スタートアップに前年対比の営業目標設定が効果がある理由とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

スタートアップの場合、社長がエンジニア出身だったり、社内にシステム開発者が多い場合には、プロダクト開発やサービスの技術開発が先行しがちです。そのようなことから、営業戦略の立案や新規開拓の体制作りができていないベンチャー企業が多いです。

そこで今回は、スタートアップの営業マンに「前年対比」で営業目標を設定を徹底すると売上アップに繋がる理由について解説します。

「人と比較をして劣っているといっても、決して恥ずることではない。
けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。」

<松下幸之助>パナソニック創業者

スタートアップの営業マンに営業成果を上げさせるためには、会社として無理な営業ノルマを課すよりも、「前年対比」でそれぞれのセールスが自分自身で売上アップを目指すような「前年対比」による「セールスの目標設定」の仕組みを導入することです。

なぜなら、個々のセールスマンに対して前年度に自分自身が叩き出した「月間売上」を超えることを全社的な「努力目標」に設定することで、会社から強制的に売らせようとする施策と比較すると明らかに、営業マンが自分自身の意志でその数字を超えるために最善の努力を図るようになるからです。

■「前年対比」を基準とする営業目標とは?
「前年対比」を基準とする営業目標とは、個々の営業マンの前年度の売り上げをベースにし、昨年の8月の売上が1000万円ならば、1000万円の売上になったら100%と見なす営業目標になります。

例えば、月次で1200万なら前年対比120%、1500万円なら前年対比150%と換算する月単位でセールスの目標達成の手法を指します。

「前年対比」の売上は、営業マンごとに集計しますが、日本全国に営業所がある会社の場合、営業所単位、ブロック別、全社単位になります。

営業所長になると日本全国の47都道府県別に「前年対比」の売上で、所長同志や営業所間でランキングされるため、社内で効果的な売上アップの競争が起きる仕組みになります。

私自身の営業経験のストーリーをお話すると、大学時代から将来は起業家になることを漠然と描いていました。ですが、社会人経験も無い状態でいきなり会社を立ち上げるのは、流石に難しいと考えました。

また、社長になり会社経営を行うためには、「営業スキル」を身に付けることが何よりも重要だと考えていたこともあり、まずはセールスの勉強を兼ねてTVCMで良く目にしていた日本食研という大手食品メーカーに入社しました。

■日本食研で学んだ最強の提案営業スタイル
日本食研では、メーカーでありながら「直販」スタイルを徹底しており、商社や卸、問屋は一切使っていませんでした。

そのため、大卒の営業マンが1000人以上在籍しており、営業の売りのパワーが非常に強い会社でした。会社としては、創業以来、右肩上がりで成長しており、商品開発力も競争優位性の源泉になっていました。

自身がスタートアップを創業してからその凄さに改めて気付いた点は、月単位で「前年対比」で売上アップを日本全国の営業マンが日々の目標にしていたことです。

それに加え、47度道府県にある営業所単位、北海道ブロック、東北ブロック、関東ブロック、中部ブロック、近畿ブロック、中国・四国ブロック、九州ブロック、沖縄ブロックとした8区分のブロック単位でも「前年対比」売上の達成率を月次で競い合う「営業文化」が組織内に完璧に根付いていていたことです。

営業マン当時、朝から夕方まで「コンサルティング営業」に取り組み、「提案営業型」で担当エリアのクライアントの元に走り周り、1日10件~20件の商談を実施していました。営業所の営業マンごとに担当エリアが細かくセグメントされていたので数多くの会社を訪問することが出来たのです。

その後、毎日、商談報告に近い「営業日報」をクライアント別に書き上げていました。食品メーカーの場合、納期が需要になりますので、自社工場から商品を直送するために必要な受注した伝票処理も欠かさず行いました。

■営業会議の重要性
その上でどんなに疲れて帰った日でも毎日必ず、「営業会議」を開催するのが当たり前になっていました。

更にその日の自分の売上を個別に集計するだけでなく、個々の売上推移のグラフを全員が把することが出来るように毎日の「数値を見える化」を徹底していました。

テレビドラマで営業が厳しい会社の風景として描かれる光景のように、営業所単位で大きな模造紙で営業活動の推移を月次で作成し、この模造を目立つ場所に壁に貼り付けていました。

売上実績のグラフに毎日の売上集計を自ら書き込むことで、営業マンが月単位で前年度の自分の売上を超えることが当たり前になっていました。

日本食研では、前年対比以外にも下記のような売れる仕組みが出来ていました。

1、「多品種大量生産」の商品開発体制
2、問屋や卸が介在しない「直販体制」
3、商品は「工場直送」で配達する仕組み
4、営業マンに「相撲の番付表」を導入
5、顧客別の販売の実績データの把握

など、他の会社には無い独自の戦略を武器に、「前年対比」で営業の仕事をしていたことや日々の「商談件数」の多さ、「営業会議」を毎日していたことをスタートアップの起業家や中小企業の経営者に話すと非常に驚かれます。

新卒で入社した会社でしたので、何の疑いも無く毎日のように、アグレッシブな環境で営業活動に取り組んでいたのです。

もちろん自分だけが頑張っていた訳でなく、大卒の営業マン1000人以上が同じ環境の元で普通に仕事に取り組んでいたこともあり、これがどの会社でも営業マンに共通する仕事のやり方だとばかり思い込んでいました。

■まとめ
入社1年目は、先輩社員が前年度に上げた売上がベースとなり、2年目からは自分が販売した「前年度の売上実績」との闘いの日々でしたが、今、考えると非常に役立つ経験となり、競い合いの文化自体がとても楽しかった思い出になっています。

一見すると厳しいと感じられるような仕事でもそれが普通だと思い、慣れてしまえば当たり前になります。

スタートアップの場合、中途採用がほとんどかと思いますが、可能であれば新卒採用の方が仕事のスタイルに拒否反応が無く、会社のカラーに染めることが出来ると思います。

スタートアップや中小企業が優秀な営業人材を採用し、トップセールスに育てたいと考える際にも、「前年対比」の営業文化を根付かせることができれば、これだけでも売上アップのエンジンになり得ます。

「前年対比」の導入は、営業が弱いスタートアップでも営業のモチベーションアップに変革が起こり、右肩上がりで会社全体の売上も自然に上がってくると言えるのです。

■最後に
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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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