資金調達ができる事業計画とは?財務顧問が資金調達に有効な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

起業家として独立しスタートアップを最速で成功させるためには、質の高い事業計画書を作成することが欠かせません。その際、創業期の早い段階で投資家という賛同者を得て、全力疾走しながら方向修正していくことが非常に重要になります。

ですが、日本の場合には、ゼロから創業し株式公開を果たしたオーナー経営者は限られており、アメリカの一流の成功者たちとは大きく異なり、自らの成功を分かち合い若い起業家を応援しようとする投資家が少ないのが現状です。

今回は、そのような状況を踏まえ、資金調達ができる事業計画と財務顧問が資金調達に有効な訳について解説します。

■ファイナンス方法により異なる事業計画書が必要な理由とは?
スタートアップ企業が銀行融資による資金調達や助成金や補助金の申請を行う際には、事業計画書をゼロから作るのでなく、「テンプレート」を使うことです。

その理由としては、創業期の銀行融資を始めて受ける場合には、簡易的な事業計画書のフォーマットの内容が予め決まっており、必要項目に沿って重要事項を埋めてい行けば、審査の通過率が圧倒的に高くなるからです。

ただし、ファイナンスに必要な事業計画書のテンプレートの項目は、資金調達の方法や事業ステージによってもも必要な要素が異なります。創業時の政府系銀行からの融資であれば、正直に言って審査が甘いので他の会社の経営者が書いた事業計画書をそのまま真似をしても融資が決裁されることが良くあります。

なぜなら、銀行の担当者は、革新的なビジネスよりも安全で確実性の高い事業を好むため、銀行融資に必要なビジネスプランとしては、その事業の差別化優位性よりも数値計画を重視する傾向が強いからです。つまり、「定期的に融資の返済をすることができるか?」90%判断しているのです。

■銀行からの億単位の借り入れが難しい訳とは?
銀行融資は、「デットファイナンス」と呼ばれてますが、ビジネスプランの内容よりも、3年間の売上予測や初年度の必経費等を月単位で書くことが大切になりますで、ビジネスモデルの良し悪しはあまり関係が無く、銀行マンがCVに提示するような事業計画おを見ても判断が出来ないのです。

銀行からデットファイナンスを受ける一般的な中小企業の場合には、短期間で事業が大きくスケールアウトすることを前提としていないため、毎月コンスタントに売り上げを上げて、利益の中から少しずつ返済してくれれば、競合会社が沢山あっても全く問題にしないのです。

このような事実があるため、インターネット領域で株式公開を目標にしているスタートアップの場合でも、もちろん銀行から創業期に1000万円程度の融資を受けることは非常に可能ですが、メガバンクからプロパー融資で創業時に億単位の融資を受けることは100%不可能だと言えます。

その理由としては、創業当初のスタートアップの事業計画は、設立から数年は先行投資期間にあたるため、数年の間は利益が出ないことが当たり前なので、毎月確実に元金と利子を返済を必要とする銀行融資とは、そもそもの取り扱いが異なるからです。

自身でも何度も経験がありますが、銀行融資の際に数億の融資の申し込みをしても、最初の段階でほぼ話すら聞き入れて貰えません。ですので、数年は赤字で数年後に一気に売上が上がる事業計画書を一生懸命に作り上げて提出しても審査が通過する可能性は非常に低くなります。

■ベンチャーキャピタルやCVCからの資金調達方法とは?
そのような際に起業家の味方になるのは、ベンチャーキャピタルという存在になります。ファンドの規模にもよりますが、VCは数十億から数百億の投資資金を外部から調達して運用しており未公開企業への株式投資を専門に活動しています。

ですが、ベンチャーキャピタルには、毎日沢山の事業計画書が送られて来るので一般的な中小企業では難易度が高いと言えます。

それゆえ、ベンチャーキャピタルに銀行融資と同様に他社と同じようなビジネスプランを提出してもほとんど意味が無く、投資が実行されることはまずありません。

そのため、株式公開を前提にとして第三者割当増資を行いベンチャーキャピタルやCVCから第三者割当増資を行う際には、銀行融資に必要な事業計画書とは、その記載方法と求められる必要項目が全く異なります。

株式公開を目標にするスタートアップの起業家にとって事業計画書の作成が必要となるシーンとしては、新株式を発行し個人投資家、VC、CVC、事業会社などの投資家から多額の出資をして貰う際になります。

この際、最初のステップとしては投資家や出資するかどうかの判断材料としては、「サマリー」に目を通す形になります。「サマリー」は、プレゼンテーションに必要な事業計画の項目を吟味した要約版にあたります。

この「ピッチ資料」の内容で投資を実行するか否かの判断を下されてしまう可能性が高いため、この資料の作成がウエイトがとても大きいと言えます。最初の段階で秘密保持に含まれるような極秘情報は提出しません。

それよりもビジネスモデルが将来性がしっかり伝わるようなシンプルな資料として仕上げ、投資家を唸らせ、詳細が聞きたいと思わせる魅力的な「ピッチ資料」を用意することが最重要なテーマになるのです。

■海外のスタートアップの資金調達額が巨額になる3つの訳?
アメリカのベンチャーキャピタルから投資を受ける際には、資金調達の総額が日本の10倍~100倍以上になることが普通です。

日本では、1億の調達でも大きい方だと言われますが、同様の事業でもアメリカなら100億の調達になることが多々あります。これには大きく3つ要因があると考えられています。

1、日米の起業家精神の違い
Google、Facebook、Twitter、Uber、Netflixなど、世界でも超有名なこれらの企業は全てアメリカ発です。資金調達の金額に大きな差が生じる理由としては、個人投資家の数が日本と比べると圧倒的に異なる点が挙げられます。それは、アメリカ人の起業家やスタートアップに対する感覚の違いもありますが、国民性として「起業家精神」の高さが雲泥の違いをもたらしています。

アメリカでは50年以上前からシリコンバレーを中心に多くの起業家が生まれ、成功者がエンジェル投資家としてスタートアップに投資するというエコシステムが既に出来上がっています。

最近は日本ではIPOやM&Aで成功した若手の経営者が個人投資家になり、次世代の起業家に投資する動きは出て来ていますが海外と比べると相当に少ないです。

シリコンバレーでは、自分が創業期に投資家から投資をして貰った経験のある経営者は、その見返りに新たな起業をしたいという若い人たちに喜んで投資をする投資文化があります。

日本にも「お金は天下の回り物」という言葉がありますが、日本人の成功者には富裕層であっても社会のために寄付をする人も少なく実践者は少ないです。ですが、アメリカのエンジェル投資はまさにこのような循環でスタートアップが成り立っています。

日本人の富豪と言われる人たちは、自分自身が創業期に投資家に助けられた経験があるにも関われずベンチャーに投資することを積極的に行う人が少ないです。

もちろん人にもよりますが、日本の投資家は一般的にリスクを嫌う傾向があり、出資金額が少ない額の割に高い要求を求めるケースが多いのが現実です。このようなことが日米の起業家の数にも大きく関係しており、起業家支援に対する温度差の違いが生まれ、個人投資家のすそ野の違いが資金調達の金額や投資家の数を表していると言えます。

2、英語圏で最初からビジネスを展開する
日本のスタートアップの場合には、事業を展開する地域としては、鎖国型で日本国内のみが対象にしている会社が殆どになります。

これに対して海外のスタートアップは、基本的に英語圏でビジネスを展開することを前提としており、国を跨いで事業を推進するため、対象とするマーケットの規模が非常に大きいです。

自身の実体験で実際にあった話になりますが、アメリカで活躍している30代前半の女性のTOP講師に日本でのコンテンツ販売を持ちかけました。

そうしたところ、彼女曰く既にアメリカのみならず、英語圏の世界26国で教材をコンテンツとして販売して大成功しているので、日本での販売は興味が無いと回答されました。

つまり、「世界共通言語」である英語で記載されサービス提供が可能なECサイトであれば、英語圏が対象になるので越境ECというスキームとして英語を利用するグローバルユーザーからの流入が期待できるのです。

英語圏の教育ビジネスの市場は、少なくても日本語圏の市場の10倍以上あると言われており、英語圏は40万人で日本語圏は4万人と相関関係を示しているのです。

3、M&Aので事業を売却する起業家が多い
日本のスタートアップのエグジットと言うとIPOがほとんどですが、アメリカはM&Aがその大半を占めます。日本の場合、IPOに必要な審査基準のハードルが高く、相当な期間を要し莫大な費用も掛かり困難を極めます。

アメリカの場合、株式公開が全ではないという考えがスタートアップの起業家や中小企業の経営者にも浸透しています。

そのため、大手企業が新規事業を始める際には、後発で資金力でベンチャーの真似をするのではなく、スタートアップを高値で買収することが多く、スタートアップが開拓した新規市場を大企業の資金力を活用してさらに広げようとするのが自然な形になっています。

また、IPOによるキャピタルゲインやM&Aで莫大な利益を得たスタートアップの創業者は、新たに投資家としてVCを始めたり、連続起業家として再び起業を目指すというのは当たり前の光景になっています。

アメリカのM&A市場規模は、年間1兆ドル「日本円で100兆円」規模といわれており、今後更に伸長していくと考えられています。スタートアップのエグジットとしてもM&Aは注目を浴びており、多くの中小企業が目標としているので今後も更に加速していくと考えられます。

海外では、M&A文化が定着しているため、自身が立ち上げた事業であるという感情などに影響されず、数字だけの合理的な判断で事業承継が進むケースが多いです。

ただし、アメリカでビジネスを展開すると日本社会では考えられないほどの罰金を支払うリスクがあるので、弁護士を雇うことや海外進出の支援業者に相談するなどの対策を事前に打っておくことを強く推奨します。

■スタートアップを成功させる社長の要件
スタートアップの成功と失敗の鍵は、ほぼ社長が握っています。ですので、大きな夢があり、前向きのチャレンジだから誰でもがやってみればいい、というほど甘くありません。

以下の3つの要件を満たさなければ、社長には向いていないと断言できます。ただし、年齢、性別、学歴、単なる長期の勤務経験より、事業意欲、執念、商売センス、向上心、実行力と実績をベースに、これから何を成し遂げたかというパッションの方がはるかに重要になります。

1、新規事業立ち上げの事業意欲が非常に強く、絶対成功させたいと思える人。
2、向上心が非常に強く、自分が足りない部分を理解し真剣に補おうとする人。
3、社長が全てだと理解し、全力で使命を全うしようとする、自分に厳しい人。

スタートアップとは急成長を期待されたビジネスモデルを構築して展開する商売であり、1~2年は大赤字でもどんなに3年程度で黒字化して成長できなければ、あるいは3年目以降も開発を継続でき黒字化するまでの資金を確保できなければ、事業継続が困難になります。

どんな高邁な社会的使命があると自分では思っても、それを果たすどころかベンチャー自体の退場を余儀なくされてしまうのです。

■説得力のある事業計画書の主な記載内容とは?
説得力ある合理的な事業計画書を作成するためには、共同創業者などの創業メンバー候補と徹底した議論をすることにより、社会や顧客が抱えている課題への理解と提供するプロダクトへの考えを深めることから始まります。

それを踏まえ、初期のプロトタイプをリリースすることで仮説を構築し、実際のクライアントを想定した上でトラクションを獲得しながら検証した上で机上の空論でない客観的な視点から事業計画書を練り上げることが必要になります。

ビジネスを推進しながら見込顧客へのインタビューや顧客からの要望や具体的な課題などの客観的なデータ収集などを通じ仮説を検証します。何度も何度も仮説構築→検証→仮説修正→検証を繰り返し、全体として整合性と一貫性のある事業計画書を作成します。それゆえ、徹底した議論と詳細検討のための期間としては、初期検討開始から会社設立まで4~12ヶ月程度が必要になります。

【事業計画書に外せない10項目】
0、ビジネスプラン名
1、創業者・創業メンバー
2、事業内容・コアコンセプト
3、ビジョン・理念・目的
4、市場環境・競合について
5、競争優位性・強み・特徴
6、販売・マーケティング戦略
7、開発・生産計画、組織計画
8、想定リスク・解決策
9、売上・利益に関する計画
10、資金計画・資本政策

事業計画書を策定する際に経営者は、ビジネスアイデアやビジョン策定、組織作りなど経営において考えるべき事項が多くありますが、その中でも入念な「エクイティ・ストーリー」を作り上げることは「資金調達の要」になると言って過言ではありません。

その理由としては、「エクイティ・ストーリー」は、将来の株価を決める重要な要素であり、多くの投資家が納得し出資するメリットを感じられるものであるほど期待値が高まり、結果としてファイナンス後の株価上昇に繋がることが多いためです。

投資家の投資判断に大きく影響するポイントは、独自性、成長性、収益性の3点です。この3つを抑えてスピーディーな利益成長や事業のスケーラビリティを示しつつ、今後どのように成長していくのかを説明する必要があるのです。

「エクイティ・ストーリー」とは、会社の投資魅力を投資家に対して整理して伝えるものです。投資家の目線に合わせ、会社の特徴・強みや今後の成長戦略を説明します。

スタートアップ企業の悩みとして、人手不足や特に経営者のリソース不足、経験不足などバックアップを必要とする場面が多くあります。そのため、経験豊富な外部のプロ人材によるサポートをつけて、納得のいくエクイティ・ストーリーを作り上げましょう。

■ビジネスプラン作成時の注意点
スタートアップでは、商品の販売実績が少なくサービスの知名度も低いため、事業の意義を示すために「自社がどのような価値を顧客に提供したいのか」「どのように社会に貢献したいのか」というミッションや、「将来、会社をこんなふうにしたい」「こんな社会を実現したい」というビジョンをしっかりと定義することが重要です。

その上で、「ビジネスモデル」や「競争優位性と経営戦略」などを検討すると、説得力の高い事業計画書を作りやすくなります。

ビジネスプランが確かなものであると証明する方法としては、商品やサービスの有用性を市場や投資家に認めさせる証拠となる「エビデンス」を得ることです。

その理由としては、科学的な実験に基づく結果のデータがあることは何よりも大きな実績になるからです。また、業界のキーパーソンや権威のある人物からの推薦コメントを集めると効果的です。

特にその領域で著名かつネットワークの豊富な研究者、影響力の大きい大学の先生なども含めるとビジネスプランの説得力が増してきます。

ファインナスの活動を行う過程で新たなステークホルダーへの接触を通じて顧客やファンを獲得し、思いがけない優秀な人材の採用や信頼できるアドバイザーとしての確保、投資家からの「レファランスチェック」の依頼先確保など助けになることが多いです。

一方、起業家として独立するとそれまで心を許していたと思っていた取引相手の態度が豹変することも日常茶飯事であり、その様なショックから早く立ち直り、新しい立場で顧客ニーズの把握をしなければなりません。

また、投資家向けのプレゼンに辿りつけたとしても最初は何度も断られたりすることもあるため資金調達を途中で諦めてしまう人も多いです。

ファイナンスの打診をした結果、株式の引き受けをお断りされる数が増えてくるとマインド的に投資家とのアポイントを取ること自体、簡単ではなくなることもあります。ですが、それらを乗り越えて資金調達ができたお陰で誰もが知るような大手企業に成長し大成功を勝ち取った起業家も世界には数えられないくらい沢山います。

もちろん事業計画書を「どう書くか」以前に、そもそもどれほど凄い「ビジネスモデル」なのかが大前提になります。説得力あるエグゼクティブサマリーを書けるかどうかという観点でも、事業ドメインの確定や事業そのものコア分野を深堀させて行くことが必要になります。

単に「技術がすごい」だけではなく、「ビジネスとして勝ち続ける仕組み」や「競争優位性のある独自のソリューション」を提供していることを強調する方が大事なのです。

■トラクションの獲得が投資家の獲得に欠かせない理由?
市場性を投資家に対して証明するためは、売上の基盤となる「顧客」もしくは「見込客」を多数開拓し、予め「トラクション」をある程度獲得して置いてからファイナンスの準備を行うことがベストな方法になります。

なぜなら、世の中には、市場に出せるプロダクトやサービスを開発していたにも関わらず、投資価値を証明するために必要になる「トラクション」を獲得できていなかったために、ファイナンスが失敗に終わってしまったスタートアップ企業が沢山あるからです。

個人投資家やアーリーステージを専門に投資を行うベンチャーキャピタルの中には、「トラクション」は必要が無いというキャピタリストも稀にいますが、それは担当者の目利き力が高いかダメ元でリスクテイクをいるからだと言えます。

資金調達が不発に終わったスタートアップの多くは、顧客への導入実績や販売件数や少なく、優位性を評価するための実績となる「トラクション」を作れて無かったことです。

「トラクション」とは、車とタイヤとの関係から来ていますが、「タイヤが地面を掴むことで生み出される推進力」を意味します。「トラクション」が全く無いということは、「そもそも市場性があまり無い」か、人材がおらず営業力が乏しいか、マーケティングの取り組みが弱く、「一定数の顧客を掴めていない状態」もしくは、「今後、成長する兆しが見えない」のいずれかの状況にあると言えます。

「トラクション」が足りない際には、初期プロダクトのシステム開発が乏しい場合や営業活動などの事業開発に投資する自己資金が明らかに不足しているケースもあります。賢明な投資家ならば、これまでに投じた資金がどの程度なのか、これまでの事業の取り組み内容や事業立ち上げから経過した年数などで簡単に見破られます。

そのような場合には、資金を投下しても劇的に売上が上がる目途が少なく、株式公開を目指せるほどのマーケット無いか事業のスケールアップに必要な経営陣が未だ揃っていないということになるのです。

■資本政策を専門家に依頼する重要性とは?
資本政策とは、企業が事業遂行に必要とされる資金を調達するための施策を戦略的にいつ誰からどのような方法でどの程度の資金を調達するか立案するものであり、特に株式公開準備企業における重要なものとして位置付けられています。

ですので、株式上場を目指しているスタートアップの起業家は、投資家からファイナンスを受ける前段階で事前によくシミュレーションを重ねて、最適と思われる「資本政策」を策定する必要があります。

しかしながら、多くの起業家は、売上が上がりビジネスがうまく回り始めた後、更なる飛躍を求めてファイナンスを行う際に「資本政策」で失敗してしまうことがよくあります。

自分が立ち上げた事業を高く評価してくれる投資家に会うと舞い上がってしまい、必要以上の多くの株式を一度に発行してしまったり、明らかに不利な種類株式を発行してしまったり、優秀な人材が採用できるからと、大量のストックオプションを渡してしまったりするのです。

株式を渡すことは経営権を渡すことだと頭では理解していても、専門家による適切なアドバイスを得ないまま、感覚で行動してしまう起業家は後を絶ちません。資本政策は単なる数字の組み合わせではなく、事業計画書と税制、各種規制等を総合的に取り込み、かつ既存株主や投資家の思惑も考慮する必要があります。

このため、資本政策に関してはファイナンスを行う際の資本に対して利害関係のない専門家に相談するのがよいでしょう。

■株価算定書の必要性も考える
スタートアップが資金調達を実施する際には、資本政策に加えて「株価算定書」を作成すること効果的です。

自身でも25歳の時に使いましたが、資本政策の策定と並行して株式を評価するときは、自身で行うと信憑性に欠けるため、税理士や公認会計士やファイナンスのプロに依頼し「株価算定書」を作成するケースが一般的です。

未上場会社の株式は近似商品の価額があるわけでも市場価額があるわけでもないため、価額の透明性や客観性を確保する上で、その取引価額の評価を第三者の専門家が行うことが重要になります。

その際、デューデリジェンスを経て株価算定の評価プロセス、前提条件、評価結果を明らかにし評価した書面に専門家から印鑑も必ず押印して貰います。

「株価算定書」は、資本政策とセットで会社の価値を計算し、最終的に一株当たりの株式評価額を算定する計算書になりますが、その後のステージでの資金調達や事業承継、企業再編、M&Aといった会社が生存し続けるための重要局面で必要となる大事な書類になるのです。

■まとめ
アメリカのビジネス誌の『インク』によれば、新規事業に乗り出す前に正式なマーケットリサーチを行ったスタートアップは12%にすぎず、正式な事業計画を書いたケースも40%程度だという統計データーがあります。

また、事業計画書を作成した創業者の3分の2が、その際に作成した事業計画書は役に立たなかったと答えています。

ですが、日本でビジネスと資金調達を成功させるためには、市場の大きな構造変化を洞察力を持って捉えることが欠かせません。

市場にインパクトを与えるような大胆な事業ビジョンを描き、具体的な事業計画を作成することが絶対条件になります。強いリーダーシップで事業を立ち上げ、環境変化に合わせて適宜方向修正していく経営能力と実践的な問題解決のスキルが必要になります。

顧客の切実なニーズ、技術的な課題、業界事情などを誰よりも把握して、インパクトのある事業改革書を策定をすることがベンチャーとしての出発点になります。

そのためには、市場性の有無を様々な角度から確認に際し、顧客候補の切実なニーズをできるだけ具体的に把握し、ホットな事業機会を探索しトラクションを獲得することで事業の優位性を証明して見せることが重要です。

また、起業家としての過去、現在、未来へのストーリーがあれば、なぜその資金が必要なのか?投資家や金融機関が資金を投じなければならないのか?という理由ができるようになります。

多くの賛同者から共感を得て応援され事業資金が集めるだけではなく、会社の社会的存在意義や世の中の課題の解決策、新たな価値提示を示すことになるのです。

■最後に
第三者割当増資を行う際には、事業計画書作成して準備する以外に「資本政策」や「株価選定書」を用意した方が有利に株価交渉を進めることが可能になります。

資本政策とは、株式によって集める資本と、資本の提供者である株主の構成を計画・検討することを言います。資本政策を作成する意義としては、IPOやM&Aまでのプロセスを具体的にし、企業が確実にステップアップすることにあります。

現在、事業計画書や収支計画を含めたフォーマットや作り方の解説は世間にあふれています。しかし、いざ経営者が1人で作ろうと思うと、なかなか自力で考えを整理したり、本業で仕事が忙しい場合には、ドキュメントを作成する時間が無かったりという状況に陥りがちです。

ですが、正社員で財務担当者を置くことは費用も掛かり採用難易度が高いので、CFOとして外部のアドバイザーや財務経験の豊富な協力者がいると事業計画書の質も上がり、社長の説得力も大幅に増します。

優秀なプロがいることで経営資源となる社員の採用、アドバイザー、提携先、資本、ロイヤリティーの高い顧客、サプライヤーの確保がやりやすくなることも期待できます。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、起業や創業期のシード期の起業家や中小企業の経営者に必要最低限の固定料金もしくは成果報酬型の組み合わせで様々な資金調達をサポートしています。

ファイナンスの実行支援を安心して相談や依頼することが出来るよう適正価格で対応しております。起業家や経営者自身の思いを尊重しながら、事業計画書の作成および資金調達を支援します。実施内容には大まかに以下の内容になります。

【KENJINSの資金調達支援のサービスメニュー】
・経営者の方への現状と資金調達のヒアリング
・事業内容、事業戦略、収支計画などインタビュー
・貴社事業計画書のドキュメントの内容分析
・事業計画書のベースとなる叩き台作成サポート
・経営陣、投資家候補とのディスカッション
・事業計画書、プレゼン資料の作成支援
・資本政策の策定、株価算定書の作成
・投資家(個人投資家、事業会社、投資会社)の紹介

ベンチャー企業の資金調達を成功させるためには、トラクションの獲得が重要になりますので、ファイナンスの前段階で多くの顧客候補や業界のキーパーソンに実際に会って、顧客の切実なニーズを再度自分の目でしっかり把握し、クライアントを予め開拓している状態を作り上げることを推奨しています。

ですが、大手企業の役員クラスと立場とベンチャー社長の立場では、相手の接し方もこちらから見えるものも全く変わって来ますので、「営業顧問」からの紹介による「トップダウン営業」で大手企業を開拓する手法がベストだと言えます。

また、自身が立ち上げた複数の会社での資金調達の経験からも外部のアドバイザーがいた方が遥かに良いビジネスプランが作れると断言できます。

メンターからの紹介により資金調達に欠かせないプレゼンテーションの機会が増え、クロージングの角度も圧倒的に高くなりました。

株式公開企業のオーナー経営者からのアシストにより大手企業からのファイナンスとアライアンスを同時に掴み取り、業務資本提携先の獲得に繋がったことも度々ありました。

このようなことから若手の起業家を支援することを目的に、日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、資金調達のアドバイスと実行支援を行っています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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