ブルーオーシャン戦略とは?企業に新たな価値創造が必要な理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

VUCA時代と言われている不確実性の高い現状においては、ビジネス課題が高度化・複雑化しています。

その結果、従来のひとつの業界・既存市場、製品などでは長期的な売上・利益の確保が難しくなり、今後は新たな価値市場を模索することが必須であると言えます。

このような時代に対応していく上でも、競合他社のいないブルーオーシャンを積極的に見つけ出し、自社製品のブランド育成や価値の高い製品などによる長期的な売上・利益確保が必要になっています。

そこで今回は、ブルーオーシャン戦略と企業に新たな価値創造が必要な理由について解説します。

「嫌いなことなんてやっても伸びない。どうせ一度の人生なら、好きなことをとことんやるべきだ。そうすりゃ、それがやがて社会の役に立つ。」

<本田宗一郎>

■ブルーオーシャン戦略とは?
ブルーオーシャン戦略とは、競争者のいない新しい価値の市場を創造し、ユーザーに高付加価値を低コストで提供することで、利潤の最大化を実現する戦略です。

未開拓で無限に広がる可能性を秘めた未知の市場空間を「ブルーオーシャン」、反対に多数の競争者で激しい「血みどろ」の競争を繰り広げる既存の市場を「レッドオーシャン」と呼びます。

ブルーオーシャン戦略では、血みどろの戦いが繰り広げられるレッドオーシャンから抜け出し、競争のない市場空間としてブルーオーシャンとなる新規事業を創造するための戦略的行動を目指します。

ブルーオーシャン戦略の土台にあるのは、新しい価値市場を創造するための「バリュー・イノベーション」という概念になります。「価値革新」という考え方により、市場の境界線を引き直すということです。

バリュー・イノベーションとは、コストを下げながら、買い手にとっての価値を高めることで、価値(バリュー)と革新(イノベーション)を同時に追求し、競争のない未知の市場を開拓することを志向します。

これは、「価値とコストはトレードオフの関係にある」という競争を前提として戦略論とは一線を画します。

■ブルーオーシャン戦略の始まり
ブルーオーシャン戦略は、フランスの欧州経営大学院(INSEAD)教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュにより、2005年2月に発表された著書『ブルー・オーシャン戦略』で提唱されました。

差別化戦略のようにも捉えられますが、「競争戦略」という視点ではなく、「高付加価値を持つ新市場の創造」ということに主眼に置かれます。いわば、差別化を突き詰めることで、新たな競争のない市場を創造するということです。

ブルーオーシャン戦略では、既存市場内からの新価値市場の創造となっていますが、代替産業や補完材・サービス等の視点から、新価値市場の創造を実施することも有効な手段になります。

■ブルーオーシャン戦略を実践する2のフレームワーク
ブルーオーシャン戦略では、そのためのツールが多数提示されています。中でも「アクション・マトリクス」と「戦略キャンバス」の二つが重要なフレームワークとして考えられています。

1、アクション・マトリクス
ブルーオーシャン戦略の策定には、自社が提供する製品などが、顧客に対して、どのような価値を創出するかを模索しなければいけません。そこで活用したいフレームワークが「アクション・マトリックス」です。

アクション・マトリックスとは、所属する業界や市場空間において、新たな価値を見出すための可能性を探る、4つの質問で構成されたフレームワークです。

「取り除く」「増やす」「減らす」「付け加える」という四つのセグメントに、自身が身を置く業界や他社の取り組みを当てはめ、自社の事業を再整理するツールです。

現状の競争要因に対して、自身がどのように変化すれば、ブルー・オーシャンを創造できるかを整理します。また、「増やす」「付け加える」と同時に「取り除く」「減らす」ことで、高付加価値を低コストで実現できる可能性を見い出します。

2、戦略キャンバス
ブルーオーシャン戦略の策定に有効なフレームワークが「戦略キャンパス」です。

戦略キャンパスとは、アクション・マトリックスで見出した価値を横軸に、顧客が享受できるメリットの度合いを縦軸に記した価値曲線を表したグラフを指します。

競争要因を横軸に、縦軸はそのレベルを表し、自社の取り組みと他社の取り組みを比較するツールです。

各競争要因の点を結び合わせた線が、他社の線と異なる場合は、新たな市場を創造できる可能性が高いと確認することができます。

アクション・マトリックスで見出した新たな価値に対し、自社と競合他社の製品などそれぞれの特徴を比較することで、差別化できるポイントを抽出し、かつ顧客にとってのメリットの度合いを測ることができます。

■ブルーオーシャンを創造する6つのアプローチ
ブルーオーシャン戦略では、研究を通じて、市場の境界を引き直してブルーオーシャンを創造するアプローチを発見し、「6つのパス(the six paths)」と呼んだ。

1、代替品や代替サービスを提供する業界に着目する
ブルーオーシャン戦略では、業界内で似たような製品などで勝負するだけでなく、経験のない異業種に向けて、代替が可能かどうかを検証することで成功率が高まる場合があります。

既にある製品などに対して、機能や価値を補完できるサービスなどもブルーオーシャン戦略では有効となります。

この戦略を成功させる上では、自社の技術や強みが異業界での代替可能な産業になり得るか、補完サービスとしてビジネスモデルが確立できるかを模索することも大切です。

2、業界内で異なる戦略をとっているグループ(企業群)から学ぶ
ブルーオーシャン戦略に限らず、マーケティング戦略にとって、買い手グループ(顧客や市場)の選定は重要なプロセスです。なぜなら、同じ製品でも、買い手グループが異なれば、求められる価値も異なる傾向が強いと考えられているからです。

製品などに付与された価値を転換することで、新たな顧客の獲得につながる可能性があります。

3、買い手グループに着目し、直接の購買者の周辺の存在に目を向ける
一般的に製品などに付与された価値には、「機能的価値」と「感性的価値」のいずれか、または両方が備わっています。

このいずれかに注力することで、差別化ポイントが生まれ、顧客はその製品などのファンとなり、継続性の高いビジネスとして確立されます。

4、自社の製品/サービスを補完する製品/サービスを見渡す
差別化ポイントとしていたどちらか一方の価値を、もうひとつの価値へと大胆に切り変えることも有効です。

ブルーオーシャン戦略は、既存の製品などの価値を変更・追加するだけで、新たな市場創出や顧客の獲得につながる可能性を秘めています。

5、業界の機能志向と感性志向を切り替える
時代の流れやテクノロジーの発達により、今まで法人でしか利用されなかった製品などが消費者の手に渡りやすくなっています。

世の中のトレンドを読み、業界全体がどのように変化していくかを予想しながら、企業が提供する製品なども変化していかなければいけません。

6、将来を見通し、トレンドの先行きを見極める
ブルーオーシャン戦略では、時代の流れやテクノロジーの発展に沿って、買い手グループの選択肢を増やし、その買い手に応じた新たな価値を創出し、市場に投入することが大切です。

■まとめ
ブルー・オーシャン戦略は、競合相手のいない新たな価値の市場を創造し、ユーザーに対して高価値と低コストを同時に提供する、利潤の最大化を目指した戦略です。

ブルー・オーシャン戦略では、新しい市場を開拓するため、競争相手が一切いない新市場にてシェアを獲得することができます。

競争が繰り広げられるレッド・オーシャンを避けてビジネスを実施することにより、未開拓市場での利益の伸び率にも期待でき、多くのユーザーを短期間で得られるチャンスがあります。

ブルーオーシャン戦略では、自社製品の価値を高め、高単価かつ低コストで市場に投入できることから、市場での価格決定権を得ることができ、競合他社を排除する事も可能になります。

競合相手を持たないブルー・オーシャンを自発的に見出し、自社オリジナルのブランド育成や高価値かつ低コスト化された製品・サービスによる売上・利益を確保することが重要とされています。

ブルーオーシャン市場を見つけるためには、代替産業や補完サービス、あるいは既存の価値の切り替え、顧客の転換など新たな視点を持つことが重要になります。

■最後に
高価値かつ低コストの提供に伴い、長期的な経営資源の投入が必要となるため、経営資源の豊かな大企業にとっては有効的な戦略といわれています。その一方、経営規模を活かした戦略であることから、中小企業や個人事業主にはやや取り組みにくいとも言われています。

不確実性が増している現代だからこそ、リーダーとして経営者が先頭に立ちブルーオーシャン戦略を実行し、今ある経営資源を最大限に活用し新規事業を立ち上げ、新たなる価値の創出を行う必要があります。

高付加価値の新しいモノを、より低コストで提供するブルーオーシャン戦略では、いくらアイデアを思いついたところで、それを上手に活用しながら売っていかなければなりません。

なぜなら、新しい市場を開拓することが目標ではなく、その先で市場環境の変化に対応していくことが大切になるからです。

その際、経営者が販路拡大のノウハウに乏しく、マーケティングの知識や競争優位性を生み出すスキルを持っていないようであれば、その価値がユーザーに届かず、売れ行きが上がることはありません。

そのような際にマーケティング戦略の壁打ち相手となり、人脈を駆使し営業活動をサポートしてくれる優秀な顧問やコンサルタントが限界を突破する大きな武器に可能になります。

つまり、強力なブレーンとなり即戦力となる優秀な顧問がいれば、知識や経験、人脈を持つ外部から取り入れることが可能になります。また、ライバルからの参入障壁を築くためにもブルーオーシャン戦略には絶対に欠かせない存在だと言えます。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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