近年、企業の営業活動におけるリード獲得の重要性が高まっています。BtoBのビジネスでは自社の商品やサービスを販売し、顧客と友好な関係性を築く最初のステップとしては、いかにして「リード獲得」を行い育成することができるかが非常に大事なポイントになります。
売上が安定している会社は、定期的にリード獲得を行っています。もしくは、四半期に一度のペースで相当な広告費を投下した大規模なプロモーションを展開することで沢山のリードを一気に集めています。
ですが、売上が低迷している会社は、いずれの施策も展開していない会社が多いです。
そこで、今回、リードとは何か、リードを獲得することがビジネスの成長の鍵になる訳について解説します。
「問題の解決によって得られるものは、通常の状態に戻すことだけである。せいぜい、成果を上げる能力に対する妨げを取り除くだけである。成果そのものは、機会の開拓によってのみ得ることができる。」
<ピーター・ドラッカー>
■リードとは?
リードとは、主にBtoBマーケティングにおいての「見込み顧客」を指しています。リードの元々の由来は英単語の「lead(意味は先頭・手がかり・きっかけなど)」から来たマーケティング用語になります。
リード(見込み客)は、自社に興味を持っており、今後顧客や利用者になる可能性がある企業もしくは個人を指します。つまり、未だ取引は発生していないが将来的に取引が発生する見込みがある顧客のことになります。
沢山のリードを効果的に獲得することで、多くの見込み顧客に対して様々な活動ができるようになります。また、そのリードの中でより自社の製品やサービスを必要としている質の良い顧客を見つけ効率の良いビジネスに繋げることができます。
リード獲得を行う最大の目的は、当然ながら案件を獲得し、新たな顧客を増やすことにあります。リードの定義はそれぞれの企業によって変わりますが、大体において以下の条件を満たしている場合にリードと呼ぶことができるでしょう。
・自社や自社の提供する製品・サービスに多少の興味を示している
・何らかの接点を持っており、アプローチすることができる
逆に言えば、自社について全く知らない潜在的な顧客層や、自社の提供する製品・サービスに全く興味がない顧客層はリードであるとは呼びません。
■リードジェネレーションとは?
旧来までの法人企業の新規営業活動は、候補となる企業リストに営業電話をかけ、アポイントが取れたら直接訪問し、ヒアリングや情報提供などを行いながら案件の成約を行ってきました。
しかし、従来の営業手法では、自社に興味があるかどうか分からない会社も含めてアプローチし、企業に訪問する形になるため移動する時間も掛かり効率的ではありませんでした。近年では、インターネットや各種マーケティングツールを含むデジタル技術の進展により、リードジェネレーションの概念が浸透しつつあり、営業活動にも劇的な変化が生じました。
法人営業の現場でもより効率的な営業活動を行うため、リードジェネレーションにより自社に関心をもったリードの連絡先を入手した上で、まずメールや電話で接触しながら反応を見て、インサイドセールスで営業アプローチと対話を行い、ターゲットの関心度合いを事前に探っていく方法が広まりました。
リードジェネレーションとは、オンラインをを問わずオフラインを含めた、見込み顧客を獲得するための営業活動やマーケティング手法を指します。オンラインの手法としては、インターネット広告やSEO集客、オフラインでは展示会・セミナー等になります。
最近では、新たな営業アプローチ手法として「リファラル営業」でアポイントを獲得し、短期間で成果を上げるベンチャー企業が増えています。
リードを営業に渡す前に、リードに対してメールなどで情報提供を行いながら自社に対する関心を高める活動を行う場合もあり、こちらは「リードナーチャリング」(リード育成)と呼ばれています。
■リードの分類
リード獲得に効果がある手法は大きく2つに分けられます。オフラインでの施策とWebマーケティングの技術などを活用したオンラインでの施策です。リードはプロセスや購買意欲に応じて、いくつかに分類することができます。
これらは施策によって、リード獲得が行いやすいか、また自社が狙おうとしている見込み客にアプローチしやすいか(ターゲティングしやすいか)が異なります。
1、Inquiry
Inquiryとは「問い合わせ」段階にいるリードのことを指します。潜在顧客のうち、自社のホームページに訪問した上で、製品やサービスに興味を抱き、資料請求などの問い合わせをしてきた顧客のことです。
企業の提供するWebコンテンツやWebサイトが入り口となります。これらの情報を見た顧客が、問い合わせや資料請求などと言った形で企業へアプローチし、コンタクトが始まります。
2、MQL
MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティング施策で獲得したリードのことです。セミナーや展示会、各種Web広告からの獲得は勿論、Inquiryで獲得したリードに様々なコンテンツを提供することで、MQL化させるケースもあります。
MQLでは、もともと興味がある企業だけをターゲットとせず、オープンな場での名刺交換から始まることが多いのが特徴です。出会ってから最終的な見積もり段階までに半年から一年かかることも珍しくありません。
3、SQL
SQL(Sales Qualified Lead)とは、商談設定や提案といった営業アプローチをかけていく段階にいるリードを指します。
SQLでは、MQLと比較して最終見積もりまでスピードが速いのが特徴です。その理由は、日頃の営業活動による結果であるため、営業へ行った先で獲得できたり、双方の協議によって決まったりすることがあるためです。
SQLは獲得方法によって、さらに以下の2つに分けられます。
・SGL(Sales Generated Lead)
営業がTELアポなどのアプローチを通じて直接獲得したリード
・SAL(Sales Accepted Lead)
マーケティング部門が獲得したMQLのうち、後述するリードナーチャリングによってSQL化したリード
インバウンド営業の場合、顧客は製品やサービスに対して既に関心や購入意向を持っているケースがほとんどです。そのため、インバウンド営業では、顧客が持っている関心やニーズを引き出し、それに対し提供できるサービスやソリューション、それにより生み出される顧客のメリットを具体的に伝えることが有効です。
4、Close
Closeはすでに商談などを終えて、契約を取り交わす段階にいるリードのことです。
「クロージング」という言葉は、英語の「Close」が元になっています。直訳では、「閉める」、「締めくくる」、「契約が成立する」という意味です。
営業はいくつかのフェーズに分かれますが、クロージングは最終段階です。自社の商品やサービスに対する興味関心度が高く、購買までもう少しの段階にある見込み顧客のことを言います。つまり、リードの中でも、最も確度の高いリードというわけです。「今すぐ客」とも呼ばれています。
■リードから顧客化させる3つのポイント
顧客のニーズや嗜好性が多様化したうえに、少子高齢化や新型コロナウイルスの影響などによって市場の先が読みにくくなった昨今においては、リードごとに最適化したアプローチを行わなければ、競合他社との競争に勝てなくなりつつあります。
1、ターゲティングを行うこと
リードジェネレーションで行われる顧客のターゲティングです。最終的に顧客にどういうサービスや商品を提供したいのか。そこから逆算してターゲットを絞りこむことで、より質の高いリードを獲得することにつながります。
もしターゲティングが不明確な状態でリード獲得数だけ増やしても、後のリードナーチャリングなどにつながらず最終的に顧客化できる数が減ってしまい元も子もありません。
企業のマーケティング・セールス活動においては、ターゲット設定を的確にすることが不可欠といえます。しかし、一般的なハウスリード情報だけでは、「どんな企業が最終的にCVしたか」といった統計データを充実させられないため、どのようにターゲット設定を行えばよいかわかりづらい点が課題です。
そこで、リードエンリッチメントを活用します。例えば、リードエンリッチメントを行うことで過去にCVした企業の統計が取得できれば、今後アウトバウンドセールス(新規顧客に電話や飛び込み営業をすることで、商品の購入やサービスの利用につなげる活動)やマーケティングでアプローチをかけるべき企業を適切に選定できるようになるでしょう。
2、リードエンリッチメントを行うこと
リードエンリッチメントとは、自社で収集したリード(「過去に問い合わせがあった」「名刺交換した」などの理由で連絡先を獲得している見込み顧客)情報に、他のソースから入手したデータを付加することで、データの有用性を強化するプロセスです。
一般的に各社が持っているリード情報は、社名やメールアドレス程度しか取得できていない場合が多く、営業活動に十分に活かせていないのが現状です。そのため、近年はリードエンリッチメントを実施して、自社が保有するリード情報にさまざまな情報を付与することで有用性を高め、営業活動の効率化に活かす企業が増えています。
リードエンリッチメントを実施してリード情報を最適化できれば、自社のターゲットをより正確に把握できるため、リード育成施策の最適化やカスタマーエクスペリエンスの向上につながります。その結果、企業の売上に貢献できる点がリードエンリッチメントのメリットだと言えるでしょう。
3、ターゲットに適したリード育成施策を行うこと
リードエンリッチメントによって詳細なデータが入手できれば、ターゲットに適したリード育成施策の実施も可能です。
データの内容が充実するため、リードが持つ願望や課題点などの把握が進み、ターゲットごとに最適なアプローチが行えるようになります。例えば、メールマーケティングなどのアウトバウンドセールスにおいては、送信するコンテンツ内容をより柔軟にカスタマイズできるようになるでしょう。
これによってリードの購入意欲を高め、将来的な受注に繋げて行く「リードナーチャリング」が実現できます。その結果、リードの育成速度を高めることができれば、売上向上に貢献することも夢ではありません。
■リード獲得の最適な単価を考える重要性
顧客獲得の最初の一歩となるのがリード獲得ですが、リードジェネレーションの施策によってかかるリード獲得単価や相場はそれぞれです。リード獲得単価とは、見込み顧客を1社または1人獲得するために費やしたコストのことで「CAC」と呼ばれます。
CACは、Custmer Acquisition Costの略で、「顧客獲得単価」という意味になります。新たな顧客を獲得するのにかけたコストすべてに対して、顧客の獲得件数を割ることで計算できます。顧客獲得のための費用には、広告出稿やイベント出展にかけたマーケティング費用や、セールスの人件費などすべて含まれます。
CACは新しい顧客を獲得するのにかけたすべてのコストを含み、事業単位・プロダクト単位での顧客獲得単価を指します。そのため、CACはプロジェクト単位などの粒度で用いることが多くなります。
CPAは施策単位の粒度がメインになりますので、インターネット広告の分野で、1コンバージョンを得るために費やした広告費を測定するために用いられることが多いです。計算式は以下の通りです。
CAC=顧客を獲得するために費やしたコスト÷新規顧客獲得数
マーケティングへの投資自体が適切だったかどうか評価するためには、半期や通年など長期間でCACを算出し評価することが欠かせません。その理由としては、短期的なCAC単体だけでは、施策が適切であったかどうかは評価は難しく、LTV(ライフタイムバリュー)を鑑みながら、PDCAの視点で取り組みを評価することが改善策に繋がるからです。
また、BtoBマーケテティングでリード獲得の質を上げるためには、リード獲得単価のKPI設定が重要です。KPIとは目標達成に向けた進行度を把握するための中間目標において有効な指針であり「重要業績評価指数」と訳されます。
リード獲得単価以外のKPIは以下のものが挙げられます。
・WEB問い合わせ数
・アポイント獲得数
・オンライン商談件数
・対面での商談件数
・MQL・SQLへの転換率
上記のKPIはマーケティングファネルの過程で獲得したリードを元に割合で算出するもの各フェーズで一件あたりのリード単価数を算出します。LTVをCACで割った値を「ユニットエコノミクス」と言います。
■ユニットエコノミクスの算出が大事な訳
ユニットエコノミクス(Unit Economics)とは、その名の通り「単位あたりの経済性(儲かっているのか損しているのか)」を表す概念です。何を単位とするかは企業次第で、事業によっては製品や販売ツールの場合もありますが、一般的なのは顧客やアカウントでしょう。
ユニットエコノミクスは事業単位の経済性を表しています。顧客やアカウントごとに儲かっているのか損しているのかを見るのがユニットエコノミクスになります。ユニットエコノミクスが3以下またはマイナスであると、顧客獲得の結果、損失を招いているという見方になります。
ユニットエコノミクスはLTV/CACで算出できるのですが、この数字が3以上であることが健全な事業運営と呼べる水準と言われています。逆にユニットエコノミクスが3以上であれば、収益を継続的に上げられる状態になっていると言う見方になります。
事業を成長させるためには、顧客獲得のために一定以上の投資を行うことが必要です。定期的にユニットエコノミクスを算出し、事業運営の健全性を把握しておくと、柔軟な事業戦略に役立てられます。
■まとめ
効率的なリード獲得は、企業の売上向上に直結します。マーケティングで使われるリードは、きっかけや手がかりの意味合いが強く、今後顧客になる可能性が高い「見込み顧客」のことを意味します。
リード獲得とは、これから顧客になる可能性が高い見込み客を獲得することをいいます。正確なターゲティングと最適なリード育成により、カスタマーエクスペリエンスを強化することで、売上やKPI、ROI(Return On Investment:投資に対してどれだけの利益を上げたのかを測る指標)の向上につながるでしょう。
競合が多い業種においては、リードのエンゲージメント強化は重要な課題であり、自社サービスのブランディング強化につなげることで差別化を図ることが可能です。より多くのリードを獲得し、長期間商品の購入やサービスの利用をしてもらうために、リードエンリッチメントによるカスタマーエクスペリエンスの向上は、全ての企業において必須といえるでしょう
リードエンリッチメントによってリード情報が強化されることにより、新たなマーケティング施策やコミュニケーションチャネルを開拓することが可能です。また、リード情報の強化により、リードにアピールするタイミングや場所、方法を最適化できます。
ただし、リードを増やそうとテレビCMによるマス広告を筆頭に、ディスプレイ広告、リスティング広告はライバルが増えたことで広告単価が高騰している今、何も考えずに莫大な広告予算を投資すると投資対効果が下がることも多々あります。
そのため、オウンドメディアを立ち上げるなどの手法により、広告依存の体質から脱却することで広告費の削減することも重要な取り組みになると言えます。
また、優秀な営業マンの採用コストや育成コスト、固定で支払う人件費が高騰している現在、内勤営業と呼ばれる「インサイドセールス」を導入し、営業マンの数を導入を減らし成果を上げることも可能になりました。
ただし、大手企業を新規開拓する際には、キーマンとの商談することが最重要の課題になります。そのため、アメリカのセールスレップと同様に、フリーランスの営業顧問を活用した「リファラル営業」に取り組むと効果的です。なぜなら、大手企業の役員クラスや決裁権限のあるキーマンとの関係性を作り、良質なリードを増やすことができれば、ROI向上にダイレクトに繋がるため利益率の向上も実現できるからです。
■最後に
中小企業やベンチャー企業の場合、何のコネも無い大手企業を対象に新規にアプローチを掛けるにはハードルが高いのが一般的です。そのような際には、キーマンとの人的コネクションを持つ営業顧問を登用することで、今まで自社にはなかった大手企業の新規開拓や大口の販路を見出すことが期待できます。
なぜなら、顧問として活躍するプロ人材の多くは、上場企業の元社長や役員経験者、大手企業の事業部長の経験者ですので、大手企業のキーマンとの太いパイプを持っているからです。営業顧問として活躍する人は、自身が経営幹部を務めていた企業との繋がりや同規模の会社とのコネクション、大学時代の友人など独自に培った強力な人脈ネットワークを保有しています。
例えば、新卒の営業マンを採用し、ターゲットとする大手上場企業の社長や役員クラスにテレアポでアポイントを取ろうとしても3年経過しても商談機会を作ることすら難しいケースもあります。自前主義にこだわり過ぎると、提案のタイミングを逃してしまいライバルに先にクライアントと契約されてしまうなど、大きな機会損失にも繋がります。
また、仮にアポイントが取れても大手企業の役員クラスと商談できる可能性は極めて低く、決裁権限者との関係性を築き上げるには多くの時間と手間を要します。そのため、大手のリード獲得には「営業顧問」を活用した方が、ダントツに費用対効果が高く、成約に繋がる確率も圧倒的に高いと言えるのです。
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これにより、従来のコールドコールでは何度アプローチしても難攻不落だった大手企業の役員クラスやキーマンとのアポイントの取得から、同行営業により効果的なプレゼンテーションの機会を作り、成約に繋がる有効商談をセッティングすることを実現しています。
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