欧米企業では、CEOの3割以上、CXOの5割以上が、社長や取締役に特化したプロコーチによるコーチングを受けていると回答しています。
アメリカのCEOの間では、「エグゼクティブコーチング」を付けることは常識だとまで言われています。
なぜなら、ある研究によると、企業の『業績悪化』の原因のうち実に87%が、CEOによるマネジメントが可能な『内部要因』だったことが判明しているからです。
そこで今回は、CEOのエグゼクティブコーチングとは何か、CEOにコーチが有効な訳ついて解説します。
■CEOのエグゼクティブコーチングとは?
CEOのエグゼクティブコーチングとは、会社の利益や成果に責任や影響力があるCXOにあたる、CEO、COO、CFO、CTOなどの経営幹部を対象としたビジネスコーチングのことです。
あらゆる会社にとってCEOを含めたエグゼクティブの能力、CXOの経営判断が会社の利益や成果に大きな影響を及ぼすため、海外の経営者の多くは、エグゼクティブコーチを付けています。
コーチングとは、対話によって相手の自己実現や目標達成を支援するコミュニケーション手法のことです。相手の話を傾聴し、質問を投げかけることで、自発的な行動や成長を促すことが可能とされています。
コーチングセッションでは、経営者が課題であると考えているテーマについて、コーチとの対話を通し、深く考えを巡らせていきます。
コーチはCEOが持っている内発的な想いが引き出されるよう、様々な角度から質問をしていきます。
■CEOのエグゼクティブコーチングに顧問が適任な理由
CEOのエグゼクティブコーチングでは、組織の課題を解決し、ビジネス上での成果を挙げることを重視します。また、クライアントが経営者や経営幹部であることも大きな特徴です。
CEOは、一流のコーチとの対話の中で、経営者は自らの置かれている現状を客観的に認識したり、自らが大事にしている価値観や目指したい方向性を改めて見つめ直したりすることで、会社全体や特定テーマに関して答えを導き出すことが可能になります。
ですので、CEO向けのエグゼクティブコーチングを実施するコーチは、一般的なコーチングとは責任の重さが大きく異なり、CEOとして会社経営の経験者であったり、事業のマネジメントの知識やビジネスの経験が豊富な人材でないと務まりません。
優秀なエグゼクティブコーチは、コーチングの手法に加えて様々な手法を利用し、CEOが成果を挙げることにコミットします。必要に応じ、コーチ自身の経験や知見にもとづいたアドバイスの提供を実施することもあります。
このようなことから、高度なビジネス知識やコンサルティング能力、そして人間力を有していることが求められますので、CEOの経験がある顧問が適任だと言えるのです。
■CEOへのエグゼクティブコーチングを行う目的
市場の予測不可能性が高まっている昨今、会社経営者であるCEOには、情報や判断材料が揃わないまま、高度な意思決定を的確なタイミングで行い続ける能力が求められています。
一方で絶え間なく変化を続ける市場環境においては、CEOである社長や取締役の判断や意思決定は、会社の業績や進退を大きく左右します。
CEOのエグゼクティブコーチとして活躍する顧問は、経験豊富なパートナーであるため、CEOの悩みを分かち合える相談役の存在は、社長にとって非常に大きな助けとなるでしょう。
エグゼクティブコーチは、孤独な経営者やCEOが抱えるビジネスの不安や課題、方向性の悩みを顕在化し、客観視する支援を行います。
そして、CEOである社長の話を良く傾聴し、効果的な質問を投げかけることで、経営者の置かれた状況を冷静に認識させ、最適な意思決定ができるよう、クライアントの状態を整えモチベーション高め、変革を起こす行動に導きます。
■エグゼクティブコーチングとコンサルティングとの違い
コンサルティングは、クライアントに代わって企業課題のソリューションを提供します。しかし、エグゼクティブコーチングはソリューションを提供しません。
経営戦略の立案や企業分析を代わりにしてくれる訳でもありません。
なぜなら、エグゼクティブコーチング主な目的は、コーチングを受けるCEOの考え方や行動の変革と、社長としての自己成長を引き出すことになるからです。
場合によっては、コーチから経営判断をするうえでのアドバイスを貰えるかもしれませんが、基本的にはクライアントであるCEO自身が問題解決に向き合い、解決できるようサポートするのが優秀なコーチの役割となります。
■CEO向けエグゼクティブコーチングコーチングの相場と内容
【実施期間】
CEO向けのエグゼクティブコーチングの実施期間は、短くとも3ヶ月以上。6ヵ月~1年に及ぶものが一般的と言われています。
・1セッション:4回
・1回90分(4回で6時間)
・ミーテイングの総数:20回 (30時間)
【主なコーチング対象者】
エグゼクティブコーチングを受ける方の多くは経営者です。
CEOである社長、経営陣や本部長、事業部長などの上級管理職、経営幹部候補といった、企業の売上や利益、成果に直結する責任がある人が対象です。
経営幹部候補のなかでも新任の役員、社長、CEO、CXOは「経営」という新しい領域で活躍するためのマインドや経験、スキルが未開発なため、エグゼクティブコーチングは効果が高いものになりやすいです。
【実施形式】
実施形式としては、コーチとクライアント企業のCEOが一対一のセッションが基本形となります。チームビルディングを目的とし、経営者や経営幹部を複数人~全員まとめたグループセッションが行われる場合もあります。
【エグゼクティブコーチングで扱うテーマ】
エグゼクティブコーチングで扱われるテーマは、CEOからの発案に基づき、コーチとCEOとの間で決定することが一般的です。
ビジネスで成果を挙げることが主な目的であるため、基本的にはテーマもビジネスに基づくテーマとなります。
時にはCEOのプライベートな問題が仕事に支障をきたしている場合は、個人的な内容に関しても扱うことがあります。
【テーマ例】
・CEOとしての経営戦略の立案や意思決定
・全社へのビジョン、理念浸透
・CEOによる組織・風土・人事制度改革
・次世代リーダー、管理職・マネジャー育成
・イノベーションの促進、生産性の向上
・経営層のパフォーマンス向上を目的とした自己変革
・部下や苦手タイプとのメンバーのマネジメント
・CEOを中心としたチームビルディング
■エグゼクティブコーチングのアジェンダ例
セッション1:不況をどう乗り越えるか
・CEOの戦略の再構築と実践
・ジョブディスクリプションの重要性
・他のCXOとの徹底した役割分担
・リストラクチャリング、権限委譲、必達事項について
・投資効果を上げるPDCA+R(レビュー)
セッション2:エグゼクティブの仕事と自己分析
・CEOによる戦略の再構築と実践
・トップマネジメントの責任とマインドセット
・コーチィのSWOT、能力開発(DP)プラン、潜在能力(HP)を分析する
・マネジメントチームメンバーインタビュー(コーチィを除く)
・CEOのアクションプランの具体化
セッション3:ヘリコプターマネジメント
・CEOとして「森だけでなく大木や幹も見る」
・マネジメントとしての哲学、ビジョン、方向性
・CEOの短期・中期・長期企業戦略、企業戦術
・理想的な組織構造とは何かを明確にする
セッション4:組織の活性化とシナジー作戦
・コミュニケーションの重要性
・人間関係を強化する14の質問
・チームワーク/チームビルディング
・CEOの本物のリーダーシップ
セッション5:CEOの人間力の向上
・CEOの人間力を高める重要性
・OJTとOFF JT
・報告・連絡・相談とアス・パラ・ガス
・モチベーションをどう上げるか
※上記はあくまでも例です。アジェンダはコーチとCEOが相談の上、決定されます。
■CEOのエグゼクティブコーチングのステップ
1、CEOの目標の確認
CEO向けのエグゼクティブコーチングを導入する目的や進め方、成果として目指す目標について、クライアントとコーチ双方で確認します。
クライアントが人事部であり、人材育成やチームビルディングを目的として導入する場合は、コーチと人事部の間で、目標や進め方を確認していくこととなります。
2、事前調査
CEOのコーチングセッションに入る前に、エグゼクティブの周囲へのヒアリングや、職場の観察などの事前調査を実施します。これにより、クライアントの認識と現状のズレを確認し、コーチングセッションに活用することができます。
また、エグゼクティブコーチングの導入により、期待できる効果を事前に把握するアセスメントを行う会社もあります。
この調査はコーチ自身が行う場合もありますが、リサーチ部門を設けているサービス会社の場合、コーチとは別のリサーチ担当者が主体となり実施するケースもあります。
3、CEOコーチングの実施
6ヵ月~1年の実践期間中に、定期的にCEOとコーチがコーチングセッションを開催していきます。一般的には月に一回、60分から90分ほどのセッションを設定。
CEOにとっては、目標達成のための実践期間となります。CEOは、期間中に目標に対して取り組み、コーチングセッションにおいて目標の再確認や現状評価、次のアクションの検討を行います。
4、成果の確認と振り返り
実践期間終了後は、成果の確認と振り返りを実施。CEOの目標達成の度合いや、エグゼクティブコーチングを受ける前と後での変化を確認します。
サービス会社によっては成果をリサーチしレポートとして提供する場合もあります。
■まとめ
ビジネス活動においては、業界や規模を問わず、CEOである社長や経営陣のパフォーマンスの高さが、成果を左右するのは明白です。
そのため、あらゆる企業は、いち早くCEOのパフォーマンスを高めるための施策を講じる必要があります。
これまで、経営コンサルティングが企業の問題を解決する手段として利用されてきました。
しかし、現在は、海外のCEOや経営者の間では、エグゼクティブコーチングを受けることで、コンサルティングでは解決しきれない組織内部のマネジメントの問題を解決するための手段として、有用性が証明されています。
例えば、海外では、CEOが優秀なエグゼクテイブコーチングから指導を受けることで、以下のように業績が向上した経営者やCXOが続出しています。
・1年間コーチングで、前年度より130%売上アップ
・7ヶ月コーチングで、利益12倍アップ
・6ヶ月コーチングで、売上364%アップ、利益410%アップ
CEOが短期的に結果を出すことを目指していたり、CEOとして全くの未体験の領域への挑戦であれば、コンサルタントのように答えを与えるのも効果的でしょう。
しかし、多くの場合、業界や会社の内部のことを最も理解しているのは経営者であるCEOであり、他人からのアドバイスよりもCEO自らが考えて出した結論の方が信頼できると感じる社長も少なくないはずです。
長期的にCEOとしての成長を目指す場合には、特にエグゼクテイブコーチングを通して経営者としての判断力を磨くことが重要だと言えるのです。
■最後に
数々のリサーチにより、CEOのエグゼクティブコーチングへの投資に対する経済的影響が浮き彫りになっています。
100人のCEOなどのエグゼクティブを対象とした調査では、CEOのコーチングへの投資に対して、なんと、570%の収益に繋がったという報告がされており、具体的な収益は10万ドルから100万ドルの範囲となっています。
同じ時期にフォーチュン500企業の幹部を対象にした別の調査では、529%の収益アップが見られたそうです。また、その研究は、以下への間接的な影響も示しています。
・生産性の向上(回答者の60%アップ)
・従業員満足度の向上(53%アップ)
・より良い作業品質(40パーセントアップ)
・より多くの作業出力(30パーセントアップ)
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その多くが大手企業や外資系企業のCEO経験者もしくは、スタートアップの経営やCXOとしてマネジメントの経験があり、経営者としてのスキルが高いコーチ陣になります。
会社の業績を向上させるためには、経営者であるCEOが責任感旺盛な強いリーダーシップを発揮することが欠かせませんが、まず、これまで築いてきた社長となるCEO自身のマインドを「変革する」必要があります。
優秀なコーチは単なる質問に終始せず、必要に応じてCEOに対して時にはアドバイスも行います。クライアント企業のCEOの課題状況に合わせて柔軟にコーチングスタイルをカスタマイズし、実行や成果の実現にこだわります。
上場企業のCEO経験者や元代表取締役、取締役経験者、特定分野の専門家、フリーランスの顧問など、プロ人材の知識・経験・人脈が経営課題を解決し、CEOの成長と会社、事業の成長を支援します。
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