現在、企業や団体のPR・広報活動の窓口として、経営理念や営業方針、営業活動、社会的責任となるCSRを顧客、消費者、取引先、地域住民などに的確に伝える、CXOの肩書を持つ広報・PRのトップマネジメントであるCCOが注目されています。
なぜなら、PRの最高責任者として優秀なCCOがいることで、パーセプションチェンジを図り、「企業価値向上」に大きく貢献する可能性が高くなるからです。
そこで今回、CCOとは、CCOの意味・最高コミュニケーション責任者の役割ついて解説します。
■CCOとは?
CCOとは、英語の「Chief Communication Officer」の略になります。日本語では、「最高コミュニケーション責任者」の意味になります。
CCOは、経営陣の1人としてのCEOや他のCXO人材と連携し、経営戦略の一環として、自社と社会の人々との関係性を作る役割を担っています。
事業活動報告、事業方針発表などによって、組織の宣伝をして自社の認知度を上げることが主なミッションになります。
CCOは、自社の企業価値を向上させ、ブランド力を上げるために、マスコミなど様々な場所で活躍し、企業や自社製品のPR活動に努めます。
企業経営の対外コミュニケーション面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。PR戦略を経営陣として練り上げ、パブリックリレーションの課題を見つけます。
そして、PRの機会を正確に把握し、組織内と外部のメディア等との良好な関係を築きながら目標とする成果を実現するのがCCOのミッションになります。
■CCOが何うPRとは?
CCOが担うPRとは、社会的責任の遂行や公共利益への寄与という経営理念に発し、それを経営方針に取り入れることが求められます。
CCOを中心に具体的な計画や実践活動として展開することを基盤に、組織内外に対して行う「ツー・ウェイ・コミュニケーション」になります。
PRとは、英語の「Public Relations」の略で、「パブリックリレーションズ」を指します。日本語では「広報」を意味します。
端的に言えば、「Public Relations」は、企業をとりまくステークホルダーと良い関係を作り上げ、長期的な関係性の構築を維持することを指します。
PRは、社会に対し企業活動、商品、サービスを世の中に周知させ、自社に対してよいイメージを持たせることが目的になります。
一方で現在、コンプライアンス、アカウンタビリティ、セキュリティ対策など、企業活動への世の中の見方が変化していることから、CCOには、自社にプラスになることだけでなく、ネガティブな情報も適正に情報発信することが求められています。
CCOには、自社や自社商品、サービスへの深い理解に加えて、正確な情報を伝えることや、情報の受け手が抱く感情を踏まえた誠実なコミュニケーション力が必要になります。
■PRと広報の違い
PRや広報業務を司るCCOには、商品やサービスの認知に留まらず、現状の把握から効果測定までを含めた、具体的なPR戦略の設計が求められます。
PRと広報は、厳密にいうとその目的と意味合いが異なります。
PR「パブリックリレーションズ」は、「戦略的コミュニケーションのプロセス」になります。そのため、単なる広報とは異なり、終着点のある一方的な情報発信活動ではありません。
PRは組織の実際活動に適用されるとき、組織の性格やこれに適した職能分担の決め方によって枠づけがされます。
企業などの組織により多く共通する重要な職能は、以下になります。
(1)組織の理念・方針・計画、実際活動に対するPR
(2)公共的およびコミュニケーション活動の側面からの助言・提案
(3)広聴活動(市場調査的なものは除く)
(4)広報活動(広告関係では商品広告的なものは除く)
(5)企業PR、公共的な広告の企画、パブリシティーなどの業務
「広報」を文字どおり解釈すると、広く=社会に対して、報ずる=知らせる、という意味になります。
広報は、「パブリックリレーションズ」よりも範囲が狭く、メディアに向けてプレスリリースを作成し、『情報発信する』ことが「広報」の主な仕事になるケースが多いです。
■コンテンツマーケティングもCCOの大事な仕事
インターネットのメディアが増え、ニュースリリースチャネルが多様化し、情報発信の方法が変化するなかで、CCOが各メディアとの関係性を構築するだけでは、十分な時代ではなくなりました。
PRは、社会に対し企業活動・商品・サービスなどを周知させ、自社に対してよいイメージを持たせることが目的になります。
インターネットが普及した今、オウンドメディアを立ち上げ、「コンテンツマーケティング」による情報発信やビジョン浸透の働きかけも重要になりました。
PR活動は、「戦略的コミュニケーション」のプロセスであり、メディアへの一方的な情報発信活動ではなく、プレスからの取材や記者会見へなど、双方向の対応が必要になりました。
CCOが取り組むコンテンツマーケティングでは、自社のどの商品を誰に知って貰えるかを練り上げで、正しい情報を入手し、知ってもらいたい相手が理解できるように文章や写真や動画で表現したり、双方向でコミュニケーションを取る仕組みを作り上げることも役割になります。
■PRと広告宣伝との違い
PRは、自社の商品やサービス、経営に関する情報を発信し、メディアを中心に双方向でコミュニケーションを取る仕事です。
CCOを中心とした情報の発信先は、報道・メディア関係者だけでなく、それ以外の利害関係者「ステークホルダー」であるマスコミ、株主、投資家、取引先、地域社会、従業員など、社外・社内を問わず多岐にわたります。
「広告宣伝」が宣伝費を投じて広告として情報を発信するのに対して、「PR」は自社の情報を「無償」で提供します。
広告宣伝とは、メディアに対し対価を支払って宣伝をして貰うことです。広告費を支払う形になるため、広告主が宣伝したいように情報を流通させられる、確実に情報を発信できる点がメリットです。
一方のPRは、メディアに自社や製品、サービスなどについての情報を提供し、宣伝して貰えるように働きかけます。
メディア側は企業から発信された情報に価値を見出し、メディア側の意志で各種媒体や社会に情報を流通させます。
プレスリリースによる情報を提供しても、メディアに宣伝して貰える保証は無く、どのように宣伝されるのかはメディアの方針と価値の受け止め方にゆだねられる点が広告宣伝とは異なります。
CCOが取り組むPRは、第三者が価値を見出して取り上げている情報であるため、企業や製品、サービスに対する社会的な信用度は高まります。
■CCOの仕事内容とジョブ・ディスクリプション
PR活動の目的は企業のイメージを高めることになります。CCOは、マスコミ、報道機関やメディア、PR誌、自社ホームページなどを通じて幅広い広報活動を行います。
1、状況分析
PR活動を成功させるためには、課題を正しく、客観的に把握しなければいけません。
なぜなら、組織内外との関係を築きながら成果を得る手順も覚える必要があるからです。
CCOは、時には、自社の社会的評価に関する調査等を通じて情報の収集・分析も行います。
PR活動を始める前に調査を行い、課題・機会を把握・分析し、誰に向けてコミュニケーション活動を行うのか、またそのターゲットオーディエンスはどのようなプロフィールをもつグループなのかを分析をする必要があります。
2、戦略立案
どのようなPR活動においても、組織や製品・サービスが置かれている状況を把握せず、やみくもに情報を発信すると効果的な成果が期待できません。
CCOは、PR活動の課題・機会を明確にし、ターゲット設定・分析を行ったら、次は目標達成のための戦略を立案します。
ターゲットにどのようなメッセージを、どのようなチャネルを使って届ければよいのかを考えるのです。
3、戦術の実行
CCOは、具体的に戦略を実行に移すためのプランを立てます。
情報が溢れかえる時代ですから、ターゲット層に確実にメッセージやストーリーを届け、それに注意をもって貰います。
さらには、彼らの理解・同意を得、感情的コネクションを構築し、態度変容をもたらすような戦術を考えます。
4、成果を分析する。
PRキャンペーン・プロジェクトはやりっぱなしでは未来につながりません。適切な効果測定と成果の可視化を実現させ、PDCAサイクルを効率的に回していくことも大切です。
CCOが成果をまとめ、それを分析し、次の活動につなげていくことが、長期的でサステナブルな組織の活動にとって重要となります。
PR活動の効果測定を行い、PDCAをまわしていくことは、健全な組織の運営・発展に欠かせない活動です。
結果が出るには長い時間がかかりますが、企業活動を正しく周知して貰えたり、問い合わせが増えて売上が上がった際には、大きなやりがいがあります。
5、会社の顔となりメディア対応を行う。
宣伝方法がマスコミに一任されるPRでは、CCOの活動次第で商品やサービスの取り上げられ方や宣伝のされ方が大きく変わってきます。
その結果、製品やサービスなどの認知度や印象の良し悪しも変化します。自社の売上に関わるため、責任のあるポジションだと言えます。
■CCOには社内広報の仕事も担う必要がある
CCOの仕事の一つに「インナーブランディング」の仕事があります。
インナーブランディングとは、自社の社員に向けて企業が行う広報活動です。社内コミュニケーション活性化を通じて会社への求心力を醸成し、エンゲージメントを高め、組織のつながりを強くする取り組みなどを指します。
インナーブランディングの目的には、企業理念・ビジョン・ミッションなどの社内浸透、部署間での相互理解や社内コミュニケーションを活発にする、経営情報や倫理観の共有などが挙げられます。
CCOが介在することで、企業理念の社内浸透だけではなく、メディアに掲載されたことやイベントを開催したことなど、自社と社会がどのように繋がっているのか、自社がどのような取り組みをしているのかをた対外的に発信することも可能になります。
自社について見識を深めるため、CCOは社内の様々な取り組みや出来事に関する情報収集を欠かせません。
例えば、CCOが行う情報収集の方法の中には、自社社員の日報に目を通して社内報に使える情報がないか調査することもあります
そのほか、CEOだけでなく、各部署のキーパーソンとなるCXOと情報を共有したり、各部署の集まりなどに積極的に参加したりして、インナーブランディングや社内報、PRにも使える情報を収集しコンテンツ化することも期待されています。
■まとめ
CCOとは、「Chief Communication Officer」の略で、「最高コミュニケーション責任者」の意味を持ちます。
CCOが何うジョブ・ディスクリプションとしては、会社の情報や商品、サービスの情報を的確にマスコミ関係者に伝える責務があります。
そのため、経営陣の一人としてCXOの肩書を持ち、メディアを問わず、様々なステークホルダーとの関わる機会が多いポジションになります。
CCOは、情報を提供する仕事柄、日々様々なメディア関係者と接する機会が多いです。
自社のキーパーソンであるCEOやCPOとの情報共有をはじめとして、社内外問わずコミュニケーションを取ることが重要になります。
プレスリリースなどの情報は、コンテンツとして提供することで価値を生み出します。更にメディアを通じて拡散されれば、広告とは異なる切り口で会社の信用が高まり、会社やサービスの認知度が向上します。
現在、インターネットを活用した迅速な広報の重要性が増大しています。
コンテンツ配信という観点からも、社内のキーマンやマスコミ関係者と接する機会が多く、記者や編集者などの繋がりを作り、リレーションを図ることが大事な役割になります。
マスコミ関係者に好意的な印象を与えるためには、定期的に価値ある情報を配信することで、日頃から良い付き合いをして置くことが必須要件になります。
そのため、CCOは、メディア各社のコネクションを築き上げるために、社内外の接点を積極的に作り上げることが求められます。
人脈形成に長けており、多くのキーマンとのコミュニケーションを円滑にとれるスキルが必要になります。
近年では、会社の規模が大きくなると、企業がビジネスを推進する上の不慮の事故、事件、個人情報の流出などの不祥事が発生するケースも増えています。
そのような際には、説明責任を求められますので、不測の事態に陥ってしまった際の危機管理としての広報も必要になります。
「流行に夢中になってはだめ。ファッションにあなたを支配させてはだめ。その着こなしと生き方によって、あなたが誰で、どう見せたいかは自分で決めればいい。」
<ジャンニ・ヴェルサーチ>
■最後に
パブリックリレーションズは、CEOとCCOだけでなく、CPOを含めた複雑なチームプレーを要する企業PR活動であり、CCO一人の個人的な能力だけで成り立つものではありません。
ビジネスの成功のためには、CCOが「最高コミュニケーション責任者」として、経営陣がPR戦略と実行計画を正しく理解し、それぞれのCXOが責任を持つ領域の品質や効果を改善し続ける必要があります。
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その中で、人々が商品やブランドの価値を理解し、「買いたい」と思ってくれるような「パーセプションチェンジ」(認識転換)のプロセスを、ストーリーとして描いていく戦略的なPR活動の実行支援を行っています。
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