セールスレップとは?販売代理店とセールスレップの大きな違い

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

製造メーカーや独自のサービスを展開し、競争優位性の高い商品やサービスを開発している会社であれば、セールスレップの導入や代理店展開はどんな会社でも展開することができます。

業種や業態、企業規模を問わずにできるため、コストを掛けずに行う販路拡大方法としては最適な手法になります。

しかしながら、販売代理店経由で販売チャネルを構築し拡販するこに成功したとしても、顧客との直接取引やダイレクトな対話が完全に失われてしまうことは大きなマイナスになります。

中小企業が新規開拓を強化するにあたり、代理店に依存し過ぎてしまうと、商品開発へのフィードバックが難しくなるため、顧客との接点を持ち続ける必要があるからです。

そこでお勧めなのが、販路拡大に「セールスレップ」を活用することです。

そこで今回は、セールスレップとは何か、販売代理店とセールスレップの大きな違いについて解説します。

■セールスレップとは?
セールスレップとは、外部販売戦略の一環として、正社員の営業マンを採用する形ではなく、人脈を豊富に持つ顧問を活用し、「リファラル営業」で大手企業の役員クラスとのアポイントを取得して貰い、商談機会を作る新たなセールス手法になります。

以前より自社商品やサービスの販売業務の一部もしくは、全部を外部企業(法人の代理店や小売店、卸)に委託する方法はありました。

ですが、これまで販路拡大を強化する目的で人脈を豊富に持つフリーランスをセールスレップとして、「リード獲得」を委託したり、新規の見込客の販路開拓をアウトソーシングする販売戦略を推進する会社はほとんどありませんでした。

その理由としては、アメリカと比べると日本では、営業マンというと正社員の割合が非常に高く、フリーランスの営業のプロ人材として活躍しているセールスレップの人口が少ないため、未だ本格的にはなっておりません。

その一方で日本では、スタートアップの企業から大企業まで幅広く「営業代行会社」や「販売代理店」を活用している会社は沢山あります。

■セールスレップや販売代理店を利用する3つのメリット
企業がセールスレップを使う理由は大きく3つあります。

1、販売代理店やセールスレップには固定給のようなコストが掛からない
コスト面は代理店展開における最も魅力的な部分です。

通常は、営業人員を増やそうとすれば営業社員を採用することになります。すると、当たり前の話ですが、採用した人数に比例して人件費が増加していきます。

しかし、代理店の場合にはこうなりません。一般的に、代理店の報酬は販売実績に対する販売手数料になりますので、固定費が増えることがありません。

つまり、代理店展開する企業としては、「売れなかった時のリスク」が最小化できることになります。

2、営業時のコストと工数の削減につながる
営業の主な基本フローは、「Step1:見込リストの作成」→「Step2:アポイントの獲得」→「Step3:商談・提案」→「Step4:受注」という流れだと思います。

しかし、代理店を活用するとこの流れが省略化されます。代理店は、主に既存取引先への提案を行いますので、Step1とStep2は既にクリアしているか、簡単に乗り越えられます。

通常は、Step3から始まる為、受注に至る時間が相対的に短くなります。また、既存取引先への提案であれば、受注率も高くなりがちなので営業工数の削減にも繋がります。

3、想定外のニーズを発見できる
商品・サービスを販売開始するにあたって、販売する先(顧客像)をマーケティングすると思います。そこで想定した顧客像をリスト化し、営業活動を開始するのが一般的です。

しかし、自社主体で行う営業活動やマーケティングにはどうしても限界があり、本来は顧客像にピックアップすべき対象が漏れてしまうことも多々あります。

しかも、それにほとんどの場合、気付くことがないので質が悪いと言えるでしょう。

そんな折に販売代理店から上がってきた案件で気付かなかったニーズを発見し、新たな販路を開拓するきかっけになる事例が出ています。

これは、新たな販路開拓だけでなく、新たな販売手法の確立にも繋がるので、一気に売上を拡大するチャンスにもなり得ます。まさに、代理店展開することのメリットと言えるでしょう。

■販売代理店とは?
「販売代理店」の契約形態には複数のスキームがあり、それぞれ取引形態が異なります。「販売代理店」という言葉は人によって認識の差があり、実際はかなり曖昧な表現になります。

「一定の会社などの委託を受けて、その取引の代理を行う店・会社・個人」となっています。

つまり、「取引の代理」を行えば全て販売代理店ということになります。このように、カバーできる範囲がかなり広い言葉だということを押さえておきましょう。

■販売代理店の5つの種類
一言に「販売代理店」といっても様々な契約形態があります。以下に代表的な契約形態をご紹介します。

1、販売代理店
もっともオーソドックスでイメージしやすい販売形態だと思います。文字通り商品やサービスを代理販売する店という意味の言葉です。営業(販促)、契約手続き、販売後の顧客フォローといったことまで、一貫して請け負うパートナーのことを言います。

メーカーから商品を仕入れ、販売するという商売の基本形といえば理解しやすいと思います。世の中で「代理店」と言えば販売代理店を意味していることが多いと思います。

2、取次店
業務内容は販売代理店に近いですが、一番の違いは在庫を持たない&顧客フォローをしないことです。(※在庫あり&顧客フォローありの場合もあります。)在庫を持たないことが一般的なので、代理店にとっては事業リスクが低く取り組みやすいことが特徴です。

また、契約の取次を主な業務としているので、顧客のフォローまでは要求されません。顧客フォローは、メーカーのお客様センターなどが対応するので、実質的に丸投げできます。販売代理店と比較して、業務内容の負担が軽いことが特徴です。

3、特約店
特約店とは、メーカーと特定の条件が付いた特約契約を結んだ業者のことを指します。特約店とは、メーカーと特別な契約(特約)を結んだ卸売業者という意味の言葉です。

特約店はメーカーと特約を結ぶことにより、特定の商品を独占的に販売できたり、一定の販売地域も独占できるなど、さまざまなメリットがあります。特約があるためにメーカーの支配力は代理店よりも強化されるのが一般的です。ガソリンスタンドなどや石油卸業に多い形態です。

4、販売店
一般的な販売店は店舗販売を意味します。リアル店舗やECサイトを活用し販売を行います。街中の本屋さんや酒屋さんなどが該当する為、世の中で最も多い販売代理店の契約形態になります。

代理店が、前述のようにメーカーの代行として営業や販売等を行う契約なのに対し、販売店は自己の責任で商品を販売する契約となっています。

5、紹介店
見込み顧客を代理店本部に紹介することを業務内容にしている代理店の形態です。かなり軽めの取り組みができる契約形態で、様々な業種・業態で活用されています。例えば、「お友達紹介キャンペーン」と言われるものです。

「お友達を紹介し、その友達が契約に至ればキャッシュバック」というよくあるキャンペーンですが、あれは紹介店のスキームを利用したビジネスモデルになります。

※実際には紹介店契約を交わしていないキャンペーンという名目にしています。

当人がやっている業務内容は友達(見込み)を紹介するということなので、紹介店の業務内容にあたります。実際には「取引の代理」までは行っていないですが、代理店の一形態と認識されています。

■販売代理店展開をする前の心構え
既に販売代理店展開をしている会社は沢山ありますが、「これから代理店展開を始める」という方も多いと思います。

そこで、販売代理店展開をする前に知っておきたい心構えをお伝えしたいと思います。

販売代理店を活用する際には「貴社」と「販売代理店」との間にあるお互いの思惑を認識した上で、販売代理店の対応をしていくことをオススメします。

貴社が販売代理店に売ってもらいたい理由は、「売上の拡大」「販路の拡大」「固定費の削減」といったところがだいたいの理由になると思います。

つまり、代理店本部側の要望はそんなに多くありません。

では、販売代理店が貴社商材を取り扱いたい理由はなんでしょうか?

それは、以下にように十人十色です。

「新たな収益源が欲しい」
「自社の販路を有効活用したい」
「独立・起業するので商材を探している」
「フック商材が欲しい」
「アップセルに活用したい」

つまり、貴社が想定していないような取り組みを希望されることが当たり前ということです。

これは決して悪いことではなく、貴社が想定していないような売り方を発見するチャンスにもなるので、代理店希望者との対応履歴はきちんと記録し、事業責任者が把握できるような仕組み作りが必要になります。

また、販売代理店には、貴社の商品・サービスを「売る義理が無い」ことを事前に自覚しておきましょう。「売る義理が無い」と聞くと冷たく聞こえるかも知れませんが、これは紛れもない事実です。

つまり、10社の代理店ができたからと言って、10社すべてが実績をあげてくれることはまずあり得ません。

良くても、せいぜい半分だと思っておきましょう。そうすれば、想定外の肩透かしを受ける食らうことも無いと思います。

■販売代理店と営業代行の違い
代表的な代理店の契約形態をご紹介しました。

ここで、「代理店」と混同しやすい「営業代行」についても触れておきます。

一般的に、「代理店」と「営業代行」の違いを正確に理解できている方はほとんどいないため、「代理店」と「営業代行」の違いや利用の仕方をご説明しておきたいと思います。

「販売代理店」と「営業代行」は、どちらも

・外部のパートナーを活用する。
・コスト(固定費・人件費)を抑えることができる。
・販路拡大ができる。

など似た特徴があります。

しかし、「販売代理店」と「営業代行」では大きな違いがあります。以下が「営業代行」と「販売代理店」の違いです。

1、営業代行:商品・サービスをクライアントに代わって販売代行するサービス
2、販売代理店:商品・サービスを自社に代わって販売代理してくれるビジネスパートナー

似ているのでわかりにくいかも知れませんが、大きな違いがあります。ポイントは、「サービスなのか?」「ビジネスパートナーなのか?」です。そして、両者の一番の違いは「販売スキームの構築」をするか否かにあります。

1、営業代行とは?
「営業代行」とは、アポイントを取得するまでを仕事にしているアウトソーシング会社という立ち位置になります。

その中には、単にい営業活動や販売活動を代行するサービスではなく、コンサルティングを通して売れる仕組みを「構築」して「納品」するまでの領域をサポート範囲にしている営業代行会社も存在しています。

つまり、マーケティングの要素が含まれていることが特徴です。ですが、商品力やサービスの競争優位性が低すぎると、たとえ資金を投下して営業代行して貰っても失敗する可能性が十分あるということです。

2、販売代理店とは?
販売代理店は、本部から売れる仕組みを共有してもらい、その方法に沿って販売代理店が営業活動をします。

基本的にある程度は販売代理店側の裁量で営業活動ができることが特徴です。つまり、ポイントは「本部側が売れる仕組み」を構築できているか否かということになります。

貴社が既に販売スキーム(売れる仕組み)を既に構築できている場合には、販売代理店の戦略をとるべきでしょう。
例)商品が既にあり、販売方法やアプローチ先が明確になっている⇒代理店展開に向いています。

逆に販売スキーム(売れる仕組み)を構築できていない場合には、営業代行会社に依頼することがベストと言えます。

例)商品は既にあるが、販売方法やアプローチ先が確立できていない⇒営業代行が向いています。混同しやすいですが、このような「代理店」と「営業代行」の違いは代理店本部として押さえておきましょう。

■販売代理店に販売して貰うために必要なこと
晴れて販売代理店契約を締結し、「これからどんどん販売代理店が売ってくれるぞー」と期待している方・・・。販売代理店展開はそんなに甘いものじゃありません。確かに、最初は販売代理店も頑張ってくれるかも知れません。

しかし、そのままでいると販売代理店は徐々にフェードアウトしていきます。これは何故でしょうか?

販売代理店が徐々にフェードアウトしていく理由は、サポートの薄さに関係しています。

販売代理店サポートと一言にしても様々なサポートの意味が含まれますが、ここで言う販売代理店サポートとは主に下記3つを指します。

1、販売代理店に対しての研修・説明会
新たな商品・サービスを取り扱う際の研修・説明会です。これは、最初の導入部分であり、その後の販売活動に直結する重要なポイントです。

できる限り早い段階で、販売してくれる販売代理店の営業員と行うべきです。この研修後~1ヶ月くらいまでが、代理店モチベーションの最高潮にあたることが多いです。

2、販売代理店に対しての適切な販売フォロー
販売代理店が営業すると、当たり前ですがお客様(エンドユーザ)から質問が出てきます。営業現場では、その質問に答えられない場面が必ず出てきてしまいます。

この状況で、早急かつ適切なフォローをすることが販売数の増加に繋がっていきます。決して簡単なことではありませんので、しっかりした仕組み作りが重要です。

そして、ここで最も怖いのが「失注案件」です。「失注案件」とは、販売代理店が営業した後に、そのまま表に出てこない失注案件のことです。

というよりも、ほとんど表に出て来ないのが普通と考えるべきでしょう。この「失注案件」はガン細胞のように徐々に販売代理店の販売意欲を蝕んでいきます。なぜかと言うと、代理店が売れないサイクルに陥ってしまうからです。

販売代理店の営業員は失注した際の状況や理由を、積極的に貴社へ共有しようとはしません。理由は様々ですが、「いちいち報告するのが面倒」「プライドが邪魔をする」などが主な理由でしょう。

すると、販売代理店は問題点を改善できないまま営業を続けるので、また失注します。

このサイクルを繰り返すことで、販売代理店の心理は、「この商材は全然売れない商材だなぁ・・・」という方向へ傾いていきます。すると、徐々に当該商材の提案を控えるようになっていき、自然とフェードアウトしていきます。

上記を未然に防ぐ為には、常に販売代理店の活動状況や提案履歴、失注案件を貴社がチェックできる環境を構築することが必要です。

3、本部としてのマーケティング活動
販売代理店が売る理由は様々ですが、「売りやすいから」というのは大きな理由になるでしょう。

例えば、テレビCMで広告が流れている商材と、まったく広告されていない商材では前者の方がお客様に売りやすいことは明確です。

例えば、東証1部上場企業のサービスと資本金100万円の会社のサービスでは前者の方がお客様からの信頼度は高いでしょう。これは仕方のないことですが、「本部としてのマーケティング活動」とはこのようなことを意味しています。

つまり、どのような形であれ、販売代理店が売りやすいように本部としての援護射撃をし続けることが重要ということです。

■販売代理店の展開するために必要になる3つの取り組み
代理店展開するためには、事前に準備すべきものがあります。その中でも、これだけは最低限でも揃えておきたい3つをお伝えします。

1、販売代理店契約書の雛形
代理店展開を始めるにあたって、代理店希望者と取り交わす契約書が必要です。契約書は貴社の商品・サービスや募集形態によって内容が異なりますので、他社の雛形をそのまま転用することは避けた方が良いでしょう。

2、販売代理店に提示する提案資料
代理店希望者が見つかった際に、貴社の代理店制度を説明することになると思います。その時に使う提案資料です。これは無くても構いませんが、あった方がしっかりしている印象を与えますし、話を相手に伝えやすくもなります。

また、代理店契約は1人で決めることが少ないので、代理店側の社内会議で共有しやすいように資料化しておいた方が無難でしょう。

3、販売代理店が使う販促資料
販売代理店が営業する際に利用する販促資料です。これは直販用の資料で代替できます。しかし、代理店から出てくる様々な要望に対応する為に、「冊子型のパンフレット」「チラシ型のパンフレット」の2種類くらいは最低でも用意しておきましょう。

「チラシ型のパンフレット」は1枚チラシなので、持ち歩くときにかさばらなくて便利です。

■自社に合った販売代理店の仕組みとは?
販売代理店展開を継続して行う為には自社に最適な代理店制度を構築する必要があります。

その販売代理店制度を構築する為には、貴社の商品・サービスや会社の社風、販売代理店に希望する業務内容など様々な側面を考慮しなければなりません。

その上で販売代理店制度を構築していくのですが、最初から完璧な代理店制度を完成させることは不可能に近いと思ってください。

よって、販売代理店制度は代理店からの要望や市場動向を確認しながら、適時修正を行っていく必要があります。

このように、きちんと作りあげた販売代理店制度は、継続した販売代理店展開を行う為の大事な基盤となります。

あとは、属人的な販売代理店管理ではなく、常に販売代理店の活動状況や提案履歴を貴社がチェックできる環境を用意し、販売代理店展開を可視化できれば販売代理店展開はスムーズに進んでいくと思います。

■直販と販売代理店販売の契約スキームの違い
メーカー(ベンダー)が、商品をエンドユーザーに販売する場合に、直接販売と販売代理店販売の二つの方法があります。

1、直接販売:メーカーがエンドに直接商品を販売する方法
2、代理店販売:メーカーが、代理店を通じて、エンドに商品を販売する方法

販売代理店販売は、メーカー、代理店、双方にメリットがあります。メーカーとしては、他社(代理店)の販売チャネル、販売人材を活用できます。

一方、販売代理店としても、商品ラインナップを充実させて、顧客へのアピール力を高めることができますし、売上も上げられます。

そのため、代理店販売は、ビジネスの世界で一般的な販売方法です。

ですが、代理店契約は、実は法的に難しい契約のため、販売代理店契約書で失敗してしまうメーカー、販売代理店が、後を絶ちません。そこで、メーカー側、代理店側、どちらの立場でもポイントを押さえる必要があります。

■販売代理店契約で失敗しないためのポイント
販売代理店契約で押さえておくべきポイントは、以下になります。

■ディストリビューター方式とエージェント方式の違いを理解する
まず、ディストリビューター方式とは、メーカーが販売代理店に商品を売り切り、販売代理店がエンドに商品を転売する契約です。

一方、エージェント方式とは、販売代理店はあくまでもメーカーとエンドとの契約を仲介するだけで、メーカーがエンドに商品を販売する契約です。

どちらが良いか悪いかではなく、自社に合った方を選択する必要があります。ちなみに、技術力のある中小企業の商品を大手企業が担ぐ場合は、ディストリビューター方式が一般的です。

いずれにせよ、「どっちつかず」の契約はトラブルの元です。

例えば、販売代理店として、エンドへの販売価格を売上にしたいが、エンドに対する責任はメーカーに負わせたい、という考えでは、どっちつかずになってしまいトラブルの元になります。どちらの方式かを明確にした販売代理店契約書を作成しましょう。

■取り扱う商品より結ばれる契約が異なることを理解する
IT企業が結ぶは販売代理店契約で、扱う商品・結ばれる契約は何でしょうか。この点は、エージェント方式ではあまり重要ではありません。

エンドと契約をして商品を販売するのは、あくまでもメーカーであり、エンドとしては、成約に応じて手数料が払われれば、それでいいからです。昔の代理店契約では、物体としてのハードを扱うのが一般的でした。

また、昔の販売代理店契約の理解では、このように複雑な現在の販売代理店契約は整理できません。

そのため、昔の販売代理店契約書の内容は、現在の販売代理店契約では適さなくなっています。

しかし、日本国内で出回っている販売代理店契約書は、昔の販売代理店契約の内容のままです。では、そのような販売代理店契約書を使ってしまった場合、どのようなトラブルが起きるのでしょうか。

例えば、ソフトにバグがあった場合や、クラウドサービスでシステム障害が起きた場合、エンドへの責任を、販売代理店が負ってしまう可能性があります。また、エンドがソフトやサービスを不正利用した場合、メーカーへの責任は、販売代理店が負ってしまう可能性が出て来ます。

これでは、販売代理店に、予想外の責任を負わせることになり、販売代理店としても困りますし、また、メーカーとしても、販売代理店に迷惑をかけることになってしまいます。

そのため、データとしてのソフトやクラウドサービスを扱う販売代理店契約(ディストリビューター方式)を結ぶ場合、扱う商品、結ばれる契約を正しく整理した販売代理店契約書を作成しましょう。

■販売代理店と営業代行の違い
前述にて代表的な販売代理店の契約形態をご紹介しました。ここで、「代理店」と混同しやすい「営業代行」についても触れておきます。

一般的に、「代理店」と「営業代行」の違いを正確に理解できている方はほとんどいないため、「代理店」と「営業代行」の違いや利用の仕方をご説明しておきたいと思います。

「販売代理店」と「営業代行」は、どちらも

・外部のパートナーを活用する。
・コスト(固定費・人件費)を抑えることができる。
・販路拡大ができる。

など似た特徴があります。

しかし、「販売代理店」と「営業代行」では大きな違いがあります。以下が「営業代行」と「販売代理店」の違いです。

1、営業代行:商品・サービスをクライアントに代わって営業サポートするサービス
2、販売代理店:商品・サービスを自社に代わって販売代理してくれるビジネスパートナー

似ているのでわかりにくいかも知れませんが、大きな違いがあります。ポイントは、「サービスなのか?」「ビジネスパートナーなのか?」です。そして、両者の一番の違いは「販売スキームの構築」をするか否かにあります。

「営業代行」とは単に販売を代行するサービスではなく、アポイントの取得までを請け負い対象にしているケースとや営業代行会社が売れる仕組みを「構築」するまでがサービス内容になります。

つまり、営業代行では、業務範囲がアポイントの取得のみで終わる場合と、マーケティング仕組み作りの要素が含まれているケースがあることが特徴です。そのため、営業代行して貰っても失敗する可能性が十分あるということです。

それと比較して販売代理店はメーカーである本部が構築した既に売れる仕組みを共有してもらい、その方法に沿って代理店が営業活動をします。しかし、ある程度は販売代理店側の裁量で営業活動ができることが特徴です。

つまり、販売代理店活用のポイントとしては、「メーカーである本部側が売れる仕組み」を予めきちっと構築できているか否かということになります。

そのため、貴社が既に販売スキーム(売れる仕組み)を構築できている場合には、販売代理店の戦略をとるべきでしょう。
例)商品が既にあり、販売方法やアプローチ先が明確になっている⇒代理店展開に向いています。

逆に販売スキーム(売れる仕組み)を構築できていない場合には、営業代行に依頼することがベストと言えます。

例)商品は既にあるが、販売方法やアプローチ先が確立できていない⇒営業代行が向いています。混同しやすいですが、このような「販売代理店」と「営業代行」の違いは代理店本部として押さえておきましょう。

ただし、営業代行の場合は、テレアポがメインのため取り扱い商品やサービスが中小企業向けであれば、問題無いかと思いますが大手企業をターゲットにしている場合には、大手企業の役員クラスとの人脈ネットワークを豊富に持つ営業顧問の活用をオススメします。

■販売代理店開拓の3つのポイント
販売代理店開拓や活用には、様々なメリットがあるわけですが、闇雲に開拓をすれば良いというものでもありません。

販売代理店開拓を進めるにあたって押さえておきたい注意点もあります。

1、「売れる販売代理店」を開拓する
販売代理店開拓をする上で最も重要なことは、「売れる販売代理店」を見つけるということです。

販売代理店には販売を委託する製品を営業展開するにあたっての戦略を任せることになる以上、その販売代理店が製品の販路を拡大できる、市場価値の高い代理店である必要があるわけです。

よりよい販売代理店と協業できるよう、ハードな交渉条件を乗り越えることが求められます。

2、販売代理店開拓する際は仕事(業務)の内容を明確化する
「売れる販売代理店」を開拓するためには、委託する仕事(業務)の内容を明確させておくことが大切になってきます。

仕事内容が明確化されてなければ、販売代理店はどのように業務を展開していけばよいか困惑し、結果として営業成績を挙げられないことになってしまいます。

販売代理店に委託する仕事(業務)の範囲を明確化し、きちんと線引しておくことが仕事をスムーズに運ぶために必須の事項となります

3、ノウハウの提供とサポート体制の提示
利益面でのメリットの提示と並んで、販売代理店との考証において大切なことが、「ノウハウの提供」と「サポート体制の提示」です。

商品の販路拡大には、その商材の知識や、販売のための営業スキルが大切です。

そうした情報をきちんと提供し、ノウハウ獲得のためのセミナー・講習会を開催するなどしっかりとしたサポート体制を提示することで、販売代理店も安心して商材を取り扱うことができるようになり、結果的に契約結びつきやすくなります。

■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「kENJINS」では、大手企業の元社長や取締役の経験者がフリーランスの顧問や副業のプロ人材として5000人近く集結しています。

その中には、人脈コネクターとして人脈や業界ネットワークを駆使し、大手の販路開拓に悩みを抱えている中小企業やベンチャー企業に対して営業顧問として支援し、海外のセールスレップと同様のサポートが可能な顧問が1000人以上います。

現在、「プロ顧問」が培った知見を活かし、メーカーが販売代理店制度を構築し、強力な販売代理店を増やしたいという会社に対して、「営業顧問」の「コネクション営業」を駆使した「販売代理店開拓支援」を行っています。

「販売代理店開拓」を行うことは、販売代理店による拡販展開の中で最も重要な業務といえます。

なぜなら、自社サイトで販売代理店を募集するページを作成したり、販売代理店募集サイトを活用してもサイト経由で代理店を募集するだけでは、強力な販売ネットワークを持ち、戦略的なパートナーになりうる大手企業がコンタクトしてくれることは非常に少ないと断言できるからです。

また、多くの販売代理店は浮気性なので、他の会社で収益率の高い商品や新たに興味のある良い商品が見つかったり、メーカーの代理店サポートの体制が少しでも気に入らなければ、すぐに別の会社と協業してしまいます。

そのため、「販売代理店開拓」と「代理店の営業サポート」が楔(くさび)の役割りになります。

そんなサポートの中でも重要な業務が商品やサービスを開発したメーカーによる、クライアント企業への提案するための「販売代理店教育」と「営業同行」になります。

なぜなら、販売代理店は、代理店契約をしたからといって、すぐに沢山の会社に提案したり、一気に多数の商談機会と作り大きな実績を出すことは滅多に無いと言えるからです。

当たり前の話ですが、正社員としては特定の会社で営業マンになった場合でも入社後の3ヵ月間は、先輩社員との同行営業を実施し、ベテラン社員の提案方法を学んだ後に独り立ちするのが一般的です。

同様に販売代理店のケースでも初めて扱う商材をいきなり上手にプレゼンし、クロージングすることはできません。

そのため、営業パーソンを集めて事前に勉強会を開催したり、特定の会社への提案時に一緒に営業同行して、現場レベルの知識を実践で学んでもらうことが大切になるのです。

代理店販売を成功させるための最大のコツは、最初の段階で販売代理店の営業担当者を手厚くサポートして、次第にサポートする回数を減らしていき、だんだんと販売代理店を独り立ちさせて行きます。

そして、最終的には全てを任せられる販売代理店を育成することになります。

■海外での販路開拓も可能
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」なら、日本国内における強力な販売代理店となる法人企業の開拓のみならず、海外の販売代理店の開拓が可能です。

その際、グローバル展開には必ず必要になるアライアンス提案書作りから、販売パートナーのリストアップと選定、海外見込客のアプローチ、条件交渉、販売代理店契約、販売代理店契約後のオペレーションを一気通貫でサポートすることで、売上アップという成果が最大化できると考えております。

これらは日本国内と海外販路開拓における10年のサポート実績と、顧問やプロ人材の人的なグローバルネットワークが実証しております。

海外展開ではターゲット国の選定、業種、職種、担当者の役職等から考えたシナリオ作成を行ない、優先順位を設定し、アプローチを行います。

有力な大手企業とアライアンスを組み販売パートナーになって貰いたいが、自社だけでは強力な代理店開拓や大口の販売チャネルを持つ会社とパイプが無いという企業様は、国内外で5000人を超えるフリーランスの顧問とプロ人材をネットワークしています。

ビジネスの課題解決をお考えなら「顧問報酬100%」で「中間マージン無し」の顧問料でダントツの費用対効果を保証する日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」に、是非、一度ご相談ください。

「人数無制限」のサブスク型プランもありますので、顧問契約をベースにクライアントとなる企業様の課題に適切な解決策を提案できる沢山の顧問と繋がることができます。

【無料お試し】が可能ですので、まずは会社アカウントを登録し、是非、どのような顧問がいるか選定をしてみてください。

【人数無制限】複数の営業顧問が成果報酬型で営業支援
https://kenjins.jp/lp/saleslep/

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

経営者・採用担当者の皆様へ 日本最大級の顧問契約マッチングサイトのKENJINSでは、年収700万年収1500万クラスのハイクラス人材を、正社員採用よりも低価格で活用可能です。顧問のチカラで圧倒的な成果をコミットします。

この記事にコメントする


この記事の関連記事

VCとは?VCの意味と役割・スタートアップの資金調達のコツ

スタートアップの場合、業界にイノベーションを起こすような革新的な事業でも未だビジネスを始めたばかりで、参入するマーケットの市場規模の算出や正確な売り上げ予測を立てることが難しく、銀行からの融資による資金調達に難航することが一般的です。 その理由としては、ブルーオーシャン戦略に基...[続きを読む]

起業するために必要なことは何か?私と祖父の起業ストーリー

将来は起業家として会社を設立したり、フリーランスのプロ人材になりたいと思っている人は、最初は副業からでも良いので何も迷うことなく前向きなアクションを起こすことです。 なぜなら、起業家を目指しているがどれだけの知識や経験、ノウハウを知っていたとしても最初の一歩が踏み出せない臆病な...[続きを読む]

表現力とは?人間関係やプレゼンテーションに表現力が大事な訳

「日本人は海外のビジネスマンと比べると、様々な「表現力」が低いと言われています。しかし、表現力は日々の心掛けや行動で高められる力です。 表現力で自分の考えや感情を的確にアウトプットし相手に届けられるようになると、周囲の人から信頼されるようになります。 表現が上手い人は、良好な...[続きを読む]

ベンチマーキングとは?競合他社に負けないプロセス改善のコツ

企業の目標は、ビジネスの成長、プロセスの改善、品質の向上やコストの削減に加え、より多くの収益を得ることです。 組織で利用する継続的改善のためのツールとして、「ベンチマーキング」という手法があります。 ベンチマーキングの基本は、業績の上がっている企業を探すことから始まります。 ...[続きを読む]

ビジネスモデルとは?新規事業開発にビジネスモデルが必要な訳

あらゆる企業にとって、優れたビジネスモデルを構築することは持続的成長を実現するために必要不可欠になります。 グローバル時代を迎え、競争環境が激化する現在の市場環境では、企業特有の強みとなる「コア・コンピタンス」を活かすユニークな事業を構築することが特に必要となります。 そこで...[続きを読む]