リーン生産方式とは?リーン生産方式の製造手法が鍵になる訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

かつて日本の製造業は「モノ作り大国」と言われ、製品の品質も世界一だと言われた時代がありました。ですが、現在、日本の製造メーカーの現状を鑑みるとグローバル競争という観点では、太刀打ちできない状況があります。

これは、日本のモノ作りの質が落ちた訳ではなく、他国の各企業の生産改善により、世界的にモノ作りのレベルが格段に上がっているためです。

その背景には、日本のメーカーに先駆けて「リーン生産方式」を取り入れたことが関係しています。

そこで今回、リーン生産方式とは、リーン生産方式の製造手法が鍵になる訳について解説します。

■リーン生産方式とは?
リーン生産方式とは、トヨタ自動車の生産方式である「TPS」「Toyota Production System」を研究し、体系として再構築した上で編み出された生産方式です。

リーン生産方式に取り組むメリットとしては、製造のプロセス管理を徹底して効率化することで、従来の大量生産方式と同等以上の品質を実現しながらも作業時間や在庫量が大幅に削減できる点になります。

日本の製造企業が海外に自社工場を建設し、現地人材を雇用する際に生産効率を高める目的に「リーン生産方式」を導入することが多くなっています。

その理由としては、少量多品種生産に対しても、柔軟に対応したいと考えるメーカーが増えたからです。

リーン生産方式の名称は「ぜい肉が無く引き締まって痩せている様」を意味する「Lean(リーン)」に由来しています。

1990年代には米国で日本車の高品質さが認められるようになり、トヨタ自動車を目標としてリーン生産方式とジャスト・イン・タイムが広く採用されるようになります。

■リーン生産方式のジャスト・イン・タイムとは?
リーン生産方式のジャスト・イン・タイムは「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」という考え方にもとづいた取り組みです。

これによって生産現場の「ムラ・ムリ・ムダ」が無くなり生産効率が向上します。

ジャストインタイムは、トヨタ自動車が編み出した効率化の仕組みです。ジャストインタイムに取り組むと以下のメリットがあります。

・無駄がなくなる。
・生産性が高まる。
・短時間で大量生産できる。
・より少ないコストで生産できる。

これはフォード由来の大量生産方式とは違い、「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」届けることで製造工程に余分なものを持たず、余分なものを作らないことを基本にしています。

もともと製造関係の企業で使われてきた生産管理システムですが、ジャスト・イン・タイムの手法は、最近では製造業界だけでなく、あらゆる分野で応用的に取り入れられています。

■リーン生産方式のジャストインタイムの起源
リーン生産方式の元祖は、トヨタ自動車ですが、その起源となるジャストインタイムは、自動織機を使った織物工場にあります。自動車部品の製造を始めたのは昭和8年で、織物工場内に自動車製造工場を設けて製造していました。

しかし、もともと自動車専用の工場ではなかったために、設備に限界がきてしまったのです。

その状況を打開するために建設された、自動車製造を目的とした工場が挙母工場です。

ジャストインタイムの起源は、トヨタ自動車の実質的創業者である豊田喜一郎氏が提唱した生産方法にあります。彼は、挙母工場を稼働させる際、次のように語っていたそうです。

「無駄と過剰のない事。部分品が移動し循環してゆくに就いて『待たせたり』しない事。『ジャスト、インタイム』に各部分品が整えられる事が大切だと思います。」

挙母工場が完成する前から、彼は「ジャストインタイム」を口癖のように多用していたそうで、この信念は、第五代社長の豊田英二氏に引き継がれました。

■リーン生産方式を代表する7つの取り組み
リーン生産方式において具体的な取り組みとして欠かせないのが「ムダ取り」「改善(KAIZEN)」「見える化」それと「なぜなぜ分析」です。

1、生産性を高める
リーン生産方式で期待されることは生産性の向上です。しかし導入によって生産性が直接的にアップするわけではありません。ジャストインタイムを取り入れて生産性が高い状態を維持できる体質に改善することが本質なのです。

「生産」とは「価値を生み出す活動」と定義され、全ての業務プロセスにおいて、それが「価値を生み出す活動」となっているかを意識し、そうなっていないものを「無駄」として徹底的に排除していくことが、すなわち生産性を高めることに繋がります。

導入したにも関わらず、なかなか効果が現れない場合、まず生産体制が改善されているかを見直しましょう。

2、改善(KAIZEN)
海外製造業においても「KAIZEN」は一般用語として使用されています。リーン生産方式が目指すのは「より良い製品を、より早く、より安く」です。

そのためには現状に満足するのではなく、絶えず現状を改善してく姿勢が必要になります。

製造工程の中には問題や、やりにくさを感じるものも多く、それらの作業をそのままにしておくのではなく、常に「もっと良い方法はないか?もっと楽にできない?ムダを排除できないか?」について考え続けることで改善を続けていくことができます。

その際にはコストよりも「知恵」を使って改善を目指すのがリーン生産方式の基本です。

3、リードタイムを短縮する
リードタイム短縮の効果は、ジャストインタイムによって最も顕著に表れる部分です。リードタイムが短縮されることで、在庫を少なくできます。

さらに、作業工程の中で製造から検査までのリードタイムも短くなるため、ミスがあった場合早い段階で気付くことができます。それは、不良品を減らす・無駄な労働をなくすことにつながるでしょう。

何より、需要に見合った供給が可能になります。リードタイムが短ければ、需要がある分だけ生産できるため、結果欠品や廃棄といった無駄がなくなるのです。

4、ムダ取り
製造工程においては、多くの作業員が重要だと考えて行っている作業の中には「ムダ」と「不随作業(本来はムダだが現状ではやらなければいけないもの)」、それと「正味作業」があるとされています。

その中でムダを排除し、付随作業を改善した可能な限り正味作業の比率を高めることで、より多くの付加価値を生み出す作業だけに集中することができます。

5、見える化
問題を解決するためには問題を隠すのではなく、全社的に問題を見えるようにすることが大切ということを認識しなければいけません。

問題があれば機械を止めるのも見える化の1種です。

機械が止まれば問題が起きたことを自然と周囲に知らせることができます。しかし、不良品が出てもその製品を脇に置いて、機械を動かし続ければ問題は周囲に見えません。

見える化は周囲に問題が見えるようにし、その上で関係者全員が知恵を出し合って解決を目指すことが目的です。

6、PDCAのサイクルを回す
製造工程において問題が起きた際は、誰かに責任追及することよも「原因を追究すること」がとても大切です。

なぜなら、その際には発生した問題に対して「なぜ起きたのか?」という疑問を投げかけて、その原因を追究することが欠かせないからです。

その際、問題に対する「なぜ?」の追求が甘いと、表面的な原因しか見えず、根本的な原因の解決に繋げることはできずに同じ問題が発生します。

そこで、1つの問題に対して数回の「なぜ?」を繰り返していくことで、問題の真因を追求し改善することが可能になります。PDCAのサイクルを回すことで根本的な課題解決を目指すことができます。

7、売れるタイミングで生産する
在庫なし方式といわれるジャストインタイムのもう一つの効果が顧客を待たせることが減る点です。

注文が入ってから生産、納品と進む流れがスムーズになるため、顧客を待たせることなく製品を届けることができます。結果、顧客満足度が高まり、企業イメージも向上するという相乗効果が生まれるのです。

また、売れるタイミングで製造するため、不要な生産がなくなり、コストや時間、場所、人にも余裕が生まれ、生産量もアップするでしょう。

■リーン生産方式の導入のポイント
リーン生産方式は、トヨタ生産システムが起源ですが、米国における主流であった大量生産システムとは対照的な概念です。

大量生産システムは工場内の効率向上に焦点を当てたシステムで、リーン生産システムとは工場外、つまり部品を生産する系列会社、販売会社のありかたについても配慮したシステムです。

大量生産システムは部分最適化を目指していますが、一方でリーン生産システムは、「概念化」を軸に全体最適化を目指していると言っても良いでしょう。

概念化とは、具体的な物事を抽象化し、体系的に整理することを指します。

具体的なモノを抽象的な概念に落とし込むスキルを身につけると、物事の本質をつかめるようになり、問題解決能力の向上も期待できます。

問題解決以外にも、新商品・企画のアイデアを出すとき、ルールやシステムを設計・改善したいとき、組織のマネジメントをするときなど、概念化能力が役立つ場面は様々です。

特に、ビジネスパーソンとしていち早く成長したい方や、企画開発などのクリエイティブな職に就いている方にとって、概念化能力を高めることで得られる恩恵は大きいものです。

■まとめ
自動車の製造であれば「価値」とは、紛れもなく「品質の良い車」のことになります。その品質とは誰にとっての品質かと言えば、車を購入する顧客です。

リーン生産方式の考え方は、そのまま他の業種の全ての商品に当てはまります。

「顧客が求めるもの」こそが「価値」であり、自社にとってそれが何であるかを突き詰め、言語化することからリーン生産方式の思考が始まります。

リーン生産方式により、製造プロセスにおける活動が全て顧客が求める価値を生み出せているかどうかを確認し、もしそうなっていなければ、それは無駄なものとして排除もしくは改善していくことで、生産性を高めていくことができます。

「わしは他人よりよけいに創造的知能に恵まれている訳ではない。すべて努力の結晶だ。世間は、その努力を買ってくれないで『天才だ』と言って片づけてしまう。私には遺憾千万。」

<豊田佐吉>

■最後に
リーン生産方式は、元々、製造業を中心に採用されていた生産方式ですが、近年では業種業界を問わず、リーン生産方式の思考を取り入れることによって自社の生産性を高める、という取り組みが広く行われています。

それは、たとえ商品が無形サービスの場合でもリーン生産方式を導入できます。

それには、業界や業種を問わず、自社が生み出すサービスのバリューチェーン全体を見渡し、それぞれの業務プロセスにおける活動が全て顧客が求める価値を生み出せているかどうかを確認する必要があります。

ボトルネックとなる部分があれば、それは無駄なものとして排除もしくは改善していくことで、生産性を高めていくことができます。

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ジャストインタイムの手法をビジネスに導入することで、様々な生産性の向上に寄与することが可能です。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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