CDOとは?CIOの違いとCDOの2つの意味・仕事内容と役割

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、企業がDXを推進できなかった場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとしています。

デジタルトランスフォーメーション「DX」が求められる現在、経営者がトップダウンで組織改革を進めていくために、CDOのポストを新たに設置する企業が増えています。

そこで今回、CDOとは何か、CIOの違いと、CDOには2つの異なるポジションがあり、それぞれの意味の違いと、仕事内容、役割ついて解説します。

■CDOとは?
CDOとは、英語の「Chief Digital Officer」「チーフ・デジタル・オフィサー」の略でCXOの1人になります。日本語では、「最高デジタル責任者」を意味するトップマネジメントの役職になります。

CDOは、デジタル部門の責任者として、組織のDXを推進する役割を担い、組織のDX推進を行う際に非常に重要となる、「デジタル戦略」を担うミッションがあります。

CDOには、インターネット広告を担当するような若手のプレーヤー層のデジタル人材が就任するケースもありますが、デジタル部門の責任者になるため、戦略や人材のマネジメントの能力が求められます。

経営層の一人として、企業のDX「Digital Transformation」を推進する役割を担い、ビジネスの中枢で変革を起こすデジタルシフトやITを駆使したイノベーションを起こす責務を持ったポジションになります。

デジタル部門の責任者、また経営層の一人として、企業のDX「Digital Transformation」を推進する役割を担っています。

■CDOには、2つの肩書と意味がある
CDOは、以下のように異なる2つの役職の略称になります。

・最高データ責任者:(Chief Data Officer)
・最高デジタル責任者:(Chief Digital Officer)

DがDataとDigitalの両方の頭文字なので、どちらも同じCDOになるため、略してしまうと見分けがつきません。

1、最高データ責任者
最高データ責任者の業務範囲は、以下になります。

・データマネジメントを統括
・データ品質の確保やデータ戦略の策定の責務を負う
・データ分析やビジネスインテリジェンスを統括
・データから価値のあるインサイトを引き出す

一方で最高デジタル責任者は、企業のデジタル化推進において成果を上げることが求められます。

2、最高デジタル責任者
最高デジタル責任者の業務範囲は、以下になります。

・データを活用したビジネス戦略やデジタルプロダクトの開発
・新興デジタル技術への対応と導入の検討
・ソーシャルメディア管理
・顧客接点のデジタル化の加速
・デジタルチームのマネジメント

■CDOが必要になった背景
昨今、全社的にDXを行うことを重要視する企業が増えてきています。そのためには、部門を横断的しデジタルシフトの指示を出せるCIOより強い権限を持ったリーダーが欠かせません。

企業がDX推進に舵を切る中で新たに必要になったのが、CDOというポジションです。

日本でCDOが注目され始めたのは、インターネットが登場し、SNSが普及してからのことなので、その役割や必要性について良く分からないという経営者も多いのではないでしょうか?

DXの必要性が高まっている今、これまでは順調に業績を上げていた大手企業といえども、攻めのITに転じなければ、存続が危ぶまれる企業が出始めています。

その理由としては、AmazonなどのECサイトの急成長、facebookなどのSNSの普及、コロナ禍でのテレワークの浸透やオンライン会議システムなど、デジタルを活用する動きが数年前と比べると爆発的に加速して来たからです。

ですが、社内のIT部門は、基幹系システムや情報系システムなどの社内システムの運用管理が中心で、マーケティングや営業の事業部門からの要請に協力するという受け身のITであることが多いのが実状です。

しかし、AIやRPAの導入など、この数年で企業活動の在り方は大きく変わり、インターネットやシステムを駆使した変革が必要不可欠になっています。

どの企業でも競争力を維持し向上を推進するためには、DXの推進が必要不可欠となります。

そこで重要なのが、「どのようにして自社に合ったDXを推進していくか?」ということであり、それを決定するのがCDOの役割となります。

■CIOとCDOの違い
CIOとは、英語の「Chief Information Officer」(チーフ・インフォメーション・オフィサー)の略になります。日本語では、最高情報責任者を意味します。

CIOの役割としては、あくまで社内システムの責任者として以下のミッションを遂行します。CIOに必要な経験としては、情報技術やソフトウェアなどIT関連の知識はもちろん、経営的視点やITに関する投資予算管理能力も求められます。

また、複数部門の責任者やベンダー等と渡り合い交渉や調整を行う必要があるため、ITの専門知識以上に、高い対人折衝能力が求められるポジションです。

CIOとCDOの役割の違いは、区別が曖昧になりつつありますが、CIOは企業のITセキュリティの構築や、ITシステムの改善を担当する責任者になります。

CDO:デジタルを活用したサービスの創造(攻めのIT)
CIO:デジタルを利用した自社の業務プロセス改善(守りのIT)

従来の日本企業ではIT部門が単なるコストセンターとみなされることも多く、そのトップとしてCIOを据えるのが一般的でした。

しかし、DXの重要性が増したことでIT部門の役割も見直されつつあり、近年ではCIOの代わりにCDOを置く、あるいはCIOとCDOの両方を設置する企業も増えています。

CIOとCTOの詳細については、下記を参照ください。
CIOとは?CTOとの違い・最高情報責任者CIOの仕事内容と役割

■CDOに求められる3つの役割
CDOに求められる具体的な役割には以下のようなものがあります。日本では認知も実際の設置率もまだまだ低いCDOですが、その必要性について、3つの観点から説明します。

1、デジタル技術を活用した新規ビジネスの創出
CDOは全社的なDXを推進するための責任者です。

このため、対前提としてデジタル分野の知識、少なくとも技術者と共通言語で話せるだけの知識が求められます。それに加え、他の経営幹部や技術者以外の社員に分かりやすく伝えるスキルも必要です。。

従来のデジタル化とは、あくまで既存業務をデジタル技術によって効率化・最適化していくというものでした。

ですが、これからのデジタル化とは、最新のデジタル技術を活用して新しいビジネスを創出することが求められます。

ICT活用による自社業務の最適化やリスクマネジメントなどが主だったCIOに対し、ICTを活用し新たなビジネスを創出するため自社全体に働きかけるリーダーがCDOになります。

チーフ・デジタル・オフィサーが、“攻めのCDO”と表現されるのはそのためなのです。

2、全社的に組織を横断したデータ活用
CDOには、部門横断的なDXを牽引する役目が期待されています。これは部門単位のデジタル化ではなく、組織の構造や企業文化そのものをデジタルによって変革する「企業価値の再創造」です。

CDOはそのための企画や戦略立案を行います。デジタル技術を活用し新しいビジネスを創出するためには、先進の情報システムによるデータに基づいた意志決定が必要となります。

しかし、従来の情報システム活用では、既存業務の効率化・最適化を重視していたことや機密性の確保という観点から個別の組織内で運用されていることが多く、部署を越えたデータ活用ができていないという問題がありました。

この壁を打ち破り、より自由で活発なデータ活用を促していける全社的、組織横断的な環境作りが必要な点も、CDOが求められる理由のひとつと言えます。

3、DXを力強く推進していくリーダーが必要
デジタルを活用した新規ビジネス創出、組織を横断したデータ活用など、DXを推進していくためには企業の組織改革が必要となります。

なぜなら、企業価値を再創造するほどの大掛かりな変革には社内での反発も予想されるからです。

また、販売促進のための最新オンラインサービスの活用や、顧客管理に各種のデジタルツールを導入するといった「デジタルマーケティングの推進」には、全社的な調整能力や経営側の視点が欠かせません。

最新デジタル技術を有効活用しようとすると、これまでとは業務プロセスが大きく変わり、組織全体で行っていく必要が生じてきます。

そのため、CDOは、経営幹部の一員として丁寧な情報発信や事業部門とのコミュニケーションを行うことが求められます。

これを可及的速やかに実現していくためには、社内全体の意識改革はもちろんのこと、経営サイドに強い権限をもった責任者、リーダーが不可欠です。

■日本のCDO設置率は諸外国と比べて低い理由
欧米でCDOを設置する企業が急増したのは2010年代の半ばごろからです。

これに対し日本企業のCDO設置はPwCの「2020年Chief Digital Officer(CDO)調査」によると、2016年には8%、2018年は10%、2020年には13%と他国に比べると緩やかではあるものの着実に増加しています。

2021年に日本企業と欧米企業のCDO設置率を調査したところ、以下のような結果が出ています。

・アメリカ:16.8%
・イギリス:27.4%
・ドイツ:16.4%
・日本:5.0%

CDOは世界的に見てもまだまだ歴史が浅い役職ですが、日本におけるCDO設置率や認知度は欧米諸国と比べて低いです。

ですが、日本の企業でもデジタルシフトに舵を取ることが企業の収益にどの程度のインパクトを与え、CDOの設置を行うことは、業績アップに貢献できることは明らかな時代に突入しています。

■CDOを登用しデジタルシフトの波に対応する必要性
DXを推進させ、企業風土や組織変革を推進することで、顧客満足の向上やライバル企業との競争など、社内だけではなく、社外も視野に入れている点がCIOと異なる点です。

現在、以下のようなデジタルマーケティングの手法が世界的に普及しました。

・オンラインを活用したマーケティング
・SNSを使った口コミプロモーション
・インターネット広告の運用

SNSを活用し、顧客とのタッチポイントを中心としたマーケティングに「データアナリティクス」、「デジタルを利用した事業開発力」が求められる傾向にあります。

DXを推進することは、今後企業がグローバル競争で勝ち残っていく上で必要不可欠なことと言えます。CDOは企業全体のことを考え、時には厳しい選択をトップダウンで実行できるだけの権限を持ってDXを推進します。

■まとめ
CDOは、「Chief Digital Officer」になりますが、デジタル部門の責任者として経営側の立場で、組織のDXを推進する役割を担っています。

データに基づく組織の変革やビジネスモデルの変革といった経営判断を行います。デジタル部門を率いつつ、同時に経営的視点も持っているのが「CDO」の特徴だと言えます。

新型コロナの影響で業界を問わずデジタル化やオンライン化が加速していく中、IT技術が飛躍的に進化した今日では、誰もが知る大手企業でもデジタルに特化した新興企業に脅かされるケースが増えています。

CDOに求められる最も大きな役割は、デジタル技術の活用による部門の垣根を越えた組織構造、文化の再構築、そして生まれ変わった新たな組織による新たなビジネスの創造です。

そのためには、デジタル技術に関する知識だけでなく、幅広いビジネスへの知見と経験、そしてセンスが求められます。企業のDX推進の要となるのがCDOというポジションになります。

その役割について理解を深め、適材適所の人材を置くことで、社内の業務プロセスや組織変革に着手しましょう。

「危険なのは進化しないことである。」What’s dangerous is not to evolve.

<ジェフ・ベゾス>アマゾン創業者

■最後に
DX推進のプロジェクトを担うCDOは、組織や業務の変革だけでなく、外部に向けた「新規ビジネスモデル」の作成やアイデア出しも行います。

その際にはCDO自身が持つデジタル分野の知識やスキルの活用に加え、社外の専門家などと連携して幅広いネットワークを構築することも必要です。

しかしながら、DX人材は引く手あまたの状態であり、より良い労働条件を求めて流動的になっています。そのため、高額な年収を提示し人材紹介会社を使わないと、優秀なCDOの獲得が難しい状況にあります。

そのような際の解決策となるのが、顧問契約をベースに優秀な外部パートナーにアウトソーシングする方法です。

コンサルタントにDX推進の企画を立案して貰う、社内のデータを開示して現状分析をして貰うなど、社内で対応が難しいことは外部パートナーに依頼することができます。

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また、DXの戦略策定だけでなく、新規事業の創出に必要なハンズオンを行えるデジタルに強い人材が多いのが特徴になります。

コスト面でも正社員の採用や戦略コンサルと比較するとコストパフォーマンスが圧倒的に高いため、導入しやすいという優位性があります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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