそのままにしていたり、複数のメモ帳を併用したりして、情報がいたるところに分散しているのが原因です。

まずは、「ここを見ればすべての情報がある」と確信できる環境をつくることが、思考を整理する第一歩です。

4、清潔
清潔とは、職場や機械、用具などのゴミや汚れをきれいに取って清掃した状態を続けることを指します。そして、働く人自身も身体、服装、身の回りを汚れの無い状態にしておくことも必要になります。

例えば、思考を整理するために書き出したメモがバラバラでは、時間だけが過ぎるだけで何の解決にもなりません。

そのため、メモの順番を何度も入れ替えられるようなノートがあれば、視覚的に考えていることを把握できるので、思考の整理に役立ちます。

5、躾(しつけ)
ビジネスにおけるしつけとは、会社方針で決めたこと、教わったルールを必ず守るように指導すること。環境整備や社員のコミュニケーションの向上、ルールを守る習慣づくりを通して、独自の企業文化が育まれます。

例えば、頭の中にある思考を整理したい際にもノートに書き出していくと、情報が可視化されるので、考えていたことを俯瞰して捉えられます。

また、思考を分類すれば、それぞれの共通項や相違点が見えてくるため、次第に考えがシャープになってくるのです。

全社員で環境整備に取り組むことで仲間意識が生まれ、価値観の統一が図れます。それが企業文化となり、成熟した組織がつくられていきます。

■環境整備のポイント
掃除や整理整頓といった環境整備は仕事の原点であり、会社を変えていくものです。

1、環境を整える
環境整備することで、気分がよいだけでなく、物の管理がしやすくなって仕事の効率アップにつながります。

仕事を効率的に進めるためには、いかに集中できるかが肝になります。そのためには、自主的に集中できる環境を作っていくことが大事です。

集中というのは体力を使う行為のため、体調面の管理も非常に重要です。作業スペースを整理整頓し、気をそらすものを目の前から遠ざけることも有効です。

しっかりと睡眠をとる、体調を崩すほど根詰めて働かない、肩こりや腰痛対策としてこまめにストレッチするなど、フィジカル面での不調が発生しないような対策をしていきましょう。

2、業務を見える化する
業務を見える化して意識づけする「毎日、誰が何を整理整頓するか」を決めて実行します。

業務プロセスの見える化とは、仕事をする上での業務フローやタイムスケジュール、タスク状況などを可視化して、ひと目で把握できる状態を整えることです。

仕事を見える化することには、製造現場の業務量と質の適正化を図れること、営業現場の部署間や社員間の連携を強化できることなど、様々なメリットがあります。

3、業務フローの整理
業務の手順書を文章や図を用いて作成し、全社員で共有できる状態にします。社員が業務の正しい手順を理解できるため、伝達ミスやトラブルが減少します。

「システム導入の為の現状把握」や「業務課題を改善する為の現状把握」など、業務の可視化を行う目的は企業によって様々ですが、多くの企業が業務フローを作成しています。

業務フローの整理ながら、環境整備の効果を確認することで、一人ひとりの意識のなかに環境整備の重要性が根付いていきます。

4、ナレッジを整理整頓し共有する
社員一人ひとりが持つ知識・経験・ノウハウ・スキルなどのナレッジを共有することは、社員全体のスキルアップに効果的です。

営業の現場でも営業マンにおける成功事例を蓄積し、見える化することで、より効果的な資料作成や提案営業が可能となります。

その際、価値には、可視化されていないものも存在するため、可視化されていない情報にどんなものがあるかを考え、見える化すべき情報の種類を選定していくのも重要なポイントです。

例えば、企業価値を向上させるなら、社長が会社の経営理念を整え、事業ミッションを明文化し、ナレッジを可視化することは必須になると言えるでしょう。

■環境整備によるビジネスの改善が究極のゴール
「改善」とは何でしょうか?これは今ある事象の中から、問題点を抽出し、対策を打ち出し、それを実行することで実行前よりも良い状態を作り出すことです。

この2つの言葉が合わさって業務改善という言葉が使われています。業績が思うように上がらない時に業務改善するのは、社長が担う大事な仕事になります。

ただし、業務改善と言っても頭ごなしに命令するだけでは根本的な原因の解決が見込めず、改善は不可能です。

製造業ではいずれのプロジェクトでも、最終的な「QCD」を満たすことが正義だと考えられています。

「QCD」は「Quality(品質)」「Cost(予算)」「Delivery(納期)」の略です。

多くの製造業が「QCD」を重視する理由は、それぞれの要素は商品価値や企業価値、顧客満足度などブランドや事業価値を決定づけるあらゆる要素に直結しているからです。

■まとめ
近年では、少子高齢社会による人材不足や、長時間労働などの課題を抱える企業が少なくありません。多様な働き方に応じつつ生産性向上を目指す「働き方改革」の実現に向けて、環境整備の重要性は高まっています。

環境整備とは、業務内容や各社員の作業進捗状況を誰もが把握できる仕組みを作り、業務効率化を図る取り組みのことです。

「整理整頓」とは、物を必要な物と不要な物に分けて不要な物を捨て、必要な物を使いやすい場所に置くことになります。掃除をしたり見た目を整えたりすることだけが整理・整頓の目的ではありません。

作業を進める実行者が正しく目的を理解し、それを社内で共有できているかどうかで、「5S」が成功するかどうかが決まります。

整理・整頓・清掃・清潔・躾からなる「5S」は、製造業を中心に多くの企業が組織全体で取りくんでいる活動になります。

特に「トヨタ式5S」で有名なトヨタは、現場が整理と整頓を徹底して行うことで知られています。

環境整備には2つの視点があり、企業全体の状況を把握するマクロ視点、個人の立場で具体的に業務を整理するミクロ視点に分けられます。

「環境整備はまさに経営の根幹だと私は考えます。売上や利益を伸ばして、社員を成長させる。そのために組織を束ねる方法はこれしかないと思います。だから、いまも環境整備を続けています。」

<兼重宏行>(ビッグモーター社長)

■最後に
環境整備を行い、様々な業務プロセスの見える化のメリットを最大限に得るためには、最終目的を噛み砕いて、正しい課題や達成への要素を洗い出すのが重要になります。

なぜなら、最終目的が明確でも、目的達成に向けてのアプローチが間違っていると成果は得られないからです。ビジネスで成果を上げるためには、いつどこで、顧客がどんな課題を持っているかに着目すると良いでしょう。

最終目的の達成に必要な要素や課題が正しくKSFをブレイクダウンできれば、後はひとつずつ対応していくだけです。

KSF「Key Success Factor」は、「重要成功要因」と訳され、事業を成功させるために必要な要因を指します。KSFが明確であれば、1〜3年後を見越した事業計画書が立案可能なため、新規事業への参入などもスムーズに行きやすくなります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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