近年、様々な企業で「ブランドアンバサダー」を起用して行う「アンバサダーマーケティング」が盛んに行われており、その効果の大きさからアンバサダーは、マーケティング業界で大変注目されています。
海外ブランドでは、多くの会社がアンバサダーセールスやアンバサダーマーケティングを戦略的に活用しています。
一方で、「アンバサダーは自社にとって必要なものなのか」「アンバサダーマーケティングを取り入れる意味はあるのか」など、その効果やメリットを図りかねている経営者も多いようです。
そこで今回は、アンバサダーとは何か、法人営業でもアンバサダーの活用が有効な訳について解説します。
■アンバサダーとは?
アンバサダー「ambassador」とは、日本語に訳すと「大使」や「使節」「代表」「代理人」といった意味になります。ビジネスシーンでのアンバサダーとは、分かりやすくいえば「宣伝大使」です。
組織や企業からの依頼を受け、公式に「ブランド」「商品」「サービス」などの広報活動、普及活動を行う人を指しています。
基本的には企業との間に金銭の授受がない契約が多く、好意を持ち応援しているブランドから公式に任命され、商品やサービスについて自ら発信できることに喜びを感じているという人が多いようです。
■アンバサダーの役割
アンバサダーとは、企業の顔であり、イメージキャラクターとして「広告塔」の意味合いを持つ「応援者」でもあると理解しておきましょう。
企業やブランドに対して好意的な意見や情報を発信し宣伝を行う人のことを潜在的な顧客に企業やブランドの魅力を広め、新たなファンの獲得を目指す、まさに「大使」としての役割を担います。
アンバサダーの立ち位置としては、見込客やリード顧客に対して魅力を訴求する、売り込むという面では「営業」や「マーケティング」に近いポジションになります。
宣伝力や影響力という面では「エバンジェリスト」「インフルエンサー」と混同されることがありますが、厳密にはそれぞれ、役割とスキルが異なります。
■エバンジェリストとは?
エバンジェリストとは、最新のテクノロジーやITのトレンドなどをユーザー(顧客・利用者)にわかりやすく解説し、広く知らせる役割を担う専門人材のこと。
「テクニカルエバンジェリスト」と呼ぶこともあります。語源はキリスト教の「伝道師(evangelist)」で、ITの技術や製品価値を人々に「伝道」する役割として、エバンジェリストと呼ばれるようになりました。
一般的に営業活動は、自社のサービスや商品に関係のある、もしくは興味を持ってくれている「お客様」に対してセールス活動を行います。
一方、エバンジェリストのターゲットは、いわゆる不特定多数の人々です。
セミナーやソーシャルメディア、競合他社とのパネルディスカッションといった場面で活動を行っている点が、営業との相違点です
■エバンジェリストの役割
エバンジェリストは、ITの技術的な内容を的確に分かりやすく説明し、理解してもらうことをミッションとしています。
エバンジェリストの活動は、難解なテーマを解読し説明することで、新しいビジネスチャンスを生み出す原動力になっているのです。
ITの活用を経営戦略の根幹と位置付けている企業が増えている中、自社の製品やサービスをユーザーに対しわかりやすく伝え、認知を図るエバンジェリストという専門人材は、企業の中でより必要とされていくでしょう。
エバンジェリストのポストを置き、活動の場を広げることで、企業内の人材力の向上や企業認知の強化も期待できます。
新たなビジネスを開拓する存在としてエバンジェリストのポストを新設し、育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
■インフレンサーとは?
インフルエンサーとは、影響や勢力、効果といった意味を持つ「influence」という英語が語源で、世間や人の思考・行動に大きな影響を与える人物のことを指します。
スポーツ選手やテレビタレント、ファッションモデル、特定の分野の専門家、インターネット上で大きな影響力を持つ一般人やブロガーなどがインフルエンサーの一例です。
■インフレンサーの役割
SNSの普及に伴い、インフルエンサーの持つ影響力の高さが注目を集めつつあります。企業にとっても、SNSを活用したマーケティング施策を行ううえで有力な存在となり得るでしょう。
しかし、インフルエンサーマーケティングはステマと取られるリスクを孕んでいるのも事実です。
リスク管理を行い、炎上しないようにインフルエンサーを起用していくことが求められます。
■アンバサダーセールスとは?
アンバサダーセールスとは、顧問やプロ人材に企業や商品、サービスに対する好意的な意見や情報を長期的に発信してもらい、熱量の高いユーザーによる口コミ効果で新規のリードジェネレーション獲得を目指すセールス手法です。
企業がアンバサダーを採用し、人脈などを通じて顧問先の会社や商品・サービスをPRする宣伝手法です。
基本的に、取り扱う商品やサービスの良さ、知ってもらいたい関連情報などを、アンバサダーから「信頼度の高い人物からの推進」として紹介して貰う紹介営業を意味します。
アンバサダーセールスは、従来の広告よりも自然で受け入れやすく、会社の信頼が高いと感じられることが特徴です。
ブランドイメージの確立や企業の購買行動を促す施策として、近年、「紹介営業」を取り入れる企業が増えておりますが、アポイントの獲得や有効商談が実現できるだけでなく、成約率の高いセールス手法だといえます。
■紹介営業とは?
紹介営業とは、その言葉通り「人からの紹介」を活用した営業行為で、知り合いや取引先、得意先に対して新規見込み顧客を紹介してもらう方法です。
最近では、「リファラル営業」とも呼ばれます。
新規営業は見込客を探すのが大変で、業界にもよりますが、テレアポを1,000件実施したうちの10件が訪問になり、1件が受注になるようなイメージではないでしょうか。
営業の仕事のうち、新規案件の獲得が最も困難だと多くのビジネスマンが感じています。
新規案件の獲得が営業プロセスの中で最も難しいと考えている営業担当者の割合は40%以上に及び、その後に取引の成約率が36%、有望なプロスペクトの見極めとして22%が続きます。
しかし、紹介営業の場合、紹介者となる顧客を紹介してくれる顧問と顧客となる紹介を受けた取引先にはすでに一定の信頼関係があるため、たった1件の紹介が、そのまま大きな受注に繋がるということも珍しくありません。
現在では、紹介営業をメインとしている企業も多く、成約率を高めるために有効な手段として注目を集めています。
■アンバサダーセールスのメリット
アンバサダーのポストを置くことで、企業が得られるメリットについてまとめました。
1、製品やサービスの価値が向上する
アンバサダーが在籍することで、知識が社内に蓄積されるため、自社の製品やサービスをより強化することができます。
自社製品の付加価値をさらにアップデートさせることで、新製品開発の可能性も広がるでしょう。自社製品やサービスの価値が向上すれば、競合他社との差別化も図ることができ、ユーザーからの信頼を得ることにもつながります。
2、社員の成長が期待できる
アンバサダーがインナーマーケティングなどを通して社内への働き掛けを積極的に行うことで、社員の知識や意欲が向上し、企業全体の成長が期待できます。
アンバサダーを軸として、知見が広がっていく状態です。
アンバサダーの活動が活発化すれば、通常は裏方での業務が多い現場のエンジニアへの注目も集まるようになるため、高いモチベーションを持って業務に携わる人材も増えてくるでしょう。
また、「自らもアンバサダーとして活躍したい」と希望する社員が増える可能性もあります。
3、企業認知につながる
アンバサダーが社外で活躍をするようになれば、自社の製品やサービスのみならず、企業自体の認知を広めることができるでしょう。
直接的なアプローチができなかった潜在顧客に対しても、アンバサダーの活動を通して幅広いアプローチが可能となるため、新しいビジネスチャンスも期待できます。
企業ブランドや価値が浸透すれば、業界における確固たるポジションを得ることにもつながります。
■アンバサダーセールスのデメリット
アンバサダーを起用する際には、自社のブランドイメージとマッチしているかどうかを検討する必要があります。
自社がターゲットとしている企業の属性・感性と、選出したアンバサダーセールスが大幅にずれている場合は、最終的に目指している結果につながらない場合が多いからです。
また、SNSの上でネガティブな反応が起こりやすい投稿が頻繁にある場合は、アンバサダーセールス起用の意味がなくなってしまいます。
ターゲット層の消費者が、アンバサダーの投稿に魅力を感じるか、投稿内容の方向性にずれがないかは、常に意識しなければなりません。
したがって、企業がアンバサダーを探し出したり選出したりするには、ある程度の時間やコストをかける必要があります。
企業の象徴、広告塔となる最適なアンバサダーを任命する難易度は比較的高く、慎重に行う必要があると理解しておきましょう。
■顧客が求めている情報を提供する
顧客とのやり取りでは、とにかく相手が欲している情報がどんなことなのかを意識し、的確に提供し「リードナーチャリング」をすることです。
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して、段階的かつ効果的にアプローチし、信頼関係を構築しながら購入意欲を高めていく、マーケティングの方法です。
特に、製品やサービスの購入に至るまでの検討期間が長いBtoBにおいては、顧客の熱量を見極め、適切なタイミングで必要とされる情報を提供することで信頼関係を構築する、リードナーチャリングが非常に有効です。
顧客が欲しがっている情報とは、今やり取りしていることだけが対象ではありません。その業界のことにとどまらず、あらゆる情報が対象であり、それは顧客一人ひとりによって違います。
常日頃、有益な情報を提供していると、今度は顧客側も何かお返しをしなくてはならないという心理になります。
そのような信頼関係を構築できていれば、紹介のお願いもしやすいですし、相手もお返しをしたいという心理状態でいるため、成功しやすいでしょう。
■まとめ
アンバサダーとは、「宣伝大使」や「広告塔」の意味を持ち、公式に企業の広報活動、普及活動を行う人です。
アンバサダーを活用し営業の施策を実行していくアンバサダーセールスは、コロナウィルの蔓延による影響により、対面営業が難しくなったことで、急速な普及により拡大した、注目のセールス手法となります。
企業の商品・サービスに好意を持つアンバサダーがリアルな口コミを発信し続けることで、企業の信頼を得ながら、ブランドをより身近に感じる宣伝を行うことができます。
アンバサダーを活用した紹介営業は、何といっても成約率が高いのが最大のメリットです。
受注を獲得するために重要なのは、顧客との信頼関係を築くことです。信頼関係がなければ、受注につなげることができません。
しかし、アンバサダーセールスなら、もっとも高いハードルである「信頼」を初めから手にすることができます。
これにより、他の手法で営業活動を行うよりも、短い時間で関係性を構築することができるため、受注率が高くなるのです。
ただし、従来のメディアによる広告手法とは異なり、新しい営業手法となるアンバサダーセールスの成功には、企業の商品やサービスの「質の良さ」が欠かせない要素となります。
「近江商人の言葉に『売り手よし、買い手よし、世間よし』の『三方よし』があります。
僕は滋賀出身だから知っていますが、これは順番が違っていて、本当は『買い手、世間、売り手』。つまり、まずお客に信頼され、それによって社会でも評価され、最終的に自分も潤うのです。」
<田原総一朗>
■最後に
大使の役割が国と国をつなぐことにあるように、新しく意味の広がったアンバサダーも中小企業やベンチャー企業と大手企業のキーマンを繋ぐ人々であることが分かります。
ポジティブで魅力的な情報発信ができる、最適なアンバサダーを企業が見つけ出せるかどうかが、アンバサダーセールスの成功の鍵を握っていると言えるでしょう。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、業界トップクラスのフリーランスの顧問や副業のプロ人材が5000人以上、ネットワークしています。
KENJINSの特徴としては、単なる人材紹介は、ポジショニングが大きく異なり、社会的な信用や信頼の度合いが高く、即戦力となるプロの持つ、知識・経験・人脈・スキル・ノウハウを駆使することで、課題を解決することをミッションに掲げています。
成熟期の業界が多い日本においては、新商品開発や新規事業の立ち上げの必要性が高まり、トラクションを獲得することが事業のスケールアウトに欠かせない要件になるため、社会的な信用や信用の高い顧問の人脈や業界でのコネクションを活かした新規開拓の重要性が増しています。
KENJINSは、スタートアップの販路拡大を支援することを目的に、顧問契約をベースにアンバサダーとしての役割を担う営業顧問による営業支援を推進しております。
アンバサダーセールスは、人的資産となる顧問の人脈を活かし、大手企業をターゲットにしたエンタープライズ営業をメインに、役員クラスとの商談機会を作り出すことで、新規顧客開拓をしていく効果的な費用対効果の高い「営業支援プログラム」になります。
アンバサダーの要素を取り入れながら、BtoBのビジネスモデルに取り組む企業を対象に、紹介営業を独自に発展させ、コストパフォーマンスが圧倒的に高い営業手法となるのが、KENJINSが独自に開発した営業支援プログラムです。
CRV「Customer Recommend & Referral Value」の向上というアプローチによって、営業力を強化し、営業顧問からの「トップダウン営業」により、リード顧客の獲得と成約率を高め、売上向上の最大化を目指します。
【人数無制限】営業顧問が大手企業の役員クラスを成果報酬型で紹介!
https://kenjins.jp/lp/saleslep/