営業プロセスの可視化とは?見える化すると営業力強化に繋がる訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

これまで営業の現場では、営業担当者ごとに営業活動を行っていて「誰がどんな案件をどのくらい進めているのか」がブラックボックスとなってしまっていました。

営業プロセスを可視化することは、課題の把握や営業力強化に非常に役立ちます。あなたの会社の営業プロセスは可視化できていますか?多くの会社の営業の現場では、経営者や営業マネージャーが以下のような課題を抱えている会社が沢山あります。

「個々の営業マンが何をしているのか見えない。」
「トップセール一人で売上の半数を占めている。」
「営業のボトルネックが分からず改善が無難しい。」

営業活動の可視化といっても、業種や業界によって商材や営業手法など各社各様であるのに加え、営業マン個人のスキルや経験によっても手法は様々なため、営業のプロセスは多岐に渡ります。

そこで今回は、営業プロセスの可視化とは何か、見える化すると営業力強化に繋がる訳について解説します。

「マネジメントとは、人に関わるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。」

<ピーター・ドラッカー>

■営業プロセスの可視化とは?
営業プロセスの可視化とは、営業活動の各工程を見える化させることです。自社の実施している営業プロセスと各プロセスに紐づくアクションを、誰もが目で見て把握できる形で管理することを指します。

営業プロセスの可視化を行うことで、営業課題の把握や改善案の立案をよりスムーズに行うことができるようになります。つまり、「営業の可視化」とは、リード(見込み客)の獲得からそのリードへの訪問や商談を経てクロージングに至るまでの一連の営業プロセスを見える化することを言います。

営業プロセスとは、アポイント獲得から契約に至るまでの営業活動の流れを、一つ一つ別々の工程に分解し整理したものです各ステージ毎に「stage」「役割」「想定顧客」「活動概要」「使用ツール」「移行条件」などを定義し、営業活動を標準化し、生産性向上を図ります。

営業プロセスは企業や業界によって多少の差はあるかもしれませんが、大体において以下のような工程に分解・整理することができるでしょう。

【営業プロセスの基本例】
1、ターゲットリスト作成
2、アポイント
3、初回訪問
4、ヒアリング・情報提供
5、提案・商談
6、クロージング
7、成約
8アフターフォロー

営業プロセスを一つ一つの工程に分解・整理することは、営業活動の課題を把握したり、改善したりする上で非常に効果的と言えます。

■営業プロセスを定義する重要性
営業プロセス定義することは、セールスモデルを構築する上での根幹となる取組みとなり、プロセス定義がなされていなければ、営業活動を把握することが困難になります。

営業プロセスを可視化することによって「受注した案件はどのようなプロセスで進めたのか」「失注してしまった案件のプロセスに問題がなかったか」「Aさんは売上が伸び悩んでいるが、営業プロセスにボトルネックはないか」などが明確になります。営業の可視化には、以下の2つを行う必要があります。

・「活動水準の測定」
・「役割分担の明確化」

しかし、ただ単に営業プロセスを概念上整理するだけでは、課題把握や改善の道標にすることは困難でしょう。各営業メンバーがしっかりと営業プロセスごとのアクションを理解し、把握できるようにしなければならないのです。

エンドユーザーの特性に沿った形で、顧客の要求や目標を達成するために営業プロセスを定義することが重要になります。よって、営業プロセスが定義されていなければ、この目的も実現されないため、営業プロセス定義は非常に重要なタスクとなります。

■営業プロセスを可視化しない場合のリスク
営業プロセスを可視化しない場合、以下のようなリスクが発生します。

1、営業活動が属人化してしまう
営業担当者が営業活動をする上で、標準行動が策定されず、営業プロセスの各フェーズで各担当者が異なる行動をとってしまい、行動水準の低下に繋がる可能性があります。

営業プロセスを可視化できていなければ、メンバーによってアクションが変わってくる可能性があり、結果として営業活動が属人化してしまうというリスクがあります。

2、どこに課題があるのか把握しにくい
営業プロセスを可視化できていない場合、営業活動上のどこにボトルネックがあるのかがわかりづらく、課題も把握しにくくなります。

営業プロセスを定義する中で各プロセスをStage定義し、どのような条件が満たされれば、どのStageに到達しているか?を明確にすることで、営業担当者の自身の行動や創出した案件の確度などを定義することができます。

3、どこを改善すべきか優先順位がつけにくい
ボトルネックや解決すべき課題が明確に把握できなければ、どこをどの順番で解決すべきかの優先順位も当然ながらつけることができません。

各プロセスの活動やStageが定義されていなければ、営業プロセスのどこのフェーズで誰が対応するかが不明確であり、感覚的な引継ぎなどがなされることで、行動レベルの平準化ができずに結果、営業生産性の低下に繋がる可能性があります。

■営業プロセスを可視化させる5つのメリット
営業の見える化によって、マネージャーにもプレイヤーにも様々なメリットが生まれます。

1、営業プロセスの最適化を実現できる
営業の見える化によって、成果の出ている営業担当者の営業プロセスを分析して組織で統一した営業プロセスを導入することにより、どの営業担当者でも結果が出るような営業プロセスを標準化することができます。

営業プロセスを可視化させることで、メンバーがどのプロセスで、どのようなアクションを取っているのかをすぐに把握できます。その結果、営業の課題も明確化できるので、それを基にクリティカルな改善策を講じることもでき、営業プロセスの最適化に繋がるのです。

2、受注に至るまでのボトルネックの発見
営業プロセスは、アポイント獲得→初回訪問→ヒアリング・情報収集→提案→クロージングといった細かいフェーズに分かれています。

フェーズごとに営業担当者別に分析することで、「Aさんは初回訪問後の次回商談に繋がる案件が少ない」「Bさんはクロージングに課題がある」といったことが把握できます。

誰がどのフェーズでつまずいていて、どのように改善するべきなのかという判断が、数字やデータを基にした具体的な指標で分析することができるため、早い段階でリカバリーすることができるのです。

3、成果に結びつきやすいアクションを再現できる
各営業案件に対するアクションの再現ができるという点も見逃せません。

例えば優秀な成績を上げている営業メンバーが各プロセスにおいて、「どのようなアクションの取り方をしているのか、どんな商談や提案を実施しているのか」といった情報を部門全体に共有することで、成果に結びつくアクションを再現することが可能です。

さらに、各営業担当者も他の営業メンバーの案件や予定を見ることができるため「その案件にはこの提案資料を使うといいよ」「業務負荷が大きそうだから手伝ってあげよう」など、協力する組織体制を作ることができます。

4、人材育成に活用できる
営業を見える化することで営業担当者ごとのノウハウやナレッジを見える化することができるため、経験豊富な営業担当者や成績のいい営業担当者が持っている営業スキルを組織全体で共有することができるようになります。

優秀な営業メンバーのプロセスやアクションは、経験の少ないメンバーや新人にとって、非常に優れた教材となり得ます。これにより、新人営業の教育や、成績の伸び悩んでいる営業担当者の育成にも時間をかけることなく、組織全体の営業力を強化していくことができるようになるのです。

営業プロセスの可視化を進めることで、優秀なメンバーのアクションの共有も容易となり、人材育成にも活用することができるでしょう。

5、部門内での情報共有が簡単にできる
日報作成や会議用資料作成などに時間を取られていた人でも、営業を見える化することで上司への報連相の時間が削減されます部門内での情報共有が簡単にできるという点も、営業プロセスの可視化によって得られる大きなメリットでしょう。

・どの営業メンバーが、
・どのような営業プロセスで、
・どんなアクションを取っているのか?

といった情報を部門に所属する全員が簡単に確認できるため、情報共有もスムーズに行うことができます。

また、上司も各営業担当者の行動や案件進捗を把握できるため「放置している案件がないか」「案件を抱えすぎていないか」などを管理することができるようになります。

■営業プロセスを可視化する3つの方法
続いて、営業プロセスを可視化する方法について、3つのステップに分けてご紹介していきましょう。

1、営業プロセスの定義
はじめに行うべきは営業プロセスの定義です。可視化させる前に自社の営業活動の振り返りを実施し、どういった流れや業務を行っているかを確認する必要があります。

その上で自社に合った形で、それらの業務を各プロセスへと整理しましょう。業務によっては、どのプロセスに当てはめるべきか迷うかもしれませんが、正確に分けることが目的ではないので、自社に合った形で定義していくことがポイントになります。

2、営業メンバーによる確認
営業の見える化とは、営業活動に関わる情報を蓄積していくことで実現します。

具体的には顧客情報、案件情報、各営業担当者の行動(アクション)、売上などの営業情報を蓄積していきます。営業プロセスを、実際の現場で活動している営業メンバーに確認して貰うことも忘れてはいけません。

定めたプロセスはいわば、机上の空論になるため、それを営業メンバーに確認することで、実際の細かいアクションの分類や過不足などの調整を行い、現場での運用に適う形にすることができます。

3、SFAなどのシステムに取り込む
営業情報は、成功パターンの共有や異動・退職に伴う引継ぎの際に活用されます。

蓄積された顧客の詳細なデータや過去の履歴などは、まさに営業組織の財産となるのです。営業プロセスを定義した後は、プロセスとアクションを、SFA(営業支援ツール)などのシステムに取り込みましょう。

エクセルなどのツールを用いても、営業プロセスを可視化させることは可能ですが、それらのデータをフルに活用することを考えれば、SFAなどのシステムを導入すべきでしょう。

SFAであればプロセスの可視化だけでなく、商談内容やアプローチ履歴の管理、タスク管理など営業活動を効率化させる機能も利用できるので、一度検討してみてください。

■営業プロセスの可視化を営業力強化に繋げるポイント
営業の見える化により、各営業担当者の営業プロセスを整理することができます。ですが、営業プロセスを可視化するだけでは、営業力強化に繋がりません。

可視化することで把握できた問題や課題を改善していくことは勿論、優秀なメンバーの情報を積極的に部門に共有したり、事例研究に取り組んだりすることが重要になるのです。

それらを継続して実施していくことで、営業部門全体に成果に結びつきやすいプロセスやアクションのパターンを浸透させることができ、結果として標準化に繋がるのです。

各営業担当者の営業プロセスを洗い出し、自社に一番適した営業プロセスに整理することにより、誰でも成果に繋がる営業プロセスを進めることができ、組織全体で受注率が上がる効果が期待できます。

営業プロセスを整理する際は、各営業担当者がフェーズごとにどのような行動をしているのかまで具体的に整理することがポイントになります。

優秀な営業メンバーのプロセスが、営業部門の標準プロセスとして浸透すれば、営業力強化に繋がることは言うまでもありません。営業力を強化するには、営業プロセスの可視化を実施した上で、標準化にまで取り組む必要があるのです。

■まとめ
営業組織を可視化することで、これまで見えなかったノウハウが見えるようになり、組織として様々な相乗効果があります。

営業活動における各段階と、その段階でどのようなアクションやアプローチをするべきなのかを具体的に構築し、各営業メンバーに浸透させることで営業の標準化が実現します。

営業の標準化により、勝ちパターンや成功事例を基にした営業プロセスを構築でき、メンバー全員のナレッジやノウハウを共有できるため、誰でも成果に繋がる営業活動をすることができて営業組織としての営業力も強化されます。

組織の売上を達成するための営業KPI策定においても、プロセスの可視化は非常に重要な工程です。

なぜなら、その数値化した結果を具体的に分析することで、「営業研修の実施は、受注率の向上に繋がっているのか」「営業プロセスの改善は営業成果に貢献しているのか」といったことが明確になるからです。

現状の営業プロセスの整理ができたら、自社に最も適した営業プロセスが見つかるでしょう。営業の見える化によりボトルネックの改善や精度の高い営業施策を継続して実施することが可能になるのです。

■最後に
若手の社員を営業として採用したとしても、BtoB企業の営業部門は常に以下のような課題を抱えていています。

・優秀な営業マンとほかの営業マンの能力差が激しい。
・トップセールスの営業ノウハウが共有されない。
・若手の優秀な営業マンの採用が困難で離職が多い。
・中途入社の営業マンが即戦力になることが少ない。
・営業マンに求められる能力が高度化している。

マーケティングに資金と投下しリードを営業に引き継ぐ上では、見込客のリストを渡す前にリードへのアクション、リードの獲得基準や対象顧客のセグメンテーションについて精度を上げるなど、「質の高い」リードを発掘してホットな見込客との商談に繋がるアポイントを獲得する施策が必要になります。

しかし、多くの中小企業では、大手企業の役員クラスとのアポイトは取得できないという課題を抱えています。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、このような課題を解決するために、人脈コネクターとなる「営業顧問」のコネクションを活かし、決裁権限のあるキーマンを対象にした「リード獲得支援」を行っています。

具体的には、営業顧問の人脈リストもしくは企業様が作成した見込客へのアプローチを行い、見込客とのアポイント取得をベースに営業支援を展開しています。

その際、営業代行会社とは異なり、同行営業まで行うことを基本にすることで有効商談に繋げています。更にクライアント企業の要望により「成果報酬型」でアポイントの取得から案件化を高め、受注=クロージングするまでをサポートすることも可能です。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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