企業が安定した業績を確保していくためには、現場のチームが円滑に稼動している必要があります。
その際に、もっとも重要なのがプロジェクトリーダーの存在です。プロジェクトリーダーとして十分に力を発揮するための方法の一つとして、幹部候補やマネージャークラスが早期にプロジェクトリーダー研修を受けると効果的です。
なぜなら、研修をうまく活用することで、最短でより優秀なプロジェクトリーダーを育成に繋がるからです。そこで今回、プロジェクトリーダー研修の目的やプロジェクトリーダーの必要性ついて解説します。
■プロジェクトリーダー研修とは?
プロジェクトリーダー研修とは、リーダーとしての業務を遂行する立場のマネージャークラスを対象とした研修のことです。
内容は、企業やチームを牽引していくために必要なスキルの習得が主となることが多いですが、足りないスキルを把握するために実施されることもあります。
プロジェクトリーダー研修は、これからチームのリーダーになっていく人や複数のグループのトップに立ち、全体をまとめていく人、つまり組織をまとめる立場になる人を対象にして行われます。
すでに管理職となっている人でも、定期的に研修をつかってフォローすることで、普段の言動やマネジメントを見直すきっかけになるでしょう。
新規事業の立ち上げや新たなプロジェクトの立ち上げなどで、早急にリーダーが必要な事態に直面している場合に、プロジェクトリーダー研修が活用されます。
■プロジェクトリーダとは?
プロジェクトリーダとは、プロジェクトを成功に導く責任を持ち、プロジェクトが抱える技術的な問題・課題をブレイクダウンし、それらを解決へと導くため、チームメンバーを取りまとめる存在や役割を示します。
プロジェクトリーダーには部下の見本となってチームとしての成果を出す力が求められます。そのためには、部下よりも高い業務遂行能力や専門分野の知識が必要になります。
これらのスキルは、日常業務の中で習得し、磨いていくことが可能なものと、研修を受講して新たに学習することで習得できるものに分けられます。
■プロジェクトリーダーに必要な要素
プロジェクトリーダーは、リーダー研修を受ければ誰もがなれるものではありません。
もちろん、研修などでプロジェクトリーダーになるための努力を積むことも大切ですが、それ以上にリーダーに適している人材であることが重要です。
プロジェクトリーダーは、チームメンバーの育成や指導を行う立場でもあります。自分のことはもとより、部下の能力を引き出し、自発的に動けるよう働きかける力が必要です。これは、部下が働きやすい環境を作るということでもあります。
どれほど実務が優秀なリーダーでも、部下が委縮したり、チームの一員であるという認識を持っていなかったりすると、チームとしての成果は出しにくくなります。
プロジェクトリーダーには、部下個人の性格や適性を把握し、部下本人が意欲的に仕事へ取り組める環境を作る能力が不可欠です。
■プロジェクトリーダーに必要な3つのスキル
プロジェクトリーダーに必要な能力の1つとして、「仕事・専門領域の能力」が挙げられます。その理由としては、プロジェクトリーダーが部下よりも仕事や専門領域の能力が低いと、どちらがリーダーか分からなくなってしまい、求心力が低下してしまうからです。
育成能力ももちろん重要な能力ですが、どれだけ部下の手本となるような仕事をし、業績を残せるかということがプロジェクトリーダーに求められます。
1、部下育成のスキル
「仕事・専門領域の能力」と同じく重要な能力が、「育成指導の能力」です。スポーツの世界ではよく言われることですが、「名選手は必ずしも名コーチになるとは限らない」という言葉があります。
同じように、どれだけ仕事の能力が高くても育成の能力がなければ優秀なコーチとは言えません。仕事の能力だけでなく、部下のモチベーションを上げ、力を伸ばす能力がリーダーには求められます。
2、コーチングのスキル
コーチングという言葉にあまり馴染みのない方もおられるかもしれません。コーチングスキルとは、相手が自発的に行動するように促す力であり、リーダーには必須です。
やる気のある部下でも、受動的になってしまう人も多いですし、やる気のあまり感じられない部下ならば尚更です。そのため、部下の持っている能力を引き出し、部下が自発的に行動してくれるように上手く働きかける能力がリーダーには必要です。
3、ティーチングのスキル
部下の能力を引き出す「コーチングスキル」と同じく、部下に自分の持っている知識やノウハウを伝える「ティーチングスキル」も重要な力です。
部下の能力を引き出せたとしても、ノウハウや知識を持っていない部下に自分の持っている知識やノウハウを教えられないと意味がありません。
能力を引き出した上で、自分の持っている知識やノウハウを部下にしっかりと伝えられるティーチング力がリーダーには必要なのです。
■プロジェクトリーダー研修を行う5つの目的
プロジェクトリーダー研修は行うだけでも一定の効果は期待できます。
しかし、主催者が目的を持って研修を準備し開講する場合と、ただ行うのとでは、社員のモチベーションや理解度に大きな違いが出ることも事実です。ここでは、リーダー研修を行う目的について説明します。
1、リーダーとしての役割を自覚する
プロジェクトリーダー研修のもっとも大きな目的は、受講する社員が「リーダーとは何か」を理解することです。
リーダーは、自らのチームのみならず組織を統制する重要な立場であると自覚し「企業をどう動かすか」という、ある種の経営者目線を養う必要があります。
リーダー候補である社員の中には「社員として仕事をこなして部下よりも良い業績を収めていればよい」と考えている人がいるかもしれません。そのような思考から脱却し、より広い視野を持って業務にあたるよう、自覚を持たせる研修にすることが大切です。
2、チームを導く力を身に付ける
プロジェクトリーダーはチームを成功へ導く存在である必要があります。成功の定義はさまざまあるものの、たとえば、月間の売上目標や顧客の新規獲得数など、短期的なものであっても、ひとつずつ達成していくことでチームの成功基準を明確にできます。
これらの目標を達成するためには、一貫した目的や考えを持つリーダーの存在が不可欠です。「昨日と今日で言っていることが違う」というリーダーを信頼する部下はいません。
プロジェクトリーダー研修は、全体を見渡し一貫した考えのもとでメンバーを牽引する力を身に付けられることが大切です。
3、コミュニケーションスキルを高める
メンバーから信頼されるリーダーになるためには、日頃からコミュニケーションを取り、良好な人間関係を築くことが大切です。メンバーとのコミュニケーションを取らず、命令によってメンバーを動かそうと思っても、期待するような成果は出せません。
ここで重要なことは、リーダーは必ずしも部下よりも優れたアイデアを持っている必要はないということです。
むしろ、メンバーがアイデアや提案を積極的に発言できる関係性を築くことに意義があります。プロジェクトリーダー研修は、コミュニケーションスキルを養えることも大事な要素です。
4、部下を育てる力を養う
プロジェクトリーダーは、社員の最終目的となるポジションではありません。リーダーになったからには、自らが次の役割を担うためにも、新人や若手社員を含めた人材育成が非常に重要になります。
部下を育てるために大切なことは、たとえ自分がそうであったとしても「石の上にも3年」という認識は捨て去ることです。
新人や若手社員に対し、適切に声をかけたり、成長の機会を与えたりすることは、リーダーとして重要な責務です。プロジェクトリーダー研修では、部下の育成方法についても詳しく学べることが求められます。
5、判断力を鍛える
プロジェクトリーダーには一定の決定権があります。一方、部下には決定権がありません。これは、チームの責任はリーダーにあるということに他ならず、常に責任がつきまとうのがリーダーの使命だということです。
そうはいっても、常に責任を取らなければならないような事態に陥っていてはチームとしての成功は遠のいてしまいます。そこで必要になるのが判断力です。
プロジェクトリーダー研修では、迷ったときにどうすべきか、何を選択するべきかといった判断力を鍛えることも必要です。適切な判断力を身に付けることで、より目標達成に近づく判断が可能になります。
■まとめ
ソフトウェア開発やインターネットに関するプロジェクトが増えていて、プロジェクトリーダーの需要も高まっています。今後もプロジェクトは増える予測があり、将来的な需要も見込まれるでしょう。また、リーダーとしての素質がある人は、企業から求められています。
プロジェクトマネージャーがクライアントなどの社外関係全般に責任を持つのに対し、プロジェクトリーダーは社内の現場に携わる業務の責任を負います。
プロジェクトマネージャーはシステム領域の仕事が多く、開発会社など社外との交渉が必要となるため、より高度なコミュニケーション能力や交渉能力が必要になります。
最近では新商品開発や新規事業立上げでプロジェクトリーダーの存在が欠かせなくなっています。また、予算的な管理にも関わってきますので、よりマネジメント能力が高い人には適したポジションとなるでしょう。
プロジェクトリーダーになるためには、スケジュール管理や、人材の配置を行う人員管理、良質なシステムを仕上げるための品質管理などを、総合的に管理監督する能力をマネジメントスキルが欠かせません。
チームの統率力に優れたプロジェクトリーダーという存在は、どの業種でも即戦力として加えたいほどの魅力を持っています。
人材不足が深刻なIT業界では、プロジェクトリーダーとして一定の評価が得られれば、長く活躍することも夢ではありません。そのため、フリーランスとして独立するプロ人材も多いです。
■最後に
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現在、フリーランスのプロジェクトリーダーや複数のベンチャー企業の技術顧問として活躍するプロ人材が増えています。
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