マーケティング戦略の5Pとは?パッケージングが鍵になる理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

現在、デザイン本来の目的が、モノの色・形を整えたり、短期的に流行を作り出したりする「狭義のデザイン」から、企業の経営活動全般に関わる経営資源として扱う「広義のデザイン」に移り変わっています。

付帯する技術やサービスを含め、最も効果的に当該企業の理念がユーザーに正しく伝わるような包括的な仕組みを作り上げるパッケージングがモノやサービスが売れる大きな鍵になっています。

マーケティングミックスは4Pになりますが、新たな視点として5つ目のPが必要になったと言われています。

そこで今回、新たなPの概要と製品戦略やパッケージングにも顧客視点を持つことが重要な訳ついて解説します。

■マーケティング戦略の5Pとは?
マーケティングミックスにはそれぞれの要素の頭文字を取った4つのPがあります。

1、製品(Product)
ターゲットに与えられる価値(=製品コンセプト)を決め、それを実現するための生産技術やコンセプトに合ったパッケージデザイン、サービス内容を決定すること。

2、価格(Price)
顧客層の価格相場やライバルとの比較、コスト、ブランド価値などから、どれくらいの価格で販売するのが適正かを考えること。

3、流通(Place)
店舗か?通販か?またはどの地域か?限定的かまたは幅広く販売するのか?など、その製品を販売する流通チャネルを決めること。

4、プロモーション(Promotion)
製品を売る、またはニーズを生み出すためには、顧客層に対しどのような訴求を行っていくのが最適かを考えること。

そして、新たに登場したのが、5つ目のPとは、People=「人々」を指します。人々とは製造や販売に関わる人、顧客、ステークホルダー(利害関係者)なども含まれます。

マーケティングプロセスの中で顧客についてしっかりと検討を重ねる段階があるものの、マーケティングミックスを考える中で改めて顧客とそれ以外の関係者についてしっかり見直す必要性があるとされ、4Pに加えられました。

つまり、顧客に長く愛用され続けることを示しています。

5、顧客ごとのLTVを向上させる(LTV)
5つ目のPは、顧客ごとのLTVを向上させて利益を出し続け、顧客視点で企業を長く存続させることに繋がります。

■顧客視点を持つことが重要な訳
マーケティングミックスの4Pはどれも売り手側の視点から考えられます。

つまり、「顧客にこう感じてほしい」と思っていても、実際に顧客がそれをどのように感じるのかは、実際に流通するまで分かりません。

そこで必要になるのが、顧客視点を加味した製品戦略になります。

製品戦略とは、マーケティング・ミックスのうち、製品のデザインに関わる戦略となります。

製品戦略は、「製品アイテムに関する戦略立案」「意思決定」「製品ラインに関する戦略立案」「意思決定」に分けることができます。

また、製品アイテムを構成する「コア機能」「形態」「付随機能」のうち、マーケッターが腐心する要素の1つが「形態」です。

製品の形態は、特徴、スタイル、ブランド名「ネーミング」、品質、そしてパッケージングです。

パッケージングとは、以下の5つの特性と役割を持っています。

■パッケージングとは?
パッケージングは、中身よりも高いインパクトを消費者に与えたり、競合に対する差別化の機会にもなるという意味で、4Pに次ぐ重要な要素として、Packagingもまた、5Pの一つだと呼ばれることもあります。

マーケティングミックスの4Pは、多くの企業が新商品の開発や販売の際に取り入れているフレームワークです。

パッケージングの本質とは、情報を整理することです。

売れる製品を作り上げるためには、プロダクトとして「何を言いたいのか」「社会に対してどのような価値を提供していくのか」を自分できちんと把握することが欠かせない要素になります。

つまり、製品戦略を考える上では、長所と短所を把握し、情報を「きちんと分けて考える発想」を持つことが必要なのです。

完成した広告やWebサイトというより、競争優位性を考えるプロセスこそがパッケージングそのものだと言えます。

パッケージングは、製品を保護するとともに、消費者を引きつけ、購買意思決定に大きな影響を及ぼす製品の外装や包装を指します。

その際、パッケージのデザインは、競合製品との差別化を図る大事な要素となります。

■パッケージングの5つの役割
マーケティング活動において、パッケージデザインが果たすべき役割は5つあります。

1、商品価値の創造
パッケージデザインは商品価値の一部です。使い勝手を向上させたり、中身を保存・保護する機能を充実させたりすることで顧客の利便性を上げるといった機能的な面で商品価値を実現します。

また、食品ならば「美味しそう」、医薬品ならば「よく効きそう」といった情緒的価値をパッケージデザインによって作り出すこともできます。

2、コンセプトの伝達
多くの新商品が並ぶ店頭では、顧客にその商品の良さを短時間で伝達することが必要です。店頭で見られる一瞬のうちに、商品のベネフィットを伝え、手に取って貰います。

これがパッケージデザインの役割です。また、商品が伝えたいイメージを形やビジュアルで情緒的に表現することもパッケージデザインの大切な役割です。

3、コミュニケーションの設計
パッケージデザインと広告、PR、SP、WEB、SNSといったメディアにおいては、一貫して同じ情報を伝えていく必要があります。それによって、強く効率的なコミュニケーションが実現します。

パッケージデザインは多くの場合、広告に先駆けて、コミュニケーションプランの最初に作られます。その場合には、最初に全体を通じて届けるべき一貫したメッセージやイメージを設計した上で、パッケージデザインを進めていくことが求められます。

4、経験価値をつくり出す
パッケージを購入してから廃棄するまで、購入する人、使う人にどのような思い出や経験をプレゼントできるかを考えます。

商品そのものではなく、商品を通じて得られるメリットや価値を「経験価値」といいます。パッケージは買ってから使用時、廃棄時まで様々な価値ある経験をつくり出すことが可能です。

5、ブランド資産の形成
パッケージデザインは、顧客の記憶に残る大切なブランド資産です。

ブランドイメージをつくるに当たり、パッケージデザインに様々なイメージ・情報を集約して、記号として顧客に印象付けることができます。

色、ロゴ、キャラクター、写真、形など、パッケージデザインを形成する様々な要素を記号化し、顧客のイメージの中にブランド資産を形成します。

■パッケージングを検討する際の3つのポイント
パッケージングを考える上で特に大事にするべきものは、

・あなたは何者なのか?
・その製品(サービス)は何であるのか?
・誰に向かっているのか?

という本質的な問い考えることにあります。

1、顧客の共感を得る
商品やサービスのパッケージングにあたっては、経営者と従業員、企業と顧客との間で、価値観や理念が共感をもって受け入れられ、共有することがコアバリューになります。

そのことによって、企業のブランド力は強固なものとなります。

価値観や理念を端的に表す言葉や物語があり、視覚的な要素と響きあうことが、ブランド形成の核になると言えます。

また、これまで特に「デザイン経営」を意識することなく実践してきたことが、振り返ってみるとパッケージングを重視するデザイン経営をしていた、という企業が少なくありません。

敢えて「デザイン」という言葉を使わない展開方法も含めて、地域性や個別企業の実情に応じた柔軟な取組みを行うことがヒット商品の創出に繋がります。

2、問題解決手段としてのパッケージング
パッケージングは、その商品を製造・販売する企業の理念や商品に込められた思いを表現し、正しく伝えるための手段になります。

更にはその商品を使うことで、問題解決につながること(たとえばバリアフリー、省エネルギー、癒し等)も期待されています。

そして、商品開発の目的は、開発した商品が話題になることで当該企業の経営理念や技術力、ユニークさが広く評価され、既存事業にもその効果が及ぶことが重要になります。

3、強みの再認識
企業自身が自覚する強みと、顧客が感じる強みとは必ずしも一致しません。海外市場を相手にする場合は、なおのことでです。

普段何気なく実践している習慣やちょっとした工夫であっても、新商品につながる要素が隠れている可能性もあります。社外の専門家等、第三者の目を借りながら、顧客目線で自社を見直すことが、強み「=顧客価値」の再確認に繋がると言えます。

■まとめ
現在、国際的に活躍する企業では、デザインを単なる製品の意匠のための手段としてではなく、企業価値向上のための重要な経営資源と位置付け、活用することで強力なブランドを形成し、イノベーションを発揮する「デザイン経営」の動きがみられます。

日本では特に明確にパッケージングを重視する戦略をとる企業は多いとはいえず、それが国際市場での日本企業の弱みとも言われています。

ですが、パッケージングを工夫することで中小企業や地方のメーカーでも、世界を相手にする限られた存在になることも可能だと言えます。

「デザイン経営」は本来、規模の大小や業種にほぼ関係なく、あらゆる会社で取り組むことが可能です。

パッケージングを戦略的に考えることは顧客に寄り添い、問題解決に資する力を有し、これからのコロナ禍後の社会に欠かせない視点となるでしょう。

ウィズコロナの時代には、DX「デジタルトランスフォーメーション」への対応、日本のモノづくり文化の伝承、SDGsビジネス振興の観点等、社会課題解決の手段としてデザイン思考を役立てることが必要になります。

そこではいわゆるユーザー体験「UX」が重視され、誰もがより安全で使いやすく、なじみやすいシステムが求められているのです。

「差別化は二つの問題をはらんでいる。一つは、多くの差別化が顧客の目にはどうでもいいことのように映っていること。つまり、まがいものや魅力に欠けるものと受け止められていることである。もう一つの問題は第一の問題以上に深刻なものだ。

それは、たとえ効果的な差別化を図れたとしても、競合他社に簡単に模倣されてしまうという問題である。ほかに差別化要因がなくても、卓越したサービスそのものを強力な差別化要因とすることは可能である。」

<フィリップ・コトラー>

■最後に
「パッケージング」には、マーケティングと付加価値を生み出す商品やサービスのイノベーションの発想が不可欠です。

売れるプロダクトを生み出すためには、社長としての哲学、思想、戦略、スキルを磨くことで市場を創造し、顧客が抱えている課題や欲求を有効な需要に変え、未来を作り出すことがイノベーション企業として飛躍する一手になります。

そのような際に最高の壁打ち相手となる、顧問やコンサルタントはまさに、知識や経験、技術を外部から企業価値向上を目的に実行支援することを仕事とする大事なパートナーだと言えます。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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