プロスペクトとは?リード獲得よりプロスペクト獲得が大事な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

あらゆる企業には、顧客がおりますが、その顧客には幾つかの種類があります。

それは、潜在顧客、見込客、新規顧客、既存顧客、休眠顧客になります。

多くの会社では、一度でも契約まで進んだ相手方のことは「顧客」や「既存顧客」と呼び、見込客となるリードとは区別されてます。

マーケティング用語では、リード以外にも「プロスペクト」「サスペクト」という言葉がありますが、いずれも「見込客」を意味する言葉ですが、それれの違いが分からないという営業マンも沢山いるでしょう。

そこで今回は、プロスペクトとは何か、リード獲得よりプロスペクト獲得が大事な訳について解説します。

■プロスペクトとは?
プロスペクトとは、企業が営業活動やマーケティングの施策を展開する際に、商品やサービスの購入を購入して貰える可能性の高い、ホットな「見込客」のことを表します。

プロスペクトは、英語で「Prospect」と表記されます。日本語では、顧客になる見通しや新たな取引が期待できる成約率の高い顧客候補という意味を持ちます。

プロスペクトは、営業活動やマーケティングを目的に、企業側が配信する広告媒体や記事コンテンツなどの発信を見たリードの中で、何らかの反応があったり、メールやオンライン会議でコミュニケーションを取ったホットリードを指します。

プロスペクトと同様に見込客の意味を指す用語として「リード」と「サスペクト」があります。マーケティング用語としての違いとしては、自社の顧客になる可能性の見込度合の深さの違いにあると言えます。

3つの特徴を比べると、以下になります。

・リード:見込客との関係性が未だ浅く、育成が必要な客                     ・プロスペクト:企業との関係性が深くホットな見込客
・サスペクト:潜在的なニーズを持った、ユーザー

■リードとプロスペクトとの違い
リードとは広い範囲で言う見込み客を指し、プロスペクトは、「リードよりも更に商品やサービスの購入や見込みが高くなった状態の見込客」といった意味合いになります。

マーケティングにおけるリードは、メルマガ配信やセミナー来場、Webサイトからの問い合わせなど、「マーケティング施策により生み出される見込客」を指します。

一方で営業におけるリードとは、「日々の営業活動によって生み出された見込客」を指します。

BtoBの法人向けの営業活動を強化するためには、営業マンを育成したり、営業ノウハウを共有するだけでなく、企業の中で見込客を定義し、共通認識を持たせる必要があります。

リードとプロスぺクトの位置付けが営業の部署でも定義されておらず、それの違いを共有できていない企業も多いのではないでしょうか?

プロスペクトの獲得に課題がある企業の場合、電話営業や飛び込み訪問、リファラル紹介など、様々な営業活動によってリードを獲得し、商談を繰り返し受注へと繋げる必要があります。

大手企業を対象にしたプロスペクトを獲得する際には、人脈を豊富に持つ営業顧問を活用したキーマンへの「トップダウン営業」も効果的です。

その理由としては、見込客との関係性の深い紹介者からの紹介で商談などを行ったり、見込客からインバウンドで興味を示しているアクションがあった場合など、より成約率の可能性が高い顧客になるからです。

■サスペクトとプロスペクトの違い
サスペクトは、「潜在顧客」のことを指し、まだ商品やサービスを購入するか分からない潜在的なニーズを持ったユーザーのことを言います。

潜在顧客を表すサスペクトは、例えば企業の場合、売上が伸び悩みや将来的な不安を感じつつも、具体的なニーズや課題としてはまだ認識できていない顧客のことを指します。

また、自社や自社の製品・サービスのことをまだ知らない顧客層でもあります。

潜在的な顧客層はニーズに対しての自覚がないだけで、何かしらのきっかけを与えることでニーズを認識させ、見込顧客化させることが可能です。

プロスペクとリードは、見込客の中でも購入感度の高い顧客であるのに対し、サスペクトはまだ見込客とは言えない、潜在的に顧客になり得るだろうユーザーのことを言います。

■プロスペクトの見極めが重要な理由
プロスペクトを見極めるとは、商品やサービスを提供する企業サイドが、顧客のLTV「ライフタイムバリュー」を鑑みて育成するかの判断する意味合いを持ちます。

・見込客が自社の商品やサービスを利用するのに適切な要素を備えているか?
・多くの時間と労力をかけて様々な情報を提供し、顧客化する価値があるか?

適切な要素を備えている見込客に対して重点的にアプローチすることで、優良顧客の新規開拓にフォーカスすることが可能になり、収益率が高まります。

多くの企業の売上構成比率には、パレートの法則が当てはまると言われています。パレートの法則とは「全体の数値の80%は、全体を構成する要素のうちの20%の要素が生み出している」という経験則のことです。

現在、インターネットが急速に発展したことで、企業が商品やサービスの購入に至るまでの購買活動の流れにも大きな変化が見られるようになりました。

プロスペクトの見極めを行わずに集客を行おうとすると、適切なアプローチができず、広告費を投資したり時間と労力をかけても思うような成果に終わってしまう可能性が高くなります。

そのため、見込客がどの属性を持つかの見極めをしっかりと行うことで、営業活動をマーケティングの効果が高まるでしょう。

■プロペクストに絞った見込客にアプローチするメリット
ターゲットの絞り込みを行わず、「見込客だけにマーケティングするよりも、不特定多数に発信した方が母数が大きくなり、チャンスも増えるのでよいのでは?」と疑問に感じるもビジネスもマンも多いです。

ですが、見込客にアプローチをした方が現在はビジネス的にメリットが多いのです。

1、購買意欲の高い顧客にアプローチできる
新規開拓において自社の商品やサービスに関心が高い「プロスペクト」の獲得を強化することによって商品やサービスの購入率が向上し、売上に繋がる可能性が高くなります。

不特定多数にアプローチしてしまうと、興味がない顧客にも活動することになり、成功率が下がります。ですが、商品やサービスに興味がある顧客のみに営業活動ができると成約率が高まります。

そのため、予め自社の商品やサービスに興味を持っており、購入してくれそうなプロスペクトに絞り込んで営業マンがアプローチすることで、成約率の大幅な向上が期待できます。

2、購買額上位2割に該当する見込客にフォーカスできる
パーレートの法則に基づき、購買額が上位20%になる可能性の高い見込客に対して、社内のマンパワーを集中させることで、営業マンが直接接触して丁寧な営業をしたり、手厚いサポートを提供することが可能になります。

また、新規顧客の開拓を強化しながらも、既存顧客のサポートを行うことも必要になるため、会社のリソースをパレートの法則の上位20%の優良顧客に集中することで、上位20%の既存顧客との取引を継続させることも容易にできるようになります。

パレートの法則の下位80割の既存顧客には、電話やメールなどを活用し、コミュニケーションにかかるコストを効率化しましょう。

3、無駄なコストを削減できる
最初から興味の度合いとサービスへの導入に関心が高い状態のプロスペクトを獲得することができれば、提案活動からスムーズに成約に結びつく可能性が高くなります。

無駄な労力や時間を削減できため、効率的に営業活動を進めて少ない労力で「レバレッジ」を効かせ売上を立てることが可能になります。

営業活動には、人件費や時間など様々な費用やコストが発生します。そのため、ある程度の手応えのある企業に対して経営資源を集中的に投下することで、営業マンの時間や労力を割く方が賢明だと言えるのです。

つまり、成約に結び付かないリードに対して長い時間をかけてアプローチするよりも、自社の商品やサービスを購入してくれそうなプロセペクトに絞り込んで対応することで、より確度の高い顧客に対して多くの人的資源を掛けることが可能になります。

4、企業のイメージが良好に保てる
自社の商品やサービスにあまり興味のないリードを購入に繋げようとする場合、その過程で多くの労力を必要とします。

プロスペクト中心に営業活動を行えば、押し売り的な営業で嫌われるリスクが減り、企業や営業マンのイメージを良好に保てます。興味が薄い段階の企業に対して一生懸命アクションしても、成約率は上がらず逆効果になります。

それどころか、複数の会社にしつこい営業だという印象を与えてしまうと、企業としての悪いイメージが定着したり、悪い口コミがインターネット上に広がったりなどがマイナス要因の発生が考えられます。

現在は、事前にインターネットで比較したり、企業の評判を参考にして行動を選択する会社も増えています。

プロスペクトを重視したソリューション営業ならば、確度の高い見込客にフォーカスして積極的なアクションを展開するため、営業活動や提案も受け入れやすくなり、「親切だ」とプラスの印象を与えることができます。

5、新規事業立上げ時の顧客のセグメンテーションも可能
起業家としてスタートアップ企業の新規事業の立ち上げ時に、取り扱う製品の売上と顧客数は、どのような分布になるでしょうか?

パレートの法則に従えば、あなたの会社の製品の売上のうち80%は、20%の優良顧客よってもたらされると予想できます。

そうすると新規顧客の開拓においてもパレートの法則を用いて予測した結果、売上の80%を占める可能性の高い上位20%のプロセペクトを「類似オーディエンス」化することができます。

また、下位80%にあたるリードをセグメンテーションすることも可能になります。

■プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論とは、ダニエル・カーネマンによって1979年に提唱された「行動経済学」の理論です。プロスペクト理論は、人間は損失することを極端に嫌うという心理を利用したものです。

一般的な経済学では、人は常に合理的に行動することを前提としていましたが、プロスペクト理論では、人は損得が絡むと合理的でなくなる場合があると考えます。

この理論によれば、人は合理的に意思決定をするわけではなく、感情や感覚によって認知の歪みが発生するとされています。この理論を知ってマーケティングに活用することで、より大きな成果を得られるでしょう。

ただし、営業マーケティングにおいては、プロスペクトとプロスペクト理論は、基本的に全く別のものになるため、分けて考えてください。

■見込客の獲得は顧客視点で考えることが大切
企業が営業やマーケティング活動を通して、「リード」を獲得したり、上位の「プロスペクト」となる見込客を獲得するためには、「顧客視点」に立つことが非常に大切になります。

なぜなら、見込客の心境や悩み、興味などを深く理解したうえで、顧客の役に立てる発信や解決策を提示することが見込客の獲得の近道になるからです。

顧客の視点に立つポイントとしては、以下を考える必要があります。

・ターゲットとなる顧客が抱えている悩みや課題は何か?
・顧客の興味や関心はどんなことにあるか?
・自分の商品やサービスで顧客に提供できる解決策や情報は何か?
・リード、プロスペクト別に活動できること、届けられることは何か?
・どのような発信媒体や提供をすると効果的か?

つまり、企業として提供することができる「ソリューション」を購買前に出し惜しみすることなく提供することで、最高の見込客を獲得に繋げるための「プロスペクト活動」が見えてくるでしょう。

■まとめ
プロスペクトとは、「興味関心の高い見込客」のことを指します。つまり、「後一押しすれば商材の購入に至る見込客」がプロスペクトにあたります。

自社に適したプロスペクトを見極めるためには、まずは理想の顧客像を明確にしなければいけません。

BtoBの営業やマーケティングを推進する際には、企業規模や扱っている製品やサービス、属している業界、企業理念、競合他社の状況、担当者の考え方など、細かく設定した上で理想の顧客層を設定し「ペルソナ」を作り上げて行く必要があります。

次にその企業が抱えている課題や、それに対し自社が提供できる解決案を考えます。それによって自社に適合する新規顧客であるかを判断することができます。

営業において、顧客リストはとても重要な武器のひとつになります。リスト上の顧客のステータスを確認したすることで効率的な営業戦略を立てることができます。

特にプロスペクトに分類されている顧客は、成果に繋がりやすいことから、アプローチの優先度は高くなります。

同時にパレートの法則を活用することで、リードがどの分布に該当するかを予測できます。この予測から、マーケティングや営業の施策を立てることができます。

プロスペクトで仮説を持ちつつ、マーケティングや営業施策を立て検証することで、様々な施策にかかるコストやリソースを最適化することができます。

「マーケターの目的は、特定の市場のニーズと欲求を理解し、最もうまく対応できる市場を選択することにある。そして、その市場の顧客に価値と満足を与えるような製品やサービスを開発すれば、企業の売上格段や利益につながる。」

<フィリップ・コトラー>

■最後に
BtoBの営業活動を推進するにあたり、プロスペクトを優先させる必要がありますが、新規開拓では、顧客層をターゲティングした上で、購買の決裁者となるキーマンと面談することが成約率のアップに繋がります。

しかし、中小企業の経営者やベンチャー企業の起業家が、ターゲットを大手企業に定めた場合、若手の営業マンによる決裁権を持つキーマンへのアプローチの難易度が一気に上がります。

その理由としては、以下になります。

・若手の社員では、上場企業の幹部クラスと太いパイプを築くことが難しいこと。
・中小企業やベンチャー企業の場合、会社としての社会的信用力が乏しいこと。
・大手企業の役員クラスとのアポイントを獲得できる人物が社内にいないこと。

また、大手企業の役員クラスは、常に多忙なことも多く、様々なプロジェクトで忙しいキーマンは、無駄な話しを聞くのは面倒だと思っています。

基本的に上場企業の社長や取締役、幹部クラスは、代表電話に荷電してもコールドコールで電話に出ることはまず無く、面識のない初対面の相手と時間を割いて会ってくれることもしません。

そのため、決定権を持つキーマンと面談をする場合、事前に適切な準備をすることと、自社のリード顧客となり得る企業の取締役クラスとの人脈を豊富に持つ顧問を活用し、効果的なアプローチを推進するための「強い接点」を如何にして作り出すことができるかが最大の鍵になると言えます。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、このようなリード獲得の課題を解決するために、ハンズオン型で豊富な人脈を持つ営業顧問のコネクションを活かし、決裁権のあるキーマンとの商談設定を行うことを目的に、「トップダウン営業」の実行支援を行っています。

ちなみに紹介営業には、紹介企業の規模によって以下のような違いがあります。

トップダウン営業>リファラル営業

・トップダウン営業:大手企業の役員クラスや大手企業の決裁権限者
・リファラル営業:中小企業の社長や中小企業・ベンチャーの担当者

大手企業の役員クラスや決裁権限のあるキーマンとのアポイントの獲得なら、社内の営業マンによるアプローチや営業代行会社にアポイント獲得のみ依頼するよりもプロスペクトの高い新規顧客を獲得できます。

BtoBのビジネスの場合、インターネット広告と比較しても特定の会社の幹部との太いパイプを持つ、営業顧問による「トップダウン営業」の方が、ダントツに費用対効果が高いのは間違いありません。

なぜなら、KENJINSの営業顧問ならば、リードジェネレーションの獲得ができるだけでなく、初回商談時の同行営業を必須で行っており、プロダクト導入に必要なトスアップも可能なため、商談時の成約率の高さが根本的に違うからです。

トップダウン営業は、対象企業のキーマンとの関係性が全くない状態で代表電話にコールドコールで、興味の薄いアポイントを獲得するだけの営業代行会社とは、ポジショニングとその「付加価値」が全く異なると言えます。

【無料お試し】が可能ですので、まずは会社アカウントを登録し、是非、顧問から共感を得られるプロジェクトで支援者を公募することができます。

また、顧問からの共感を持って貰えるような情熱を込めたスカウトメールを個別に送信することもできます。エージェントから有力な顧問を紹介させて頂くことも可能です。

【人数無制限】複数の顧問が成果報酬型でトップダウン営業を支援
https://kenjins.jp/lp/saleslep/

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

経営者・採用担当者の皆様へ 日本最大級の顧問契約マッチングサイトのKENJINSでは、年収700万年収1500万クラスのハイクラス人材を、正社員採用よりも低価格で活用可能です。顧問のチカラで圧倒的な成果をコミットします。

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