説明責任とは?社長や政治家が社会から説明責任を期待される訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

近年、大手企業の場合、社会的に与えるインパクトが大きいことから、ビジネスを行う上では経営者だけでなく、従業員もがコンプライスを踏まえた経済活動を推進することが重視されています。

何らかの不祥事が発生した際には、社長が先頭に立ち謝罪したり、記者会見を行うことが求められ、マスコミからも「説明責任」を問われるケースが増えました。

説明責任が必要になるケースとしては、法的な問題になるような事件が発生した時が多くなりますが、上場企業のトップだけでなく、政治家や芸能人、プロスポーツ選手なども対象になります。

説明責任は、リーダーと呼ばれる人が矢面に立つ必要があるため、公の場で迅速で適切な謝罪会見ができるよう事前の備えが必要になります。

そこで今回は、説明責任とは、企業の社長や政治家が社会から説明責任を期待される訳について解説します。

■説明責任とは?
説明責任とは、社会的な影響力の高い不祥事が発生した場合に、大手企業のトップが組織の代表として公の場で会見を開き、問題が発生した場合に状況について背景を調査し、再発防止を図ることを目的に、今後の取り組みについてマスコミやステークホルダーに対して説明する義務のことになります。

説明責任は英語で「responsibility」もしくは「Accountability」と表記されます。アカウンタビリティは、会計Accountingと責任Responsibilityの合成語になります。

アカウンタビリティは、主に経営者が株主などの出資者や債権者に対して、資金の使い途を説明する「会計説明責任」のことを指します。

説明責任は、一般的に大手企業に限定するものではありませんので、個人でも世の中に影響力を持つ人の場合、問題発生した理由と対策について詳細な説明をするという意味で使われます。

そのため、上場会社の会計情報の開示だけでなく、企業や公人が負う説明責任を指すことが多いです。

リーダーが説明責任を果たすためには、メディアや消費者、株主、従業員など様々なステークホルダーに対して、適時かつ適切な情報の開示と改善策の提示が求められます。

例えば、大勢のマスコミ関係者を前に会見を開くと、記者から難易度の質問や具体的な施策についての回答が必要になるケースもあるため、コミュニケーションを取るには、膨大なパワーが必要です。

そうした中で効率よく高い説明責任を果たし、改善策を実践するためには、企業イメージを損なわないための戦略的な「パブリック・リレーションズ」の手法が欠かせません。

■説明責任が大事な理由
上場企業の経営者や総理大臣、団体や組織において大きな権限を持っている人だけでなく、芸能人やプロスポーツ選手などは、「公人」にあたるため、その人の言動や行動が社会的に与える影響が甚大になるため、従業員や国民、ファンに対しての説明責任があります。

企業を問わず「公人」には、不祥事や問題が起き、特定の人に迷惑をかけたり、社会通念の観点から組織として問題となる行動をしてしまった際には、公の場で速やかに会見を開き、問題に対して説明したり、被害者がいる場合には心から謝罪をすることも重要です。

トラブル勃発時には、今すぐに可能な取り組みの説明をしたり、ステークホルダーが多い深刻な問題の場合には、長期的なボトルネックの解決に向けて、トップの考え方の説明責任があり、今後の対策の方針を表明し、課題の解決に向けてコミットする義務が生じます。

そのため、組織や団体のキーマンが何かのトラブルや不祥事、今後の失敗やミスを防ぐ場面などで、利害関係者に納得して貰えるようにリーダーとして率先して重要な情報を公開したり、謝罪を伴うシーンで必要になるのが、説明責任だと捉えられます。

ただし、今後のビジネスの方針や将来の見通しなど明るいビジョンを提示し、経営者ならステークホルダー、政治家なら国民、芸能人ならファンなどの不安を解消し、安心して日々の仕事や生活をして貰うために前向きな説明を行うことも重要だと言えます。

■説明責任とアカウンタビリティが生まれた背景
政治家や大手企業の不祥事、芸能人のトラブルなどが発覚すると、企業経営者や大臣クラスによるがこの経緯の弁解や謝罪する姿がマスコミの報道などから度々伝えられています。

特に大手企業の経営者は、社会的に与える影響力が大きくなるため、アカウンタビリティの欠如がマスコミなどによって指摘され、それによって社会からも厳しい評価を受けるケースがあります。

企業や組織というのは、組織外のひとから見ると、個人を相手にする時よりも何を考えているのか分かりにくい面があります。

特にそれが営利団体であれば、組織を維持するために利益を上げる必要があるので、利益追求のあまり周囲に悪影響を及ぼすのではないか、といった懸念を持つひとも出てくるでしょう。

こうした疑念や不和が生まれる前に、地域社会や公衆との良好な関係を築く潤滑油になるのが説明責任の役割のひとつです。

あらゆる企業は、利害関係者に対して、財務内容だけでなく経営の状況などを説明する義務があります。

ただし、義務的な内容だけでなく、企業が自らの行動や選択した理由、決定の元となる考えや打開策を打ち出し、今後の前向きな対応を公にコミットするという意味もあります。

このようなことからマイナスになるような問題や何らかのトラブルが勃発した際でも、リーダーが逃げるのことなく、真摯に対応することで反対に評価が上がることもあります。

それゆえ、顧客やファンの多い商品やサービスを提供する企業の経営者であれば、説明責任とアカウンタビリティを良く理解して置くと良いでしょう。

■前向きな説明責任とアカウンタビリティが使われるケース
株式公開をしている企業は、パブリックカンパニーに該当するため、アカウンタビリティにおいて株主に自社の健全性を訴え、定期的な財務情報の開示という説明責任を負っています。

上場会社が四半期ベースの財務情報を開示することは、投資家保護の観点からアカウンタビリティが重要視されるようになった一つの背景でもあります。

アカウンタビリティは経済学から派生した言葉のため、経営者が株主や投資家に対して、企業の経営状態や財務内容を報告する義務以外にも、企業サイドから他の利害関係者にビジネスの状況を説明する責任として使われます。

企業の株主は経営者や役員ではないため、投資した会社に対して財務状況や経営に関する情報を得る機会が少なく、将来に関して不安要素を持っています。

それらのフォローのためにも、経営者にはビジネスの進捗や業績の説明責任があり、アカウンタビリティによって企業の情報を開示しなければなりません。

アカウンタビリティは、ビジネス上の意味合いとして簡単に説明責任と訳されることも多いですが、多様な意味を持つ言葉でもあります。企業と大きな利害関係にある投資会社から見ると、出資した会社の経営者への責任の追及という意味で使われることが多いです。

しかし、説明責任を問われるようなトラブルが起きた場合であっても、事態の調査をスピーディに行い、問題行動を把握した上で、課題解決に向けて前向きな取り組みを行うことで、インテグリティが溢れる経営者として評価されるケースもあります。

トップマネジメントが今後について公の場で語ることは、関係者への新たな対策への理解を得ることにも繋がり、具体的な施策についてコミットメントする前向きな行為となるのです。

■IRとアカウンタビリティの違い
IR「Investor Relations」(インベスター・リレーションズ)も説明責任に近い要素がありますが、IRとは株式公開企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績、今後の見通しなどを広報するための活動を指します。

具体的な活動としては、ホームページ上における情報開示だけでなく、ディスクロージャー資料の送付や、決算説明会や各種説明会を開催したり、工場や施設などの見学会を実施したりするなど、企業によっては独自のIR活動を行っている会社もあります。

IR活動を積極的に行っている企業の株価は、投資家に対して信用できる企業だという印象を植え付ける効果が機能し、IR活動をあまり行っていない企業の株価に比べて高くなる傾向があると言われます。

IR活動をしている全ての企業が優秀な企業だといえるわけではありませんが、情報開示を積極的に行う姿勢は評価されて当然といえるでしょう。

■企業に説明責任が求められるシーン
それでは企業はどのようにアカウンタビリティに取り組んでいくべきなのか、その目的を明らかにしたうえで紹介していきます。

1、PR活動の目的
PR活動にも密接に関係しているアカウンタビリティは、マイナスの要素だけでなく、ターゲットとなるステークホルダーとの間で企業やブランドに対するポジティブなイメージを形成することを目的としています。

パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方となります。

つまり、企業にとってPRとは、企業にとってのパブリックである生活者や株主・投資家、取引先などのあらゆるステークホルダーと、相互に利益のある関係性を構築することを指すと言えるでしょう。

2、生活者
生活者に対してはブランディング活動を行います。人々に対して企業や商品などをよく知ってもらい、良好な関係を築くためのコミュニケーションを取る必要があります。

そのため、アカウンタビリティを通して自社や製品への理解と共感を促進し、認知を向上させることによって購買意欲を高め、最終的には売上の増加を目指します。

つまり、アカウンタビリティとは組織と顧客の関係性を構築し、維持する行動の在り方であると捉えることができます。

企業などの社会的組織がステークホルダーとの両方向のコミュニケーションを行って組織内に情報を還元して修正を図り、良好な関係を構築・継続していくマネジメントであると言えます。

3、IR・株主・投資家
株主や投資家に対しては、アカウンタビリティを通して目に触れる機会が増えることで自社への認知を向上させ、投資を促します。

そのため、株主に向けた企業の理念、ビジョンをあらゆる方法で認知拡大し、「どの企業の発展段階でステークホルダーに影響を与えていくか」ということを認識し、準備していく必要があります。

また、事業の成長を期待してもらえれば、株式市場での評価も向上できるでしょう。

4、アライアンス・営業先の企業
アライアンス・営業先の企業に対しては、アカウンタビリティを目にすることで自社の企業活動を評価してもらい、取引の強化や協業の検討を促すことで、営業活動への貢献度を高めることを目標とします。

アカウンタビリティ活動を行う対象は、マスメディア関係者やネットユーザー、潜在顧客など様々です。

ターゲットにした顧客にとって価値のある情報を発信していくことで、会社の評判を上げることができます。

前向きなアカウンタビリティに取り組むことによって、アライアンスや自社の評価を高めることにも繋がるため、企業のの売り上げを向上させることができます。

5、社内の関係者
社内の関係者については、アカウンタビリティによる誠意ある対応は、インナーブランディングにも繋がります。

社会的に評価される対応を通して自社のビジョンへの共感、また自社に誇りを感じさせることができれば、社員とのエンゲージメントを高めることにつながります。

インナーブランディングの軸は、従業員一人ひとりが理解・納得した上で意識変革・文化変革をしていくことです。企業を内側から変革し、企業価値を向上させ、より理想的な姿の実現を目指すもの、とも言い換えられるでしょう。

■まとめ
説明責任が必要となるような企業の不正行為は、社会的に許されるものではありません。企業の不祥事が発覚すれば社会から厳しい評価が下されます。

そのため、企業の経営者には、コーポレートガバナンスとアカウンタビリティの欠如を防ぐためにも、単なる説明責任を超えたアカウンタビリティについての深い理解が必要です。

ステークホルダーとの関係構築は、企業や製品の未来のために必要なことです。その上でやはり最も初めに行なうべきなのは現状の問題を含めた分析です。

アカウンタビリティを意識しながらステークホルダーからの評判を上げるには、企業や製品の現在地、強み、課題などを調査・分析し、体系的に整理してから、続くパブリックリレーションズの戦術の実行へと繋げる必要があります。

事業活動には経営者だけでなく管理者や従業員なども、自らの活動結果に関するアカウンタビリティを果たすことが求められます。

企業をあげてアカウンタビリティを実施することで、従業員に説明責任の考え方を意識付けさせることができます。

また、コミットメントと同様に個々が目標を掲げ、業務への責任を自覚させることもできます。従業員1人1人が説明責任を自覚できるようになれば、仕事のクオリティが増し、業務のパフォーマンスを高め、仕事の成果の向上に繋げることが期待できます。

そのため、中長期的な経営の計画や今後の戦略についての適切な報告は、企業の持つ健全性の維持や、社会的責任を全うする上で必要不可欠でしょう。

経営者は、トップが全社的な経営戦略を立て事業経計画に落とし込み、各部門に実施させます。

しかし、部下が実施した事柄だからといって、経営者に説明責任がない訳ではありません。

指示した企業経営の透明性を高めるためにも、適切な説明責任とアカウンタビリティが求められるのです。

■最後に
説明責任というと、大手企業の経営陣や従業員が何らかの問題行動や組織的な不正行為などが発生した際に、悪い意味合いとして企業トップが公の場で、謝罪会見を指すことが多いです。

一方で、インテグリーティを備えた経営者であるならば、問題発覚時にも迅速に行動を図り、意欲的に問題解決に取り組むことができれば、自社の考え方や前向きな取り組みを公に知って貰うことで、反対にイメージアップを図る機会に転換することも可能です。

アカウンタビリティは、説明責任ともリンクするPRやIRは企業運営には欠かせない活動になります。

会社経営においては、何らかの情報を発信する場合、人による説明が伴うものであることが基本であることは変わりませんが、インターネットの発達に伴い、情報を伝達する手法は多様化しています。

説明責任を伴うアカウンタビリティを効果的に行うためには、パブリックリレーションズに関する一定のノウハウを持ったPRのプロ人材が必要です。

自社のリソースに不安がある場合には、顧問の活用も視野に入れつつ、積極的なPR活動と融合させた攻めのアカウンタビリティ活動を行っていきましょう。

アカウンタビリティの重要さは理解していても体制的な問題やコストパフォーマンスにリソースを投資できない企業もあるでしょう。

そのような場合には、メディア・リレーションズに精通したPR顧問を活用することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

前向きなアカウンタビリティを効果的に行うには、企業情報を発信するためのコンセプト設計から企画の立案、メディアへの露出から効果検証までを戦略的に行う必要があります。

アカウンタビリティに長けた人材が社内にいれば自社での運用が可能ですが、そうでないなら社内で人を育てて行く所から始めなければならず、時間もコストも掛かります。

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そのため、自社の経営リソースを本業だけに集中させ、アカウンタビリティに関しては、フリーランスの顧問や副業のプロ人材が培った知識・経験・人脈・スキル・ノウハウという人的資産を武器に効率的に展開することが可能です。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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