営業フローとは?再現性のある営業フローを作る方法

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

自社の営業活動を見直したとき、営業活動が属人化してしまっていて個々の営業担当者のスキルや経験に左右されていると感じませんか?

そんな時は、営業プロセスを整理して、標準化した「営業の型」を作るタイミングかもしれません。

属人化しがちな営業手法の標準化を図り、再現性のあるものにするために作るのが「営業フロー」です。

自社のビジネスに最適化された営業フローを作成することで、営業活動の効率化や問題点の洗い出しなどを行うことが可能になります。

そこで今回、営業フローとは何か、営業活動を科学化し再現性の営業フローを作る方法について解説します。

■営業フローとは?
営業フローとは、営業活動における事前準備からアプローチ、商談・提案、受注・契約までの一連の流れや、各段階でとるべき具体的な営業手法を可視化し業務に落とし込んだものです。

営業フローとは、いわゆる営業導線をより具体的にしたもので、どのシーンでどのようなメールを送るのか、どのような内容を電話で伝えるかなど、打ち手レベルまで言語化、視覚化したものです。

分かり易く言えば、営業のHow to(ハウツー)をまとめた「ガイドライン」もしくは「マニュアル」に近いでしょう。

ビジネスを進める上で「業務フロー」という言葉がよく使われます。業務フローとは、仕事の流れ、もしくは仕事の流れを図示した業務フローのことを言います。

仕事の流れを図示したものというのは、現場で行っている業務のプロセスを可視化してわかりやすくしたものです。

仕事の流れを可視化することで、体系的に業務全体の管理ができるようになります。

営業担当者として活躍している人は数多くいても、仕事の仕方は千差万別ですが、その他大勢の中で売れるトップセールスは、営業プロセスを分解し、営業フローを科学することでやるべきことを明確にし、圧倒的な成果を上げています。

■営業フローと営業プロセスの違い
営業フローと似た言葉に営業プロセスがあります。営業フローと営業プロセスはいずれも営業の流れを可視化したものという点では同じです。両者の違いは、以下になります。

1、営業プロセス=骨組み
⇒営業活動の流れのみを表す。

営業プロセスは、見込み客の連絡情報を獲得してから契約にいたるまでの一連の営業活動の流れのことで営業導線をメールや電話、商談などのレベルまで細分化し視覚化したものです。

2、営業フロー=マニュアル
⇒細部のアクションまで可視化したもの。

営業フローは、営業プロセスの各工程をさらに掘り下げて、打ち手レベルで詳細に落とし込んだものです。

■一般的な営業プロセスのフロー
営業フローは、取扱商材やターゲットなどによって異なります。一般的な営業プロセスの枠組みは下記のようになります。

1、リード獲得
多くの企業は、まずはWebプロモーションや広告、展示会への出展、セミナーなどを行い、リード(見込み客)獲得を行っていきます。

2、アプローチ
獲得したリード(見込み客)に対し、電話やメール、DMなどを行い、自社の商品やサービスをアプローチしていきます。

3、初回訪問
アポイントを取ったリード(見込み客)に対して初回訪問をし、先方で実施したいことや課題をヒアリングし、自社の商品やサービスのご案内をします。

4、営業活動・ヒアリング
1回で案件化すれば良いのですが、初回訪問でいきなり売れるということは難しいです。これから案件化に向けて営業活動を行っていきます。

5、提案・見積
ここで商談が「案件化」したら、見積を作成したりプレゼンを行ったりします。

6、受注
提案や見積に対して先方にOKをいただければ、受注となります

■BtoCとBtoBの営業フローの違い
大きな違いは意思決定者、決裁者が異なるという点です。

営業の性質が両者で異なるため、BtoC営業で成果を上げていた人が、BtoB営業に転職しても思った結果が出ないという場合もあるかもしれません。

BtoBの場合は商談相手が社長や役員など、決裁者ではないことも多くあります。

また、意思決定のフローも関係部門が複数になる場合はさらに複雑になります。

例えば、製品や食品などを扱うメーカーであれば調達部門、営業部門、マーケティング部門など関わる部門が多いと、それぞれの合意を得るためにキーマンに内容を伝える必要があります。

BtoB営業では提案書や見積書の作成をすることがよくありますが、これは社内での説明や稟議をするために必要な資料です。

従来の法人営業であれば、ターゲット選定→リスト作成→テレアポ→訪問→契約という、一連業務を1人の営業が行っていました。

しかし、現在、BtoB業界では営業プロセスを分解し、それぞれの専門家を配置することで役割を分業することで効率的な営業活動を行う方向性にシフトしています。

■BtoB営業を取り巻くの変化
従来の営業手法で一般的なものを上げると、次のようなものがあります。

・テレアポ
・飛び込み
・DM送付

これまで企業側のサービス検討に関する情報収集の方法は営業担当からが主なものでした。

しかし、インターネットが普及したことで顧客は自ら情報を集められるようになっています。

つまり、企業側は営業担当からの情報提供を待たずに様々な比較、検討ができるようになったのです。

そうなると競合を検討する前に、いかに早く見込み顧客に情報を届けられるかがポイントになったと言えます。

インターネットの登場によりオンライン会議の浸透が進み、インサイドセールスが当たり前になったことで、営業の分業化が加速するなど、ひと昔前と比べると「営業プロセス」も「営業フロー」も劇的に変わりました。

■パターン別の営業フロー
営業フローは、新規開拓なのか、先方からの問い合わせへの対応なのか、リピーター対応なのか等によっても変わります。パターン別の営業フローについては以下のようになります。

1、新規顧客開拓を行う際の営業フロー
新規顧客開拓を行う際の営業フローを考えるときのポイントは、顧客の対応に応じて、さまざまなパターンを用意しておくことです。

営業フローを策定する際には、

1)プロセス設計が受注に向けた流れになっていること。
2)次のプロセスへの移行条件の設定が明確に定義すること。
3)各プロセスの指標が計測できること。

がポイントになります。洗練された営業プロセスの設計により実用的なKPIの設計が可能となるので、営業プロセスの策定は綿密に行う必要があります。

飛び込み営業で顧客の反応がいまひとつであれば、定期的に電話をかけてみる、電話をかけて「今忙しい」などと断られたらメールをしてみるなど、様々なケースを想定して営業フローを作成しましょう。

新規開拓では、営業の業務全体をプロセス化し、「どのプロセスがボトルネックになっているのか?」「そのボトルネックを解消するカギはどこにあるのか?」を見極めることが業績マネジメントでは重要になってきます。

2、顧客から問い合わせがあったときの営業フロー
広告やウェブサイトなどを見た顧客から問い合わせがあった場合は、問い合わせの内容に応じて営業フローを作成します。

インバウンドセールスは顧客側からある程度興味を持たれている状態からスタートします。そのため信頼関係を構築しやすく、提案へ進めやすいことがメリットです。

インバウンドのアプローチは、立ち上げ時こそWebサイトの制作やコンテンツ戦略の策定、効果測定などコストや手間がかかります。

しかし、インバウンドの施策がうまく軌道に乗り、検索エンジンからの流入や問い合わせが増えれば、営業担当者はテレアポやDM・フォーム営業などアポ獲得のための活動をせずとも、見込み顧客が勝手に集まってくるようになるため効率的です。

商品・サービスの詳細が知りたいのか、すでに購入を検討しているのか、顧客のニーズに合わせて適切な営業フローを考えることが、成約に繋げるためのポイントとなるでしょう。

3、既存顧客の掘り起こしを行うときの営業フロー
「新規の顧客獲得は、既存からの受注に比べて約7倍の労力を要する」(1:5の法則とも呼ばれています。)

新規営業による受注は売上向上に欠かせません。しかし、売上を効率よく、かつ確実に向上させるという意味では、以下の順番で取り組むと良いでしょう。

1)既存顧客の深堀
2)休眠顧客の掘り起こし
3)新規顧客の獲得

既存顧客の掘り起こしを行う際は、過去の商談履歴を確認した上で、以下のように適切な営業フローを検討する必要があります。

1)過去取引リストを見直し、1社1社の状況を営業メンバーに確認する。
2)ブラックリスト(何らかの事情で取引ができないお客様)だけを取り除く。
3)一斉にDMやメルマガ、もしくは電話等で再アプローチを仕掛ける。

こんな時に顧客管理で活躍するのがインサイドセールスやMAツール等の活用です。

既存顧客の掘り起こしは、インサイドセールスが行うケースが多いですが、「見込客を育成し、温まった状態で営業に渡す」という「リードナーチャリング」によるマーケティング支援をベースにした営業支援を行う役割を担っています。

■営業フローを作成する5つのメリット
営業フローを作成することで得られるメリットをご紹介します。

1、営業プロセスを標準化できる
営業フローがあると営業マンは「今どのような対応をすべきか?」「今のベストプラクティスはどの打ち手か?」と確認しながら進めることができます。

迷ったり、思考停止したりする時間が減るため新人営業マンの成長が速くなりますし、営業部門内の営業マンのスキルが一定レベル以上に保てます。

2、営業活動を振り返ることができる
営業フローを振り返ることで、営業活動における問題点や改善点を明確にすることができます。自分の活動を俯瞰して見ることができるので、営業活動全体を体系だてて理解できます。

数多くの見込み顧客を獲得してアプローチを行ったのにもかかわらず、成約につながらなかった場合、アプローチの方法に問題がある可能性があります。

飛び込み営業ではなく、最初はメールで様子を見るほうが効果的だったのではなど、営業活動を見直すことができるでしょう。

3、対応漏れを防ぐことができる
営業フローを作成しておけば、対応漏れを防ぐことができます。特に、新人の営業担当者の場合、次の対応がわからず放置してしまったという事態に陥ることがあるでしょう。

営業フローがあるとテキパキと仕事が進められるため営業マンもストレスがたまらず、お客様にとって良い対応ができ、失注も防ぐことができます。

営業フローが明確になっていれば、とるべき対応がわかるので、対応漏れを防ぐことができます。

これは、成約につながるだけでなく、顧客満足度の向上にもつなげられる大切なポイントです。

4、営業部門全体でスキルアップできる
成績の良い営業担当者の営業フローを共有すれば、営業部門全体で営業力を強化することができます。

営業フローを振り返ることで、普段は気付かないような営業アプローチの不足点にも気付くことができます。

また、営業部門内で営業フローを共有しておけば、担当者が不在のときも、ほかの社員が適切な顧客対応をすることができるでしょう。

紹介を貰うのが上手な営業マンのように営業フローの工程に「紹介依頼」を組み込めば、営業成績が倍増するかも知れません。自分で改善点を見つけて成長することができます。

5、営業活動を数値化できる
営業フローの活用方法に、「次のステップに進めることができた割合がどのくらいか数値化する」というものがあります。

営業フローが体系的になっていることで、お互いに効果的な営業ノウハウを共有しやすくなります。

例えば、トップセールスに成約に至った成功事例を「営業フロー」として共有して貰えれば、「この段階でこのようなアプローチをした」「ニーズが顕在化していないときは〇カ月ペースで情報提供していた」などの過程が見えやすくなります。

■まとめ
営業フローを確認しながら仕事をすることで、営業品質の安定が期待できます。

業務に必要な作業を着実にこなせるようにすれば、営業マンごとの対応やサービスレベルにばらつきが出ることを防げます。

レベルを一定化させることで、営業品質の安定にも繋がります。

優れた営業フローを作り上げることは、新入社員や若手社員の早期戦力化や教育コストの削減、業務効率化など、さまざまな効果が期待できます。

また、マニュアル化までできれば、会社にとって財産になるでしょう。

営業メンバーが共通した営業活動の認識を持っていることにより、組織全体の営業力が底上げされて売上や受注率の向上に繋がるでしょう。

営業フローを作るときは「はじめから完璧な営業フローを作ろうとしない」ことがポイントになります。

売れる仕組みとしてフローがマニュアル化されていれば非常に価値がありますが、はじめから完璧なものを作ろうとすると、完成までに時間がかかり、いつまでも完成しない可能性もあるでしょう。

営業フローや営業マニュアルの作成に時間をとられ、本来の業務に支障が出ては本末転倒です。

そのため、営業フロー作成時には営業メンバーにアンケートをとりつつ、勝ちパターンとなる仕組みを運用しながらPDCAに取り組み改善するようにしましょう。

成果をあげるための実践的な能力は五つある。

第一に、何に自分の時間がとられているかを知り、残されたわずかな時間を体系的に管理する。
第二に、外部の世界に対する貢献に焦点を合わせる。
第三に、強みを中心に据える。
第四に、優先順位を決定し、優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中する。
第五に、成果をあげるよう意思決定を行なう。

<ピーター・ドラッカー>

■最後に
『スピード感が大切』と言われる中、スタートアップ企業が現場からボトムアップで営業を仕掛けても、大手企業の場には、稟議の申請と複数の上司のハンコがどうしても必要になるため、市場の開拓と変化に乗り遅れることがあります。

ですので、中小企業やベンチャー企業が上場企業や業界の大手企業との新規取引をしたい場合には、豊富な人脈やコネクションを持つ営業顧問からの紹介により新たな新規取引の決裁者となる、キーマンとのトップダウン営業を推進することです。

なぜなら、社会的な信用力が高く、リードとの長年の付き合いにより関係性が既に構築されている顧問からの紹介により、「トップダウン営業」を仕掛けることは、リード獲得から新規取引に至るまでの費用対効果がダントツに高いと言えるからです。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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