KPIとKGIの違いとは?目標達成にKPIとKGIの2つが必要な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

会社として曖昧な目標や間違った目標が設定されると、個々の営業マンやチームはどこに向かって進むべきか方向性を失ったり、進む方向性を間違ったりする可能性があります。

中小企業の場合、中長期の計画や目標すら設定していない会社も多いです。大きな目標を達成するためには、KPIとKGIの違いを理解した上で、社長や経経営幹部がマネジメントすることが必要になります。

KPIとKGIは目標達成をするために大事な経営指標になりますが、この2つは相関関係にあるため、同時に使われることが多く、混同しやい言葉です。

そこで今回、KPIとKGIの違いとは何か、目標達成にKPIとKGIの2つが必要な訳について解説します。

■KPIとKGIの違いとは?
「KPI」は、KGI達成までの各プロセスの達成度を測るもので、ゴールまでの中間指標の意味を持ちます。「KGI」はビジネスゴールを定量的に示した指標そのものになります。

KPIは業務レベルにおける具体的な目標設定ですが、KGIはより企業全体の戦略的な目標設定です。

KPIとKGIの大きな違いは、以下になります。

・KPI:中間目標「過程」を見る指標
・KGI:最終目標「結果」を見る指標

事業計画書を作成する際は、まずはKGIを決定し、そのKGIを適切に分解して戦略としてのKPIを定める必要があります。

■KPIマネジメントが必要とされる背景
KPIマネジメントとは、プロジェクト単位の目標(KGI)を達成に至る通過点としてKPIを設定し、達成状況を評価する目標管理のフレームワークになります。

KPIマネジメントのメリットは、数値目標という明確な指標を共有することで、組織内で共通の意識を持てる点です。

その結果、「いつまでに」「どのように」「何をすべきか」という判断がしやすくなり、メンバー個々の具体的な行動への落としこみが容易になります。

高度経済成長期の時代では、人口が増加してたこともあり、メーカーは大量生産すれば、勝手に売れたとは異なり、顧客ニーズを満たすことのできる製品やサービスだけが生き残るようになりました。

企業はあらゆる工程で目論見を立てて、ゴールを想定してアクションをすることが必要になりました。

様々なビジネスの施策で、ムリ・ムラ・ムラのない、より質の高いアウトプットを出す必要があるため、KPIマネジメントが取り入れられています。

KPIマネジメントに取り組む上では、KGIを最初に設定する意味合いを認識し、数値による指標化や、現在の状況を数値化して共有するといった根底の部分では、その重要性を理解しておく必要があります。

■KPIとは?
KPIとは、英語で「Key Performance Indicator」日本語では、「重要業績評価指標」を意味します。

KPIという言葉は「目標に対しての達成度」を意味しており、目標を達成するための方法やプロセス、進捗を管理するために使われる指標です。

KPIは、目標達成の進捗状況を計るための定量的な指標であり、数値で指標化されることが前提です。

目標に対するプロセス、つまり中間の指標であるため部門やチーム、業務ごとに設定されます。

例えば、インターネット広告では、セッション数やクリック数など指標は無数にありますが、その中で適切な指標を設定することが重要です。

KPIは、組織の達成目標(売上高など)に対して、目標達成度合いを評価する評価指標です。目標達成に向けたプロセスにおける達成度を把握し評価するための「中間目標」として非常に有効なのがKPIです。

KPIを適切に設定することで、目標が明確になり、チーム内の方向性が統一されます。KPIを設定することは、後に控える最終目標達成のための重要な要素になると言えます。

■KGIとは?
KGIとは、英語で「Key Goal Indicator」日本語では、「重要目標達成指標」を意味します。

ビジネスの最終目標を定量的に評価するための指標です。売上高や成約数、利益率などがこれに当てはまります。

KPIは業務レベルにおける具体的な目標設定ですが、KGIはより企業全体の戦略的な目標設定です。KPIとKGIはを必要なプロセス(KPI)を達成したら最終目標(KGI)が実現できるという相関関係があります。

例えば、自社の業界シェアが現状10位とわかっている場合、1つ1つの商品レベルで考えるのではなく、来年度中には業界シェアを3位まで伸ばしたいなど、企業が今後目指す方向性を決めることを「KGIを設定する」と言います。

ある期間の最終目標を指標化したもので、「いつまでに」「何を」「どれだけ」が数値で設定されます。事業計画でいうと、KGIは数多くのKPIにブレイクダウンされる、ビジョンのような存在なため、KPIよりもKGIが重要になります。

ですが、KPIによってプロジェクトの進捗状況を定量的に把握できるため、日常的な業務レベルでは、KPIの方が重要視される場合も少なくありません。

■目標達成にKPIとKGIの二つが必要な訳
経営者は、様々な数値を見て、数値管理を行うことが大切です。中でもKPIとKGIをセットで考えることは、ビジョンを実現するために不可欠になります。

1、成果に繋がり易くなる
チームマネジメントで目標管理を取り入れるメリットとしては、明確な目標が設定されることにより、それを達成するための計画や中期目標などが立てやすくなる点にあります。

成果を出すためにどういった行動が適切かを考えることができるようになるため、成果が出しやすくなると言えます。

KPIマネジメントでは、「最終的な業績や成果を達成するための先行指標」をマネジメントします。

状況をいち早く把握して、問題解決の手を打っていく先行管理が可能となり、安定した目標達成が可能となります。チームマネジメントで目標管理を取り入れると、メンバーのモチベーションにもプラスになります。

適切な目標設定ができていれば、目標に対する責任感が持てるようになり、「こうすれば目標に近づきそうだ」と行動に自主性が生まれるためです。

2、進捗状況を把握できるようになる
目標管理によってゴールが明確になるということは、進捗状況も把握しやすくなるとことを意味します。

KPIマネジメントは、「結果」ではなく、「結果を出すための指標」となるプロセスをマネジメントすることが特徴です。進捗を目に見える形にすれば、目標達成まで状況に問題ないか、リカバリーが必要か、メンバーが判断して的確に動けるようになります。

基本的には、PDCAを回しながら以下のマネジメントを行なっていきます。

・組織の成果目標に基づいたKPI目標を設定

・KPI目標を指標として業務を遂行

・最終成果の検証と振り返り、KPIの見直し

目標に対して思うように進んでいないときは、必要に応じて計画の見直しやリスケジュールなど、早い段階で対策も打てます。

進捗状況により仕事の調整がしやすく、時間やコストの浪費を防げることも目標設定のメリットだと言えます。

3、人事評価にもメリットがある
進捗状況が把握できるということは、人事評価にもメリットがあります。ゴールである目標の達成だけでなく、進捗を見て、目標に対する進捗の評価、プロセスの評価ができるためです。

成果だけに縛られずさまざまな視点から人事評価できるので、より公平に評価が行えるようになります。

KPIを評価制度と連携させるためには、組織業績等への貢献目標と、個人としての成長目標、2つの軸で3~5個程度の目標を設定することが鍵となります。

目標設定による進捗やプロセスを取り入れることによって人事評価の改善が期待できます。

■KPIとKGIを策定する際のポイント
KPIは、目標の達成度合いを評価する重要な指標です。しかし、KGIやKSFに合致した指標にならなければ、効果的な成果を期待することはできません。

適切なKPIを設定するには、コンセンサスの取れた指標で、かつ数値化や全体の整合性を意識したものにすることが成功の鍵と言えます。

KPI/KGIの目標設定が「売上」や「利益」といった数字に直結する場合、目標を達成するため、顧客に対して無理な販売を行ったり、顧客の意思や志向に沿わないセールスを行うことも考えられます。

KPIの本質を見誤れば、顧客満足度の低下だけでなく、売上の低下に結びつくことも想定されます。

適切なKPIマネジメントを実施するには、上からのトップダウンによって設定するだけではなく自主性を引き出すことも重要な取り組みになります。

組織全体でKPIマネジメントの目的を理解していないと、数値目標であるKPIだけが追求され、KGIを到達するためのプロセスが軽視されてしまう可能性があります。

営業会議でKGIの決定までのプロセスをオープンにすることや、KPIを仮説の1つと定義して適宜、見直すことなどを伝え、組織全体でコミットしやすい環境作りを行うことも大切です。

■まとめ
KPIは、戦術レベルの事象を評価する指標になります。戦略レベルのKGIより具体的なものになることを意味します。

KPIの指標は、特定の課題が与えられた少数のグループに関わるものであり、かつ評価期間がより短いものが多くになります。

営業やマーケティング施策のKPIは、「量」「質」「時間」「コスト」「進捗率」など日々のアクションの結果としての数値が、短期で計測可能な具体的な目標を設定します。

設定されたKPIから、具体的なアクションまで落とし込み、そのアクションの影響をグループ内で常に確認し、日々の活動の進捗状況に反映させる必要があります。

KGIをベースにした目標設定により、自主性が高まれば、個々のKPIとパフォーマンスの向上にも繋がります。目標を常に意識できる環境があることで、モチベーションの向上や維持といったモチベーション管理にも役立ちます。

組織として売上を上げるには、KPIの達成を個人の活動や成果に委ねるのではなく、定期的なプロセスの見直しも欠かせません。

PDCAといったフレームワークを活用しながら、適宜、KGIの達成に向けて適切にマネジメントして行くといった、フォローアップが必要になります。

適切なKPIマネジメントによって、組織力の強化が図れ、従業員のモチベーションを高めることもでます。会社全体のパフォーマンスを総合的に向上させることが実現します。

「どんな計画であれ、重要なのはあなたの信念である。信念なくして、結果を出すことなどは、あり得ない。」

<ウィリアム・ジェームズ>

■最後に
会社にとっても、KPIマネジメントに取り組むによって社員のモチベーションや自主性が上がることは大きなメリットとなります。

最終なゴールとなるKGIを実現するために、意欲的に仕事に取り組む社員が増えるような仕組みを作り上げることで、業績アップなどの良い結果が期待できます。

営業の現場は常に変化しています。顧客の予算も変われば、他社が優れた新商品を投入してくることもあります。

その中でKGIを描き自社が勝負できる商品にフォーカスし、どのような顧客を中心に、どのような売り方をすべきかを決めていく必要があります。

営業戦略と営業戦術と混同して使われるケースも多々ありますが、その違いは以下になります。

・営業戦略のKGI:どの業界に何の商品を中心に売り、1番を取るか?
・営業戦術のKPI:どんな顧客にいかに接点を作り、提案していくか?

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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