昨今、新しいアイデアやサービスを世の中に発信するベンチャー企業が多く生まれる一方で、ビジネスを始めるにあたり資金面だけでなく、事業の成長に欠かせない経営資源が不足しているスタートアップが多いのが現状です。
そんなベンチャー企業に対しアイデア、資金、場所、ソフトウェアなどを提供し、株式などを対価として新規事業・企業の成長をサポートする「インキュベーション」が期待されています。
そこで今回は、インキュベーションとは、起業家に顧問による成長支援が必要な訳について解説します。
■インキュベーションとは?
インキュベーションとは、新規事業の創出を目的とした創業を支援するサービス・活動のことを指します。インキュベーションの本来の意味は「卵から孵化(ふか)する」ことから、新規事業を立ち上げをサポートして成長支援をする事業を指します。
“incubation”=「孵化」から転じて、起業家志望者や設立間もないベンチャー企業に対して資金やノウハウ、活動場所などを提供して企業の育成を促進することで企業価値の創出を目指すサポートを行うという意味合いを持ちます。
■インキュベーションプログラムとは?
インキュベーションプログラムは、新規事業を立ち上げる起業家や事業会社の新規事業担当者などを対象に、リソース(お金、場所、コンサルなどの人的支援、開発やデザインなど)を提供をして新規事業の創出・立ち上げを目的としたプログラムです。
国内では、ベンチャーキャピタルが主体となり3〜6ヶ月間のインキュベーションプログラムを提供することが主流でしたが、ソフトウェア開発会社やコンサルティング会社、オープンイノベーション事業体などもプログラムの提供を進めています。
最近の傾向としては、バイオやAIといった研究開発系のスタートアップを育てるために大学がインキュベーション支援をしている事例も増えています。
■インキュベーターとは?
インキュベーターとは、元々は英語で「生まれたばかりの乳幼児を育てる保育器」を意味しますが、そこから派生して「新しいビジネスの起業家やベンチャー企業を支援する団体、組織」を指します。
起業家やベンチャー企業が新しいビジネスを始める際に、ハードとソフトの両面において様々な不足を補って成長をサポートするのがインキュベーターです。
インキュベーターの大事な役割としては、経営全般へのアドバイスがあります。新しいビジネスの実現と成長のためには、経営の実務としてマーケティングや資金調達、リクルーティングなどが必要となり、インキュベーターの専門家によるアドバイスを受けられます。
また、日本では国や自治体、公益団体の企業支援政策の一環として行われることが多いですが、学生や教職員を対象としたインキュベーションセンターを設置する大学も増えて来ています。
これは大学法人の独立採算制への移行に伴い、新たな財源としてベンチャー企業への投資を活性化する、財務運営の自立を目指す動きになります。また、産学連携や、民間・大学・自治体による産官学連携によるインキュベーション事業も存在しています。
■海外のインキュベーター
海外では、アメリカのシリコンバレーを中心としたベンチャーキャピタルが起業家やベンチャービジネスに多大な影響と成果をもたらしています。
これらの組織では、多数のベンチャー企業の中から選考をし、選ばれた企業の製品やサービスと経営体制を磨き上げて、投資家らからの資金調達までを可能とします。
国内のインキュベーターと違って、ベンチャーキャピタルや投資家と連携した体制があることや、ベンチャーキャピタルが新しい企業の一部の株式を取得することで、キャピタルゲインによって収益を図る点が特徴です。
海外でインキュベーターとして仕事をしている人は、たいてい実際に起業を経験した人か、あるいは大企業で新規事業の立ち上げを経験した人になります。日本のVCの多くは金融系の会社から派生しており、その社員も元金融マンや銀行からの出向、あるいは新卒入社などで、起業や事業経験のない人が多いのが現状です。
■アクセラレーターとの違い
インキュベーターとアクセラレーター最大の違いの1つは、それぞれのプログラムの仕組みです。アクセラレータープログラムは大抵、期間があらかじめ設定されています。
個々の企業が数週間から数ヵ月かけてメンターのグループと協力し、自分たちのビジネスを構築して、そのプロセスで生じる問題に対処します。アメリカで最もよく知られているアクセラレーターには、Y CombinatorやTechstars、The Branderyなどが挙げられるます。
アクセラレーターのプログラムは応募プロセスから始まるのが一般的ですが、トップレベルのプログラムは通常、選考が非常に厳しいです。Y Combinatorが受け取る応募のうち、認められるのは約2%程度に過ぎません。
Techstarsは、約1000件の応募から10件の枠が決まっており、選ばれるハードルが非常に高いです。
参加する会社は、少しの株式と引き替えに、少額のシード投資と、大規模なメンターネットワークへのアクセスを与えられます。このメンターネットワークは、通常はスタートアップの幹部や外部の投資家から構成されており、多くの場合、有望な会社にとってはお金以上に価値あるものとなります。
スタートアップ専門のインキュベーターは、アクセラレーターに参加する会社よりも若い段階にある会社を対象とし、決まったスケジュールでは活動していません。
アクセラレーターを、若い植物が成長に最適な条件を得られる温室にたとえるとしたら、インキュベーターは、発芽と成長に最適な土壌が用意されている高品質の種子を育てる形になります。
■インキュベーターとアクセラレーターの歴史的経緯
インキュベーターの起源は、1959 年にニューヨーク州西部の都市バタビア(Batavia)に設立された BataviaIndustrial Center です。
当時同市最大の企業であった米農耕用トラクター大手 Massey Ferguson 社の工場跡地をその閉鎖に伴い買い上げた元ハードウェアストアのマネージャーJoe Mancuso 氏は、失業率が20%に達していた同市の経済発展を促進する意図がありました。
同施設のワークスペースを分割してワイナリー事業者や公益財団、養鶏業者など多数の小規模事業者を対象に短期契約で貸与し、共有オフィス設備のほか、ビジネスに関する助言、秘書サービス、資金調達の支援サービスなどを提供しました。
「インキュベーター」の名は、同施設を利用していた養鶏業者の「孵化器(インキュベーター)」からヒントを得て、Mancuso 氏が同施設をビジネス育成のためのインキュベーターと称したことから来ています。
■起業家のエコシステムがあるアメリカ
米国では、スタートアップが新規雇用の創出に大きく貢献していることは良く知られています。
米国の雇用創出に関して広範な調査を行っているカウフマン財団(Kauffman Foundation)によると、過去 30 年間において創設1年未満の企業により創出された雇用数は毎年平均150万件で、既存企業が雇用を減らしています。
一方、スタートアップはリーマンショック後の経済危機下においても雇用を継続的に創出し続けている状況を明らかにした上で、「スタートアップなくして雇用の純増及び経済の好循環は存在し得ない」と指摘しています。
Plug and Play Japan 社の代表取締役である Phillip Seiji Vincent 氏は、「日本にはスタートアップエコシステムが確立されていない。
スタートアップの数も少ないが、その多くは国内/地域市場に閉じており、スタートアップが政府による支援を十分に受けられていないことや大学から起業家が生まれていないこと、企業パートナー又は投資家が十分にいないことなども影響している」と述べています。
■まとめ
日本では投資先となるスタートアップの数が足りない状況にあることが指摘されています。
米国のメディアでは、日本で起業家やスタートアップがなかなか育たない背景には、大企業や公的機関における安定と終身雇用を重視するリスク回避志向が主な原因の一つであると言われています。
アメリカでは、新たにスタートアップスタジオという起業家支援組織が登場しており、「経営資源」=「人・物・金・情報・技術」という人的リソース提供するプロ集団が活躍しています。
スタートアップスタジオは、従来のVCとはポジショニングが異なり、資金調達の実行支援を行うだけに留まりません。
日本におけるインキュベーションの問題点として「ハコモノ」的に安価に場所を提供する支援は比較的充実しているのに対し、経営支援や商品開発支援、販路開拓支援といったソフト面での支援が脆弱といわれ、日本のベンチャー企業が成功しにくい原因になっているという指摘もあります。
■最後に
アイデアがあっても、「サービス開発」ができない。起業したいけれど「組織運営」に自信がない。新規サービスを作ったが「資金調達」が上手く行かない。というベンチャービジネスの世界では良くある話です。
また、起業家1人の力でスタートアップをスケールさせ、成功させるためには、相当な困難が伴います。
そこには、新規事業立ち上げ、マーケティング、セールス、エンジニア、ファイナンスなど、様々な業界で専門知識を持つプロ人材が必要になります。
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また、起業家の要望や成長フェイズに応じてファイナンスの支援が可能なCXO人材のアサインや資金使途を外部から定期的にチェックする社外取締役の採用などにも深く関わるのが特徴です。
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