パーセプションチェンジをゴールとした戦略的PRとは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

現在、企業が抱える課題は様々ですが、この先必要となる対策としては、会社のイメージを高め、多くの雇用を創出するだけでなくビジョンを掲げ、人々が必要とするミッションを実現する企業になる必要があります。そのためには、「会社の周知」が欠かせません。 会社を周知するためには、会社がどのような考え方で活動し、どのような商品やサービスを提供しているのか、そして社会に役立っているのかということを多くの人々に知らせ、理解と信頼を得ることはとても重要です。これに欠かせない理念や技術のことをパブリック・リレーションズ(Public Relations)と言い、日本では「広報」と訳されています。

この記事では、プロモーション戦略としての広報の基礎知識と求められる要素について解説していきます。

■パブリック・リレーションズとは?
パブリック・リレーションズの定義として、国際パブリック・リレーションズ協会(IPRA)では、「情報の自由な流れを促進し、すべての関係者の利益に資するものである」と定義しています。ほかにも、米国パブリック・リレーションズ協会(PRSA)では、「組織とその公衆との間に相互に有益な関係を構築するための戦略的なコミュニケーション・プロセスである」とされています。

また、日本パブリック・リレーションズ協会では、「組織体とその存在を左右する公衆との間に、相互に利益をもたらす関係を構築し、維持するマネジメント機能である」としています。このように、パブリック・リレーションズ(=広報)の定義は各国のPR団体や専門家、学者によって解釈が微妙に異なり、時代の変化とともに見直しが行われています。

はっきりしていることは、広報は、企業・団体のビジョンや商品、サービス、社会貢献など様々な情報を広く社会に知らせ、人々の理解を深めるとともに組織のイメージを高め、社会と健全で良好な関係を作り出す重要な役割を担っているということです。

■広報と広告・宣伝の違い
パブリック・リレーションズの頭文字をとったPRは、広告や宣伝と混同して使用されることも多いです。パブリック・リレーションズと広告や宣伝は同じものだと思っている人も少なくありませんが、この両者は、その目的も、手法も、効果も大きく異なります。広告や宣伝は、新聞や雑誌での広告スペース、テレビ・ラジオではCM、Webサイドではバナー広告やテキスト広告などを購入し、主に製品やサービスの販売告知やメッセージを自社の責任で消費者にアピールすることをいいます。

これに対して広報は、経営方針や人事異動、機構改革、業務、催事、会社貢献活動などの多様な企業情報を素材として提供し、報道してもらうパブリシティ(活動)が中心となります。

費用さえ負担すれば、社会通念を逸脱しない内容であれば掲載されるのが広告ですが、広報では、情報に価値が必要ですが、ひとたび報道されると媒体を通過した客観的な情報であるため、消費者に対する信頼性は高く、会社への影響や波及効果も大きなものとなります。さらに、広報は低コストであるうえに、多様な情報を発信することができる、他媒体でも取り上げられることがあるなど、広告とは大きな違いがあります。

■パブリック・リレーションズの機能と役割
パブリック・リレーションズ(PR活動)とは、企業や組織体が、メディアや一般大衆、関係諸機関などの利害関係集団と、良好な関係を築くために行う活動のことをいいます。この活動を担うPR部門は、企業の良いイメージを作るために情報を流したりコミュニケーションを行ったりするだけでなく、自社にとってマイナスになるような出来事が公表されれば火消し役の役割も果たします。

英・米などの欧米諸国では、企業だけでなく政府や地方自治体、教育機関、国連や世界銀行等の国際機関などでも、パブリック・リレーションズが実践されています。コトラーによれば、パブリック・リレーションズの機能は、以下の5つに分類されます。

■PR部門が果たす5つの機能
1、報道対策
企業を良く見せる形でニュースや情報を公表すること。
2、製品パブリシティ
特定製品のパブリシティを支援すること
3、コーポレート・コミュニケーション―
社内外のコミュニケーションを通じて、企業への理解を促進すること。
4、ロビー活動
法規制の推進あるいは廃止を狙って議員や官僚と交渉すること。
5、コンサルティング
平常時および逆境時のパブリックの問題や企業のポジションとイメージに関して、経営陣にアドバイスすること。

■マーケティング・パブリック・リレーションズとは?
近年、マス広告の効果の弱まりを背景に、企業の多くがPR活動をマーケティング活動と連動させるようになってきました。企業や製品のプロモーション等を支援するPR活動を、マーケティング・パブリック・リレーションズ(MPR)と呼びます。MPRはかつてはパブリシティと呼ばれており、広告より低コストで効果をあげられる場合が多く、広告よりも信頼性が高いのが利点です。

例えば、マイクロソフト社はウィンドウズ95発売キャンペーンの際、有料広告を一切出さなかったにも関わらず、注目を浴びるようなパブリシティを展開した結果、新聞・雑誌等で多くの記事が同製品をとりあげ、一般大衆に広く発売日を認知させることに成功しました。

■ターゲットを明確にする
多くの会社が発信する情報発信活動には、広報の領域と広告の領域があり、広報の領域だけでも、ターゲットは、顧客、一般消費者、地域住民、取引先、メディア、アナリスト、機関投資家、グループ従業員、就職希望者など、幅広い層に及びます。

発行目的やターゲット層をあいまいにしてしまうと、情報発信の体をなさないばかりか、余計な誤解を招いたり、会社イメージの低下にもつながりかねませんので注意が必要です。

あらゆる業界でライバルとの競争に打ち勝っていくためには、多様な側面から、ターゲットを明確にした訴求効果の高い戦略的な広報活動を実行していくことが求められます。

■PRコミュニケーションの「双方向性」時代の到来
インターネットが普及した今、これまでのPR活動は、企業や組織から一般社会への「一方向的」なコミュニケーションというよりは、企業が情報を発信することによって、一般社会の理解や合意を得たり、協力関係を築いたりといった「双方向」のコミュニケーションが目的だというという見方もあります。そのためには、発信した情報へのフィードバックを通じて世論の動向を理解し、より公共の利益に資する企業活動へ還元させていくことが企業や組織には求められています。

■企業規模に応じた広報体制と課題の選出
広報体制は、数十名規模で広報活動を行っている企業から1人で全てを仕切っている企業まで、企業の規模や業種、上場であるか否かなどによって異なります。広報体制を見直していくには、現状を認識するための課題の選出から始めます。

課題の選出には、信用失墜やイメージダウンになる要素、会社に対する認識不足やイメージギャップの有無、競合他社とのイメージの格差や訴求力の不足・露出不足はないかなどを調べる必要があります。

課題の解決には、内容や状況に応じてさまざまな解決策を実行します。例えば、広報体制の見直し・整備、メディアリレーションズの強化などを実行します。また、企業イメージの浸透不足では、経営トップに対する広報活動への理解促進とトップ広報の強化、広告と連動したコミュニケーション活動の実施、ニュースレターなど情報発信ツールの開発・配布などが必要となります。

■戦略的PRの視点の重要性
「売上UP」、「採用力の強化」、「商品認知度の向上」、「ブランドイメージ向上」…など、PRの目的を達成できない原因の多くは、顧客にどのようになってほしいのかを明確にして、それを達成するためにどんな情報発信を行うべきなのかを立案する、「戦略PR」の視点が抜けていることにあります。

PRの最終的な目的は「売上UP」などの成果を達成することですが、それを実現するために、PRが情報発信によって成し得るべきことは、顧客の「行動変容」を起こすことです。行動変容とは、「習慣」や「無意識」に紐付いた、簡単には変えることができないヒトの行動を変えることです。顧客に到達する情報をコントロールし、自社が目的とする「パーセプション・チェンジ」を促す──それが、『戦略PR』の考え方の骨子です。

■パーセプション・チェンジとは?
メディアリレーション(プレスリリース配信などを通じたメディア掲載を狙う取り組み)を情報到達によって、顧客の「意識」や「認識」が変化するステップです。パーセプション・チェンジという言葉自体は、広告業界などでも使用されていますが、わかりやすく言うと、『新しい情報』により、人々の味方や常識が変わっていくことです。

つまり、自社や自社商品、あるいは商品カテゴリそのものについての「意識」・「認識」を変え、顧客の購買行動を促進させることがパーセプション・チェンジになります。ブランドや商品が認知されただけでは購買につながりにくい現代。リーチや購買といった消費者の「行動」だけではなく、頭の中にある「パーセプション(認識)」の変化を捉えてマーケティング戦略を設計することが求められています。

■「パーセプション・チェンジ」の起こし方
複数のチャネルから、同じメッセージ(コンテンツやクリエイティブは同一でなくても良い。)を受け取ると、顧客は同じ情報に”偶然”なんども巡り合った、と感じます。すると、顧客はその情報に対して親近感や好感を持つようになったり、情報に対する印象が強く残ったりするようになります。(=単純接触効果。)こうして、情報接触が何度かに渡って行われると、顧客の「意識」や「認識」にメッセージの印象がしっかり残り、パーセプション・チェンジを引き起こせるようになります。

■中長期的な「計画性」があってはじめてPRは成功する
以上のように、パーセプション・チェンジを起こすためには、”継続的”に”一貫性”のあるメッセージを、正しいターゲット顧客に届けていくことが大切です。こうしたPRの取り組みを実現するためには、PR担当者の「勘」や「想い」(このネタを流行らせたい!など)に頼った、行き当たりばったりの”思い付き”による情報発信をやめて、中長期的な戦略を基にした計画性ある活動へとシフトする必要があります。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、人々が商品やブランドの価値を理解し、「買いたい」と思ってくれるようなパーセプションチェンジ(認識転換)のプロセスを、ストーリーとして描いていく戦略的なPR活動の支援を行っています。KENJINSなら、PRのプロフェッショナル人材と様々な業界の知識・経験・人脈ネットワークを保有する5000人を超える顧問・プロ人材が揃っています。

そのため、マーケティング・リサーチ、露出メディアの選定、人的コネクションを活かしたメディアコンタクト、プレスリリースの作成・配信なども、ご要望・ご予算に応じて一括して請け負うことが可能です。PRの戦略立案・実行、広報部門の設立などでお困りの方がいましたら、是非、KENJINSにお気軽にご相談ください。

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 連続起業家・著者・エンジェル投資家 新卒で日本食研株式会社を経て、25歳で起業。これまでに自身で複数のITベンチャーを創業する。 1997年の起業時は、新宿の高田馬場でWEB制作事業からスタート。その後、インターネット事業プロデュース会社として、日本初の事業であることにこだわり、クーポン専門サイト、地域コミュニティサイト、出前専門サイト、チケット共同購入サイトなど、数々の専門・特化型ポータルサイトを立ち上げる。 クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、クーポンやチケットとして携帯電話の画面上に表示するアイデアを考案し、20件以上の特許を申請し事業化を推進。2002年に業界で初めて、「携帯チケット」のソリューションを開発。KDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートでモバイルチケット入場を実用化させ、電子チケット事業のパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2014年プライドワークス株式会社を設立。日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」のプラットフォームを武器に、顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネを撲滅を推進し、「顧問料の中間マージンをゼロ」をコンセプトに業界で唯一、適正価格で顧問紹介サービスを提供している。

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