ハッカソンとは?アイデアソンとは?両者の違いとメリットとは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

ハッカソン・アイデアソンはもともとIT系のテーマが主流でしたが、今では地域の課題解決など地方創生につながるテーマの事例も増えており、多くのジャンルで注目を集めています。

フリーランスのコンサルタントにとっては、イノベーションの現場を体験できる機会になります。ですが、ハッカソンとアイデアソンの違いが良く分からないという方も多いです。そこで今回は、ハッカソン・アイデアソン・メイカソンの定義やメリットを解説します。

■ハッカソンとは?
ハッカソン(Hackathon)とは、ITなどの技術を駆使するという意味の「ハック(Hack)」と「マラソン(Marathon)」を組み合わせた造語になります。プログラマーや設計者などのソフトウェア開発の関係者がチームを組み、 短期間に集中的にシステム開発作業を成果を競い合うイベントのことです。

IT技術者がチームを組み、与えられたテーマに対して、定められた期間に集中的にソフトウェアやサービスを開発し、アイデアの斬新さや技術の優秀さなどを競い合います。通常は1日から数日の期間で開催され、ハックデイ(Hackday)、ハックフェスト(Hackfest)などと呼ばれることもあります。

企業内で行なわれるクローズドなハッカソンもあれば、オープンなイベントとして参加者を募るハッカソンもあります。主にエンジニア、デザイナー、プランナー、マーケターなどがチームを作り、与えられたテーマに対し、それぞれの技術やアイデアを持ち寄り、短期間(1日~1週間程度)に集中してサービスやシステム、アプリケーションなどを開発し、成果を競う開発イベントの一種を指します。

ハッカソンという言葉は、アメリカのIT企業、サン・マイクロシステムズなどによって考え出されたと言われています。2000年代半ばごろから、アメリカの企業やベンチャーキャピタルなどが、これまでにない新しくイノベーティブなソフトウェアやサービスの開発、魅力的な投資先の発見を目的として、こぞって開催するようになりました。

FacebookやGoogleなどのように、新事業創出の観点から社内ハッカソンを行う企業も海外には数多くあります。Facebookの「いいね!」ボタンは、ハッカソンからアイデアが生まれたものとして知られています。

■ハッカソンという定義と3つのポイント
IT企業がハッカソンを主催する目的は多々ありますが、新しいサービスや機能に関するアイデアやヒントを発掘できることが大きな目的としてあります。

1、チームを編成する。
開発自体はひとりでもできますが、ハッカソンでは原則として複数のメンバーでチームを組むのがルール。他の技術者と共同開発する機会を提供する、という目的のハッカソンも多くあります。

2、制限時間がある。
ハッカソンはその名の通り、マラソンのように制限時間が決まっているのが特徴です(長期のものになると期間が1週間というハッカソンもあります!)。

つまり、ハッカソンで成果を出すには、集中して決められた時間内に開発するスキルが必要。そのため学生のスキルアップや企業研修として用いられるケースもあります。

3、成果を競い合う。
ハッカソンは単なるワークショップと違って、チームごとに成果を競い合うのが一般的です。優れた成果に対しては、実用化されたり賞金が出たりする事例もあります。ハッカソンでは、競い合うことでより優れたアイデアや製品を生み出す効果もあります。

企業にとって、イノベーションの重要性はわかっていても、新しい発想を自社の通常業務内だけで生み出し続けることは簡単ではありません。

このため、外部のアイデアを取り込むオープンイノベーションの重要性が注目されていますが、ハッカソンは、企業が公募イベントのような感覚で比較的簡単に取り組めるオープンイノベーションの一手法としても期待されています。

■ハッカソンに参加する3つのメリット
ハッカソンやアイデアソンが人気を集めているのは、もちろん多くのメリットがあるから。ハッカソン・アイデアソンの代表的なメリットをご紹介します。

1、ゼロからプロダクトを制作する経験が得られる
普段のエンジニアリングの仕事で、ひとつのものをゼロから完成まで作りきることは、なかなか経験できないものです。規模が大きくて部分的な作業しかできていなかったり、そもそも新規案件ではなくて既存のプログラムの修正や改良だったりすることが大半です。

多くのハッカソンでは「定められた期間中に、お題に沿ったプログラムやアプリケーションを仕上げる」ところまでがゴールとして設定されていて、チームの人数は1人から6人くらいまでが一般的です。

参加したメンバーが「自分の手でゼロから作り上げた!」という達成感を味わえるのがハッカソンの醍醐味になります。「これは僕が作りました」と言えるポートフォリオ(制作実績)を作れる点でも、エンジニアにとって貴重な機会になります。

2、参加者同士の交流・チームワーク育成
一般的なハッカソンでは、プログラミング以外にも企画やデザイン、プレゼンテーションなど、ものづくりに必要な一連の流れについて、自分たちでひとつひとつ考えなければなりません。

ハッカソン・アイデアソンではチームで共同作業をします。ハッカソンでは普段の開発とは違う技術者同士の交流につながる効果があるほか、スキルアップが目指せたりチームワークの育成につながったりするメリットもあります。

周辺の仕事の仕方を理解することは、普段の仕事でも大いに役立つはずです。周りに何か作業をお願いする際に、相手がやりやすいような要件の伝え方ができるようになれば、お互いの作業効率も上がることに繋がります。

3、オープンイノベーションにつながる
自前の技術だけではなく、他の企業や団体とコラボレーションすることで新しいものを生み出すのが、オープンイノベーション。ハッカソンやアイデアソンなら、短期間で気軽にさまざまな立場の人たちと共創する経験が持てるため、オープンイノベーションにつながりやすいメリットもあります。

オープンイノベーションを目指したハッカソンでよく使われるのがAPI(Application Programming Interface)。自社技術を外部でも使えるようにAPIを公開してハッカソン・アイデアソンを実施、新しいサービスやビジネスにつなげるという方法です。

最近ではIoTや人工知能、フィンテック(情報技術を駆使した金融サービスの開発)など、最新技術に取り組むようなハッカソンも増えています。

IT系以外の大企業がオープンイノベーションのトライアルとして、ハッカソンを活用する事例もあります。例えばトヨタ自動車では、2014年にアプリ開発のハッカソン「TOYOTA HackCars Days 2014」を開催。このイベントはトヨタ自動車として初めてのハッカソンです。

多彩なジャンルの人に参加してもらえるハッカソンにすることで、従来の自動車メーカーとは違う発想でアプリを開発してもらうというのがトヨタの狙いだったそうです。

■アイデアソンとは?ハッカソンとの違い
アイデアソン(Ideathon)もハッカソンとよく似ていますが、Hackの代わりに「アイデア(Idea)」と「マラソン(Marathon)」が組み合わさった造語になります。

つまり、開発ではなく商品やサービス、ビジネスモデルなどのプランニングを行なうイベント。「チームを編成する」「制限時間が決まっている」「成果を競い合う」という3つのポイントは、ハッカソンと共通しています。

もともとアイデアソンは「ハッカソンの事前準備」としての位置づけがメインでしたが、最近では単独イベントとして行なわれるケースもあります。ハッカソンと違って技術者だけではなく、さまざまな業種の人たちが参加できるのがアイデアソンです。

そのためIT系のテーマに限らず、高齢化や子育てなどの地域課題を解決するために開催されることもあります。

■メイカソンとは?
ハッカソンを「モノづくり」に応用したのが「メイカソン(Make-a-thon)」。Makeとマラソンを組み合わせた造語です。つまり、作品を時間内に作り上げるのが、メイカソンのゴールになります。

プログラミングしたものを実際にアプリとして完成させるメイカソンもあれば、3Dプリンターを使って製品のプロトタイプを作るようなメイカソンもあります。

ニーズの抽出からアイディア出しやデザインをともに行い、実際にものをつくり、プレゼンテーションします。発表するまで1日で行うものをミニメイカソンと位置付け、最大3日ほどかけて開催します。

■ハッカソンが日本に広まったきっかけ
ハッカソンは1999年頃アメリカで始まったと言われています。その後シリコンバレーのIT系ベンチャー企業を中心に流行し、世界に広がっています。

日本でハッカソン・アイデアソンが広く知られるようになったきっかけのひとつが、東日本大震災。2011年の東日本大震災発生後、有志のIT技術者が集まり「Hack for JAPAN」というコミュニティを立ち上げました。

このコミュニティでは、仙台や会津若松などの東北エリアを中心にハッカソン・アイデアソンを開催。被災地支援のために多くの技術者が集まり、さまざまなアイデアが生まれ開発が行なわれました。「Hack for Japan」以降、政府や自治体でもハッカソンやアイデアソンを取り入れる事例が増えています。

Yahoo!やNTTドコモ、リクルートといった企業も過去にハッカソン・アイデアソンを開催しています。一方、東京大学などの教育機関では、技術者育成や起業家育成のために実施する事例もあります。

日本では東日本大震災をきっかけに広まり、今では子ども向けハッカソンや禅と組み合わせたハッカソンなど、さまざまなバリエーションが登場しています。ものづくりまで行なうメイカソンというイベントも登場しています。

その他にもビジネス戦略を議論する「ストラテジアソン」(戦略のストラテジーとマラソンの造語)もあります。博報堂では、新製品の普及戦略のための「ストラテジアソンプログラム」を2015年に提供開始。今後さらに活性化する可能性もあります。

■ハッカソン・アイデアソンの具体的な進め方
ハッカソン・アイデアソンを行なうときの基本的な流れは以下の通りです。

1、チーム分け
ハッカソン・アイデアソンの大きなポイントである、チームでの共同作業。運営側がなるべく参加者のバランスを考えながらチームを編成します。

2、アイスブレイク
オープンなハッカソン・アイデアソンの場合、チームのメンバー同士が初対面ということもよくあります。そこでコミュニケーションを取りやすくするために、自己紹介をしたり簡単なゲームをするなどの「アイスブレイク」(初対面の人との緊張をほぐす効果のある手法)から始めるのが一般的です。

3、インプットセミナー
ハッカソン・アイデアソンのメインとなるテーマの理解を深めるため、主催者側からの説明を行ないます。

例えば、2017年に内閣官房内閣人事局が主催した「政策アイデアソン」では、経済産業省や農林水産省の官僚たちが現状の課題や求める成果について説明しました。

成果のミスマッチを防ぐためにも、実践する前にインプットセミナーで参加者に理解を深めるのは不可欠です。地方創生に関するアイデアソンの場合、インプットセミナーの代わりに現地を視察することもあります。

4、グループワーク
インプットセミナー後はいよいよ実践のステップ。ハッカソンの場合は、チームごとに開発に取り組みます。アイデアソンの場合はチームメンバーでアイデアを洗い出し、議論し成果として出すアイデアを絞り込みます。グループディスカッションに慣れていないメンバーが多い場合、主催者が各チームに一人メンターを用意して議論を進めやすくするケースもあります。

アイデアソンではいきなり50個や100個のアイデアから1つ選ぶとなると、確実に揉めます。そこで、アイデアを絞り込む際によく使われるのが「ハイライト法」です。

「ハイライト法」とは、全体の8割のエッセンスは全体の2割にある、という考え方のもと、徐々に絞り込んでいく手法。まず洗い出したアイデアの中から、メンバーが気になるもの(ユニーク!斬新!など)をピックアップして、記号を付けていきます。

次に記号ごとにまとめクラスター化し、重複を除いていきます。最後にクラスターごとに要素を抽出して、一つの文章にまとめてみるという手法です。プロセスが確立されているため、メンバーも合意しやすいというメリットがあります。

5、プレゼンテーション・審査
成果がまとまったら、チームごとにプレゼンテーションを行ないます。審査の結果優秀賞が表彰され、賞金がもらえる場合もあります。2015年に東京で開催されたBattleHackというイベントでは、なんと賞金1,000万円超(10万ドル)だったそうです。

■まとめ
ハッカソン・アイデアソンとは、エンジニアやクリエイターなどが集まって一定期間内に共同開発を行なうイベントのことです。IT業界のベンチャー企業を中心に広まり、現在では全国各地で開催されています。最近では、大手企業が技術開発やオープンイノベーションのためにハッカソン・アイデアソンを実施する事例も増えています。

1日から長い場合は数日の日程で開催されることがあり、 参加者は、個人で作業をする場合もあれば、 目標に対してチームを作って作業を行う場合もあります。

また、実際に使用されることを目的としたソフトウェアの開発や改善を行う場合だけでなく、 特定のプログラミング言語やテーマに沿って教育、 学習や普及促進を目的に実施されることもあります。

短期間集中してプログラミングに取り組むハッカソンは、自分の幅を広げる絶好の機会です。モノ作りの過程で他のメンバーから刺激を受けたり、新たな発見をしたりすることができます。

コンサルタントにとっては、アイデアソンやストラテジアソンなどは参加しやすいかもしれません。さまざまな人と共同作業や、オープンイノベーションを体験できる機会になりますので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

■最後に
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本田季伸のプロフィール

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