自ら目標を定め、進捗を管理することで達成する経験は、大きな自信に繋がります。自信がつくとさらに高い目標に取り組むモチベーションが湧くことも、目標管理のメリットになると言えます。
目標を達成するためには、昔から紙に書き出すことが効果的だと言われています。
自分自身で目標管理を進めるセルフマネジメントツールとして、「マンダラチャート」を活用することで、細分化された目標の見える化により、達成確率が劇的に向上します。
そこで今回、マンダラチャートとは何か、仕事でマンダラチャートを使う意味とその効果について解説します。
■マンダラチャートとは?
マンダラチャートとは、大きな「目標達成」を目指す際に、目標達成に必要な取り組みを細分化し、マンダラのようなシートにその達成に必要となる要素を分解し、視覚化するツールを指します。
曼荼羅のようなシートのマスの中に、目標達成までのプロセスで必要となるタスクを分解し書き込むことで、ゴールを目指すには何か必要なのかを目視確認できるフレームワークのことです。
「曼荼羅チャート」や「マンダラート」「マンダラシート」とも呼ばれています。
マンダラチャートは、周囲9×9の合計81マスの中に、大きな目標や実現したい夢を中心に置き、目標達成に欠かせない要素やタスクを細分化し、書き込む形の構造になっています。
誰しも目の前に大きな目標達成に必要な行動が具体的に言語化され、目に見える形で視覚化された状態になると、人はこれをやれば目標達成に繋がると頭の中で感じるものです。
マンダラチャートを使うと、目標達成するためには、具体的にどのような要素がキーファクターになり、どんな行動が必要なのか、ということが具体的に見えるため、モチベーションの向上にも作用します。
大リーグで活躍中の大谷翔平選手は、高校時代の監督であった佐々木洋氏からの教えにより、マンダラチャートで目標達成シートを作り上げたことで、前人未到の偉業の布石になったと言われています。
■マンダラチャートは、宗教の考え方なのか?
マンダラチャートのベースとなっているのは、仏教の教えを表現した「曼荼羅」です。曼荼羅は、すべての偶像が相互に影響しあって1つの世界を形成している、点を表現しています。
マンダラチャートは、「マンダラ」という名前は付いていますが、実際に使っている人は宗教の思想とは関係が無く、書いている内容も、仏教の考え方とは、ほとんど関係がありません。
曼荼羅というと宗教的な考え方のように見えますが、マンダラチャートの構造は非常に論理的で目標達成に使える簡単で便利なツールになります。
その理由としては、「何かを実現ためにはそれを構成する要素が必要であり、それらの要素は密接に通じている」ということをとてもシンプルな形で整理し視覚化したものだからです。
マンダラチャートは、目標設定だけでなく、会議における議論の整理、事業計画立案などあらゆる分野で応用できます。
アイデアを整理し、言語化することで、思考回路を深めて目標を達成するマンダラチャートの起源は、アイデア発想法として経営コンサルティングを行う「クローバ経営研究所」の松村寧雄氏により考案されました。
■マンダラチャートとKJ法の違い
マンダラチャートは、アウトプットという意味でKJ法に近いコンセプトになるという見方もできます。
KJ法とは、グループワークを通じて付箋などの紙に個々の思いついたアイデアを書いていき、それをグループ化していくことで、脳内で思いついたアイデアを言語化していく手法です。
・KJ法:アイデア・解決法・付箋・グループワーク
・マンダラチャート:目標・夢・曼荼羅・セルフ型
KJ法もマンダラチャートも、それぞれのアイデアや解決法を言語化し、グループの関係性を図解などで分析し見える形にアウトプトすることで、出てきたコンセプトを効果的に整理することができます。
■マンダラチャート目標が視覚化される5つのメリット
目標設定は、組織においても重要だと言われています。なぜ、マンダラチャート目標設定が効果的なのか、目標設定によるメリットから考えてみると良いでしょう。
1、向かう方向がわかる
マンダラチャートで目標を設定すると、これから先どのように仕事を進めていけば良いか、どのような行動をとれば良いか、必要なことが明確になります。
これは、目標によって向かう方向性が示されるからだです。方向性がわからず、社員が受け身のままでいることを防げるだろう。
2、モチベーションが上がる
ある研究では、目標設定をしたグループのほうが、しなかったグループよりもパフォーマンスが上がったことが示されたています。
マンダラチャートは、目標達成に必要な課題を洗い出したり、今週中にやるべきToDoを整理したりするのにも役立ちます。
これは、目標設定によってそれぞれのモチベーションが高まったからだと言えます。
3、進捗が可視化できる
マンダチャートは、3×3のマスを作成し、その中央にメインテーマを書き入れ、周りのマスに関連する事柄を書き出すことで、直感的に具体的なアイデアや目的を抽出することができる便利なツールになります。
目標設定をすると、目標がどれくらい達成できているか進捗がわかるようになります。
進捗の管理と可視化ができる状態にあるということは、企業戦略を効果的に導くことにも役立ちます。
4、達成感を味わうことができる
完成したマンダラチャートは、後から見返すことで現状を把握し、今後何をするべきかについて考えるのにも効果的です。
なんとなく仕事をするより、目標設定したほうが行動について評価でき、成果がどのくらい表れたかも測れます。
経営者やビジネマンのモチベーション維持になるのはもちろん、目標達成によって達成感を味わえるのも大きなメリットになります。
5、前向きな思考を持つことができる
マンダラチャートは、会社から無理やり押し付けられたものではありません。ビジネスマンの自主性を尊重して定められた目標は抵抗感がなく、労働意欲を向上させるため、自己啓発にも繋がります。
適切な目標設定を行い自己管理ができていると、思考も前向きになります。なぜなら、設定した目標に近づくことで、目標達成のために行動できていると自信に繋がり、自己肯定感が高まるからです。
さらに、前向きに目標に取り組むことによって、経験やスキルなど、それぞれの成長にもプラスに働きます。
■会社でマンダラチャートを活用するポイント
マンダラチャートによる目標管理ためには、次のような点に注意する必要があります。
1、目標を押し付けず、社員の主体性を尊重する
従業員がマンダラチャートを活用し、目指す目標を決める際は、会社や上司の意見を押し付けず、社員自身の主体性を尊重する「内発的動機づけ」をすることが大切です。
内発的動機づけとは、内的で本質的な欲求によって引き起こされる行動のことです。言い換えると、個人の行動の要因となる、内面から湧き上がる動機づけとなるモチベーションのことです。
社員と話し合ったうえで、適切な難易度や分量の目標を設定しましょう。
2、適切なフィードバックを行う
マンダラチャートを利用した目標管理に取り組む際は、上司から部下への適切なフィードバックすることも重要です。
なぜなら、目標を定めてもフィードバックが無いと、モチベーションが下がるビジネスマンも多いからです。
上司は部下の行動を正しく評価し、客観的な視点でアドバイスすることで、成長を促す目的があります。部下の側はフィードバックを受けることで、次回からミスを防ぎ、パフォーマンスを向上させることが可能になります。
ただし、フィードバックの回数が多すぎると上司の負担も増え、外発的動機づけになってしまうため、適切な頻度を考えて実行しましょう。
3、会社と個人の目的を一致させる
会社と個人の目的が一致していない状態では、マンダラチャートで目標管理をしても成果が上がりません。
従業員と会社は、共通の大きな目標を持つことで、困難な課題に社員全員で立ち向かう状況を作ることができます。
力を合わせて困難に立ち向かうとき、人はそれぞれの性格や価値観の違いを乗り越えて、距離を縮めるチャンスになります。
マンダラチャートを組織的に活用する際には、社員に対して設定した目標の意味を十分に説明し、理解を得たうえで目標管理に取り組みましょう。
■まとめ
マンダラチャートは、目標を成し遂げるために必要な項目を可視化するフレームワークのことです。
中小企業の社長やスタートアップのCEOが仕事の目標達成に活用する場合は、目標達成に向けた強い信念持つことが鍵となりますが、高いエネルギーを持ち続けるためには、心技体のバランスよく配分することが大切です。
なぜなら、目標達成に必要な行動がビジネス一辺倒になってしまうと、ワークバランスや健康、家庭生活が破綻してしまう恐れがあるからです。
マンダラチャートは、非常にシンプルな構造のため、誰でも簡単に利用することができ、実行しやすいのがメリットです。
経営者であれば、ビジネスにおける事業計画書の要素の見える化や特定の課題の解決に使えます。学生の受験勉強やスポーツ、ビジネマンのスキルアップや自己啓発など、様々な目標達成にも用いてみましょう。
「リーダーシップとは、組織の使命を明確にメンバーに提示できることであり、リーダーとは目標を定め、目標に対しての優先順位の基準を決めてその体制を維持していく者である。仕事を成し遂げる者こそ真のリーダーであり、その者の行動こそがリーダーシップである。」
<ピーター・ドラッカー>
■最後に
日本能率協会の企業経営者を対象にした、「企業経営課題に関する調査」によれば、経営全般の課題としての上位にランキングされた結果は、以下のような順位になっています。
第1位:「高付加価値型商品・サービスの開発」
第2位:「事業を通じた社会課題の解決」の比率が約2倍となり第2位に
第3位:「ITを活用した効率的・効果的な営業活動」
また、当面する経営全般の課題としては、「人材強化」「売り上げ」「シェア拡大」が昨年より上昇しています。
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