EBITDAとは?EBITDAの意味・企業価値の評価に有効な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

株式投資やM&Aなどで企業の経営分析を行っている人なら、「EBITDA」という言葉を見聞きしたことがあると思います。

会社の業績や利益水準を表す代表的な指標としては、企業が本業で稼いだ「営業利益」や「経常利益」などがあります。

近年、日本だけでなく、グローバルに展開する企業を評価する際に、効果的な指標の一つとして注目されているのが「EBITDA」です。

そこで今回、EBITDAとは、EBITDAの意味・企業価値の評価に有効な訳について解説します。

■ebitdaとは?
EBITDAとは、企業が事業で稼いだキャッシュの額を簡易的に表し、企業の収益力を測定する利益指標です。

EBITDAは、「エビーダ」、「イービットダー」、「イービットディーエー」と呼ばれます。日本語では、「利払い前、税引き前、減価償却前、その他償却前利益」や「金利、税金、償却前利益」などの意味があります。

EBITDAは、英語で以下の4つの言葉からなります。

・Earnings Before Interest:利払い前利益
・Taxes:税金
・Depreciation:有形固定資産の減価償却費
・Amortization:無形固定資産の減価償却費

EBITDAは、税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えて算出される利益など財務分析上の指標の1つになります。

営業利益はその計算上減価償却費が差し引かれていますが、減価償却費は実際にはキャッシュが支出されていません。

そのため、減価償却費が大きい企業では、営業利益が実際にキャッシュベースで稼いだ金額より小さく見えてしまいます。

そのような際に以下のようなEBITDAの特徴を理解して活用すると効果的です。

【EBITDAの特徴】
・計算が簡単であり、財務諸表をもとに計算できる。
・EBITDAは国際比較が容易である。
・国や企業によるバラつきを無視することができる。
・EBITDAは投資の影響を取り除くことができる。
・減価償却費が大きく正しい収益力に隠れてしまうことを防ぐ。

■EBITDAが使われるようになった背景
営業拠点を日本以外に置き海外でのビジネスに意欲的な企業や、グローバル企業の評価をする際にEBITDAは欠かせません。

その理由としては、EBITDAを利用しているのは海外に拠点を置く国際的な企業である場合が多く、他の国々の企業とやり取りする際に、EBITDAの知識は必須になるからです。

日本では、2000年に国によって異なる税率や財務諸表への特別損益の反映、負債の大きさによって異なる金利の影響、期ごとに異なる投資による償却費の影響などを取り払った収益力を見るための目安として、広がり始めました。

EBITDAは営業利益に似たような考え方であり、損益計算書から容易に計算できる指標として利用されていました。

当期利益と異なり、税金や金利を支払前の本業が稼ぐ収益力を示すとともに、会社によって異なりうる償却方法の差を排除できるため、実態の収益を示す指標としてよく用いられるようになりました。

■EBITDAのメリット
なぜEBITDAが使われるようになったのでしょうか。

1、国や会社による差を排除し、同じ基準で企業を比べられる
有力な投資家は、世界各国の企業の中から、投資先となりえる企業を探しています。

しかし、それぞれの国によって会計基準や方針が異なり、会社によってもその基準はさまざまです。

各国の会計処理の違いや減価償却費の相違を排除して同じ基準で各企業を比べられるのがEBITDAのメリットになります。グローバル経済が進む中、投資判断や企業評価に用いられる利益指標はさまざまです。

しかし、金利や税率は国によって異なり、減価償却方法の違いによっても営業利益は変動します。また、簡易的なキャッシュフローを示す指標としても用いられています。

EBITDAは、世界共通の指標として、有力な投資先を選ぶ際の助けになります。

2、グローバル企業の収益力を比較できるから
EBITDAはグローバル企業の業績や多国間、同業他社間の業績を比較・分析する際に用いられる指標です。

そのような際に、EBITDAを活用することにで、国によって異なる金利、税金、減価償却費の影響を排除して企業を比較することが可能となります。

グローバル視点で企業分析する際に、国によって金利水準、税率、減価償却方法などが異なります。

そのため、当期純利益は異なる国の企業、多国間などの比較・分析には向いていません。

その点、EBITDAは各国の税制や税率、金利水準などの影響を最小限に抑えられるため、企業の収益力を測る指標として活用されます。

3、減価償却の多寡の影響を受けず、中長期的な視点での企業価値評価ができる
企業の収益力を見るだけであれば、当期純利益を指標にすればよいですが、当期純利益は税金、支払利息、減価償却費が差し引かれています。

同じ取得価額の固定資産を有していても、用いている耐用年数が異なれば減価償却費が変わって来ます。そのため、減価償却では、耐用年数が大きな問題になります。

EBITDAは初期投資や減価償却費の多い企業の評価にも活用可能です。

特に製造業や宿泊業は初期投資や減価償却費が大きく多額の費用が必要な業種では、経営指標としてEBITDAを重視する傾向にあります。

企業の収益力=「本業の儲け」と聞いて、営業利益で算出してはダメなのかと考えるビジネスマンも多くいます。

ですが、営業利益は、売り上げから売上原価と販管費を引いたものですが、この2つには減価償却費が含まれています。

EBITDAは、減価償却費を含んでいるのでそこでの利益の増減は発生せず、実質的な利益を算出できます。

これにより、中長期的な視点で企業価値を評価することが可能になります。

■EBITDAの計算方法
EBITDA は、営業利益や経常利益から算出する方法など、いくつかの計算パターンが存在します。

EBITDAの計算方法としては、統一された計算式があるわけではないため、EBITDAの計算対象となる企業情報によって臨機応変に考えられます。

EBITDAの主な計算方法は、以下の4つです。

1、営業利益+減価償却費
2、経常利益+支払利息+減価償却費
3、税引前当期純利益+特別損益+支払利息+減価償却費
4、当期純利益+特別損益+支払利息+減価償却費+法人税

営業利益に減価償却費を加えたり、経常利益に支払利息と減価償却費を加えたりする方法があります。

いくつか計算方法がありますが、基本的には「営業利益+支払利息+税金+減価償却費」と覚えておけばよいでしょう。

■EBITDAを活用する際の注意点
EBITDAは、投資後の効果を評価するには有用です。ですが、EBITDAのデメリットは、過剰な設備投資やM&A等による損失をマイナス要因として扱うことができないという点になります。

過剰な設備投資の経費やM&Aの損失を、マイナス要因として反映できないデメリットがあります。

減価償却費は、生産機材への投資であるため将来的に利益を生み出すための未来への投資という解釈もできますが、結果的に損失となってしまう場合もあります。

例えば、営業利益が赤字でも、減価償却費が大きければEBITDAはプラスになります。そのような損失を、EBITDAでは認識できないというデメリットがあります。

会計基準に即した厳密な経営指標ではないこと、投資による損失負担を考慮できないことはEBITDAの経営指標としての限界と言えるでしょう。

■まとめ
EBITDAとは、営業利益や経常利益と並んで、企業を評価する指標の一つになります。

特に営業拠点を日本以外におく企業や、グローバル企業の評価をする際にEBITDAは欠かせません。EBITDAはグローバル企業の業績や多国間、同業他社間の業績を比較・分析する際に用いられる指標です。

企業の収益力を見るだけなら当期純利益を指標にすれば良いのですが、当期純利益は税金、支払利息、減価償却費が控除されています。

営業利益に減価償却費を加えたものがEBITDAになります。簡単な計算方法を使えば、損益計算書から算出することが可能です。

EBITDAはキャッシュベースの利益を比較・分析する際、有用な指標として活用することができます。

EBITDAによってキャッシュアウトのない費用である減価償却費をなかったものと考えることで、その企業のキャッシュベースでの儲けが分かります。

株式投資やM&Aなどで対象企業を評価する場合には、キャッシュベースの収益力を測る一つの指標としてEBITDAの数値を活用できるでしょう。

活用する上での制約があることを理解し、利用シーンに応じて他の経営指標と組み合わせることが大切です。減価償却費や支払利息が反映されないため注意が必要ですが、賢く活用して企業の正しい評価に活かしましょう。

「企業価値評価とは、そんなに生やさしいものではありません。でも、いくつかの業種に絞ればバリュエーションについてかなりの知識を得ることができる。

その企業が持っていると自分が考える価値より安いこと、そして正直で有能な人々によって経営をされていることがポイントです。」

<ウォーレン・バフェット>

■最後に
スタートアップがファイナンスを推進する上では、資金調達の実現により、「事業全体のスケールをどれだけ大きく描けるか」という視点を持ち、魅力的な「エクイティ・ストーリー」を作り上げることです。

なぜなら、有力な投資家が納得し、投資するメリットを感じられるような青写真を創造できるようなエクイティ・ストーリーがあれば、企業とビジネスの将来に対してより期待値が高まり、結果としてファイナンスの成功に繋がる可能性が高まるからです。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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