犯罪捜査や心理学で使われいる「プロファイリング」ですが、現在では、営業やマーケティング活動で使われることも多くなっています。
その理由としては、マーケティング活動やプロモーションを考える場合でも必ずターゲットが誰なのか、そしてターゲットの特徴を押さえた上で戦略を構築する必要があるからです。
そこで今回は、営業のプロファイリングとは何か、顧客の科学的な分析が必要な理由について解説します。
「私たちの製品やサービスに満足だけでなく、喜びすら覚えた顧客は、同じニーズを持つほかの顧客に製品を推奨してくれる。
さらに、新製品を「ともに作り出す」ことを望む顧客や企業を招き入れることも期待できる。そうした顧客は製品の共同制作者という意識を持つ。」
<フィリップ・コトラー>
■営業のプロファイリングとは?
営業のプロファイリングとは、過去の顧客データを分析することで、規則性や法則性を導き出すセールス手法を意味します。
現在、プロファイリングは、「行動心理学」の分析手法で犯罪調査において、犯罪の性質や特徴から犯人の特徴を推論するためにも使われている手法になります。
行動心理学は「人間の行動から感情が読み取れる」と行動や仕草のパターンから心理を研究する点で、他の心理学と異なります。
プロファイリングは、ビジネスにも活用することが可能なため、営業やマーケティングの手法に応用されています。顧客をプロファイリングすることは、マーケティングにおいて顧客や市場のニーズを的確に理解するために役立ちます。
なぜなら、複数の種類の顧客データを分析することで、顧客の購買に繋がる要因などを推測することができるからです。
顧客プロファイルを利用すると、収集したデータを使用して、グループの特性や行動をもとに顧客体験の最適化やパーソナライズを行うことが実現します。
■顧客のプロファイリングの目的
顧客のプロファイリングとは、ある人物の行動や性質など、人物像を分析・推測することを意味します。
消費者や顧客、市場の属性や特徴、行動履歴を収集して分析することで、今後の行動パターンや購買傾向を予測し、マーケティング戦略に役立てる手法を「顧客プロファイル分析」といいます。
この手法を用いて、ターゲット顧客を明確にするのが目的です。
プロファイリングでは、分析対象とする人の性別、年齢、年収や家族構成などの性質だけでなく、その人がある場面においてどのような行動を示すかを分析することが重要です。
場面ごとの行動を深く分析することによって、顧客の心理に影響を与えた要素を理解することができます。そのような分析手法によって、最適な価格、販売場所などの「マーケティングミックス」を設定します。
マーケティングミックスとは、マーケティング戦略全体のなかで「実行戦略」と位置づけられます。構成要素である製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)およびプロモーション(Promotion)の頭文字をとり「4P」とも呼ばれます。
■顧客のプロファイリングの内容
マーケティング分野でプロファイリングという言葉が使われる場合、「顧客プロファイリング」や「消費者プロファイリング」と呼ばれ、顧客や消費者の特徴や行動における特性を明らかにしていきます。
他にも、自社の製品やサービスの顧客となり得る潜在的な顧客に対しての仮説を立てていく場合にも「カスタマーファイリング」が利用されます。
カスタマープロファイリングとは、マーケティング戦略の一種で、顧客の購買履歴を分析し、傾向や特性を割り出すことによって、最も購買意欲をかきたてる販売方法を導き出すといった企画方法のことになります。
カスタマープロファイリングは、行動心理学の分析手法でFBI犯罪調査にも採用されているプロファイリングの手法をマーケティング戦略として応用したものになります。科学的分析に基づく戦略企画は、優れたマーケティング効果を期待することができます。
顧客のプロファイリングの最も全般的なレベルは、CRMプラットフォームに保管されている特性ベースの情報です。
例えば、年齢、デモグラフィック情報、心理学的情報、アカウントのステータス、会員種別などに関する情報です。顧客の特性に行動情報を追加することで、プロファイルから興味深い情報が浮かび上がってきます。
例えば、ロイヤルカスターマーの特性と行動の相互作用を理解すると、マーケティング予算を割くべき場所や、様々な顧客セグメントに合わせて顧客体験をパーソナライズする方法について、より的確な判断を下せるようになります。
その理由としては、顧客の属性(年齢や性別、仕事内容や趣味)、購買履歴や行動履歴の傾向などを分析することで、顧客の特徴を推論し、顧客に対して適切な商品やサービスの情報を提供することが可能になるからです。
■ビジネスにおけるプロファイリングのやり方
「プロファイリング」は、犯罪捜査だけでなく、ビジネスにおいても応用がきく手法です。
1、プロファイリングで顧客の動向を把握する
検索履歴や位置情報など集めた情報を「プロファイリング」することで、顧客の動向を把握し購入者の属性や特徴を明らかにしたりすることが可能です。
検索エンジンの多くはユーザーの検索履歴や位置情報などを「プロファイリング」することで、より効果的な広告やサービスの提供を実現しています。
検索エンジン以外のビジネスでは、webサイトから得られるデータだけでなく実店舗におけるPOSデータなども活用し、顧客の動向を把握しているのです。
2、プロファイリング売れ筋商品を特定できる
これらのデータ分析の結果をもとにして、マーケティングの分野では販売戦略の立案や新商品の開発に役立てられています。
ITビジネスの分野でも「プロファイリング」を用いて、様々なデータ分析を行っています。プロファイリングを活用することで、どんな商品が売れるのかを予測することも可能です。
つまり、「プロファイリング」は新商品の開発や販売方法などマーケティング全般にまで応用できます。
よく売れている商品の特性を解析すれば、次にどんな商品が売れるのか、あるいはどんな売り方をすれば販売数が伸びるのかなどを予測することができます。
3、営業・マーケティング活動に活用する
マーケティングにおいても人材や資金・予算、期限が限られた状態でマーケティング活動を行う必要性があります。
限られた経営資源を有効活用するためにも、顧客プロファイリング、消費者プロファイリングを行う必要があります。
プロファイリングを行い、ターゲットとなる見込み客や顧客の特徴が分かれば、何の媒体を利用し、どのようなメッセージを送るのが効果的かが明確になります。
その結果、営業活動やマーケティング戦略の構築、プロモーションの立案などを効率的に行うことができ、費用対効果を高めることができるようになります。
■カスタマージャーニーに沿ってプロファイリングする方法
カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスの購入に至るまでのプロセスを旅に例えた概念です。
ペルソナの「行動」「感情」「商品との接点」などを可視化したものは「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれ、これが詳細であるほど実際の購買活動に沿ったマーケティングをすることが可能になります。
一般的には、企業が提供する製品・サービスにとって最も重要な顧客モデル「ペルソナ」を、趣味嗜好や価値観、ニーズや行動特性などの定性データも組み合わせ定めます。
顧客は一般的に以下の流れで商品・サービスを購入することを決定します。
1、問題認識(何かを「必要」または「欲しい」と認識するとき)
2、情報収集(購入を考えている商品・サービスの値段や内容について調べる)
3、代替えとなる商品・サービスの検討(購入を考えている商品・サービスの代替えの有無を確認する)
4、購入決定
5、購入後の行動(レビューを書く、リピート購入するなど)
カスタマージャーニーを構成するそれぞれの場面のおいて、顧客に便益をもたらし、購入決定を促すことが重要です。これは、次のようなマーケティングアクションを場面ごとに実行することで可能になります。
カスタマージャーニーは、企業が提供する商品やサービスの体系によって多少異なるため、一度顧客の購買プロセスを可視化し、考えてみると良いです。
そのプロセスの中で重要なステップを、分析する場面の対象にすると、より効果的で適切な「プロファイリング」をすることができます。
カスタマージャーニーを作成する過程では、顧客視点で購買行動を考える「プロファイリング力」が求められます。顧客が何を思い、どのような過程を経て購買に至るのかを考えることで、より顧客目線での商品企画やマーケティングに繋がります。
特定の場面での顧客の行動を科学的に、また論理的に分析することで、これらのマーケティングアクションをより効果的に効率的に決定することが可能になります。
■まとめ
「プロファイリング」を行うことで、個人の能力や経験を越えて多くの人が顧客属性を分析し把握することが可能になります。
スーパーマッケートなどの購買データなどをプロファイリングする場合には、データ量が比較にならないほど膨大になるため、分析には手間と労力が掛かるため、システム化が必要になりますが、その分、客観性を維持しやすいということもメリットです。
ビジネスにおける「プロファイリング」で用いられるビッグデータは、情報量が膨大であるだけでなく性質や種類など属性の異なる雑多な情報が集積したものです。
「プロファイリング」は、特定のビジネスのみで使われる技法ではなく、営業活動を含めて様々な仕事で活用できます。
例えば、職場環境の改善や転職活動においても役立つ技法だとされています。
今までの働き方や職場でのコミュニケーションのしかたなど、様々な視点から従業員のプロファイリングを行うことで、仕事内容や職場環境を踏まえて、「カルチャーフィット」する従業員像を炙り出すことで、ミスマッチを防ぐことも可能になります。
職場での困りごとがあれば、事前に予測してプロファイリングすることで、対策を立てることが可能なことも利点といえます。また、目に見えやすい形で自分の傾向や特徴を把握できるため、モチベーションや自尊心の向上にも繋がります。
限られた経営資源を有効に活用し、費用対効果の高い営業活動やマーケティング活動、プロモーションを行うためにも顧客プロファイリングや消費者プロファイリングを行うことが必要だと言えるのです。
■最後に
営業活動を推進するにあたり、新規開拓では、顧客をプロファイリングした上で購買の決定権を持つ決裁者と面談することが重要です。
しかし、中小企業やベンチャー企業の場合、相手が大手企業になる営業マンによる決裁者へのアプローチの難易度が一気に上がります。
その理由としては、会社の信用力が乏しい点と、決裁者となるキーマンとのアポイントを獲得できるコネクションを持った人材が社内に誰もいないからです。
また、決裁者が求めている課題に解決に繋がる情報や、「インサイト」にあたる潜在的な課題が何であるか、を営業マンが理解せず、一方的に商品やサービスを売り込もうとしていることもアポイントが獲得できない理由の一つになります。
大手企業の取締役や決裁権を持つキーマンは、無駄な話しを聞くのは面倒ですし、見も知らない相手と時間を割いて会ってくれることもしません。
決裁者と面談しようとすると、ある程度の準備をすることと効果的なアプリ―チを推進するための接点を作り出すことが必要となってきます。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、このようなリード獲得の課題を解決するために、ハンズオン型で豊富な人脈を豊富に持つ営業顧問のコネクションを活かし、決裁権限のあるキーマンを対象にした「トップダウン営業」の実行支援を行っています。
大手企業の役員クラスや決裁権限のあるキーマンとのアポイントの獲得なら、営業代行会社への依頼するよりも特定の人脈豊富な営業顧問を活用する方が、ダントツに費用対効果が高いのは間違いありません。
その理由としては、初回商談時の同行営業を必須で行っており、商談時のトスアップも可能なため、対象企業のキーマンとの関係性が全くないテレホンアポインターが代表電話に荷電してアポイントを獲得するだけの営業代行会社とは、ポジショニングが全く異なるからです。
【無料お試し】が可能ですので、まずは会社アカウントを登録し、是非、顧問から共感を得られるプロジェクトで支援者を公募することができます。
また、顧問からの共感を持って貰えるような情熱を込めたスカウトメールを個別に送信することもできます。
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