営業には大きく分けて2つの種類があることをご存じでしょうか?
それは、一般的な営業を意味するフィールドセールスと、新しい営業の形として昨今注目されるインサイドセールスの2種類です。
日本の営業では、営業担当者の47%が「内勤営業」、53%が「外勤営業」に従事しています。
現在の法人営業において両者の役割は融合しつつあり、どちらも営業チームを構成する上で欠かせないものになっています。
そこで今回、外勤営業と内勤営業の違いとは何か、営業プロセスを分業するメリットについて解説します。
■外勤営業と内勤営業の違いとは?
外勤営業とは、企業へ訪問して自社の紹介や製品・サービスの提案などを行うスタイルの営業で「フィールドセールス」(field sales)と呼ばれています。
フィールドセールスは、多くの場合、リード(見込み顧客)への商談・クロージングアプローチ以降の営業プロセスを担当します。
営業活動では、主に以下のフェーズで成り立っています。
・見込み客のリストアップ
・電話やメールでのアポイント取り
・訪問、商談
・提案、見積もり
・クロージング
・成約
・フォローアップ
従来はこれらすべてを一人の営業担当者が担うのが一般的でした。しかし、現在では多くの企業で、それぞれの特性を踏まえてインサイドセールスとフィールドセールスを使い分けるようになってきています。
2、内勤営業とは?
内勤営業とは、顧客の要望を丁寧にヒアリングして、購買意欲を後押しし、確実に契約へとつなげる大切な仕事です。内勤営業は、基本的に自社の商品を知らない顧客に対して営業活動を行うことはありません。
顧客は能動的に自社の商品やサービスを購入したい、説明を聞きたいという購買意欲があって来店、または来社してきます。
BtoBの内勤営業は、顧客からのアクションに対応する形で営業を行う職種のことです。「インサイドセールス」や「カウンターセールス」とも呼ばれ、外回りを行うことはなく、社内で電話やメールを使った営業を行ったり、来店した顧客に対して営業を行ったりします。
内勤営業を行う目的は、「訪問営業の担当者に、成約する可能性が高そうな商談の機会を提供すること」です。アポイントを取った後、訪問営業の担当者が訪問し、面談した上で成約というのが、一般的な取引きの流れです。
内勤営業の守備範囲としては、主に次の3つが挙げられます。
・新規顧客の開拓
・潜在顧客への情報提供
・既存顧客のフォロー
■外勤営業=フィールドのセールスの2つのパターン
フィールドセールスの業務としては、直接見込み顧客先に足を運んで、商談を実施することが中心ですが、マーケティング機能の強弱や有無によって2パターンあります。
1、マーケティング機能がある企業
フィールドセールスは顧客を訪問し、対面での営業活動をするセールスパーソン(=訪問営業)という意味でした。しかし、昨今においてはこのあり方が変容しています。2020年以降、世界的に広まった感染症によって訪問自粛の流れとなり、既存企業への訪問によるご挨拶営業も新規営業の飛び込み営業も完全にできなくなりました。
アフターコロナ以降、顧客とのファーストコンタクトは、メール、DM、テレアポというパターンが急増しました。インサイドセールスが構築できている企業の場合、メールやDM送付、テレマーケティングなどのマーケティングアプローチにより獲得したリードを、インサイドセールスが「ナーチャリング=育成」します。
今後のフィールドセールスは、既にニーズが高まっているリード企業に対して商談を実施し、成約まで取り付けるクロージング業務がメインになるでしょう。
2、マーケティング機能がない、もしくは弱い企業
新規企業への飛び込み訪問やTELアポなどを実施し、まだ自社のことを認識していない潜在顧客層の開拓も担当することになります。フィールドセールスを中心に展開している企業の特徴は、以下の通りです。
・高額商品を扱っている
・対面でのデモ紹介が必要な商材を扱っている
・商談フェーズのリードが多い
・売り切りの商品を扱っている
・アカウント営業
■フィールドセールスの3つのメリット
フィールドセールスのスタイルを取るメリットとしては、3点が挙げられます。
1、契約/案件化前の懸念点を払拭することができる
相手企業の風土によっては訪問の方が印象が良く、その場での意思決定を促せる場合もあります。だからこそ、フィールドセールスををアサインした方が効率的・効果的な場合があるのです。
法人向けにソリューション提案をするアカウント営業では、その組織について下調べをして課題を洗い出し、解決するための手段を提案することがミッションとなります。各種情報や資料を現物で伝えられるのは、外勤営業の大きな強みでしょう。また、対面での商談は顧客に安心感を与えられるので、クロージングにも適しています。
2、顧客の機微を読みながら柔軟に対応できる
フィールドセールスは、顧客先に直接足を運んで話をします。そのため顧客側の表情や態度、仕草などから機微を読み取り、話の進め方や深度などを柔軟に調整することができます。
デモが必要な商材の場合は、その場で使い方を見せた方が顧客にとって親切でしょう。これもフィールドセールスが訪問することで契約の確度をあげられる分野です。
3、商品やサービスについて細部まで説明できる
対面で説明を行えるということは、その時に様々な資料を見てもらいながら、商談を進めることができるということです。
そのため、商品やサービスについて細部まで理解してもらい、質問などにもその場で回答することができます。コンサル系のサービスや広告出稿など、契約後にも提案の質が求められる場合、案件化してからフィールドセールスが顧客担当する形が望ましいこともあります。
■フィールドセールスの3つのデメリット
デメリットについても確認しておきましょう。
1、移動コストが掛かる
フィールドセールスの最大のデメリットは移動コストが掛かるという点です。フィールドセールスは、顧客先へ訪問するという特性があります。そうなると当然移動のために時間も費用も掛かってくるのです。
一社だけであれば、そこまで問題にはなりませんが、大抵は一日に数社行くことになるので、その分時間も費用もかさむことになるでしょう。また、フィールドセールスから提案し、商談をしたけれども契約まで至らなかった顧客は、その時点での温度感が低い会社に対して無駄に訪問してしまったということになります。
2、一日にアプローチできる顧客数が少ない
また一日にアプローチできる顧客数が少ないという点もデメリットと言えます。フィールドセールスは顧客と対面して商談などを行うため、先述の通りどうしても移動が伴います。
フィールドセールスは、商談の時間にプラスして移動時間もかかるわけですから、当然一日にアプローチできる顧客数には限りがあり、多くても4~5社程度が限度になるでしょう。
顧客の検討度合いに関わらずフィールドセールスのみで対応してしまうと、ホットリードへの対応が遅れてしまい、商談の機会損失が起きる可能性もあります。
3、認識のズレが起こる
訪問営業の場合、営業現場を他の人が見られず、商談の中身がブラックボックス化しやすいという弱みがあります。
そのため、フィールドセールスとインサイドセールスで協業する場合には注意が必要です。情報共有の漏れや、顧客をパスする流れとその判断基準を確立していないと、それぞれが担当するフェーズが分かりにくく担当間の認識のズレが起きやすくなります。
■インサイドセールスとは?
昨今のコロナによってオンライン商談が主流になったことや、従来の営業手法に限界と感じており、営業組織をスケールさせるために生産性を高めていきたい企業が増えていることからインサイドセールスのニーズが高まっています。
インサイドセールスとは、見込み顧客に直接足を運ぶことはせず、電話やメールなどオンライン商談ツールを利用して、非対面で顧客とコミュニケーションを行なう営業手法です。
チラシやWebサイト等を見て興味を持って問い合わせのあった顧客に対する営業活動のため、じっくりと時間をかけて顧客に入り込む営業スタイルを取ることが多くなります。
そのため、商品説明はもちろん、顧客の要望をヒアリングし、様々な提案を通してじっくりと顧客満足度を上げられます。顧客の喜びに触れ、やりがいを見出しやすい仕事だと言えるでしょう。
■インサイドセールスの業務
インサイドセールスは見込み顧客の育成が基本的な役割になります。
フィールドセールスの飛び込み訪問やマーケティング部門が実施した展示会・セミナーなどで獲得した顧客情報を基に、様々な情報やコンテンツを提供することで、関係性を深めていきます。
企業の中にはインサイドセールスが商談のクロージングまでを担当している場合がありますが、基本的にはニーズがある一定まで高まった時点でフィールドセールスにバトンを渡すことが多いでしょう。
インサイドセールスで商談化するためには、鍵となるのはスピードです。
その理由としては、問い合わせや資料請求から時期が空いてしまうと、購入意欲が下がってしまうからです。
営業プロセスやアクションの標準化など、インサイドセールスを駆使した営業体制をしっかりと整える必要があります。
■インサイドセールスの2つの種類
インサイドセールスは、大きく「SDR」と「BDR」に分類されます。それぞれの役割や大まかな業務内容、アプローチ方法について解説します。
1、SDR
SDR「sales development representative」は「反響型」セールスと呼ばれています。
一般的にSDRは、主にマーケテリング担当者がコンテンツや広告、セミナーなど通じて創出したリードを商談化してフィールドセールスへ引き継ぐ役割であり、国内のインサイドセールスの多くはSDRです。
反響型のインサイドセールスで、基本的には問い合わせのあった顧客への営業を実施していく役割を持っています。
対応する顧客は、既に問い合わせをしてきているためニーズが顕在化しており、購買意欲が高いという特徴があります。
インバウンドリードとして、リードが問い合わせや資料請求などアクションしているケースでは、リードが自社に対して何かしらの興味を持ってくれているケースも多く、アウトバウンドを比較して商談化しやすい状態です。
2、BDR
もう一つはBDR(Business Development Representative)と呼ばれるインサイドセールスです。インバウンドリードにアプローチするSDRと異なり、BDRはターゲットと定めた企業に対して戦略的にアプローチしていきます。
自社がターゲットとする企業へ直接アプローチできるため、商談化して受注すると大きな成果が見込めます。
その一方で、自社に対して興味を持っていないケースが大半なので、ナーチャリングやアプローチ手法など戦略的に進めなければなかなか成果に結びつかないため、難易度は上がります。
問い合わせをしてきた顧客の対応をするSDRと異なり、こちらから能動的にアプローチをしていく形になります。
そのため、対応する顧客の中には、自社のことを認知していなかったり、購買意欲が低かったりする顧客もおり、SDRよりも顧客育成に時間がかかってくるという特徴を持っています。
■インサイドセールスの3つのメリット
インサイドセールスのメリットとしては以下が挙げられます。
1、多くの顧客にアプローチ可能
見込み客のことを「リード」とも呼びますが、その熱度はさまざまです。
中には、自社製品への興味や関心が十分に高くなく、成約に至るまでには多くの時間と手数がかかる相手もいます。
そうしたリードにまで訪問営業をしていては、業務効率が落ちるばかりです。
フィールドセールスと違い、顧客先に訪問する必要がないので移動時間がなくなり、その分の時間を顧客へのアプローチに充てることができます。一日に数十社へアプローチすることも可能なので、非常に効率が良いと言えるでしょう。
2、新たなリードへの対応を丁寧にできる
企業にとって、新規顧客の獲得以上に効率的なのが、既存顧客からの収益です。
それを実現するには、クロスセルやアップセルの機会創出がカギとなります。
そのため、営業担当者としては、現実に進行している商談のほうに目を奪われ、将来の優良顧客となりうるリード層へのアプローチがおろそかになりがちです。
クロスセルやアップセルを行うためには、顧客が抱えている課題を知り、それを解決する方策を提供することが必須です。その方策を構築する時間と余力を、インサイドセールスとの分業は提供してくれます。
3、リードナーチャリングができる
リードの対応をインサイドセールスが担当し、電話やメールによるコミュニケーションを通じて課題をヒアリングしたり、それに対する解決策を提示したりしたらどうでしょう。
分業によって、リード層のナーチャリングをインサイドセールスが行えば、リードの取りこぼしを減らすことができます。
リード側の熱度が高まり、「担当営業と直接話をしたい」というところまで育成・誘導できる可能性が出てきます。
これが、インサイドセールスのおもな役割である「ナーチャリング」です。
リードのナーチャリングやフォローをインサイドセールスに任せられるということは、フィールドセールスはそのエネルギーを本来のコア業務に集中できるということです
■インサイドセールスの3つのデメリット
デメリットの方も併せて確認しておきます。
1、インサイドセールスならではのノウハウが必要
トークスクリプトの作成やDMのコンテンツ制作など、インサイドセールスでは訪問営業とは違ったアプローチが必要になります。
もちろん、フィールドセールスとして培ったノウハウを活かせないことはありませんが、インサイドセールスのやり方を理解し、企業に導入することが大切です。
・ナーチャリングに特化するのか?
・フィールドセールスと分担体制にするのか?
・発掘から契約までおこなうのか?
上記のように、どの程度の営業活動をおこなうのか、インサイドセールスの役割を具体的に定める必要があります。
2、顧客との信頼関係構築が難しい
インサイドセールスのデメリットとしてまず挙げられるのは、顧客との信頼関係構築が難しいという点です。
電話やメールなどがメインのコミュニケーションとなるため、自社商品の使い方を説明したり、複雑なシステムを案内したりするのには不向きな営業方法です。
また、インサイドセールスも万能ではなく、扱う商材によって向き・不向きが少なからず存在します。
例えば、車や住宅といった高価で商談も複雑になりがちな商材は、顧客側に「面談して決めたい」という気持ちが強く働くため、インサイドセールスに向いているとはいえません。
対面で顧客にアプローチしていくフィールドセールスと比較して、非対面でのコミュニケーションになるという特性上、相手のリアクションを測る材料が「声」のみになります。
そのため、自社の商品やサービスに合った方法でインサイドセールスを活用しないと、成約機会の損失につながる恐れがあります。
リアクションを基に臨機応変な対応をすることが難しく、その分信頼関係の構築が難しいと言えます。
単純な商品ならインサイドセールスのみで対応し、複雑なサービスはフィールドセールスが担当するなど、対策を講じるとよいでしょう。
3、体制を整える必要がある
メールや電話で顧客と詳細なやりとりをしていたのに、フィールドセールスがその情報を知らないまま商談に向かっては、話がかみ合わず交渉が決裂してしまう原因となります。
体制を整える必要がある点もデメリットと言えるでしょう。
インサイドセールスは遠隔で営業アプローチを行っていくため、電話やメールのほかに、Web会議システムやチャットツールなども必要になってきます。
メールや電話で顧客と詳細なやりとりをしていたのに、フィールドセールスがその情報を知らないまま商談に向かっては、話がかみ合わず交渉が決裂してしまう原因となることもあります。
インサイドセールスのなかでも、フィールドセールスと分業型で導入する場合、両者の緻密なコミュニケーションが不可欠です。
インサイドセールスとフィールドセールスの担当範囲や連携におけるルール策定など、実施体制を整備していくことが求められるでしょう。
■営業の分業体制を成功させる3つの要素
営業の分業体制を構築する上では、越えなければならない課題も幾つかあります。
インサイドセールスは、導入すればすぐに成果が出る訳ではなく、場合によっては思うような成果が得られないこともあります。
1、インサイドセールス導入の目的を明確化する
インサイドセールスを成功させるためには、どのような目的で導入するのか、人材はどうするのか、何を評価とするのかなど、詳細を設定してから導入することが大切です。
新規顧客の発掘がしたいのか、外勤営業の補助をしたいのか、目的が不明確なままインサイドセールスを導入してしまうと、社内だけでなく、社外の混乱まで招く結果となってしまいます。
営業プロセスを洗い出し、どのシーンでインサイドセールスを活用したいか確認しましょう。
その上で、フィールドセールスとインサイドセールスが担う役割を分担し、業務の移行作業を実行します。
2、営業に携わることができる人を選ぶ
インサイドセールス部門を設立したばかりは、営業という概念に囚われず、柔軟に、適切な人材を選定することが大切です。
営業の人的リソースが豊富にあるのであれば、インサイドセールスを設置しなくても、全ての見込み顧客に対して十分なフォローを実施できます。
しかし、人的リソースが乏しいのであれば、インサイドセールスを設置して見込み度合いの低い顧客に対するアプローチは遠隔で実施することで回数を増やし、フィールドセールスは成約率の高い見込み客に注力できるように役割を分けていくべきでしょう。
3、顧客側のリテラシー
自社の製品・サービスジャンルに対しての顧客側の持つリテラシーの程度もポイントになります。
自社の営業担当と同様程度のリテラシーを持つのであれば、何度もコンタクトして話さなくても自社製品・サービスについて理解をしてもらうことができます。
この場合はフィールドセールスが中心となって対応すれば問題ありません。
しかし、顧客のリテラシーが低いのであれば、インサイドセールスを設置し時間をかけて顧客のリテラシーを高めていくようにコミュニケーションや情報提供をしていくことが有効になります。
■インサイドセールスを導入する方法
次にインサイドセールスを導入する方法について、4つのステップに分けてご紹介していきたいと思います。
1、導入範囲の策定
まずはインサイドセールスが担当する範囲を策定します。
ここでのポイントは「どのタイミングでフィールドセールスに渡すのか」という点です。
・アポが獲得できた時点で渡すのか
・商談設定時に渡すのか
・契約確定後のクロージング時に渡すのか
企業によってインサイドセールスの範囲は異なるため、自社のフィールドセールスとのバランスを考慮して、導入範囲を決めていくと良いでしょう。
2、KPIの設定
インサイドセールスのKPIを設定する時は、成果(成約件数など)だけでなく、プロセス(メール送付件数)も評価できる仕組みを導入しましょう。
KPIはステップ1で定めた導入範囲によって異なってきますが、大体において以下のようなKPIを設定することが多いでしょう。
・架電数
・アポイント獲得数
・商談設定数
・契約獲得数
3、シナリオ設計
続いて、インサイドセールスの対応すべきタスクを時系列に沿ってまとめたシナリオ設計を実施します。インサイドセールスのために顧客との接点を洗い出し、それぞれの接点において提供したい顧客体験を明確にしましょう。
「顧客育成」の視点から、顧客に提供するべき価値や体験について考え、施策を検討・実施していきましょう。
見込み顧客の購買意思決定プロセスに応じて、具体的にどういったアプローチをするのかといった点を前後の文脈を踏まえた上で、設定していきます。
ここではAIDMAやAISASなどの購買プロセスのモデルを用いると分かりやすいでしょう。
4、実施と効果検証
取り組み開始後は、適宜KPIに対する実数を確認して、効果検証していくことが重要になるでしょう。
また設計したシナリオも、実際の見込み顧客の反応などを取り入れながら、ブラッシュアップしていく対応も必要になってきます。
時間をかけてリードを育成するインサイドセールスでは、成果のみを評価基準とすると適切な人事評価につながらない可能性があります。
また、フィールドセールスとの情報共有を活性化するためにも、インサイドセールスの流したリードから成約につながった件数を査定対象とするなど、情報共有を活性化する仕組みも導入するとよいでしょう。
■インサイドセールスを導入する時の3つのポイント
最後にまだインサイドセールスを導入していないという方向けに、導入する上で重要になるポイントをお話したいと思います。
フィールドセールスとインサイドセールスで明確に役割を分担しましょう。
1、自社の現状の営業プロセスを整理する
インサイドセールス、フィールドセールスのどちらが適切かは商材の種類・価格、顧客層といった要素で決まりますが、具体的には以下のような視点で営業プロセスの見直しを行うことが重要です。
・商談の単価から鑑みた現状の営業活動のコスト
・展示会、Webサイトといった手法での見込み顧客獲得状況
・フォローしきれている見込み顧客はどの程度か
・適切にナーチャリングできていない見込み顧客の数
・営業に引き渡された顧客による商談化案件数と営業予算の対比
・現状のフィールドセールスで提案活動に割かれている時間は、どの程度か
・営業予算の達成のためにインサイドセールスのメンバーは十分か
主にインサイドセールスをどこに活用するか見定めるのが目的ですが、プロセスを棚卸しすることにより無駄な部分がわかることもあります。
無駄な業務プロセスについては積極的に廃止し、外部に委託するなどで効率化を目指してください。
インサイドセールスの導入時には、既存の業務フローを見直したり、新規システムを導入したり、内勤営業に特化した知識を取り入れたりする必要があります。
社内の体制が変わることで、営業部門やカスタマーサポート部門の業務負担が一時的に多くなることにも留意しましょう。
2、プロセスによる役割分担
インサイドセールスで成果をあげるには、社内の連携が必須といえます。
まずは、インサイドセールスの適用範囲を明確にすることが大切です。営業部門・カスタマーサポート部門で働くスタッフの協力があって初めて、施策が効果を発揮することに留意しましょう。
役割分担において「プロセスによる分担」を導入する場合は、特に情報共有の精度が非常に大切です。
インサイドセールスがこれまで見込み顧客とどのようなコミュニケーションを取り、どんなコンテンツを提供しているのかという情報は、フィールドセールスが商談をスムーズにクロージングする上で欠かせません。
ニーズの低い見込み顧客へのアプローチや育成をインサイドセールスが担い、案件化できるレベルまでニーズが高まった時点でフィールドセールスが担当するという形が多いでしょう。
3、情報共有できる仕組みを構築する
インサイドセールスでは、かつて営業パーソンが単独で行っていた業務を組織的に取り組みます。そのため、社内では顧客情報の共有がスムーズにできる環境を整えておくことが重要です。
フィールドセールス部門とインサイドセールス部門の情報共有を、円滑に行える仕組みを構築することも重要なポイントになります。
これまでのプロセスの情報がきっちりと共有されていなければ、顧客がすでにインサイドセールスに話しているようなことをフィールドセールスが知らずに聞いてしまうというリスクがあります。
もしそういったことが起きてしまうと、見込み顧客に不信感を抱かれてしまうきっかけになりかねません。
そのため、これらの情報共有をきっちりと行える仕組みを構築することは必須なのです。
■まとめ
営業担当が、アポ取りから顧客訪問、見積書作成&提出、納品後のフォローアップまですべて1人でやっている企業はまだまだ多いのではないでしょうか?
BtoBの営業やマーケティング活動においては、フィールドセールスとインサイドセールスが併走することが多く、それぞれの役割の明確化と円滑な業務フローの確立が必要になります。
内勤営業と外勤営業の強みは異なります。
そのため、どちらかを選択して導入、ではなく双方の強みを活かした役割分担を行い、内勤営業と外勤営業がスムーズに連携できる仕組みを整えることが大切です。
情報化の進展に伴い営業の仕事が広範囲かつ複雑になっている今、営業の生産性を向上させるために、営業プロセスの「分業」を進める企業が増えています。
多くの企業にとって、売上目標を達成できる可能性を高めるには、内勤営業と外勤営業の共同作業で分業することが欠かせません。
なぜなら、営業効率が上がる内勤営業で顧客の興味度を高め、対面による安心感を与えられる外勤営業がクロージングを担当するなどの戦略を導入すれば、全体的な営業成績の向上が見込めるからです。
インサイドセールスの導入、運用が失敗に終わらないためには、まず自社の営業活動事例の分析やプロセス分けを行う事が大事です。
提案からフォロー、受注に繋がるまですべてをインサイドセールスで行うのか、商品の実物を確認する流れでフィールドセールスを導入するのかなど、営業プロセスで必要に応じてインサイドセールスを導入運用することも考えられます。
「部下の弱みに目をむけることは、間違っているばかりか無責任である。上司たるものは、組織に対して、部下一人ひとりの強みを可能なかぎり活かす責任がある。そしてそれ以上に、部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある。」
<ピーター・ドラッカー>
■最後に
営業担当が1人ですべての営業プロセスを担っている場合、その成果は各人の能力に頼りがちになります。
しかし、分業を前提にすることで、潜在顧客へのアプローチからアポイントの獲得、受注・契約まで、営業プロセスが可視化され、現状の整理・分析がしやすくなり、より効率的な営業活動に繋がります。
営業の分業体制に取り組む会社が増えた昨今、中小企業やベンチャー企業の場合、新規開拓を強化すべく内勤営業と外勤営業を強化したとしても、大手企業の役員クラスや決裁権限のあるキーマンと商談機会を作ることはそう簡単ではありません。
そのようなリード創出の課題に対して最適なソリューションとなるのが、営業顧問の人脈や業界でのコネクションを借りた「トップダウン営業」になります。
これまで“営業の仕事”と思われていた「新規アポイント」を人脈を豊富に持つ、営業顧問とチームを組み分業体制を構築すると効果的です。
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