社内ベンチャーとは?新規事業立ち上げの成功確率を高める方法

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

企業が新しい製品や事業を創り出すことを目的に「社内ベンチャー」を立ち上げ、独立した組織運営を推進する取り組みが増えています。

社内で新しく事業を起こす「社内ベンチャー制度」を導入している企業がありますが、実際は失敗に終わるケースが多く、損失を出してしまうことが多いのが現状です。

完全に独立することは、大きなリスクがあるため、実際は手を出しづらいと感じてしまうことを回避することができるのが、「社内ベンチャー」になります。

そこで、今回は、社内ベンチャーとは何か、新規事業立ち上げの成功確率を高める方法、社内ベンチャーのメリットやデメリット、成功のポイントを解説します。

■社内ベンチャーとは?
「社内ベンチャー」とは、企業が新しい製品や事業を創り出すための独立した組織のことを意味します。この社内ベンチャーの運営担当者は、「社内起業家」とも呼ばれます。

社内ベンチャーの多くは、事業規模の大きな大手企業の新規事業開発の目的で行われます。組織の中で起業家精神を持った社員が、親会社と資本関係のある新会社の社長になり企業の資金や人材などの経営資源を活用して、運営を行います。

社内ベンチャー制度とは、企業が新事業や新製品を作り出すために独立した組織を作る仕組みです。社内ベンチャーとして独立した組織の責任者は「社内起業家」として活動することになります。

主に資金を多く所有する大手企業に導入されています。社内ベンチャーの多くは、自社内で新規事業の事業計画案の公募を募り、応募されたものから企業にとって将来性のあるものを選び、経済支援やノウハウを提供するのが一般的です。

社内ベンチャー制度を導入している企業では、新規事業への進出や人材育成、資産の有効活用などを目的として、社員が自主的に新規事業を行うという形で運営され、それに対し上層部が全面サポートするといった体制が敷かれています。

■ベンチャー企業とは?
社内ベンチャーの基本となる「ベンチャー企業」の定義を、今一度振り返ってみましょう。ベンチャー「venture」とは、冒険・冒険的な企てという意味の英語です。

その名の通り、ベンチャー企業は冒険的でクリエイティブな独自の製品や事業を創り出し、新規にビジネスを展開する中小企業の事を指します。

明確な定義はありませんが、一般的には「設立から年数が経って居ない若い会社」や「IT関連などの新しいサービスを展開している」などの特徴も併せ持っています。

■新規事業立ち上げに関する意識調査
経済産業省による「新規事業に関する調査 報告書」では、「コーポレートベンチャリング」(=社内外のベンチャー企業活用)を重視している国内の大企業・中堅企業のうち、6割以上が社内ベンチャーをコーポレートベンチャリングの手法として重視していると回答しています。

さらに、平成24年度総合調査研究(新規事業創出支援に関する実態調査)では、国内の主要証券取引所の上場企業と大事業を中心に社内ベンチャーの取組みについてアンケート調査しました。

その結果、新事業提案制度・社内ベンチャー制度の実施状況は、「制度はないが、関心はある」が最も多く6割弱となっています。

■社内ベンチャー立ち上げの二つのパターン
多くの会社で生まれている社内ベンチャーの例を見てみると、その事業内容は主軸とする事業に関連するものもあれば、既存事業からかけ離れた新規分野事業まで多岐に渡っています。

新規事業の立ち上げ方も、様々です。

経営者自身もしくは経営者から命じられて新規事業を立案していく「トップダウン型」と、リクルートグループのように事業のテーマを社内公募して社内ベンチャー立ち上げに力を入れる「ボトムアップ型」の二種類に分かれることが多いです。

社内ベンチャーは、トップダウンもしくはボトムアップで立ち上がります。それぞれのケースを詳しく見てみましょう。

1、トップダウン
社内ベンチャーなどの新規事業を立ち上げる際には、経営者自身もしくは経営者から命じられた「事業開発部」「新規事業部門」などの組織が主導するケースが多く見られます。

テーマはトップから与えられ、組織のメンバーはそのテーマに沿ったビジネスモデルの構築を行います。

ただし、トップがテーマを設定する場合には、現場や市場のニーズとかけ離れたものにならない事が重要です。そのためには、事業を運営する組織や現場のスタッフとのコミュニケーションが必要不可欠です。

2、ボトムアップ
社内ベンチャー制度が整っている企業では、ボトムアップ型で社内ベンチャーが発足するケースも多くあります。

事業のテーマを社内公募したり、最近では「社内ベンチャー制度」などを立ち上げ、ボトムアップでの社内ベンチャー立ち上げに力を入れる企業も増えてきました。

事業のテーマを社内公募し、社内ベンチャーに興味のある社員がプランを提出したり、プレゼンしたりするのです。集まったプランの中から、企業にとって有益になりそうなもの、将来性が見込めるものを選定し事業化します。

このような制度を導入する事で、企業は新規事業の可能性を広げられるだけではなく、社内人材の育成や、企業文化をより良いものにする事ができます。

■社内ベンチャーを立ち上げる目的
それでは、企業はどのような目的で社内ベンチャーを立ち上げるのでしょうか。主な目的は、以下のような点が挙げられます。

・新規事業に進出し、売り上げや利益を得る
・資産の有効活用
・プロジェクトメンバーの人材育成
・ポジティブな企業文化の醸成

これらの目的は、企業側にとっての社内ベンチャー立ち上げのメリットとも言い換えられます。

★社内ベンチャーのメリット
社内ベンチャーを立ち上げる事で、どのようなメリットがあるのでしょうか。企業側・運営側、両方の視点から見てみましょう。

■企業側のメリット
まずは、企業側から見た社内ベンチャーのメリットです。

1、新規事業へ進出でき、新たな収益源を得られる
新規事業を生み出す土壌ができる事で、企業の新たな収益源を得る可能性が増えます。社内ベンチャーのは事業拡大の手段とも言えます。

社内ベンチャーで生み出す新規事業は、既存事業・本業の延長戦にある分野のもの、もしくは本業とは全く関係のない新しい分野の、二通りがあります。

2、ポジティブな企業文化を醸成できる
公に社内ベンチャー制度を掲げたり、社内ベンチャーをバックアップする事により、ポジティブな企業文化を醸成する事ができます。

また、社内ベンチャーに参画していない他の社員への刺激になり、本業にもポジティブな影響があります。起業精神を持った優秀な人材の発掘や、本業では見えなかった隠れた才能を発掘する事もできます。

3、優秀な人材を育てる事ができる
社内ベンチャーを運営する上で一番のメリットは、優秀な人材を育てる事ができる点にあると言えます。

社内ベンチャーで本業を離れた人材は、本業では得られない貴重な経験を積む事ができます。その人材が戻ってきた時に、企業は新たな恩恵を受ける事ができるのです。

近年では、多様性、つまりダイバーシティも叫ばれています。ビジネスシーンも急速に変化し、多様性の求められるこの時代に、最適な人材を育てる事ができます。

特に大手企業では企業内で埋没してしまうかもしれない優秀な人材に対して、成長の機会を与えます。今まで見えていなかった才能が発揮されるかもしれません。

さらに、新規事業で活躍した人材が、親会社に戻った時に、その経験を活かして活躍できるチャンスでもあります。

また、社内ベンチャーへの参画は従業員にチャレンジ精神を持たせ、社内の土壌を良くする雰囲気が生まれます。事業や会社に対して前向きな姿勢になり、離職率の低下にもつながると考えられます。

■運営側のメリット
実際に社内ベンチャーを運用する側には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1、本業の名前を使って運営できる
これは社内ベンチャーを運営するにあたり賛否両論ある問題ではありますが、本業のブランド力を使って運営できるため、信用を得るところから始める必要がありません。スタートアップ企業などと比べて、有利に経営する事ができます。

通常、立ち上げたばかりのスタートアップやベンチャー企業では信用を得ることが難しいという点が課題となっています。

しかし、親会社の名前が対外的に信用されている名前であれば、ベンチャーであっても信用されやすくなるのです。様々なターゲットに対してアプローチをかけられることで、新規事業の認知を上げやすくなります。

2、資金援助を受けながら運営できる
本業の企業から資金援助を受けながら運営できるので、自身の資産を投資するなどの必要がありません。また、スタッフも給与を貰いながら事業を進められるので、生活のリスクが伴う事もありません。

独立してベンチャーを立ち上げようと思うと、まず資金や開発に必要なリソースなどの準備が大変です。

しかし、社内ベンチャーであれば、あらかじめ資金や人材、必要な経営資源が用意されています。子会社として独立したとしても、親会社の資本金が多いと、資金を調達するのも容易になります。

また、子会社化するまでは従業員は親会社の所属になります。給与の支払いなどの面でも苦労せずに新規事業の開発に携わることができます。

★社内ベンチャーのデメリット
社内ベンチャーのデメリットにはどのような点があるのでしょうか。こちらも、企業側・運営側、双方の視点で見てみましょう。

■企業側のデメリット
企業側から見た社内ベンチャーのデメリットです。

1、成功率が低い
一般的に社内ベンチャーは難航し、成功の確率が低いとされています。

多くの資金や人材を投資することになりますが、実際に事業を起こしても思うように長続きせず、事業立ち上げに失敗し収益を生むまでに到達しないため事業撤退が多く、最悪の場合だと倒産してしまうというケースもあります。

2、失敗した場合のリスクが大きい
社内ベンチャーは、資金的にも人材的にもそれなりの投資が必要です。

しかし、先ほども触れたように成功率は低く、失敗した際にはそれが損失となります。100%子会社が倒産してしまうと損失も大きくなってしまい、親会社の利益減少につながるかもしれません。

■運営側のデメリット
社内ベンチャーの運営側のデメリットは、以下のような点が挙げられます。

1、短期間での成果を期待される
社内ベンチャーは、企業側から短期間での成果を求められがちです。様々なスタートアップ企業が立ち上がり、急成長を遂げてゆく中で、社内とは言えベンチャー企業がゆっくりと成長していては競合他者に追い抜かれてしまいます。

企業側は資金や人材などを支援しているので、それに見合ったスピードの成果を求められます。

2、失敗しても逃げ道があるため、事業にかける熱量が不足しがち
メリットでも触れましたが、運営側のスタッフは基本的に給与をもらいながら運営を行っています。

また、元の企業に籍が残っており、プロジェクトが終われば戻るという約束になっている場合も多いでしょう。

つまり、失敗しても「逃げ道」「戻る場所」があるという事です。しかし、スタートアップのように自身の資金を投資し、生活リスクも抱えた組織と比較すると、成功への熱量が不足しがちなのは否めません。

3、組織の柔軟性がほとんど無い
事業を実現するまでの過程で、組織の柔軟性が求められます。
ベンチャー企業の特徴として短期間での成功を目指すスピード感が挙げられます。

大企業のように組織が大きすぎると意思決定に時間がかかってしまい、社内ベンチャーといってもスピード感のない事業となってしまいます。

新規事業を開始する時に、組織内での調整が多すぎては競合他社よりも出遅れてしまうパターンも非常に多いです。

★スタートアップと社内ベンチャーの大きな違い
近年頻繁に使われるようになった「スタートアップ」という言葉です。

これと社内ベンチャーとは、どのような違いがあるのでしょうか。社内ベンチャーは「新しい事業を成し遂げたいという情熱がある企業(人)」が社内ベンチャーを利用するべきです。

その理由としては、事業に対する情熱がなければ、社内ベンチャーで成功するのは難しく、失敗に終わってしまうことが多いからです。

■スタートアップとは?
「スタートアップ」とは、既存にとらわれない新しいビジネスモデルを創出し、短期間で急速に成長して上場などを目指す企業を指します。

一部では、「ベンチャー企業」の事を、近年米国から入って来た「スタートアップ」という言葉に言い換えたもの、と解釈されているケースも見受けられます。

しかし、「ベンチャー企業」と「スタートアップ」は、「全く新しいビジネスモデルなのか」「急速に成長しているのか」という点に違いがあると言えます。

1、スタートアップの特徴
・自身の資産を投資し、リスクを抱えながら運営する
・信用の無い状態からスタートする
・失敗すると生活のリスクが伴うため、事業にかける熱量が高い
・少人数で行う場合が多く、意思決定がスムーズ

2、社内ベンチャーの特徴
・基本的に、会社から給与を貰いながら運営する
・企業の名前を表に出せば、信用を得られる
・失敗しても逃げ道があるため、事業にかける熱量が不足しがち
・大きな組織の中で行うため、意思決定に時間がかかる場合も多い

■社内ベンチャーを推進するための7つのポイント
それでは、実際に社内ベンチャーを推進する上で、どのような点に気をつければ良いのかを見てみましょう。

1、「チーム」で新規事業経験を積む
全く新しいビジネスを始める時には、仮説と検証、トライ&エラーを繰り返して方向性を見つけていきます。

社内ベンチャーでも、事業立ち上げの全てを一緒に経験する「チーム」が重要です。プロジェクト毎にチームを分け、検証で失敗すると解散という状況では、学びが蓄積しません。

2、事業を行う上での基本機能を一通り組織内で持つ
社内ベンチャーを成功させるには、経理や総務を含めた「会社」としての機能を一通りもっておく事が重要です。

この部分を本社側に頼ってしまうと、本社側のルールに則って処理されるため、毎回イレギュラー対応を依頼するなど、逆に業務が煩雑になってしまいます。

3、管理業務を重視する
基本的に、ベンチャー企業に管理部門はありません。法務関連や、アルバイトの人事管理、支払いなど、様々な「管理」も運営側のスタッフが担う事になります。

初めて行う業務も多々あると思いますが、これは会社の信用を保つために非常に重要な業務です。

4、社内ベンチャーの責任者に人事権を委ねる
スタッフの評価や採用などの人事権は、社内ベンチャーの責任者に委ねる方が良いと言われています。

本社側の既存の人事制度が合わないという事もありますが、独立した組織という認識を強くする事ができるというメリットもあります。

5、ビジョン・ミッションを定義する
社内ベンチャーは企業側から早急な成果を求められがちですが、新しいビジネスであるため、そんなにうまく結果が出るとは限りません。

そんな時にメンバーの心のよりどころとなるのが「ビジョン」「ミッション」です。

このチームで絶対に成し遂げたいビジョンやミッションを明確にし、それをメンバー全員で共有しておく事が重要です。

6、「スタートアップ」と同等の覚悟が必要
先ほどメリットでも触れたように、社内ベンチャーは人材や資金面などで企業側に頼る事ができます。

また、メンバーも給与を貰いながら運営するなど、リスクがないため熱量が不足しがちです。

社内ベンチャーであっても事業者としての自覚を持ち、「スタートアップ」のように「何が何でも成し遂げる」「失敗すれば会社を去る」という覚悟を持って臨む事が重要です。それが、精神面での支えになる事もあります。

7、うまく人を使う
全て自分でやろうとせず、社内外の人を上手く使う事が重要です。

社内ベンチャーの強みは、企業から資金・人材などのサポートを受けられる事。人付き合いを大切にし、協調性を保ちながら、周りに「味方」を増やしていきましょう。

■社内ベンチャーが難航する5つの理由
一般的に社内ベンチャーは成功率が低いと言われています。その理由について探ってみましょう。

1、元の企業の名前に頼りすぎる
先ほど「メリット」で触れたように、社内ベンチャーは企業側の名前を使って信用を得る事ができます。

しかし、これが成長を阻む要因にもなります。企業の恩恵を受けリスクを負わない事で、同じように新規事業を始めたスタートアップ企業と比較して、事業に対する熱量や推進力の不足が懸念されます。

可能ならば、社内ベンチャーのメンバーは企業から籍を抜き、覚悟を持って取り組む事も必要です。

2、人的リソースが足りていない
これは、人材の数のみならず、その人材の事業にかける情熱も足りていないという事です。成功するかどうか分からない新規事業に、十分な数の人材を送りだすことができる企業ばかりではありません。

そして、社内ベンチャーへの参画を任命された人材は、それほど事業に対する情熱がない場合もあります。

先ほども触れたように、競合となるスタートアップ企業は自身の生活をかけて急速に成長します。社会ベンチャーとは言え、運営するスタッフ全員に、同じような情熱が必要なのです。

3、組織が大きく、意思決定に時間がかかる
社内ベンチャーは、あくまでも「社内」であるため、組織に属しています。そのため、最終的な意思決定は企業側の承認が必要な場合も多いでしょう。

また、企業側の本業に影響のある動きができないなど、何らかのしがらみや制約も出てきます。これらが、社内ベンチャーの成長を阻害する要因にも成り得ます。

4、社内の強力を得られない
社内ベンチャーの事業を進める上で、本業の手助けが必要な部分も出てきます。

その部分については、企業側に協力依頼をしますが、社内ベンチャーに参画していないスタッフがその業務を手伝うメリットが少なく、本業も忙しいため後回しにされる事も多いでしょう。

事前に、企業内での根回しや、企業側に協力要請する際のルール作り、外部への依頼の可能性なども探っておく必要があります。

5、新規事業を立ち上げる情熱が足りない
基本的に社内ベンチャーは、スタートアップ企業に比べてリスクが圧倒的に低いです。

親会社の資金や知名度を受けることができる社内ベンチャーと自身の資産や信用が無い状態から始めるスタートアップ企業ではリスクのレベルが大きく違います。

そこで生まれてくる差が、事業にかける熱量であり、情熱なのです。

スタートアップにチャレンジする起業家は、大きなリスクを背負っている分、全てを賭け自ら立ち上げた事業に全身全霊を傾け、情熱をもって事業にトライします。

だからこそ、そんなスタートアップの起業家とも戦わないといけないのが、社内ベンチャーとらるため、成功するためには、スタートアップ企業と同じような夢とアイデア、そして困難に挑む情熱が必要なのです。

★社内ベンチャー抑えておきたい2つの最重要事項

1、イノベーションのジレンマを乗り越える
社内ベンチャーに失敗事例が多い理由として挙げられるのが「イノベーションのジレンマ」です。

イノベーションのジレンマとは、既存事業に固執することです。その結果、他の新企業などとの競争スピードに勝つことができず、シェアを失うという結果を招いてしまいます。

社内ベンチャーも組織の一端であることから、既存事業に引っ張られやすい傾向があり、イノベーションのジレンマに陥り、社内ベンチャーが失敗に終わることがあるのです。

このことから、社内ベンチャーを起こす際には、既存事業にとらわれないことが大事なのです。

2、小さくても会社としての機能を自分たちですべて持つ
社内ベンチャーを成功させるためには、小さくても会社としての機能を自分たちですべて持つことが重要です。

そもそも、社内ベンチャーは新規事業を創り出すことであり、新しいビジネスモデルを創り出すことでもあるのです。

そのため、既存事業と同じオペレーションや評価基準では上手くいきません。

そこで、社内ベンチャーは、小さくても会社としての機能を自分たちですべて持つことがポイントになってくるのです。ここで言う会社としての機能とは、評価を含めた人事権や法務・財務を整えることを指しています。

それらを与え、会社としての機能をすべて持つことで、既存事業のやり方に囚われず、新しいビジネスモデルを創り出すことができ、成功しやすくなるのです。

■まとめ
社内ベンチャーとは、社内で「ベンチャー企業を作る」という試みのことです。

ベンチャー企業とは、新しいタイプの事業を軸に起業した企業のことで、IT関連企業や、それを利用した新しいサービスを提供する企業などに対してよく使われている言葉です。

既存の企業の枠組みにとらわれない自由な経営が魅力です。

社内ベンチャーには、ボトムアップとトップダウンの方式があり、特に近年では「社内ベンチャー制度」を掲げボトムアップの新規事業開発を推進する企業も増えてきました。

社内ベンチャー立ち上げは企業にとって、ポジティブな企業文化の醸成や人材育成面で様々なメリットがあるが、投資のリスクなどデメリットも存在します。

通常のベンチャー企業の場合、小さな組織であるため柔軟で意思疎通もよく、過去のしがらみにとらわれずに事業を展開することができます。

しかし、社内ベンチャーの場合、事業を開始するためには取締役などの承認を必要とすることが多く、多大な時間を要する事態が見受けられます。

さらに、自社の既存資産とのシナジーを考えて事業展開を検討してしまいがちになったり、既存事業とのカニバライゼーションを気にして、事業を発想する視点が狭くなりがちです。

ですので、会社としての機能をすべて持つことは必要ですが、一方で社内外のリソースをうまく活用することも重要になります。

達成したいビジョンとその理由を自分の言葉で語り、それに共感してくれる味方を社内で増やしながら外部にも増やすことが大切です。

なぜなら、困ったときにヒントをくれたり、アイデアを出してくれたり、資料づくりやイベント運営を手伝ってくれたりと協働できる仲間は事業化を推進する上で大きなチカラになるからです。

「自らの足で歩き、自らの目で確認しなさい。そうでなければあなたの話には重みも説得力もない。情報には鮮度がある。全ての人が良いという意見は信用できない。情報は自分の目と耳で集めろ。机の上でいくら思案しても、優れた発想は生まれない。」

<安藤百福>

■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、社内ベンチャーやスタートアップを問わず、フリーランスの顧問や副業のプロ人材による新規事業立ち上げ支援プログラムを推進しています。

具体的には、新規事業の立ち上げや革新的なプロダクト開発の知見を持つ、CINOをアサインし、イノベーションやアイデアを創発・選定し、企画案から事業化までプロジェクトを推進しています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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