スタートアップの創業者として、ぶれない人生を歩むためには、自分が立ち上げたビジネスに対する「強い信念」を持ち、最後まで最初に描いたビジョンと「信念を貫き通す」ことです。
なぜなら、ベンチャー企業を興す起業家は、信念があるから行動をし続けられるのではなく、諦めず行動をし続けるからこそ、信念に変わるからです。
とことん自分と向き合い、到達したい場所を目指して継続し続ければ、不思議と「正しい考え方」に行き着きます。
何かを成し遂げようと思えば、誰かに言われて燃えるのではなく前向きな「野心」を頂き、自分自身で燃えなければならないのです。
そこで今回は、野心家とは何か、売れるオペレーショナル・エクセレンスが大事な訳について解説します。
■野心家とは?
野心家とは、野心というと穏やかではないギラギラしたイメージがありますが、本来は非常にポジティブな意味の言葉です。
大きな望みを持ち、望みを実現するために前向きに努力をし、常に自分自身を向上させることを求める人のことを指します。
つまり、「大きな望みを持つ人」や「新しいことに挑戦する人」は、野心家といっても良いでしょう。
現在の世の中で成功し、長く活躍している人の多くは、バイタリティの元となる野心と明確な信念を合わせて持っていることに気づくはずです。
何があっても揺るがない信念を強く持つことで、己の中に眠ったポテンシャルを開花させ、信念を持続させる忍耐力や不屈の精神が次第に育まれていくのです。
■ビジネスでは楽しいだけではダメな理由
有名な著者の中には、「楽しいことだけをやっていれば成功する!」なんて、安易に言う人もいますが、それは間違いです。
その理由としては、著者や投資家の立ち位置は異大きくことなり、世の中にインパクトを与えるような事業を興し、会社経営をしたことが無い人の発言だと言えるからです。
起業する上では、もちろん飽きずに長く続けるために好きな仕事を選ぶことは、必須要件にはなります。しかし、そんな遊び半分の考えで簡単にビジネスに成功している真の起業家は、本当にごく僅かです。
信念を持った起業家は、向上心が高い人でもあります。何かを失敗したときは原因を分析し「次は成功するぞ!」と失敗をやる気に繋げます。
成功した時でも「再現性のある仕組みを作り上げよう!」とさらなる上を目指すでしょう。
起業家に必要な信念とは、単に上を目指すというだけでなく、上に行くための努力ができる不屈の精神力を指します。
単なるお金儲けを超えたライフワークと思える仕事を自ら創造することに最善を尽くすのです。
厳しい環境に置かれていても信念を持ち続け、ビジネスで成果を上げるために「知略」を巡らせ、気が遠くなるような途轍も無い期間、血のにじむような努力をしている社長が殆どだと言えるのです。
■マクドナルドの歴史に思うこと
マクドナルドは、元々、マクドナルド兄弟が初めた1店舗の小さなハンバーガーショップでした。マクドナルドは、飽くなき野望を抱える1人の男によって世界的ファストフード企業へと成長を遂げました。
現在のマックのビジネスモデルの誕生までには、兄弟が考え出したビジョンと画期的なシステムがありました。従来のハンバーガーの製造方法や店舗オペレーションを改善し、様々な試行錯誤と失敗を重ねて仕組化しました。
その「売り方」も創意工夫の結果、たどり着いたもので、独自に生み出した成功モデルの基礎がありました。
ハンバーガーの製造にあたっては、これまでの調理方法とは異なる完全に異なる新たなルールを取り決めました。
具体的には、バンズやハンバーガー、野菜などの品質の管理や維持を見事なまでの研究し、画期的なシステムを作り上げました。
マクドナルド兄弟も職人気質ではありましたが、会社設立時の創業理念などを含めて、本当の創業者である彼らもそのビジネスモデルを忠実に進めて行きたいという想いを持っていました。
そのため、彼らは自分の手の届く範囲内で、小さな規模でビジネスを続けていくことにこだわりがありました。
■セールスレップだったレイ・クロック
1954年、52歳のレイ・クロックは、ミキサーのセールスレップとして働いていました。
ある日、カリフォルニア州南部サンバナディーノにあるレストランを訪れることにしました。突然、8台ものマルチミキサーを発注してきたからです。
そのレストランこそ、スコットランド系米国人「モーリス・マック・マクドナルド」と「リチャード・ディック・マクドナルド」の兄弟がオープンしたファストフード店、マクドナルド・ハンバーガーでした。
その日、偶然目にしたマクドナルド兄弟が作り上げた、この店の「限界まで簡略化、効率化する」という革新的なオペレーションにあっけに取られたのです。
ハンバーガーの製造方法と高品質で素早いサービスを売りにしていました。店舗オペレーションに感動したレイ・クロックは、二人が具現化したビジネスモデルを見て経営に参画することを希望しました。
■レイ・クロックの不屈の精神力
レイ・クロックは52歳でマクドナルドのフランチャイズ展開を思いつき行動を起こしたのが驚きです。その時点で、糖尿病と関節炎まで患っていたというのが更にビックリします。
長年、フリーランスの営業マンとしてセールスレップを続けながら「常にチャンスを探していた」というのですから、このままで一生を終える気持ちはサラサラなく、本人にとって年齢は全く関係が無かったのです。
病気による「体の痛みよりも、退屈な人生尾の方が耐えられない」と言っているくらいですから、レイ・クロックは成功への情熱と前向きな野心を持った人です。
その後、全米中に店舗をもっと拡大させるべきだと主張したため、説得の末にマクドナルド兄弟はこれまで通り零細企業のように数店舗を経営し、店舗のチェーン展開はレイ・クロックが立ち上げた別会社で行うことに合意し、総販売事業者としての代理販売の権利を獲得しました。
これこそが、マクドナルド株式会社の前身となるフランチャイズによる「マクドナルド・システム」の仕組みのはじまりです。
■フランチャイジズビジネスとは?
現在、フランチャイズビジネスは、ビジネスに再現性持たせ、経営者としての知識や経験、事業立ち上げのノウハウがない人でも経営者になれます。
また、資金や人材不足の店舗でもチェーン化し、店舗網を一気に拡大するスキームとして一般的になっていますが、このアイデアを世界で初めて考案し成功させたのは、レイ・クロックであることは紛れもない事実です。
彼がマクドナルドを世界規模のビジネスに拡大させ「スケールアウト」をさせたお陰で、2019年には、世界で38,695店舗網になっています。そこで働く店長だけでも38,695人が活躍し、アルバイトの数は、数えきれない人数になり多数の雇用を生み出しています。
起業家の立場でマクドナルドの歴史をみると創業者が忘れさられた様で少し寂しい気持ちになりますが、ウィキペディアの会社概要には、マクドナルド兄弟の名前がしっかりと明記されていました。
正確に言えばレイ・クロックは、「マクドナルド」自体の“創業者”ではありません。「マクドナルド」のフランチャイズチェーン化を成功させた意味での“創業者”になります。
『McDonald’s』創業者
リチャード・マクドナルド
モーリス・マクドナルド
『McDonald’s Corporation』創業者
レイ・クロック
■創業者のビジョンが大事な理由
会社経営をする上では、レイ・クロックのようにビジネスを世界規模で大きく成長させることがいいのか、果たしてマクドナルド兄弟のように小さくまとまり、職人としてのこだわりを持ち純粋なにビジネスを続けていくのがいいのか。
この答えは、会社をゼロから興した真の創業者にしか分からないことです。
レイクロックの自伝「成功はごみ箱の中に」を読むとマクドナルドでは、本部だけではではなく、各店舗の店長やマネージャーを育てるという考えのもと、各店舗への教育とサポートの仕組みが完璧に出来上がっているからこそ、世界規模でここまで成長出来るんだと分かります。
大手企業のビジネスは、仕事が分業が進みモジュラー化オペレーションの潮流となっています。
それゆえ、ベンチャー志向といった、新しいものを生み出す思想や起業家精神、会社の文化を忘れてしまっているのではないかと危惧されています。
ですが、大手企業には、成長を遂げた理由が必ずあるため、ベンチャーでもマックのような分業体制が効果的なケースが増えています。
業界や規模を問わず、日本のメーカーはモノづくりの原点である「こだわり」「チャレンジ」「創意工夫」「改善」といった考え方や行動様式を見直し、「オペレーショナルエクセレンス」を作り上げて行く必要があると思います。
■オペレーショナル・エクセレンスとは?
オペレーショナル・エクセレンスとは、企業が現場のオペレーションを徹底的に磨き上げ、競争上の優位性を構築している状態のことを指します。
オペレーショナル・エクセレンスを確立した企業では、業務フローだけでなく、業務フローを改善するプロセスもマニュアル化されおり、常に改善を重ねようとする企業文化が根付くとされています。
継続的なオペレーションの進化が可能となるため、競合企業に簡単に模倣されることがありません。
マクドナルドには、現場のちょっとした気づきを活かし、販売や接客のマニュアルを絶えず変化させるカルチャーが根付いています。一度根付いた文化は簡単には失われません。
競合他社から模倣されやすいプロダクト・イノベーションと違い、簡単には真似できない貴重な財産となります。
■まとめ
マクドナルド兄弟は、ファストフードの命とも言える、「スピード・サービス・システム」やコストをカットしながらもクオリティを保つという革新的なコンセプトを生み出しました。
1961年に兄弟は「マクドナルド」の商権を、レイ・クロックへと譲渡しました。その対価は、270万ドルです。クロックの自伝によると、兄弟はこの大金を得たことで、旅行や不動産投資を楽しみにする老後に、「ハッピーリタイアした」とあります。
両者がアントレプレナーであることは、紛れもない事実ですが、果たしてどちらがの考えが正しいか、間違っているかでは、それぞれの立場や生き方、夢の大きさによると思います。
両者の関係は悪化し法的なトラブルにまで発展しましたが、ライセンス契約の周到さが、その後のビジネスの成功の分近点になりました。
映画『ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密』では、マクドナルド兄弟が「ニワトリ小屋の中にオオカミを入れてしまった」と評してました。
レイ・クロックの、「欲しいと思ったものは、絶対に手に入れる」やり口には、仕組を作り上げた起業家の立場から見ると、大きな嫌悪感を抱く人も少なからずいるはずです。
これは、スタートアップがIPOを目指して大規模な資金調達をするのか?それともM&Aで会社の売却を目標にするのか?もしくは、銀行借り入れを駆使し100年企業を目指すのかという究極の選択になります。
「やり遂げろ!この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能はちがう。才能があっても失敗する人は沢山いる。
天才もちがう。恵まれなかった天才は諺になるほどこの世にいる教育もちがう。世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である。」
<レイ・クロック>McDonald’s Corporation社長
■最後に
自身が100%の株式を保有するオーナー経営者であれば、最終的なゴールをどこに設定するのかを自由に選ぶことができますが、社長といっても様々な形があるため、最終的な決断は、起業家ぞれぞれです。
中小企業の社長やスタートアップのCEOとしては、いずれの選択でも成功したと言えると思いますので、両方の考え方た取り組みから学べるところが非常に沢山あるはずです。
ですので、「創業者として人生の最終ゴールは何であるか?を踏まえて、「創業者がどちらを選びたいか」という価値観の話になると思います。
今ならば、ある程度ベースの事業が成功していれば、事業のスケールアウトに必要となる優秀な人材を採用したり、後継者を育成することでカバーすることも可能だと思います。
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