本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「価格とは製品やサービスに対して課された金額である。より広い意味では、価格とは製品やサービスの所有や利用から得られるベネフィットと交換に、消費者が支払う価値の総称である。」
<フィリップ・コトラー>
ライバル企業との競争優位性という点に重きを置き、見込客に選ばれる可能性を高めるためには、顧客に提供するプロダクトの品質と価格のバランスを考え、「差別化」と「知覚価値」を高める施策を図りながら「適正価格」を決定することです。
なぜなら、どんなに優れた商品や新規事業を開発したとしてもその良さや優位性が競合他社との「比較競争」に勝ち残り、顧客の頭のイメージで「独自の価値」として「知覚」されない限りは、市場価格よりも劇的に高く売れることはないと言えるからです。
企業間取引の場合、多くのクライアント候補企業は、導入の前段階で自社と競合他社の商品やサービスを比較検討し、優位性の高い方を選択しているため、競合する商品をより圧倒的に安い価格で市場に参入すれば、業界に対して強烈なインパクトを与えることになります。
ですが、極端なディスカウント戦略をとると、本来得られた事業収益を自ら削ってしまう状態に陥るため、機会損失は一時的なものでなく、次回の購入や契約にも影響を及ぼしてしまうリスクも孕んでいます。
あらゆる企業のキャッシュ・フローに多大な影響を与える価格設定は、マーケティング戦略の要になります。それゆえ、新規事業の立ち上げ時に適正価格を決定するのは当然ですが、ポジショニングやライフサイクルに合わせた価格戦略の見直しを定期的に行うことも欠かせません。
企業の命運を大きく左右するベストな「価格戦略」を策定する上では、「市場シェア」を獲得しながらも、同時に企業利益の最大化を図るべく、「価格の差となる商品の違い」を改善し、柔軟な姿勢で市場を見据えていくことが、「プライシングの秘訣」になるのです。
単なる安売りとは違う視点で、プライシングを決定してますか?
<本田季伸>