組織の中で複数の従業員が業務を行うと、メンバーごとでスキルのばらつきが生じてしまうこともあるのではないでしょうか?
社員のスキルや能力を可視化することで、リーダー候補・幹部候補生のピックアップに活かすことが実現します。
スキルマップが適切に共有されれば、人事や上司が社員の強みと弱みを把握できるので、キャリア形成のフォローに活用することも可能になります。
そこで今回、スキルマップとは、スキルマップで業務とスキルの見える化のコツついて解説します。
■スキルマップとは?
スキルマップとは、従業員が業務を遂行するにあたって、必要な能力=スキルを持っているかどうかを確認、記録し、見える化するためのツールです。
海外企業では、スキルマトリックス「Skills Matrix」と呼ばれています。スキルマップは、日本語で従業員の業務遂行能力の一覧を意味します。
従業員一人ひとりまたはグループや部門単位で、業務を遂行するうえでの知識や技術を誰が備えているか、ひと目で分かるスキルマトリックスになります。
会社や業務によっては、業務単位で従業員が持つべきスキルが明確になっておらず、従業員もどこまでやればいいのか明確にされていないケースがあります。
スキルマップを使用しスキル分けを行うことで、業務内で何をどこまで行えばいいかが明確になります。業務に求められるスキルの認識を従業員が全員で合わせることで、標準的な業務の見える化が実現します。
スキルマップでそれぞれの従業員に必要な知識や技術を正しく把握することができれば、適切な教育や訓練が可能となり、具体的な内容を計画・実施できるでしょう。
それを繰り返すことで、業務がスムーズに進行し、業績アップに繋がると言えます。
■企業がスキルマップを導入するメリット
1、スタッフの能力を「見える化」
スキルマップは、的確なスキル管理をするための重要なツールとなります。スキルマップを使用して、従業員がそれぞれどういったスキルを持っているかを可視化することで、組織内で足りていないスキルがひと目で把握できます。
スキルマップによって、各自のスキルが可視化されます。
・誰がどのようなスキルを持っているか?
・それによって何ができるか?
・新規事業を始める際、誰に何ができるか?
といった目安となるのです。従業員のスキルを「見える化」することで、仕事がスムーズに進むでしょう。
またスキルの「見える化」は、不足している点の把握にも役立つのです。不足しているスキルの教育や訓練を、適切に行えば、効率的な育成ができるでしょう。
2、スタッフのスキルアップ
全員が同じ仕事をしているわけではないため、すべての従業員に同じスキルが必要とは限りません。共通となるスキルもありますが職場や役職などによって必要なスキルや今後伸ばすべきスキルは異なるでしょう。
スキルマップを使用して、従業員に必要なスキルや求められるスキルを伝えることで、何を目標にすれば良いのかが明確になります。
自身のスキルが可視化されることで、目標までのステップを明確に確認できるようになります。それにより、目標達成までモチベーションを維持しながらスキルアップに臨めます。
スキルマップでは、各自にどのような知識や技術が必要なのかを把握できますし、把握内容からどのような教育や訓練を行えばよいのかが、見えてくるのです。
従業員一人ひとりのスキルが高まれば、質の高い仕事が、効率よくスムーズにできますし、従業員が仕事に持つ意識の改革にもなるでしょう。
3、業務改善のための具体的な対策を明確化
スキルマップを作成しただけでは、仕事に役立てることはできません。大切なのは、スキルマップを活用することです。
会社の利益に繋がる業務であれば、スキルのひとつとして認め、従業員を評価することが重要です。
スキルマップを作成することで、業務内容の洗い出しや棚卸の工程で、重要な業務が見つかる可能性が高まります。より具体的な内容でスキルマップを作成すると、従業員のスキル把握と活用が可能になります。
また個々のスキルを具体的に把握すると不足している部分も見えますから、それに対してどのような教育や訓練が必要なのか掴むことができるのです。
必要な教育や訓練を実践することで個人のスキルがアップします。その結果、組織の活性化や業績アップに繋がると言えます。
4、人事評価制度の公平化につながる
未だに年功序列が根強い日本企業では、人事評価をする際に実際の能力よりも年齢や勤続年数が重要視されることも少なくありません。
こうした人事評価を行うと、やる気のある従業員や向上心のある従業員が不満に感じ、優秀な人材を失う事態につながるかもしれません。
スキルマップを活用することで、公平な人事評価が実現します。
スキルを重視し、誰が見ても公平な人事評価をするためには、従業員のスキルを可視化して、高い評価をもらえる人材はどういった人材かを示すことが重要です。
スキルマップは各従業員の現状がどこなのかを明示でき、目指すべき姿と現在の自分自身を対比しやすくなります。
適切な人事評価を行うことで、従業員は人事評価に納得し、高いモチベーションを維持しながら日常業務に取り組めるでしょう。
5、人材採用にも効果的
スキルマップは、人材の採用面でも多大なメリットがあります。
スキルマップから、社員のスキルを読み解き、その強みを活かせる部署や職種に配置すれば、仕事の生産性が向上します。
その結果として、業務の効率性や生産性の向上をもたらすことができるだけでなく、離職率の低下も図りやすくなると言えます。
人材を採用する前段階で業務に必要なスキルマップを作成しておけば、今自社にどんなスキルが足りていないのかが明確に分かります。
そこを補える人材を確保すれば、入社後のミスマッチが起こることは少なくなります。
■まとめ
企業の重要な事業を推進させるためには、適正な人材配置ができるかが大きな分岐点となり、適正な人材配置のためには、従業員のスキルや能力の把握が必要不可欠です。
スキルマップを活用することによって、経営者や管理職には、個人・グループ・部門単位で現在のスキルがどのレベルにあるのかが一目でわかりますので、能力開発の見える化になります。
従業員の能力・技能、力量を評価することで、達成しているまたは不足する能力・技能が視覚的に明示されますので、個別具体的な教育計画を立て、能力向上を図るツールとなります。
スキルマップは、各従業員の能力に適した部署に人材配置ができ、業務の効率化につながります。
スキルマップを掲示して見える化することで、従業員のモチベーションを喚起し、やる気を引き出したり、新たな目標設定に挑戦しようとする意識付けしたりする際のツールになります。
「貢献に焦点を合わせることが、仕事の内容、水準、影響力において、あるいは上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告の利用において成果をあげる鍵である。」
<ピーター・ドラッカー>
■最後に
近年、メンバーシップ型雇用が主流であった日本においても、スキルマップを活用することによって、ジョブ型雇用を導入する企業が増加しています。
スキルマップは、経営者や管理職には、個人や部門別の現在のスキルがどのレベルにあるのかが一目でわかりますので、能力開発の見える化に繋がります。
その背景はさまざまですが、一つには個人の専門性を高めることで日本の国際競争力を養おうとする企業の狙いがあります。
また、ITエンジニアをはじめとする専門職の人手不足や、ダイバーシティ経営に基づく外国人雇用の増加などから、「ジョブディスクリプション」を元にしたジョブ型雇用の必要性が増していることも挙げられます。
ジョブディスクリプション「job description」とは、特定の業務についての職務内容を詳しく記載した文書のことを指します。日本語では「職務記述書」の意味があります。
これまで日本では、会社とそれに従属する社員という立場が基本でしたが、ジョブ型雇用が広まると、働き手はフリーランスのように、ジョブディスクリプションを元にスキツ活かし、プロジェクト単位で成果を上げる姿勢が求められるようになります。
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