顧問のインテグリティとは?顧問のリファレンスチェックとは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

アメリカの大手企業の経営方針や社員が守るべき行動規範を記した文面には、「インテグリティ」という言葉が頻繁に使われています。

ピーター・ドラッカーは、インテグリティこそが組織のマネジメントを担う人材にとって“決定的に重要な資質”だと喝破し、才能ではなく真摯さが重要だと説いています。

そこで今回は、クライアントとなる企業や経営者だけでなく、経営者を指導したり、マネジメント層をサポートする顧問にも求められるインテグリティと顧問のリファレンスチェックの重要性について解説します。

「人を雇うときは三つの資質を求めるべきだ。すなわち、高潔さ、知性、活力である。高潔さに欠ける人を雇うと、他の二つの資質が組織に大損害をもたらす。」

<スティーブ・シーボルト>『一流の人に学ぶ自分の磨き方』

■顧問のインテグリティとは?
「完全体」「潔白な」といった意味を持つラテン語”integer”が語源であるインテグリティ(integrity)。日本語では「誠実さ」「高潔さ」「真摯さ」と訳され、企業経営や組織作りにおける重要な資質とされています。

主に欧米企業で経営方針や社員が持つべき価値観として頻繁に使われるようになり、次第に企業経営や組織マネジメントの領域でも使われる用語となりました。

そしてフリーランスや副業人材が増加してきた昨では、経営者やマネジメントするリーダーだけでなく、外部人材にもインテグリティを持つことが欠かせない要素になりました。

なお、経営学者であるピーター・ドラッガー氏もインテグリティの重要性について触れており、『現代の経営』では「インテグリティ(真摯さ)に欠ける者によって、大切な人材が損なわれ、業績の低下にもつながる」「真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる」と断言しています。

■なぜ、顧問にインテグリティが求められるのか?
顧問のインテグリティの欠如は、企業にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

プロ人材としてのインテグリティが欠如している人とは、正義感や誠実さが失われた状態にある人を指します。

例えば、顧問の仕事を受ける際にも、真実でないプロフィールの情報やスキル、人脈リストの記載など、クライアント企業への影響を顧みない”不誠実な姿勢”は、やがて企業サイドからのクレームや顧問紹介会社のエージェントからの顧問契約の打ち切りにも繋がります。

その結果、顧問紹介会社の間でも顧問によるそれらの不誠実な対応や不正行為が明るみになり、1つの会社とのトラブルが更には他の顧問先へと繋がり、ついには良くない顧問として烙印を押されプロ人材として信頼を失ってしまうこともあり得るのです。

そのため、最近では、正社員の採用では、書類選考や面接だけでは分からない採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚といった一緒に働いた経験のある第三者から取得することができる、「リファレンスチェックサービス」も登場しています。

■フリランスにもインテグリティが必要な理由
正社員だけでなくフリーランスとしての仕事の獲得にあたっても、目先の利益だけを追う姿勢は非常に危険であり、一流のフリーランスとして成長し続けるためには、外部のプロ人材として「インテグリティ」を持つことが欠かせないのです。

世の中やエージェント会社から信頼されるフリーランスや顧問になるには、まずクライアントとなる企業の経営者や責任者と接するマインドの根幹が”誠実”でなければなりません。

だからこそ、経営者や経営に近いポジションや、組織をまとめるマネジメント層、従業員を教育・指導する立場の人間へのアドバイスや実行サポートの相談や依頼が継続的に来る形になります。それゆえ、顧問としても特にこのインテグリティを持つ必要があると言えるのです。

■「インテグリティのある顧問」とはどんな人を指すのでしょうか?
インテグリティ溢れる魅力的な顧問とは、「正しさ」に重きを置く、正義感がある人です。「たとえ自分の売上につながる施策だとしても、顧問先のためにならないものであれば実行しない」という選択ができるかどうかも試金石になります。

自信の利益のみを優先せず正しさを一番に考え、正当な判断できるような方は、インテグリティのある顧問だと言えるでしょう。

顧問として責任のある仕事を担うようになると、求められる目標を達成しなければならないプレッシャーと向き合うことになります。そんな時こそ、プロ人材としての本当の意味でインテグリティが求められます。

例えば、たとえ相手が顧問先の経営者であっても、正しくないことは正しくないとしっかりNOと言える人材。それこそ真のインテグリティのある顧問だと言えます。

もう一つが、「先義後利」を重んじ、利他的な考えができるプロ人材。こういった人もインテグリティがある顧問として相応しい人材になります。自分のためではなく、世の中のため、人のためを考えることができるプロ人材は、インテグリティが高いと言えるでしょう。

クライアントとなる企業から、高い売上目標を設定されたときに、手段を選ばずに達成させて自分が評価されることを望むのか、それとも顧客のためになっているか、世の中のためになっているか考え、正しいやり方を選ぶのか。

クライアント企業に対してどのような影響を与えるのか、社会にどのような価値と良いインパクト与えられるか、こういった部分に立脚して物事を考えられる人は、顧問としてインテグリティがあるプロフェッショナルだと言えます。

■顧問契約後に発生する3つの採用ミスマッチ
一人あたりの転職回数が増え、副業やフリーランスなど働き方が多様化している近年、エージェント会社が介在しない直接契約で顧問契約を進めると以下のようなミスマッチが起こる可能性が高くなります。

1、期待値のズレでのミスマッチ
普段の振る舞いをはじめ、実際に一緒に働いてみないと分からない部分や本来伝えるべきことがお互いに伝わっておらず、一方に期待値が高い状態で生じるミスマッチ。

2、スキル・能力のミスマッチ
顧問契約したした顧問の持つ能力と企業が求めるスキル・能力に乖離があり、期待通りのパフォーマンスを発揮しないことにより生じるミスマッチ。

3、社風・文化・カルチャーのミスマッチ
実際に顧問契約した後に顧問の性格や特性、周囲との関わり方などが会社の雰囲気、文化やカルチャーと合わなかったときに生じるミスマッチ。

■企業がインテグリティの高い顧問を選定する方法
顧問の採用活動を行なう際、たとえ知力や活力に富んでいる人材だとしても、顧問サイドにインテグリティが全く備わっていなければ、将来会社に大きな損失を生んでしまう可能性があります。

また、インテグリティは後天的に身に着けるのは難しいと言われているだけあって、なかなかすぐに身に着くものではありません。だからこそ、そもそもインテグリティがあるフリーランスや顧問を採用することが重要です。

そこでインテグリティのある顧問を採用することがポイントになります。インテグリティのある顧問であるかどうか、誠実さや真摯さがあるプロ人材であるかどうかは、外見からでは判断できません。

そこでクライアント企業に強くお勧めしたいのが、フリーランス人材や副業人材との直接契約は避け、顧問のエージェント会社やフリーランスのエージェント会社経由で顧問契約を推進することです。

その理由としては、エージェント会社が存在していることで顧問契約の前段階で、顧問紹介会社のコンサルタントに質問を通し、その顧問がどれほど正直か、誠実か見極めやすくなるからです。

また、本人には直接聞きに難い部分や顧問としての実績はどうなのか、ライアント企業からの評判などをエージェント会社に事前に確かめることで、インテグリティの有無を鑑みた顧問契約が可能になると言えます。

■まとめ
近年、課題解決に向けた顧問の活用だけに留まらず、リモートワークで若手のフリーランスや副業人材が活躍できるフィールドが急速に増えました。

インターネットの普及により、プロ人材としてのプロフィール情報やフリーランス活動の評価や動きが見えやすくなった昨今では、「顧問としてのインテグリティ」や「フリーランス人材としてインテグリティ」がますます重要視される時代になって来ています。

インテグリティは一言で言い表すことのできない、やや定義の難しい概念です。ですが、顧問への仕事を依頼する企業と仕事を受ける顧問の両方が、インテグリティの重要性を正しく理解し取り入れることが大事になります。

プロ人材への仕事依頼が増え、様々な企業でより健全なフリーランス人材を活用できるオープンイノベーション体制へと変わって行くはずです。

そして、それがゆくゆくは顧問としての信頼や評価の醸成につながり、「パーソナルブランディング」が形成されて行くものです。その地道な積み重ねこそが、フリーランスとして企業からの確かな信頼と大きな財産となるのです。

■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、フリーランスや副業人材の「リファレンスチェック」を行った上で、クライアント企業の課題や要望に合わせた顧問のサーチと推薦を行い、両者のマッチングと仕事のアサインに取り組んでいます。

リファレンスチェックとは、顧問の新規登録時にエージェントが事前に登録者の履歴書や職務経歴書を貰い、プロフィールや実績を確認したり、事前にフリーランスの方々と面談を実施することを指します。

つまり、第三者という立場から、書類や面談では分からない情報を取得しクライアントに共有することを言います。候補者の人柄や実績、過去の仕事内容や成果、顧問契約の期間や人物像などの情報をエージェントから得ることで、顧問の採用におけるリスクを軽減することが主な目的になります。

顧問との面談の時間は限られていますし、長所や短所、職務遂行能力を候補者本人が正しく認識し説明できるとは限りません。

そこで第三者であるエージェントから実際の働きぶりや人物像などを聞くことで、依頼企業と「カルチャーとフィット」するか、求めているスキルや人物像と合致しているかが判断でき、顧問契約のミスマッチが軽減されます。

これにより顧問の選考過程の中でできるだけ早期に候補者を見極め、エージェントと一緒に判断することで選考フローを削減することに繋がります。

また、エージェントによるリファレンスチェックを選考フローの序盤に実施することで、候補者のスクリーニングになり、選考を効率化することもできるでしょう。

基本的に顧問への仕事依頼時には、日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」が契約の窓口になることで、支払管理の一本化を実現するエスクロー型のサービスを「中間マージン無し」の「顧問報酬100%」で提供しています。

もちろん、両者のトラブルを回避するだけでなく、顧問の方々と共に成果を上げるパートナーとして大きな責務と重要な役割を担っています。

【無料お試し】が可能ですので、まずは会社アカウントを登録し、是非、どのような顧問がいるか選定をしてみてください。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

経営者・採用担当者の皆様へ 日本最大級の顧問契約マッチングサイトのKENJINSでは、年収700万年収1500万クラスのハイクラス人材を、正社員採用よりも低価格で活用可能です。顧問のチカラで圧倒的な成果をコミットします。

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