リードナーチャリングとは?新規顧客を育成することが大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

あらゆる企業にとって、売上を上げるためには、新規顧客を獲得することが優先順位の高い施策であり、最大の課題になります。

近年では、市場競争を勝ち抜くためにリード拡大を重視する企業が増え、インターネット広告に多額の資金と投資し、「リードジェネレーション」にかなり力を入れるようになってきています。

しかし、インターネット広告に多額の資金を投下しても見込み顧客を購買まで繋げることができず、困っている企業やマーケティング担当者も多いのが現状です。

そのような課題の打開策になるのが、「リードナーチャリング」の施策に取り組むことです。

そこで今回、リードナーチャリングとは何か、新規顧客を育成することが大事な訳について解説します。

■リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、将来顧客となる可能性を持つリードとなる「潜在顧客」、「見込客」の購買へのモチベーションを育成し、購買に繋げるためのマーケティング活動のことです。

リードナーチャリングは、英語で「Lead Nurturing」と表記されます。日本語では、見込客を育成する意味があります。

見込み客に対して段階的なアプローチをすることで購買意識を高め、自社顧客になってもらうためのプロセス管理のことで、「見込み客=リード」を「育成=ナーチャリング」するという意味から「リードナーチャリング」という言葉が生まれました。

リードナーチャリングの取り組みでは、リードジェネレーションによって獲得した見込客を中長期的に育成していくプロセスを指す言葉です。

課題の解決方法や製品に関する知識を共有し、見込客の疑問や不安を解消しながら信頼関係の構築を図り、自社の見込み客を育成していきます。

リードナーチャリングのゴールは、各ターゲットフェーズのユーザーと良好な関係を築き、最終的に購買まで導くことです。

また、購買後も顧客との継続的な関係を築き、顧客のLTVを高めることも目的にあります。

BtoBのビジネスの場合、何らかの課題や興味があり特定の企業に対して問い合わせを行った際に、直近で購買検討しているユーザーは20~25%前後に留まります。

しかし、2年以内に購買行動を起こし、競合などの製品を購入するユーザーは80%いると言われています。

ですので、提案書を送付したり、一度商談を行った際にクロージング至らなかったとしても、継続的なアプローチを辞めてしまうことは非常に勿体無い状態だと言えます。

その際、新規顧客に対して必要なリードジェネレーションだけでなく、購買後の既存顧客ともコミュニケーションを取ることで、長期的な良い関係を築きアップセルやクロスセルに繋げていくことが可能になります。

■リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションとは、「リードの生成」すなわち、見込客を獲得することを指します。

リードジェネレーションのアプローチ方法には、大きくオフラインとオンラインの二つに分けることができます。

オフラインのアプローチ手段では、リアルの世界での顧客接点を作り、見込み客を獲得します。

展示会やセミナー等が代表的な手段になります。展示会でノベルティと引き換えに名刺を交換したり、セミナーではアンケートというかたちで顧客情報を取得することが一般的です。

一方、オンラインのアプローチでは顧客との対面の接点は持たず、Webサイトを通して行われるのが一般的です。

自社製品のターゲット層に自社のWebサイトに来訪してもらい、問い合わせに繋げ、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードを促します。

リードジェネレーションによって獲得した見込み客を自社の顧客に育成していくことを、リードナーチャリングと呼びますが、中長期でのナーチャリング活動は、現代の「BtoBのビジネスモデル=法人営業」においては、必須の活動となりつつあります。

■リードナーチャリングが必要になった背景
BtoBの営業の現場では、主に3つの課題が発生します。

営業担当者がそれらの課題を解決するために、法人営業の世界では、営業マンが人的に様々な営業活動を行わなければならず、どうしても短期的に成果が出るホットな案件に走る傾向が強くなっています。

1、営業マンは確度の高いリードに走る。
BtoB分野では、1つの製品の検討から購買まで至るリードタイムがBtoC分野よりも長いため、1製品、1企業の購買プロセスに対してそれぞれ適切なアプローチや関係性づくりが重要となります。

法人営業のBtoB商材においては、単価が高いプロダクトの場合、年度の予算が決まっているケースだと最初の接点から受注までのプロセスが長期に渡ることが多々あります。

そのため、直ぐに購入に結び付く案件にフォーカスし商談が長引く可能性のある会社は、営業担当者がリードナーチャリングを行わず、長期間放置することになりがちです。

営業マンの多くは、より予算が大きく確度の高い見込客に流れがちなので、この期間に他社と契約してしまう可能性もあります。

当然、積極的に活動している営業マンがいる場合には、定期的に潜在的なクライアント候補にも連絡を入れる可能性もあります。

2、相見積もりなど比較検討されやすい。
インターネットが登場する以前の企業担当者は、営業からの営業の売り込みや提供される情報を待っている状態でした。

しかし、インターネットの普及したことよって、顧客がサービスの成約や商品の購入といったアクションを起こす前に、見込み客が自分で情報を調べることが当たり前になりました。

現在は情報を待つのではなく、顧客が自ら情報を探し競合製品も含めて比較して検討するような時代になっています。

特にBtoBでは、社内調整や社内検討の際に、競合他社との比較検討が必ず行われます。

その際に、値段勝負のみに走ってしまうとクロージングすることが出来たとしても手間だけが増え、収益率の悪化に繋がる可能性があります。

そのため、企業はいかに早く顧客に情報をどどけ、ライバルとの比較を受けない状態にし、競合他社に優良顧客を取られないようするかがカギになると言えます。

企業がマーケティング部門を設置し、コンテンツマーケティングやリスティング広告に注力している理由はここにあります。

3、キーマンとの関係性が作り難い。
情報を得やすくなった結果、顧客は時間を掛けて購入を検討するようになったため、商品を認知してから購買に至るまでの時間が長くなっています。

その上、BtoBでは、社内稟議を通過する壁もあり、プロダクトをどこから買うか?いくらで買うか?いつ買うか?などを決める「キーマン」が必ず存在しています。

そのため、早い段階でキーマンである決裁者にアプローチし、関係性が構築できていれば、有利に商談を進めることが可能になります。

リードナーチャリングを行うことで、信頼関係を事前に構築することができば、極端な値段勝負をせずに、「御社は信頼できるから買う」といった領域で勝負することが出来るようになります。

そのため、営業担当者が値段勝負で見積りを何度も作り直すことも最小限で済みます

■リードナーチャリングの3つのメリット
まずは、リードナーチャリングを行うことで得られるメリットを見ていきましょう。

1、見込客が競合他社に流れるのを防げる
営業部門では、効率的に受注できる見込客を優先的に追うため、すぐに受注に結び付くような確度の高い見込客以外は放置されがちです。

リードナーチャリングを行えば、そうした見込客も繋ぎとめることができます。なぜなら、リードナーチャリングとは、一言でいうと「見込み顧客を育成すること」が可能になる手法だからです。

リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客を育成することにより、将来的な購買に繋げるためのマーケティング活動が可能になります。

そして、適切なナーチャリングにより、商品に対する見込客の理解度や興味を育てることができれば、最終的に受注にまで漕ぎ付ける確率が高まります。

逆に、もしもリードナーチャリングの一切を行わなければ、その見込み客は、他社製品の購入を検討し始めてしまい、他者から購入に至ってしまう可能性があります。

2、受注数・受注率が上がる(営業効率が上がる)
リードナーチャリングでは、将来的に顧客となる見込みのあるターゲット層に対して、ウェブ上で情報を発信したり、定期的にメルマガを届けたりなど、中長期的に関係を作っていくことに主眼を置きます。

リードナーチャリングを行い、顧客をある程度育成してからアプローチをかければ、訪問やメールのやりとりといったアプローチの回数も減らせますし、受注率も向上します。

受注までの期間が短縮される分、営業活動の短縮や効率化に繋がるでしょう。

確度の低い見込客だけでなく、営業部門でアプローチ中の見込客が、何かの事情で途中で商談をストップせざるを得なくなったようなときも、マーケティング部門に戻してリードナーチャリングを行うことで、商談が復活する可能性を維持できます。

3、集客コストのロスを圧縮できる
顧客自らが情報収集し、商品やサービスについて調べてから購入するというプロセスがとりやすくなっている現状、購買までの期間が長期化する傾向にあります。

それにあわせて営業活動も長期化せざるを得なくなっています。営業活動が長期化によって、営業の疲弊や取りこぼしに繋がってしまうことが懸念されます。

そこでリードナーチャリングによって顧客のステータスに応じたコミュニケーションを設定することで、営業活動の長期化によって発生する営業疲れや、顧客の購買意欲や興味の段階を見誤ってしまった結果、失注するという機会ロスを防止できます。

リードナーチャリングの一つの手法としてセミナー開催も有効です。

その理由は、企業がセミナーを開催することで、商品やサービスの見込み顧客のリストを作れるからです。

有意義な内容のコンテンツを提供したことにより価値を感じたリードを顧客に転換することができるため、ニーズが低い会社や無茶を言う面倒な会社とは付き合う必要がなくなります。

セミナーを実施すると、顧客の現状や課題が把握できるため、見込み客の選別がしやすくなるというメリットもあります。

その結果、優良な客層に対して効果的な営業活動ができるため、成約率も高まるロジックが成り立つわけです。

■リードナーチャリングのポイント
ナーチャリングの対象となる顧客は、「自社の商品やサービスに興味を持ち始めたばかり」であることが多く、その段階から相手の興味やステータスに併せたアプローチを行っていくため、すぐに成果につながる可能性は低いです。

リードナーチャリングでは、個々の見込客が立っているステージに合わせて、必要な情報を提供した再度、アプローチを行っていきます。

リードナーチャリングを行う見込客は、検討を始めたばかりだったり、自社の製品について詳しく知らないという潜在層が多いです。

そのため、クロージングという効果が出るまでにはそれなりの時間が掛かります。

そういった見込客を、受注まで根気良く追いながら育てていく必要があります。つまり、取り組んだからと言ってすぐに結果が出るような施策ではありません。

リードナーチャリングを活用するために重要なことは、「自社がプッシュしたい商品やサービスを紹介する」のではなく、「見込み顧客が何を求めているのかを十分に把握すること」です。

なぜなら、顧客が求めていない情報やコンテンツを発信し続けていても、顧客にスルーされてしまうばかりか不快感を持たれかねないからです。

売り込み的な押しが強すぎるとせっかく育成しようとした顧客が離れてしまうことも多々あります。

何を売りたいかよりも、相手が何を求めているのかを知り、顧客情報や属性からニーズを予測し、課題を明確に理解して置くことも欠かせないのです。

■まとめ
リードナーチャリングとは、様々な施策・手法で獲得した見込み客となるリードに対して、定期的な接点を作り出し、信頼関係を構築しながら、潜在的なリードの購買意欲を高めるプロセスや施策、手法のことです。

なんらかの方法・手法で獲得したリードに対して継続的な接点を作り出し、商談や案件へと繋げていく役割を持ちます。

確度の高い見込み顧客へのアプローチに力を注ぐ一方で、一度失注した見込み顧客や、確度の低い見込み顧客については放置してしまうこともあるでしょう。

しかし、市場や見込み顧客の状況の変化などによって、自社の商品やサービスに再び、興味を持ってくれるかもしれません。

そうした顧客に対してナーチャリングを継続し、関係性を維持しておくことで、顧客を失ってしまう機会損失を防ぐことができます。

リードナーチャリングは、未だ顧客になっていない見込客と長期的に接点を作り、ラポールを形成して行くプロセスが必須になるため、意思決定権者との関係構築を作り出すことができるようになるのです。

「顧客が買うものは満足であるという事実から、あらゆる製品とサービスが突然、全く異なる生産、流通、販売のされ方をしている他産業の製品やサービスと競争関係におかれる。」

<ピーター・ドラッカー>

■最後に
リードナーチャリングは、あくまでも獲得済みの見込客に対して行うマーケティング施策となります。そのため、あらかじめ集客を行った上で、「リードジェネレーション」してあることが前提となります。

コロナ以降、フィールドセールスが減った今、テレアポ営業で代表電話に電話を架けたり、飛び込み営業でその日に会ってくれるような会社は、今の時代、ほとんど無くなりました。

特に大手企業をターゲットにする新規開拓は、非常にハードルが高いです。

大手企業を対象に商品やサービスを提供している会社が商談機会を作るには、その会社の取締役や購買の決裁者となるキーマンと関係性の深い顧問から「リファラル紹介」して貰うのが得策です。

なぜなら、知名度の低い中小企業やベンチャー企業の場合、表から攻めてダメな場合でも信頼関係のある人物からの紹介であれば、アポイントが取得できたり、最初から役員クラスにもプレゼンテーションを聞いて貰え、とんとん拍子にクロージングが出来る可能性が高まるからです。

また、大手企業の決裁者であるキーマンは、自身でインターネットで検索し情報を取りに行く人は少なく、メールで沢山の情報が配信されて来ることを嫌がるキーマンが多いのが事実です。

そのため、ナーチャリングを行う際は、顧問からの紹介で事業説明をした段階で、顧客の課題を把握した上で適切なニーズを埋める価値を提供し、個別の対応を行うことが重要になります。

リードナーチャリングは、そもそもリードジェネレーションが安定していないと機能しないため、新顧客の開拓や集客に課題がある場合は、そこから解消しなくては何もスタートしません。

集客が上手くいっていない場合、リードナーチャリングよりも先にまずは、顧問からの「トップダウン営業」でリードジェネレーションに取り組み、新規顧客の候補が少ないという問題を解消することが不可欠です。

法人営業における新規開拓の成功の最大のカギは、ターゲット企業を特定し、キーマンに売り込むことです。

しかしながら、大手企業を対象とした商品やサービスを提供している中小企業やベンチャー企業の場合には、導入実績も少なく、会社としての信頼や信用力に乏しいと言えます。

スタートアップの場合、優れた商品やサービスを開発していても、営業力が弱いことから肝心のキーマンに辿り付けず、商談機会を設定することすら難しいというという深刻な課題があります。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、業界トップクラスの知識・経験・人脈・スキル・ノウハウを持つ、5000人を超えるフリーランスの顧問や副業のプロ人材をネットワークしています。

このような法人営業の課題を解決に導くべく、業界トップクラスの営業顧問のチームビルディングを行い、複数人体制でキーマンを対象としたアポイント獲得や販路拡大を推進すべく、リードジェネレーションの実行サポートを行っています。

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顧問契約をベースに大手企業のキーマンとのアポイントの獲得を行い、成果報酬型での「トップダウン営業」によるリードジェネレーションを一番得意としています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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