本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「もし、私がある問題を解決するのに1時間を与えられ、しかもそれが解けるか解けないかで人生が変わるような大問題だとすると、そのうちの55分は自分が正しい問いに答えようとしているのかどうかを確認することに費やすだろう。」
<アルベルト・アインシュタイン>
新しい事業アイデアの発想をしたい時や何らかの事業課題を抱えている際にその解決策を見出すためには、質問力を磨き、当事者に対して「プラスの質問」を投げかけることです。
なぜなら、人間の脳は、情報が曖昧な状態では正しい行動を起こすことは困難な構造のため、考え抜かれた「プラスの質問」は、「質問をする側」と「質問をされる側」の両者にとって肝となり、良い答えを導き出すための「ブレイクポイント」になるからです。
システム開発時においては、ビジネスアナリストが仕様書作成に必要となる「要求を引き出す」ことが、画期的なシステムを構築する重要な要素になります。それゆえ、顧客となる相手に的確な要件仕様を考えさせるために様々な質問をします。
しかし、質問をするに際しては、アナリストがその分野におけるビジネススキルや実務経験が全くないと良い質問項目が浮かばず、ベストな回答を引き出すような「プラスの質問」ができません。
「プラスの質問」をされた相手も即座に質問に対して回答できるテーマも当然もありますが、思考を巡らす必要のある質問内容の場合には、その場では直ぐに自分の考えが上手く整理できなくても、後から質問を受けたテーマについて真剣に深く考え抜いた結果、最高の答えが見つかることも多々あります。
経営者に対する「エグゼクティブ・コーチング」を行う場合でも、いかにプロコーチとしての知見がある人でも、経営者が置かれた現在の状況を鑑みつつ、企業規模を問わす全ての業界や専門分野を網羅的にカバーし良い方向性に導く「プラスの質問」をすることは、かなりの難易度が高いと言えます。
「プラスの質問」とは、どうでも低次元の質問とは大きく異なり、相手に新たな視点や良い気づきを生み出し、行動を起こさせるような「パワークエスチョン」を指しています。
起業家が優れたメンターから良く練り上げられた「鋭い質問」を貰ったことで大きな気づきや刺激を受け、一つの「プラスの質問」が黄金に匹敵するような価値あるエネルギーとなり、ビジネスが劇的に成長を遂げることがあります。
一方で相手のモチベーションを奪うような「マイナスの質問」も存在し、質問が良くないと真逆の結果を生み出す諸刃の剣にもなり得ます。
人は、「プラスの質問」をされることが大きな「トリガー」になり、限界突破を生み出す思考が始まるような「思考回路」になっています。
ですので、適切なタイミングで優れた「プラスの質問」を投げかけることによって意識の焦点が大きく変わり、適切な行動へと駆り立てる最強のエンジンになるのです。
相手のパワーを引き出す「プラスの質問」を心掛けてますか?
<本田季伸>