企業の採用活動では、「地頭」がいい人を採用したいと表現されることがありますが、学生時代の偏差値が高い人と、地頭がいい人は一体何が違うのでしょうか?
学歴が高くてもビジネスの世界で活躍できるかは、基本的に異るため、別次元のテーマになります。
ビジネスにおける地頭の良さは、座学で身に付けるものではなく、その人が本来持っている「考える力」と、座学では得られない「実体験を通した経験知」がベースになります。
そこで今回、地頭とは、地頭の意味・地頭力の高さが新規事業や起業に大事な訳について解説します。
■地頭とは?
地頭(じあたま)とは、数学や国語といった学校教育などで授けられた知識力単体ではなく、自らの頭で考えるという思考力を指します。
地頭は英語で「bright」「smart」と表記されます。日本語で地頭力が良い人は、「考える力」、「洞察力」が高いという意味があります。
一般的に地頭とは、中学や高校など義務教育で先生が、教科書通りに教えるカリキュラムや、大学受験を目的に予備校教師から教えられる記憶に基づく知識ではありません。
そのため、地頭は、基本的にその人が生まれた時から備わっている「潜在的な考える才能」や「ビジネスIQ」=「仕事の知能指数」とも言い換えることができます。
地頭の高い人は、物事を多面的に捉えることができるため、ビジネスの世界で課題を解決に導くための「思考能力」が高く、新規事業のアイデアを創出したり、「創意工夫」を行うことができるイノベーション能力が高いです。
「地頭がいい」ビジネスマンは、読書やセミナーによる座学で身に着けた知識やビジネスの実体験などで学んだ知見を取捨選択しながら、物事の真理を獲得していく思考力を持っています。
そのため、地頭は単に知識があることではなく、論理的に考える力を持ち合わせ、自分が考えたことをロジカルに伝えるコミュニケーション能力が高く、問題や課題を解決する「地頭力」を持ったプロ人材であることだと言えます。
■知頭力とは?
地頭力とは、知識や情報を加工する力と定義されており、何らかの問題やトラブル、ビジネスの課題を解決するために、知見と思考力を駆使します。また、再現性の高いパフォーマンスを自然に引き出すことを実現するために、不可欠な知力になります。
スタートアップの起業家や大手企業のプロ経営者、法人営業で圧倒的な成果を上げるトップセールス、CTOになるエンジニアなど、仕事のパフォーマンスが高く、結果を出しているビジネスマンの多くは、「地頭が良い」という言葉をよく聞きます。
なぜなら、スタートアップとして革新的な新規事業を立ち上げる上では、ビジネスや停滞したり、混沌とした状況や頻繁に起こるため、学校で身に付けた知識だけで、危機的な状況を乗り越え、成長に導くことは難しいと言えるからです。
実際に経験することで培った実体験と、PDCAサイクルを高速でビジネスを回転させ、厳しい状況に置かれても、問題を解決するために、創意工夫する地頭力が無いと革新的なイノベーションを起こすことは、まずできません。
・課題解決のステップを理解していること
・粘り強く課題解決を実施できること
・論理的思考で課題解決を図れること
地頭力は、課題解決に必要な能力であり、より質の高いサービスの提供や業務を行うための改善に向けても必要な能力になります。
■知頭力と知識力の違い
知識力とは、知識に力がついた言葉で、「あの人は知識力がある」と言えば、豊富な知識がある人を指します。
地頭力のある人は、豊富な知識を持っている人ではありますが、ただ知識を持っているだけでなく、その知識を使って、アイデアを生み出すことに長けています。
ビジネスにおける「地頭がいい」とは、勉学で身につけた知識ではなく、困難に遭遇した際でも、冷静に思考を巡らし、以下のような限界を突破に導き、ブレイクスルーを起こす柔軟な思考力を指します。
・自ら能動的に思考する力
・考え方の異なる他者を理解する力
・論理的に明確な推論や検証ができる力
・自由で柔軟な想像力
・自分の専門知識を絶えず深めていく力
・他の分野に対する好奇心を持ち探求する力
・垣根を越えて共同作業を進める力
つまり、仕事での「地頭がいい」という意味合いとしては、博識で頭の回転が早く、ビジネスの課題を解決に導くポテンシャルを持った知力の高い人を地頭がいい人だと捉えておけば良いでしょう。
■地頭のいい人の7つの特徴
ビジネスにおいて「地頭がいい」人とは、どんな人のことを指すのでしょうか?
1、頭の回転が速い
「知頭がいい」ビジネスマンは、頭の回転が速く、発想力や柔軟な対応ができます。
記憶すべき内容が大量にあっても、重要な部分とそうでない部分を即座に分類し、情報を整理・分類することができる力があります。
そのため、ビジネスで問題が発生した要因や事象の分析、発生原因を洗い出し整理する能力があります。
地頭力が高い人は、直感が鋭く、様々な問題に対して課題解決に必要な解決案を立案し、問題を解決に導く能力が高いです。
・何か意見や回答を求められても即座に対応できる。
・初めて聞いた事でもすぐに理解できる。
2、理解力が高い
地頭がいいビジネスマンは、1度聞いたことをしっかり把握し、その時点である程度自分のものにできる人が多いです。
一つひとつの要素を関連づけ構造化させる能力が高く、一言われたら十を知ることができます。ブレインストーミングなどにより、話を聞きながら創造力を働かせているので、課題に客観的に向き合うことができます。
課題の本質を見極めることが得意なため、短期間でボトルネックを見抜けたりします。
・少し説明しただけなのに大体理解できている。
・人に対する興味・関心を持っている。
3、発想力が豊か≒引き出しが豊富
地頭がいいビジネスマンは、新しいものを生み出す力があるため、ユニークで既存概念にとらわれない発想力を持っています。
自社の製品やサービスについて問題点を把握し、適切に素早く改善するには、発想力が役立ちます。
たとえば、業務の進め方に課題がある場合は、時短できる工夫を取り入れて微調整を繰り返しながら、実践で適切な方法かどうか検証していきます。
地頭が良い人は、以下のような特徴があります。
・映画、音楽といった仕事以外の事柄にも精通しており、話していて楽しい。
・アイデアが次々と出てくる。
現状の課題に対してどのような結果が適切なのか結論を考えていき、過程を想定しながら改善に取り組みます。
4、情報収集力に優れている
地頭がいい人は、「なぜこの事象が起きたのか」という問いかけを繰り返すことで、本当の原因となるボトルネックを探っていきます。
ボトルネックの洗い出す方法は、現在の問題点を考えつく限り書き出して情報を集め、それらを重要度別に分類するという方法です。
情報収集力とは、効率よく質の高い情報を手に入れるスキルのことです。
・新しいプロジェクトが始まるらしい。
・競合がこんな動きをしている。
・自分にとって必要な情報は何かを整理している。
と最新情報を共有してくれる人などが挙げられます。書き出した問題点の中で最も重要度が高い問題点が、ボトルネックとなります。
5、思考力が高い
地頭がいいと人は、「自分の経験や持っている知識をもとに考える力」を指します。
感覚や表象の内容を、自分の頭で分析・統一して概念を作り、判断する能力ということです。
地頭がいい人は、3種類があります。
・課題に対して筋道を立てて考える「論理思考力」
・物事を多方面から疑いを持ってみる「多面的思考力」
・課題に対して根本から見直す「批判的思考力」
地頭力の高い人は、「考える力の高い人」と言えます。現状に満足せずに改善できる点がないかどうかを考え、改善することができます。
6、コミュニケーション能力が高い
地頭がいい人は、自分の気持ちを押し付けるのではなく、コミュニケーション能力に優れていると言えます。
知頭力が身についている人は、相手がなぜその言葉を発したのかを理解し、自分がどのような言葉で相手に意思を伝えるべきか、などを思考する能力が高いです。
交渉相手にとって納得度の高い筋道の通った主張ができるようになるため、交渉力が高まって商談が成功しやすくなるのです。
交渉力とは、相手の反応・状況を見ながら、スピード感や難易度を調整しつつ話ができる力。適切なアウトプットができる能力の高さを言います。
・説明が分かりやすい。
・物腰柔らかで接しやすい。
・対峙する相手(クライアント、上司、後輩)によって適切な対応がとれる。
7、洞察力がある
先を見通す力。周囲の状況に目を配るといった観察力が高く、本質的かつ長期的視点で物事を把握することができます。
洞察力が高い人は、問いに対する最適な解答を導き出すために多角的に物事を捉えたうえで整理できるようになり、言語化能力も高まります。
たとえば、想定外の問題が起こった際に、因果関係を整理しながら順序立てて行くことで相手にわかりやすく説明する「論理的思考」が高いです。
・なぜ問題が起こったのか?
・対処法は何通りあって、最善策は何か?
・同じ問題を繰り返さないための対策方法はあるか?
洞察力のある人は、先を読む先見性に長けているため、将棋や囲碁、麻雀、チェスやオセロといった思考が必要なボードゲームが得意です。
■新規事業の立上げに地頭がいい人が適している理由
新規事業の立ち上げには、潜在的なターゲットとなる見み顧客が抱えているの課題や問題、不満をベースに、因果関係(原因と結果の関係)を連鎖させることが必要です。
事業企画を推進する上では、ある概念(意味、考え、コンセプト)から別の概念を考え出すコンセプチュアルスキル「概念化能力」が欠かせません。
世の中に未だ存在していない独自の商品やサービスを生み出すためには、ロジックを超えて、直感という飛躍が必要になります。
直感の世界のひらめきの元となる「ヒューリスティックス」は、コンセプチュアル思考が得意とする分野になります。
地頭をベースにした「創造力」あることがプロデュースすることが絶対条件になると言えます。
新規事業を立ち上げるには、
・次の新製品のコンセプトをどうしようか?
・直面する状況の問題構造をどう一枚の図に描いて説明しよう。
・商品のスペック改良とコストダウンではもはやジリ貧競争になる。
・課題解決に繋がる本質的なところを決める必要がある。
・ビジネスモデルの本質となる基本的なところって何だろう?
営業担当者が顧客との雑談を通して購買意欲や真のニーズを探るときや、マーケティング担当者が市場調査やカスタマーインタビューなどの情報を通じて世の中のトレンドを把握する際には、「本質把握能力」が使われています。
■まとめ
地頭がいいとは、物事に対してどういった問題があるのか、どのように解決すればいいのか、どの答えがベストなのかを自ら導き出す能力を指します。
地頭力が高くビジネスで成功を掴み取る人は、正解値のない問いに対して、以下のような思考を常に巡らせています。
・概念「コアコンセプト」を考える。
・その新規事業を立ち上げる意味付けをする。
・観(=ものごとの見方・とらえ方)を起こす。
地頭がいい経営者やプロ人材は、様々なことに疑問を持つだけではなく、より効率の良い働き方やビジネスモデルの改善点を探しています。
そうした日頃の考え方が発想力へと活かされるのです。「地頭の良さ」に関しては、生まれつきの能力も当然ありますが、育った環境や経験の多さにも大きく左右されます。
若手の起業家であれば、沢山の本を読み「インプット」を増やすことで、読解力や想像力、語彙力が自然と身につきます。
成功した経営者の自伝を読んだり、モデリングしている人の講演やセミナーに積極的に参加し、物事の考え方や体験談をストリーを通して間接的に追体験することで、「マインドセット」が起こり、発想に柔軟性が出てくるメリットもあるでしょう。
地頭を鍛えるためには、インプットだけでなく、アウトプットを意識し、相手に分かり易い説明を心掛けると良いでしょう。
そのためには、話す内容を簡潔に表し、かつ具体的に伝えるよう意識します。
つまり、起業家やビジネスマンとして活躍する上でのコアとなる「地頭」は、机上の空論で学ぶものはなく、ビジネスの経験を増やすことにより、後天的に鍛えていくことが可能だと言えるのです。
「人間の努力のどんな分野において創造的思考のプロセスは、根拠のあるビジョン」と呼ぶものから始まる。この根拠のあるビジョンは、事前に調査を重ね、考察をめぐらし、観察した結果、得られるものである。」
<エーリッヒ・フロム>
■最後に
ビジネスを成功に導くためには、導き出した答えが、いつも正解というわけではありません。
あらゆる能力の中でも「地頭」のベースとなる創造力は謎に包まれています。
新規事業を立ち上げる上で「どうすれば事業開発のスキルが高まるのか?」、「どういったプロセスでアイデアの創造活動が行われるのか?」などは、未解明の部分が沢山あります。
だからこそ、新規事業を生み出す人材を集める場合でも、結局は革新的なビジネスモデルを「創れるのか。創れないのか」で判断するのが効果的なのです。
そのため、新規事業の立ち上げでは、「導き出した答えを現場で生かし、もし上手く行かないのなら他の方法を試す」といったトライアンドエラーを繰り返すことが、ブレイクスルーの鍵になります。
スタートアップ企業の場合、新規事業立ち上げの途中で、仮説に大きなギャップが発生したり、MVPの受け入れ性が低い時には、「ピボット」と呼ばれる大きな方向転換を行います。
ピボットを行い市場や顧客のニーズに合わせて軌道修正することで成功確率が高まります。
リーンスタートアップでは、MVPを精度よく開発できるかどうかが非常に重要になります。そのためには、ユーザーが求める本当の価値について確信できるほどの情報を得ているかどうかが成否を分けると言えます。
特に、消費向けのビジネスの場合、顧客のニーズを前もって見極めることがとても難しいです。
そのため、スタートアップは、必要最低限のプロダクトやサービスをまずリリースした上で、実施に顧客に対して提案しながら、仮説検証サイクルを回し、ビジネスの「センターピン」を捉えていくことが必要になります。
■地頭が良い人材の確保が難しい企業様へ
企業規模や業界を、ジャンルを問わず、新規事業を立ち上げる上では、経営資源の中から地頭が良く、課題に対して臨機応変に知力を発揮できるプロ人材をプロジェクトにアサインすることが欠かせません。
しかし、インターネットに精通した優秀な若手人材や新規事業の立ち上げで大成功した経験を持つCXOクラスのビジネスマンやITのスキルが高いエンジニアは、どの会社も必要としているため、採用難易度が極めて高く、実際に中小企業の9割が、人手不足を実感しています。
その理由としては、大手企業のように採用予算を潤沢に持っている企業は少ないからです。中小企業の多くは、人材紹介会社を活用したり、大手の求人サイトに求人を載せたくても載せる余裕がないこともあります。
そのため、採用手法としては無料のハローワークか、縁故採用などが多くなります。しかし、ハローワークで求人しても「地頭が良く、ハイスキルな人材と巡り会う機会はそう多くはありません。
そのような企業に対して、日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、正社員では採用が難しい、エグゼクティブなキャリアを持つフリーランスの顧問や複数の本業を持つパラレルワーカー、大手企業に在籍中で副業のプロ人材をアサインし、実行支援を行っています。
単なる人材紹介や人材派遣会社とはポジショニングが異なり、顧問契約をベースに課題解決に向けて、業界トップクラスの知識・経験・人脈・スキル・ノウハウを持つ顧問やプロ人材と企業のプロジェクトの課題を解決に導く、エージェント会社として活動しています。
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