中小企業の経営者の悩みとしては、売上を上げるために営業を強化したいが、優秀な営業人材を獲得できない。育成に時間がかかってしまっている。営業リソースが足りないなど。営業部門にさまざまな課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
新規のリード獲得の強化や大手企業の役員クラスや決裁権を持ったキーマンとの商談機会を増やすために、注目を集めているのが「SPO」による営業アウトソーシングです。
自社の営業活動において外部リソースを効果的に活用することにより、営業の分業化を実現し採用や育成にかかるコスト削減や営業部門の拡大といったメリットが得られます。
そこで今回、SPOとは何か、営業プロセスの一部を委託するSPO活用のメリットについて解説します。
■SPOとは?
SPOとは、新規開拓や既存顧客の掘り起こしから営業組織の仕組み化まで、アウトソーシングする取り組みになります。
SPOは、英語ので「Sales Process Outsourcing」(セールスプロセスアウトソーシング)の略語になります。日本語では、営業の外部委託を意味します。
営業プロセスの一部を外注し、外注先と営業プロセスを分業・協業しながら進めていく手法です。
市場競争が激化し、新規顧客の獲得が難しくなった昨今、どのような見込み客に対し、どんな営業活動を展開することでリードジェネレーションを増やし、受注に繋げるのかを営業の部署単位ではなく、企業全体の経営戦略として取り組むことが必要になっています。
なぜなら、リード獲得から商談、受注の活動をマーケティング部門と営業部門双方の大きな目的として定め、一気通貫で行わなければ、ライバルとの比較競争に勝つことが難しい時代になっているからです。
そのような時代の変化の中で、SPOによる営業アウトソーシングは「様々な事情で営業活動に自社の人材を回すことができない場合」や「従来の営業活動ではアプローチできなかった顧客の新規獲得を狙う場合」などに非常に有効な施策となります。
■SPOが効果的な会社
競争優位性のあるプロダクト開発しているメーカーでも自社リソースだけで到底達成できない営業目標を達成させるために頭を悩ませている社長も沢山いると思います。
そうとは言え、正社員の採用でなく外部に営業活動を委託するのは抵抗があり、似たようなサービスが多くあるため、なかなか利用に踏み切れないとケースもあるはずです。
以下のような課題がある際にSPOを活用すると効果的です。
1、リード獲得コストの最適化を図り、商談機会を増やしたい。
2、業務量の変動に応じた費用対効果の高い運用体制を整えたい。
3、プロ人材を登用し、業務品質と生産性の向上を両立したい。
法人営業のコンバージョンを高めるには、「どの施策で獲得・育成した見込客が商談化し、受注に繋がったのか」をマーケティングと営業横断的に知る必要があります。
「受注や商談に繋がる見込み客は、どのような施策で獲得し、どのように育成するのかを営業とマーケティング横断的に「可視化=数値化」できる状態にしておく」ことが重要なのです。
■SPOと営業代行の違い
SPO「セールス・プロセス・アウトソーシング」は、営業活動を外部委託するという点で「営業代行」のビジネスモデルと共通する部分もあります。
しかし、SPOと営業代行の大きな違いとしては、営業活動のプロセスや営業戦略の提案や改善までも重視するのが特徴になります。「自社の営業チームと協業する」「営業活動のPDCAをトータルで代行する」点で区別することができます。
つまり、SPOを依頼する際には営業活動の代行と同時に、営業戦略の立案やセールスの活動そのものの改善も依頼することになります。
基本的にテレアポによるアポイントを取得することをゴールにしている営業代行とはポジショニングが違います。
SPOでは、マーケティングやBPR的側面での設計や実働支援も行うことが最大のポイントになります。
営業代行とは異なり、自社の営業チームと分業・協業しながら同じチームとして業務を行う特長があります。そのため、長期的な売上「LTV向上」や「生産性向上」、「残業削減」、「リード獲得の強化」など営業部隊の課題解消を目的に取り組む場合が多いです。
マーケティング部門と連携した営業プロセスなどの課題解決も行うことができるため、成果を上げるだけでなく営業活動の過程の見直しやボトルネックの解消をしていきたい企業に活用されています。
■SPOを活用する7つのメリット
SPOなら柔軟にセールス部門の戦力を拡充できるため、必要な時に迅速かつ適切にセールス力を高められます。
営業アウトソーシング先のプロの営業チームと協業することで、自社の中長期的な営業戦略の見直しや改善を図ることもできます。
1、すぐに即戦力となる人材を確保することができる
営業アウトソーシングを利用する大きなメリットは「営業のプロの力を借りることができる」点にあります。自社に営業人材がいる場合でも、営業アウトソーシング先の営業チームと協業することで、短期的な営業利益を獲得することが可能です。
SPOスタッフは、既に専門的な営業スキルを持っているため、導入後の研修などに工数や人権費を掛けず、業務をスタートできます。
もし研修などが必要な場合は、SPO企業側で対応するので、余計な手間がかかりません。
2、短期間で成果が得られる
従来は自社に適切な営業人材がいない場合、営業人材を新しく雇用して一から育てる必要がありました。時間をかけて自社の営業ノウハウや実践を経験してもらえる一方で、短期的な営業利益は見込めないのがデメリットでした。
企業は自社の営業活動を外部に委託することで、営業を得意とする人材の知見を活用することができます。
そうすることで、営業職の人材を自社で雇う必要がなくなるため、「人件費や長期的な育成費用がかからない」といったコスト面でのパフォーマンスも大きくなるのです。
3、ターゲット選定からフォローまで細やかな仕事が可能
専門的な営業スキルを持ったSPOメンバーは、あらゆる営業プロセスに柔軟に対応ができます。
例えば、新規開拓に課題を抱えている場合、ターゲット選定からヒアリングまでを代行します。セールスのプロフェッショナルを簡単に戦力に加えられる点も、見込めます。
組織自体にセールス技術や経験が蓄積されているため、導入することで依頼元組織が抱える問題を解消し、業務効率化につながることも期待できるでしょう。自社の営業マンはその後のクロージングに集中することができるため、作業効率の向上・売り上げの促進が期待できます。
4、さまざまな営業ノウハウを持ったスタッフが在籍
営業アウトソーシングは高い営業スキルをもったプロ集団であるため、即戦力の人材に営業を任せることができます。
細かい指示やマネジメントの必要がない点も魅力です。SPOメンバーの多くは、様々な業界の営業活動をサポートしています。
経験豊富なスタッフが介入することで、自社の営業マンが気づかなかった点にも気づき、改善することが可能です。「この案件には、このアプローチしかない!」というような固定概念もなく、客観的に物事を見ることができるため自社社員への刺激にも繋がります。
そうした問題を解決するのが営業アウトソーシングの利用であり、外部の営業チームに業務を一部または全て委託することで、依頼元企業は短期間で営業利益の獲得を見込むことができます。
5、人件費コストの削減に繋がる
会社の経営を行う上で、人件費をどの程度かけるべきなのかという考え方は、会社の健全化をはかるためには切っても切り離せません。
そのためにも、まずは人件費に含まれるものを正しく理解し、さらには経営に与える影響を分析して、現状の総額人件費が適正水準であるかを確認する必要があります。
営業アウトソーシングを利用することで、営業人材の育成にかかるコストを抑えることができます。
営業アウトソーシングは営業人材を雇う部分だけみるとコストがかかりますが、企業の長期的な経営視点から見た場合は「人件費の削減」に貢献することがあります。
営業の業務プロセスを見直せば、どの部分に人の手が必要ないか、フレキシブルコストや成果報週型に置き換えることができるものは何か、といったことも見えてくるため、そのために必要な外部のプロ人材を登用すれば、必然的に人件費の削減に役立つでしょう。
6、自社の営業マンでは難しかった企業にアプローチできる
セールス技術や経験を持った外部組織に任せることで、依頼元企業だけではアプローチが難しかった企業・業界の新規開拓が望めます。
SPOメンバーは、さまざまな業界を経験しています。そのため、今まで自社の営業マンでは難しかった企業・業界にもアプローチが可能です。新規顧客の獲得だけではなく、新規業界への進出を後押しすることで、会社全体の利益にも繋がります。
短期間でプロの人材による営業活動を行い新規顧客の獲得などが期待できるため、迅速な事業の成長ができるでしょう。
7、自社の営業人材(チーム)を強化することができる
営業アウトソーシングは高い営業スキルをもったプロ集団であるため、即戦力の人材に営業を任せることができます。
細かい指示やマネジメントの必要がない点も魅力です。競争力の強化も、大きな魅力の一つです。
依頼元のセールスチームと共にタスクに望むことで、中長期的な営業戦略の見直しや改善が期待できます。短い期間で成果を狙いつつ、依頼元のセールス部門の強化も図れるのです。
営業アウトソーシングの利用は単に営業活動の外部委託にとどまらず、協業による自社の営業人材の強化につながるのです。
■SPOを導入する際のポイント
SPOを活用するにあたっては、企業の担当者は営業戦略の中で、自社が現在どの営業プロセスに課題があり、外部のプロ人材に何を依頼したいのかを改めて確認しておくことが必要です。
SPOの導入前には、自社が抱えている問題点やウィークポイントを整理しておきましょう。
新規案件の獲得ができないのか、クロージング段階で失敗しているのか、もしくは獲得した取引先との関係維持ができていないのかなど考えられる課題は多岐に渡ります。事前に課題を整理することで、適切な人材を選択できるでしょう。
また、一丸となってセールスを行うためには、コミュニケーションが円滑にできるか否かも大切な要素です。
オンライン面談はもちろん電話やメッセージ、Web会議システムなど様々なツールで打ち合わせができるかどうかは、タスクを効率的にこなすために重要な確認ポイントです。
活動内容が不明確で見えない、レスポンスが遅いなどに加えて、依頼したタスクの遂行もできない人材は、業務に対して不誠実な可能性があるため注意すべきです。目標を共有して一緒に課題解決してくれる、信頼のおけるパートナーを選ぶようにしましょう。
■まとめ
SPOは「セールス・プロセス・アウトソーシング」の略語であり、セールス活動を代わりに遂行するだけでなくプロセス戦略の改善案提示までを行います。
SPOは、営業アウトソーシングのひとつの形態であり、文字通り「プロ人材がチームで営業活動の実行支援を行うサービス」のことです。
営業プロセスは、最初に接触してから受注が確定するまでの流れを一つひとつのプロセスに切り分けて整理することで成り立っています。
一般的には、「マーケティング部門が集客してリードを獲得する」→「リストを作成してインサイドセールス部門に引き渡す」→「メールや電話でアポイントを取得する」→「初回訪問」→「課題のヒアリング」→「見積・提案」→「受注(クロージング)」のようなプロセスに分解できます。
自社の営業プロセスを分解しマーケティング部分の課題やリード獲得のボトルネックになっている業務を発見できれば、それに対して具体的な改善策を講じることも可能となります。
まずは自社の状況を詳しく知ることが、営業の業務プロセスの改善に直結します。
SPOは、セールス活動の外部組織への委託との意味では営業代行と共通していますが、依頼元のセールスチームと協業する点やセールス活動を総合的に行う点で異なります。
セールス部門におけるウィークポイントを改善したい場合や新しいビジネスをスタートさせる際などには適しているでしょう。
従来型の属人的な営業活動からMAシステムを導入したり、オープンイノベーションに取り組み外部の優秀な人材のリソースを効率的に活用できる営業手法に切り替えていく企業は確実に増えています。
即戦力となるフリーランス人材を活用することで、時代の変化に臨機応変に対応すること。
それは会社が持続的に成長していくためには、避けては通れない取り組みであり、同時に社員と外部人材が切磋琢磨することでのスキルを高めていく大きなキッカケにもなると言えるのです。
「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。」
<ピーター・ドラッカー>
■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、5000人を超える顧問や、プロ人材が集結しており、様々な分野の外部のCXO人材が揃っています。
顧問契約をベースにプロ人材が社長の懐刀として経営課題を抱えている経営者へのアドバイスだけでなく、セールスに課題がある会社には、営業支援などの実行支援を行うことを最大のミッションに掲げています。
SPOによる営業支援が最大の効果を上げる主な利用シーンは、「営業職の人材が不足している場合」や「新規事業の営業ノウハウがわからない場合」などです。
つまり、SPOによる営業支援は、「営業人材の育成を待たずに利益を出したい」場合に有効な施策と言えます。
1つの事業を飛躍的に成長させた体験がある顧問には別な事業でも成功パターンを再現できるノウハウがあります。
セールス活動やマーケティングの施策に取り組む際にも、成功要因を押さえたビジネスモデルの構築のアドバイスから戦略立案、事業展開の実行までのトータル支援サービスを提供することが可能になります。
例えば、営業プロセスのSPOとしては、以下のものが挙げられます。
・「トップダウン営業」で大手企業のリード獲得を支援する。
・インターネット集客でリード獲得の仕組みを構築する。
・営業支援システム「MAツール」や「SFA」を導入する。
・データベースで新規顧客及び既存の顧客情報を管理する。
・営業の事務作業、請求書作成をシステムで自動化する。
・インサイドセールスとアウトサイドセールスで分業する。
・売れる提案書作成をプロ人材にアウトソーシングする。
外部顧問からアドバイスを超えた、セールスプロセスアウトソーシングによる実行サポートを受けることで、新規事業開発の進め方などのコンスタントな意見交換やアイデア創出、重要なセクションでの適切な判断に役立ちます。
また、自社のメンバーでは解決困難なフェイズやどうしても補えない部分をプロジェクトメンバーの一員として入り、顧問料の相場で新規事業開発の推進を強力にサポートすることができます。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」なら、スタートアップの事業開発では欠かせないアーリーアダプターを新規開拓するための営業支援を成果報酬型で委託することも可能です。
エクイティファイナンスの成功させるには必須要件となる、トラクションの獲得や未開拓の業界への新規参入にチャレンジしたい企業様は、是非、一度お気軽にご相談ください。
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