LTVとは?顧客生涯価値を意識し、LTVが高い状態を目指す必要性

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

経営戦略において、新規顧客獲得と並んで重要なのがLTVを意識し、既存顧客と長期間に渡って取引ができる関係性を構築し、ロイヤリティを高めることです。

なぜなら、新規顧客の開拓も重要ですが、顧客生涯価値を知り、顧客と長期的に良い関係を築き上げることによって、企業の利益に大きく繋がるからです。

ですが、世の中には一度、獲得した顧客の大切さを理解せず、新規開拓にばかり注力する会社もあります。

あらゆる企業にとって長期的利益を見越したマーケティングを実施するにおいて重要な指標となる「LTV」(顧客生涯価値)が重要になります。

そこで今回、LTVとは何か、顧客生涯価値を意識しLTVが高い状態を目指す必要性について解説します。

■LTV(顧客生涯価値)とは?
LTVとは、英語で「Lifetime value」、日本語で「顧客生涯価値」を意味します。LTVは、顧客1人あるいは1社の顧客ライフサイクル全期間で、その顧客が企業にもたらした価値の総計のことです。

顧客を獲得維持するためのコストと、顧客の購買額との差額が価値となる「customer lifetime value」を略し「CLV」とも呼ばれることもあります。

LTVの意味としては、顧客が企業と最初に接触してからその関係が終了するまでに、その企業が得ることのできる「バリュー」を指します。

顧客に継続して商品を購入してもらえば、安定した利益が見込めるようになります。

つまり、顧客が一生のうちに生み出す価値、つまり、取引や契約を継続している間に顧客がもたらす利益のことになります。

一度の取引で得られる利益のみを観察するのではなく、LTVは、顧客がその企業と関係を持っている期間や長い生涯を通して貢献した長期的な視点での利益を測る指標だと言えます。

LTVの指標が用いられる背景には、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客にリピート購買させる方が企業の利益に繋げやすいという考え方があります。

■LTV「顧客生涯価値」が企業にとって重要な3つの理由

1、新規顧客獲得よりコストが掛からない
LTV「顧客生涯価値」の理由の根拠となるのが、新規顧客を獲得するためのコストは既存顧客を維持するコストの5倍だという「1:5の法則」です。

より多くの利益を得たいときには、どうしても新規開拓に目が行きがちです。

しかし、実際は、継続して利用してもらうことのほうが少ないコストで利益を上げられるのです。

一般的にベンチャー企業などが新規事業を立ち上げ、新たに成長市場のシェア拡大するケースにおいては新規顧客獲得が重要でしですが、成熟市場では顧客シェア拡大が企業の継続の鍵となる大事な要素になります。

2、市場が飽和状態にある
「売ったら終わり」の商売が通用する時代はすでに終わりました。企業がLTV「顧客生涯価値」を高めるためには、獲得した顧客に対してどのようなアプローチを行い、いかにしてブランド力を高めていくのかが重要になります。

顧客生涯価値向上を意図した施策としては、クレジットカード会社、航空会社、携帯電話会社、家電量販店などで取り入られているポイント制などがあります。

これは、顧客生涯価値向上と顧客の囲い込みを意図したものです。

顧客生涯価値を高める上で、IT技術を用いたデータベース・マーケティングの手法は不可欠となっています。

3、広告宣伝費など、新規獲得にかける予算を見定められる
1,000円の商品を売るのに2,000円の広告費をかければ赤字です。しかし、その商品が、数年にわたって継続して購入されるものであれば、その限りではありません。

もしも1カ月に1回、3年にわたって購入されれば、LTVは3万6,000円となります。

2,000円という広告費は、ここで算出したLTVの約5.5%であり、商品単価より高くとも許容範囲内であることがわかります。

定期購入をすすめる食品や化粧品が頻繁に広告を打ち、初回のみ割引価格で購入できる制度を導入しているのは、LTVを把握し経営に活用しているからにほかなりません。

■LTV「顧客生涯価値」を最大化するために必要な5つの要素

1、客単価を高める
購買単価を上げるには、顧客の「足りない」を埋める必要があります。一人(一社)の顧客が1回の購入にて支払う総額を高める方法です。

例えば、一度に一商品だけではなく他の種類の商品も同時に購入したり、同じ企業の商品でも少し高めのシリーズを購入したりすることによって、客単価は高くなります。

そのためには、より高単価な商品をラインナップに加える、新製品を定期的に投入しバリエーションを増やす、顧客に合ったプランを提供する、といった取り組みが必要になってくるでしょう。

2、購入頻度を高める
顧客の年間における購入頻度を高める方法です。購買頻度を上げるには、商品が売れた後のフォローがカギです。

売り手側から積極的にコンタクトすることで、顧客には商品や企業に対する愛着が湧き、その結果、離脱されにくくなるというメリットも生まれます。

ただし、購入頻度を高めるために商品の内容量を少なくしリピートを増やす方法は、一時的にはLTVを高めたとしても顧客のロイヤリティが低くなり、結果的には顧客の流出に繋がってしまう恐れがあります。

この項目は、顧客をファン化させてリピート率を高めることのできる施策に取り組むと良いでしょう。

3、購入の継続期間を伸ばす
LTVの上昇には、購入継続期間の長さも重要です。できるだけ長く自社のサービスや商品を使って貰うためには、アフターフォローの質を高めたり、既存顧客への適切なアプローチを行う必要があります。

購買年数を延ばすためには、離脱を防止することが鍵となります。

既に離脱した顧客のデータから離脱の兆候を掴み、離脱しそうな顧客を発見して個別にアプローチしましょう。

4、新規顧客獲得コスト/既存顧客維持コストを減らす
LTVの計算方法はコストを含めない単純なLTVの計算式ですが、実際にはそのLTVからコストを引いた数字こそが重要になります。

新規開拓に掛かるコストが大きければ、結果的に利益が少なくなってしまうからです。

そのため、上記の計算式で出したLTVからコストを引いた数字を高めることもLTVを高める方法の一つと言えるでしょう。

5、ブランドへの信頼を高めること
一般的に顧客生涯価値「LTV」は、長期的に顧客と関わりを持つブランドやリピーターが多いビジネスにおいて用いられる指標です。

ある調査結果によると、日本の消費者の70%(8カ国平均:81%)が、「ブランドが正しい行いをしていると信じられること」が、商品を購入するかどうかの決定要因であると回答しています。

様々な商品やサービスが次々に誕生している現代において、顧客生涯価値(LTV)を重視したビジネスを展開すべき業界はますます拡大していくと考えられています。

■LTV最大化への4つの顧客維持方法
LTVを高める要素について理解したところで、具体的にはどのような方法があるのでしょうか。

1、アフターフォローを丁寧にする
アフターフォローの質を見直すことで購入頻度の増加や購入継続期間の長期化に繋がります。

アフターフォローによって自社の製品・サービスの理解が深まり、活用を促すことでリピート購入や継続的なサービスの受注に繋げられます。

例えば、商品を購入した顧客に使用感を聞いたり、何か困ったことなどがあればいつでも問い合わせて欲しいという主旨を伝えたりするメールを送信することもできます。

更に商品使用におけるアドバイスやお得な情報なども提供することで顧客に自社やブランドを再認識してもらう機会を作ります。

しかし、販促要素が強かったり何度も送信したりするフォローメールは逆効果になってしまうので気をつけましょう。

2、カスタマーサービスの質を高める
カスタマーサービスの質を高めることも重要です。カスタマーサービスとは、購入前、購入中、購入後という購入ライフサイクルを通して顧客をサポートする活動を指します。

顧客が企業に対して良いイメージを抱くことで、これからもその企業と付き合っていきたいと思わせることができます。

反対に、商品は良くてもアフターフォローの品質が悪い場合は顧客離れに繋がり、LTVの低下を招いてしまいます。

3、顧客管理
最近では、顧客一人一人に対してアプローチする方法が主流となりつつあります。

One to Oneマーケティングとは、消費者ひとりひとりの購買傾向からニーズを読み取り、個々に対して最適なコミュニケーションを行うマーケティング活動を指します。

顧客が何を必要としているのかを把握してアプローチ方法をパーソナライズ化するだけでなく、それらを元に次の戦略や施策に生かすこともできるからです。

そして、適切な顧客管理はLTV最大化のための要素全てにおいて力を発揮します。

4、顧客満足度を高める
顧客満足度は企業にとって、自社の将来を測る重要な指標です。顧客満足度が高ければ多くの顧客をつなぎ止め、リピーターに育てることができますが、低ければ顧客はすぐに離れていってしまいます。

コントロールされた状況下で、特別な体験や顧客にとって有用な価値を提供し続けることができれば、自社あるいは自社製品のファンになってくれる優良顧客を、さらに増やすことにも繋がるはずです。

■顧客生涯価値(LTV)の計算式
顧客生涯価値「LTV」を求める際は、計算式を使用します。

さまざまなビジネスモデルがあることから、計算式は複数あります。このことが顧客生涯価値(LTV)を算出するのが難しい原因の1つといえます。

また、顧客1人ひとりの顧客生涯価値(LTV)を算出するのが理想的ですが、不特定多数の顧客を抱えるBtoCの企業の場合には、個別に算出するのは現実的ではないでしょう。

そういった場合は、顧客全体から平均値を算出するのが一般的です。

以下は代表的な、顧客生涯価値(LTV)算出の6つの計算式です。

1、利益×取引期間(ライフタイム)×割引率(現在価値係数)
2、顧客の年間取引額× 収益率× 顧客の継続年数
3、顧客の平均購入単価× 平均購入回数
4、(売上高-売上原価)÷ 購入者数
5、平均購買単価× 購買頻度× 継続購買期間
6、平均購買単価× 購買頻度× 継続購買期間)-(新規獲得費用+顧客維持費用)

自社のビジネスモデルや商材に合わせて、数値を当てはめやすい計算式を使用してみてください。

企業にとっては計算式に「ブランド価値の低下」「時間による価値の低下」「顧客獲得費用」を計算式に含めるケースもあります。

上記の計算式だけでなく、自社の商品やサービス、市場の特性に合わせて計算式をアレンジしても良いでしょう。

■新規顧客の開拓でも顧客生涯価値え取り組む必要性
LTVは、新規顧客を獲得するコストを計算する際にも重要な指標となります。

なぜなら、新規顧客コストがLTVを上回れば損失の方が大きくなってしまうからです。

顧客生涯価値(LTV)を把握していることで、顧客1人あたりの目標CPA(顧客獲得単価)が算出しやすくなります。

例えば、ある企業の1人あたりの顧客生涯価値(LTV)が3,000円の場合、3,000円に粗利率をかけることで目標CPA(顧客獲得単価)が算出できます。

新規顧客獲得は既存顧客の5倍のコストがかかると言われています。

そのため目標CPA(顧客獲得単価)を定めずに闇雲なマーケティングで新規顧客を獲得しても、CPA(顧客獲得単価)が高くなり、結果的に利益に繋がりにくくなってしまうのです。

ですので、顧客生涯価値(LTV)は単純に企業の見込み利益が算出できるだけでなく、新規顧客を獲得する際にも欠かせないと言えるのです。

■まとめ
業界や規模を問わず、商品の販売やサービスを提供するあらゆる企業にとって目標とすべき理想の姿は、「顧客生涯価値」が高い状態にあります。

なぜなら、顧客が生涯で企業にもたらす利益が大きい程「LTV」が高く、ビジネスとしての「収益率」が高くなる傾向が見られるからです。

つまり、商品やサービスを継続的に利用してくれるロイヤリティの高い顧客が多いほど、高い優良企業だと言えます。

反対にLTVが低い企業の場合、顧客の継続率が低く、常に新規顧客を獲得しなければならない状態です。

その場合、顧客生涯価値「LTV」が低い企業は、顧客生涯価値「LTV」が高い企業に比べて利益率の面で損失が発生している可能性があります。

継続的に利益を投じてくれるロイヤリティの高い顧客を維持し、サービスを利用して貰える継続率を維持し、「カスタマーサクセス」を強化することで、顧客生涯価値「LTV」が高い企業となるはずです。

「なぜ顧客を満足させることが、それほど重要なのだろうか、それは会社の売上が、新規顧客と固定客、この2つの基本的な集団から生まれるためである。」

<フィリップ・コトラー>

■最後に
クラウド型のサービスを提供するスタートアップの場合、LTV「顧客生涯価値」を高め、既存客からの長期的な関係性を作り上げるための、信頼を獲得するこそが生命線といっても過言ではありません。

一方でBtoBのビジネスモデルを展開するスタートアップの場合、トラクションの獲得を行うことが最重要なテーマになるため、効率的かつ効果の高い方法で、新規開拓の営業活動をしなくてはなりません。

そのような際には、フリーランスの顧問や営業のプロ人材から、大手企業の新規顧客をリファラル紹介して貰うトップダウン営業に力を入れることによって、商談機会を獲得するアプローチも積極的に取り入れるべきでしょう。

現在、営業活動の分業化やジョブ型雇用が進む中で、人脈や業界ネットワークを豊富に保有する営業顧問を積極的に活用し、顧問契約を行い新規開拓営業のアウトソーシングを図ったことで、短期間で大きな売上アップに繋がった会社が続出しています。

ただし、複数の顧問と直接契約する場合、マネジメントや業務委託契約書の締結、支払い管理も必要になるため、予想以上の手間と労力が掛かります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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