顧客層とは?戦略的に顧客層を絞り込むターゲティングの効果

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

あらゆるビジネスでターゲットの顧客層を設定することは、その後の成否のカギを握る最大のポイントになります。

ですので、ターゲット設定を間違えると、ビジネスモデルの構築に投資したコストや労力が時間が無駄になってしまう可能性があります。

そのため、戦略的に顧客層を絞り込みターゲットを設定することは重要だと言えます。

今回、戦略的に顧客層を絞り込むターゲティングの効果と、顧客層をフォーカスしターゲティングする効果や具体的なセグメント方法について解説します。

■顧客層とは?
市場=ユーザーにはさまざまな「顧客層」があります。

顧客層は、英語で「customer segment」「customer base」と表記されます。日本語では、企業が自社「商品を購入やサービスを利用している顧客の属性」を意味します。

企業が標品やサービスを販売するためには、ターゲティングを行い、対象とする市場と顧客層を選ぶことが非常に重要になります。

なぜなら、市場にいるすべての顧客層をビジネスの対象としていたのでは、ビジネス戦略を明確にすることができないからです。

そこで、ターゲティングを行うことにより勝負する市場と顧客層を絞り、特定のニーズに応える商品やサービスを提供するための戦略を構築します。

世の中には、法人、個人、男、女、ビジネスマン、学生、主婦、子供などの属性がありますが、その市場の中からどの市場セグメントに参入するかどうかを決めることを顧客層を絞り込んだ「ターゲティング」と言います。

人員やコストをどの市場の中で、どの顧客層に集中させるかを決めることは、企業の限りある資源を有効に使うために必要不可欠なことなのです。

ターゲティングを言い換えると、「どんな顧客層に(誰に)買って貰いたいか」明確にすることになります。

年代・エリア・性別・ライフスタイルなどでセグメント(顧客層)は異なるので、全てのセグメントに対して画一的な戦略では効果が見込めません。

つまり、この「誰に」の部分である顧客層へのターゲティングがしっかりできていなければ、的外れな売り方になってしまって顧客の手には届かずに終わってしまいます。

製品やサービスを市場にアプローチするにあたって、具体的な顧客層を選定することにより、製品のコンセプト、強み・弱み、競合との差別化等に有効なマーケティング戦略を立てやすくなります。

■顧客層を絞るターゲティングのフレームワーク
ターゲティングに関わる代表的なフレームワークを紹介します。マーケティング戦略は、セグメンテーションおよびターゲティング、ポジショニングを一連の流れで行う「STP分析」によって構築されます。

■STP分析とは?
STP分析とは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)のそれぞれの頭文字を取っています。

STP分析では、単体で考えるよりもSTP分析のなかの一つとして考えることが有効と言われています。

1、セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場を細分化することにより顧客層を明確にし市場の構造を把握することです。

市場を細分化するための評価軸には、顧客の年齢や趣味嗜好、居住および勤務地域、過去の行動データなど、様々なものがあります。

顧客層の見極めに必要なセグメンテーションは、どのように行うかによってその後のマーケティング戦略が大きく変わってきますので、慎重に行わなければなりません。

2、ターゲティング
セグメンテーションを行った後、細分化された市場のどの顧客層を対象とするのかを決める工程となる、ターゲティングを行います。

ターゲティングを行うに際しては、自社の強みを生かすことができ、競合他社に対して優位に立てることを考慮することが大切です。

3、ポジショニング
ターゲティングは、ポジショニングの対象となる「顧客ニーズ」を選択することでもあります。選択した顧客層のニーズに対し、どのような価値を提供するかを決めるのがポジショニングです。

ポジショニングに当たっては、同種の商品やサービスを提供する競合他社に対し、顧客層に対して自社の商品やサービスをどう差別化できるのかを検討することがポイントです。

つまり、STP分析とは、市場や顧客を理解し競合他社より優位な位置づけで展開するためのマーケティング分析方法なのです。

■戦略的なターゲット設定のフレームワーク「6R」
STP分析の流れのなかでターゲティングを行う際に有効なフレームワークとして「6R」があります。

6Rを念頭に置くことで、ターゲット設定をより顧客層に戦略的に行うことが可能です。

1、有効な市場規模(Realistic Scale)
⇒市場規模は適切か?

ターゲティングを行うに当たっては、市場の規模を考慮しなくてはなりません。選択する市場の規模は、事業が成り立つのに十分なだけの顧客層が存在していることが必要です。

2、成長性(Rate of Growth)
⇒成長は見込めるか?

ターゲティングによって顧客層を選択する市場は、ただ大きければ良いというだけのものではありません。分析を行った時点では十分な大きさがあった市場でも、その後に衰退していくことがあるからです。

したがって、選択する市場の成長が見込めるかは、ターゲティングを行うに当たって重要です。分析を行った時点では規模が小さな市場でも、その後急激に成長することにより大きな売上が得られることがあります。

3、顧客の優先順位/波及効果(Rank/Ripple Effect)
⇒顧客の優先順位と波及効果は高いか?

提供する商品やサービスの優先度や関心が顧客層にとって高いかどうかも重要です。優先度・関心が高いものならSNSによって拡散されるなど、まわりの顧客に対する波及効果が期待できるからです。

4、到達可能性(Reach)
⇒顧客には到達できるか?

ターゲティングによって選択する顧客層は、たとえば名簿を入手できるなど、ビジネスを行う際に実際に到達できるものでなくてはなりません。

たとえばダイビングショップを、海沿いではなく内陸部で開こうとするなどの場合には、考えなおす必要があるかもしれません。

5、競合状況(Rival)
⇒競合は激しくないか?

一般に、競合他社が市場ですでに大きな地位を占めている場合には、市場の魅力は低いでしょう。

それに対して競合が、それほど激しくない市場の顧客層を狙い、自社をうまく差別化できれば、大きな地位を獲得できる可能性があります。

6、反応の測定可能性(Response)
⇒反応は測定可能か

広告などのアプローチを市場に向けて行った際、顧客層の反応や効果が測定できるのかについても、ターゲティングを行うに当たっては念頭に置かなくてはなりません。

■まとめ
顧客層とは、企業が商品やサービスを開発したり、販売するにあたって対象とするユーザーを指します。マーケティング活動では、予め顧客層を想定し、ターゲットの絞り込みを行うことは、ポジショニングを行う際に大きな意味を持ちます。

ポジショニングとは、ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、顧客層に対してユニークな差別化イメージを植えつけるための活動です。

顧客層に自社製品のユニークな価値を認めてもらうことで、競合製品に対して優位に立つことを目的にしています。

ポジショニングの鍵は、ターゲットとする顧客の頭の中に、自社製品・サービスの独自のポジションを築くことです。

独自のポジションを築くためには、まず自社製品・サービスが他社製品・サービスに対して持つ競争優位点を明確にする事が不可欠です。

自社製品・サービスの競争優位点を明確にするために、ポジショニング・マップを用いると効果的です。ポジショニングを検討する際は、顧客層の視点に立つことが重要です。

その方法としては、ターゲット顧客が重視するKBF「Key Buying Factor」(購買決定要因)を元に、二次元のマップを描き、競合製品といかに差別化できるかを考える方法がある。このマップはパーセプションマップと言わます。

ポジショニングが成功するためには、以下の条件を満たしていることが重要になります。

1、ポジショニングのターゲットサイズが適切か?
2、売り手の考えるポジショニングが、顧客に正確に伝わるか?
3、売り手の考えるポジショニングに、顧客が共感するか?
4、売り手である企業自体のポジショニングが可能か?
5、企業理念、ポリシーと、製品のポジショニングに整合性があるか?

また、ポジションニングの巧拙は、製品の売れ行きや収益性に大きな影響を与えるため、マーケティング・プロセスの中でも重要なステップになります。

意図するポジショニングを根付かせるためには、顧客層を意識したポジショニングとマーケティング・ミックス(製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略)との整合性が重要です。

「企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは稀である。顧客は、満足を買っている。しかし誰も、顧客満足そのものを生産したり供給したりはできない。満足を得るための手段を作って引き渡せるに過ぎない。」

<ピーター・ドラッカー>

■最後に
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■新たな顧客層として大手企業の新規開拓を許可したい企業様へ
どんな業界でも、ビジネスを成長させるためには継続的な「新規顧客の開拓」が欠かせません。特にスタートアップの場合、アーリーアダプターとなる「初期顧客層」の開拓が、重要になります。

顧客の創造は、企業は顧客がいなければビジネスが成り立たないこと、そして既存顧客だけではリスクが大きすぎることを考えれば当然のことと言えます。

しかし、「既存顧客の維持に手一杯で、新規顧客の開拓がうまくいっていない」という企業は少なくないでしょう。

既存顧客の離反によるリスクを低減し、新たな顧客を増やして売り上げをアップさせるためには、常に新規顧客を開拓していくことが欠かせません。

会社の成長とビジネスの成功のためには、無理なく続けられる手法で新規顧客の開拓を行うことが欠かせません。

新規開拓には様々なアプローチ方法がありますが、あらゆる営業活動の中でも特に成果が上がるとされているのが「紹介営業」になります。

紹介営業とは、その言葉通り「人からの紹介」を活用した営業手法で、知り合いや取引先、得意先から新規見込み顧客を紹介して貰う方法です。このような紹介でアプローチする方法を「リファラル営業」と呼びます。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、大手企業の取締役や役員クラスとの繋がりを持つ営業顧問の人脈を借りることで「リファラル営業」よりも上位クラスのキーマンとのアポイントから有効商談を獲得するための「トップダウン営業」の実行支援を行っています。

リファラル営業<トップダウン営業

キーマンとは、ある特定の仕事や商談などを進めるにあたって重要となる人物であり、商品やサービスの導入を行う際に予算を使うための決裁権限を保有しているキーパーソンを指します。

大手事業に対して営業活動を推進する際には、ターゲットとする企業の別部門におけるキーマンが誰なのかを把握し、最終的にはそのキーマンとアポイントを取り、商談機会を得る必要あります。

KENJINSでは、顧問の人脈や業界でのネットワークを活用し、決裁権を持つ社長や取締役に対してアポイント調整やプレゼンテーションの機会を創出し、言わゆる「キーマンを押さえる」営業支援を展開しています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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