オンボーディングとは?採用とセットで人材の定着支援が大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

海外企業を中心に、日本の会社でも採用した人材が職場で成果を出せるようになった時に、その採用が初めて意味を持つという「成果主義」の考え方が広がって来ています。

リクルートの「就職白書2020」によると、2019年度の採用単価は新卒採用が93万円、中途採用は103万円で、18年度の平均採用単価(新卒採用71万円、中途採用83万円)と比べると、人材採用コストは、年々増加傾向にあります。

特に人材紹介会社を利用して中途で年収の高い正社員を採用した場合には、年収の30%を紹介手数料として支払うことが一般的なため、年収の高い人材に短期間で辞められると多大な損失を生んでしまいます。

それらを回避する方法が、「オンボーディング」の取り組みを推進することです。

そこで今回、オンボーディングとは何か、採用とセットで人材の定着支援が大事な訳について解説します。

「福利厚生を充実させれば、良い人材が集まり、しかも永くとどまってくれる。スターバックスの社員は、仕事に誇りを持っているから簡単に転職しないのだ。わが社の離職率は企業平均の半分以下なので費用を節約できるばかりか、顧客との人間関係を深めるのにも役立っている。」

<ハワード・シュルツ>スターバックスCEO

■オンボーディングとは?
オンボーディングは、上司や同僚も対象として、職場全体で新規採用者を受け入れるというアプローチを行うことで、既存メンバーと新メンバーを短期間で統合させていくためのプログラムを指します。

新規採用した人材の定着支援や成果を上げるサポートをせず放置状態で、会社や仕事に「慣れて貰う」という待ちの姿勢とは異なります。

つまり、新しく会社や組織に加わった人材にいち早く職場に慣れて貰うだけでなく、社員との交流の場を設けたり、実務レベルの様々な仕事の支援をすることで、組織への定着して貰い、早期の戦力化を促進するための取り組みのことを指します。

人事用語としてのオンボーディングは、企業が新たに採用した人材を職場に配置し、組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセスを意味します。

オンボーディングの特徴としては、対象とする人材を新卒人材に限らず、キャリア採用した若手社員、中堅人材、幹部クラスのエグゼクティブ人材まで含まれることや、短期間で終了する取り組みでなく、継続的な定着支援プログラムになるという点になります。

人材の定着支援を行うことで、採用コストのムダを削減させ、早期に即戦力になって貰う手厚いサポートを推進することにより、組織の生産性を向上させることが、オンボーディングの最大の目的だと言えます。

■オンボーディングが注目されている背景
オンボーディング施策が注目されている背景には、新卒で入社した新入社員のみならず、中途採用を行ったエグゼクティブ人材の早期離職を防くことが、企業の発展に非常に重要であることを企業が認識したことにあります。

新卒採用や中途採用を問わず、せっかく採用した優秀な人材を早期戦力化するためには、短期間のオリエンテーションで終わらず、長期的に継続的な「オンボーディング」を行うことが効果的です。

即戦力として期待され、莫大なコストをかけてキャリア採用した幹部人材が企業文化や周囲と馴染めず、早期に退職してしまうことは、採用コストだけでなく、ビジネス全体に大きな損失に繋がります。

会社や本人が責務とする明確な目標も無く、何を成すべきか本人に任せ切りでは、会社から何を期待されているか分かりません。

営業職の新規開拓や新規事業の立ち上げなど、新たに採用した人材に難易度の高い仕事を任せた場合など、パフォーマンスを上げるまでに時間が掛かることを社内で理解されず、多くの企業で成果を上げることを短期間で求めれることも早期離職の理由になります。

現在、新たに人材を採用するにあたって、経営者や採用担当者だけではなく、現場社員など人事領域以外の社員に対しても採用や人材育成の活動に関わることの求められる傾向が強まっています。

逆にいえば人事領域以外の経営幹部も新たな人材を温かく迎い入れ、社員も積極的に採用活動に関わっていかないと、人材採用も良い人材の定着も難しい状況に変わって来ているとも言えます。

■オンボーディングを実施する3つの目的
オンボーディングを実施する目的は、新入社員の戦力化と中途採用の人材の早期離職を防ぐことです。ここでは、3つの観点からこれらについてより具体的に解説します。

1、新たな社員の成長スピードを上げる
新入社員や中途社員は組織のルールや職場のシステムなど、知るべきことが多くあります。人間関係の形成に加えて会社の社風との「カルチャーフィット」を早期に実現しなければならないことも少なくありません。

カルチャーフィットとは、企業独自の文化に人材が馴染めていること、上手くフィットしている状態を指します。

採用した人材が社内で活躍して行けるか、長期的に働いてくれるかどうかは、カルチャーフィットが上手く行っているかどうか次第で、新たな戦力となる大事な社員が定着するかが大きく左右されます。

また、自分の仕事と会社の業績への影響や社会への貢献やと照らし合わせた際に、「会社の業績に影響を与えられていない」、「顧客への貢献が出来ていない」と感じると、新たにジョインした人材のモチベーションが保てなくなります。

カルチャーフィットが上手く行かないことにより、人材が定着せず早期離職に繋がってしまうことも少なくありません。

オンボーディングは、組織への順応をスムーズにするために新たに入社した社員をサポートする目的があります。

2、早期の離職防止
早期離職の原因は、仕事内容や人間関係のミスマッチが多くの割合を占めています。

カルチャーフィットとよく似た言葉に、「スキルフィット」という言葉があります。

カルチャー(文化)ではなくスキル(能力)が、採用後の業務に適しているかどうか判断する指標として用いられるため、意味合いが全く異なります。

スキルフィットだけが高い場合や、カルチャーフィットだけが高い場合など、片方だけに偏ってしまうと、結果として企業と上手く適性がマッチすることができません。

人材の定着のためには両方に一定の高さを持てるような採用、育成、定着支援が重要になります。

しかし、実は業務の目的ややりがいを十分に知らなかったことや、職場の人間とのコミュニケーションが不足していただけというケースが少なくありません。

オンボーディングには、新入社員や中途人材に目標を与えてモチベーションを高めたり、面談やミーティングなどの場を設けたりすることで、理想と現実のギャップを調整する目的もあります。

3、従業員満足度の向上
従業員満足度はES「Employee Satisfaction」とも呼ばれ、仕事へのやりがい、人事評価、福利厚生など職場環境全体に対する従業員からみた満足度のことです。

従業員満足度が向上することで、各自の生産性やモチベーションが上がります。働き方改革を実行するうえでも、重要な要素になると言えます。

オンボーディングによる活発なコミュニケーション、組織内での役割の理解などは、従業員満足度の向上にも役立ちます。結果として人材が定着しやすく、業績面でも長期的な効果が期待できます。

部下の考えを理解したコミュニケーションが取れていたり、部下の仕事ぶりを把握して、きちんと称賛したりしている上司がいる部署のメンバーは、従業員満足度が高くなります。

反対に部下を放置したり、納得度の低い評価を部下にしたりする上司がいる部署の従業員は、当然ながら辞めていく傾向が高くなります。

上司のマネジメントが起因する退職は、上司自身のマネジメントの能力不足、上司の従業員満足度の低さのどちらかが原因となっています。

■オンボーディング実施の3つのポイント

1、メンター制度導入を検討する。
社員の退職率が増加傾向にある原因の1つとして、「仕事の悩みを気軽に相談できる先輩社員がいない」「アラートをあげにくい環境である」ことがあげられます。

年功序列がなくなりつつある現在、新しく入社してくる後輩や、年下の社員に抜かれてしまうことを恐れ、新入社員や後輩に対して「競争意識」「ライバル意識」を持って接してしまい、社員が孤立してしまう状況が出てきています。

メンター制度とは、年齢や階級が離れていない新入社員に近い立場の社員がサポート役になる制度です。似た制度であるOJT制度との違いは、人間関係についての悩みなど、業務以外の領域まで含めてフォローを行うことです。

多くの企業では、職場環境や業務に慣れやすくすることで早期離職を予防し、成長スピードを速めるために、オンボーディングの補助制度として導入しています。

2、人事部が信頼関係の土台を作っておく。
リクルートキャリアによると、早期に優秀な人材として活躍し始める人のうち約8割が、入社前に人事担当者と十分なコミュニケーションを取っていた経緯があるとのことです。

新入社員や中途採用の人材が、会社や上司に対して疑問・不安に思っている企業情報をオープンにすることで信頼関係を得ていることが、その後の成長によい影響を与えています。

メンター制度は離職率の低下につながる魅力的な制度ではありますが、人事部もしくは経営陣も率先して会社や新たな社員の理解と上司への信頼や会社への愛着を得る必要があります。

入社前の人事担当者とのコミュニケーションも、将来に大きな影響を与えるオンボーディングの一部です。

3、早い段階で成果を上げる支援をする。
どんなにスキルがある人であっても、新しい職場に馴染むことは簡単ではありません。

早期戦力化して、期待通りの活躍をして貰うためには、企業の側が中途入社者の特性をきちんと理解し、適切なサポートをしなければなりません。

中途入社者は「周りに頼れないし、周りからかまって貰えない」という環境に置かれます。それは、中途入社する人にとっては「逆境」とも言えるでしょう。

人によって程度の差はありますが、中途採用の人には「即戦力」というラベルが貼られています。そのため、「あの人は中途だからお手並み拝見だね」となりやすい傾向が高くなります。

■心理学的な観点からもオンボーディングが必要な訳
人材紹介会社を経由して採用された人材には特に、企業が負担した人材採用コストが掛かっています。

年収が高額で「人的資産」を豊富に持つ人であればある程、スキルが高い分、年齢が高めになる傾向が高く、中途入社者である本人も「高いプレッシャーを感じているが、周囲からのサポートが少ない」という環境に置かれています。

中途入社した本人もこれをヒシヒシと感じるので、初めての業務の中で中々、理解出来ない事柄があっても、なかなか自分よりも若いメンバーに素直に聞くことができません。

実際には、本人が「周りの若い人に頼れない」ことだけでなく、後から入社した人が他の幹部社員よりもポジションが上の場合、「他の役職者からの妬みの対象になる」ことも早期離職を引き起こす大きな要因になります。

このような際に企業が何も手を打たなければ、その人物がいかに優秀であったとも即戦略として活躍することは、そう容易ではありません。

企業はこの事実を理解して、「オンボーディング」により、適切なサポートをする必要があります。

ですが、周囲のメンバーも若い新入社員とは異なり、経験豊富な中途入社者にはアドバイスや業務支援が難しいこともあります。

アドバイスをしようと思っても、その助言がすでに中途入社者が「知っていること」であったら気分を害するかもしれない。周囲や相手に気を使ってしまい、大事なことを言えない人間心理が生まれているのです。

人事部が機能していないこと、直属の上司の職務怠慢により、本人が頑張りたくても放置状態であることが、中途入社の人材が「周りからサポートをして貰えない」「企業のカルチャーフィット」できないと感じることが、早期退職に至る最大の理由だと言えます。

■まとめ
有効求人倍率が高く、いわゆる売り手市場です。企業は簡単に優秀な人を採用することが出来ません。

経営資源の限られたベンチャー企業にとって沢山のコストを掛けて、ようやく採用した人材が職場に馴染めず、活躍して貰うことが出来なかった、という事態は大きなダメージが伴ないます。

新卒や中途を問わず、社員の早期離職は企業にとって大きな損失です。

入社に至るまでに費やした時間と費用、入社後の各種手続きや研修などでかかった人件費や給与など、様々な採用コストが無駄になってしまうからです。

早期離職の主な原因は、入社前と入社後のギャップにある場合も多いです。

例えば、入社前に聞いていた話と違った、働くスタイルがあわなかった、社員と馬があわないなど、仕事面、環境面、人間関係面などのミスマッチから生じます。

中途入社者の早期戦力化という課題は、今後ますます大きな経営課題になっていくでしょう。そのため、「オンボーディング」の施策に取り組んでいる企業ほど、中途入社者の早期戦力化が実現しやすいと言えるでしょう。

いかに、中途入社者を自社に馴染ませ、職務遂行に必要な知識・スキルを獲得させるのか。この戦術を整えていかないと、企業は今後、市場の中でライバル他社に勝てなくなるのではないかと思います。

■最後に
中小企業やベンチャー企業で、オンボーディングの施策が充実している企業は少ないです。

その理由としては、中小企業やベンチャー企業は、働く人の人数が少ない分、経営者の意向が強く、組織風土が独特であることが多いため、組織への適応することが意外と難しいからです。

中途採用を強化しており、新たな人材が定期的に入社するのであれば、 オンボーディングの施策を整えることはコストパフォーマンスという意味でも合理的だと思います。

現在は、正社員一人の採用に非常にコストが掛かる時代です。

採用とオンボーディング施策をセットで考え、即戦力候補が活躍しなかったり、早期退職してしまうリスクを出来る限り小さくするべきです。

入社前のコミュニケーション不足で、意図しない早期離職のリスクもあるでしょう。配属された部署への不満、自身が描くキャリアとのギャップなど、採用のミスマッチを原因として離職する可能性もあります。

このような離職を防ぐためには、定期的に1on1ミーティングを開催したり、キャリア面談を行うなども必要です。

直属の上司の対応の問題もあるため、配属先部署では相談できない事柄など、人事部門が相談に乗ることも有用でしょう。

現在、採用コストをかければ、人材が採用でき、成果を上げ自然に定着する時代は終わりを迎えつつあります。

今、動き出している求職者は、新卒採用、中途採用ともにライフワークバランスや一緒に働く仲間との相性、そして企業の価値観が自身とマッチするかどうかなど、条件面だけでは測れない要素に注目して転職活動をしています。

会社としても採用ターゲットが入社に至るにはどんな選考フローが必要なのか、カルチャーフィットするかを相互に判断できるように、まずは明確な人材要件や自社にマッチする人材のペルソナを定義して行きましょう。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、CXO人材の採用支援、社員の定着支援、早期戦力化に有効なオンボーディングの支援を行っています。戦略的人事に精通した「CHRO」の人材紹介も可能です。

CHROとは、「Chief Human Resource Officer」の略称で、日本語で最高人事責任者を意味します。また、CHO(Chief Human Officer)とも言われます。

優秀なCHROは経営者の視点と人事責任者の視点、両方を持つことから、経営戦略に資する人事戦略、つまり戦略人事を推進することが可能です。

そのため、他のCXO人材と同様にCHROは、企業にとってその役割の重要性が高まってきています。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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