現在、マーケットでは様々な商品やサービスが溢れ、ライバル会社との競争が激しくなる中で、継続的に支持されるためには、「顧客満足」を高め、既存の顧客だけでなく、新規顧客からも支持を得ることが必須要件になっています。
業種や企業規模、BtoBかBtoCかを問わず、あらゆる企業には、「顧客ニーズはどう変化しているのか?顧客満足を高めるためにどうすればよいか」を常に考えることが求められていると言えます。
「顧客の声」を調査した上で、その結果を分析し「顧客満足」を高める施策を講じることは、企業の信頼の獲得と売上の向上に繋がる確実な手段になります。
そこで、今回は、顧客満足とは何か、LTVを意識して顧客満足を高めることが重要な訳について解説します。
「顧客が買うものは満足であるという事実から、あらゆる製品とサービスが突然、全く異なる生産、流通、販売のされ方をしている他産業の製品やサービスと競争関係におかれる。」
<ピーター・ドラッカー>
■顧客満足とは?
顧客満足とは、企業の商品やサービスに対して顧客がどの程度満足しているか、の度合いを示す言葉です。
英語では、「customer satisfaction(カスタマー・サティスファクション)」と表現され、「CS」と略すことも多い言葉です。
「顧客がどれだけ満足したかどうか」は、本来漠然としており、個人の主観によるところですが、その満足の度合いをアンケートなどの調査によって数値化し、客観的に評価できる指標として可視化されたものを「顧客満足度」といいます。
法人営業でも、顧客満足を、既存顧客が購入・利用した商品やサービスだけでなく、新規顧客に対してもどの程度、満足している度合いを指数化することサービスの改善に結び付きます。
つまり、企業が提供する商品やサービスが、顧客の期待値超えて、顧客満足度にどの程度、応えているかを定期的に測定することが持続的ビジネスを展開する上で非常に重要なファクターなるということです。
なぜなら、顧客は「商品」や「サービス」を買っていると考えられがちですが、本当は事前の営業やマーケティングの対応を含めた「顧客満足」=「商品やサービスから得られる価値」に重きを置いていると言えるからです。
企業の成長には、顧客の期待を超える製品やサービスの提供が必須です。
そのためには、まず顧客の期待、要望、ニーズなどに応えられているのか定量的・定性的に評価し、課題を発見し改善すすることがポイントになると言えます。
■顧客満足が以前より重要視されるようになった背景
顧客が商品やサービスに対して顧客が満足したかどうかは、「期待水準」と「知覚水準」がどれほど一致したかどうかによって決まると考えられています。
・「期待水準」:顧客が事前にその商品やサービスから得られると期待していた水準
・「知覚水準」:実際に商品やサービスを体験して得られた水準
顧客満足の上下には、顧客が商品に対して持っている期待値が大きく関係していると言われます。
「知覚水準」が「期待水準」を上回れば満足、逆ならば不満足となります。
顧客が商品を購入した際、「知覚水準」が「期待水準」を上回り、「想像よりも良かった」という感想を持った場合、顧客は満足感を得ます。
逆に「知覚水準」が「期待水準」をを下回り、「想像したほど良くなかった」という感想を抱いてしまった場合には、顧客満足が低くなります。
最終的に「知覚水準」には、商品やサービスを主観的に評価することで表れる、「知覚品質」とコストパフォーマンスを表す、「知覚価値」があり、顧客がこれらを総合的に判断した結果、顧客満足か顧客不満足になるかの分岐点になると言えます。
■顧客満足を高める5つのポイント
顧客満足を高めるために、企業はどんなことを意識するべきなのでしょうか。顧客満足度向上のために必要とされる5つの方法をまとめます。
1、顧客満足の定義を組織全体で統一する
顧客満足というのは、顧客と直接関わる営業マンだけが意識すれば良いというものではありません。
事前のマーケティング活動を含め、組織全体で顧客満足に至る定義を統一させることで、商品やサービスにも一貫性が生まれます。
サービスを提供する事業者が契約者に対し、サービスを保証する契約のことを「SLA」と言います。SLAとは、Service Level Agreementの略で、「サービス品質保証」という意味になります。
ユーザーにとっては、サービス品質保証を数値化することで、サービスの性能や機能を事前に知ることができるため、事業者の選定のための目安になります。
一方、事業者にとっては、サービス品質をアピールすることができるため、顧客獲得に繋げることができます。
サービスレベルを統一することで顧客から想定以上の品質や対応を求められるようなリスクを抑えることも可能になります
2、顧客の期待値がどの程度かを把握する。
実は商品を購入する前の段階から、顧客満足を上げるための戦いは始まっています。
顧客の「期待値」を知ることは、顧客満足度を上げる工夫をする上で欠かせない要素になります。期待値とは、ある試行を行った際にその結果として得られる数値の平均値のことです。
例えば、スタートアップ企業にエンジェル投資家として投資した際には、投資した理由は投資家によって異なりますが、その会社の第三者割当増資を引き受けた際の1株当たりの株価の平均値が「期待値」になります。
ある試行の期待値が分かれば、それをやってみる価値があるのかを判断する基準にできます。
どのような分野でもライバルが多かれ少なからいるはずです。競合他社と比較した上で、顧客がその商品ジャンルについて何を期待しているのか、逆に何を不要と考えているのかを把握することが「顧客満足」を高める第一歩になると言えます。
3、商品やサービスの実績評価を把握する。
顧客満足を高めるためには、商品を購入した人や買わなかった人の意見もしっかりと収集しましょう。顧客が買わないで離脱してしまう理由には幾つかあります。
代表的なものは以下の3つが考えられます。
・その商品のよさがわからない。
・そこで買う理由がない。
・今買う必要を感じない。
実際の満足度が高かったのか低かったのか、それは何が要因だったのか、他社製品との比較や他人へ勧められるかどうかなど、次に活かせるような屈託のない意見を集める必要があります。
ただし、元々自社の商品に好意的なリピーターは、何を聞いてもポジティブな意見しか返ってこない可能性もあります。
モチベーションを高めるためには、当然、良いコメントも貴重な意見ではありますが、顧客満足を高めるためには基本的にニュートラルな意見やアンチ的なスタンスの顧客からも意見を吸い上げる必要があります。
なぜなら、サービスの改善には、傾向を偏らせることなく、幅広く数多くの意見を収集することが大切だと言えるからです。
4、期待値と実績の差分を解消する努力をする。
企業間取引においても何らかの商品やサービスを購入する際には、インターネットでの情報収集することが一般的になりました。
その上で問い合わせを行い、サービス説明を受けた後に「期待値」と「実績」を把握し、「競合他社と比較」した上でそれぞれをハカリにかけます。
つまり、企業側としては、顧客がどんな課題があり、商品やサービスを通じて何を期待し、それを満足させるものだったのかどうか、満足させていなかったのだとしたら、その理由は何なのかということが浮かび上がってくるはずです。
その「差分」となった要因を埋めるために、自社は何をすべきで何ができるのかを考えることが、顧客満足度を向上させるための企業努力ということになります。
こうした「期待値の把握」→「実績の把握」→「差分解消の努力」というサイクルは、1度行なったら終わりではありません。
企業の考え方や求めるものは、タイミングや課題の深刻さによっても変化し、企業の状況も時と共に変化するものでしょう。
こうした試みを継続的・定期的に行ない、点ではなく線で顧客の動向を把握することに努めましょう。
5、顧客満足の数値目標の管理
施策を実施して、それが顧客満足度に繋がっているのかどうか、漠然と把握することはできるでしょう。
しかし、それでは改善アクションには進めません。顧客満足度というキーワードは、内容が非常に曖昧なものだからです。
顧客満足度の向上は、会社全体として目標におくべきものであるため、内容をデジタル化し、共通の認識を持つことで、ゴールに対して適切なプロセスを踏むことができます。
顧客満足度の目標数値は会社によって違います。具体的には、リピート率や継続率、NPSの数値の中で、自社のビジネスモデルに沿った数値を目標に置くといいでしょう。
課題の解決に必要な施策を繰り返したり、競合他社をベンチマークしたりして、その後の評価や改善アクションに繋げてください。
■顧客満足を高めるポイント
顧客満足度は、「購入/利用する前に抱いている期待(事前期待)を、購入して体験したあとの実績評価が上回る時に得られる」と言われています。
しかし、期待値が低い場合はこの「期待を超える」という行為もよほどのことがない限り意味を持ちません。
その理由としては、顧客満足は、機能面で得られるのか、サポートで得られるのか、デザイン面で得られるのかは、提供している商品やサービスによって大きく異なるからです。
顧客満足を向上させる上では、以下のような取り組みを実践することも、有効だと言えます。
・顧客満足度調査(CS調査)で顧客の声を知る。
・サービスコンセプトを明確にする。
・表層機能で差別化を図る。
・オペレーションを最適化する。
・従業員満足度を向上させる。
インターネットが普及した今、営業マンが商品やサービスの設定を行う前段階で、検索エンジンで事前に比較した上で問い合わせを行うケースが一般的となりました。
そのため、顧客満足を高めるには、自社のライバルである競合企業の分析を行うことも欠かせません。
その際、競合企業がサービス、価格、商品展開、売上といった面でどのような点が自社よりも優れており、または劣っているかを分析することが大事です。
そして、他社の優れている点を取り入れたり、もしくはより優れた方法を打ち出したりすることで、顧客に満足度を与えることができると考えられます。
■まとめ
新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍コストがかかるとも言われています。
そのため、既存顧客の維持にフォーカスすることが利益最大化の重要なテーマの一つになります。顧客となってから終わりまでの期間内の利益「LTV:Life Time Value」を大きくさせることが、「顧客満足」の最大の目的だと言えるでしょう。
現在、ほとんどの業界で市場競争が激しさを増しており、顧客の奪い合いがビジネスの日常となっています。
特に同じ系統の商品やサービスの場合、競合他社が増えたことで、差別化を打ち出さない限り、新規顧客を獲得するのが難しくなっています。
そのような中で競合他社との差別化を推進して行くためには、顧客満足度を指標として、自社と顧客の関係性を評価することが顧客から選ばれる理由となります。
ビジネスの基本は、「本当に欲しいものをお客様のために作り、最適なタイミングで届け、心から喜んで貰う」ということです。
顧客満足を第一に考えて結果を出し続けることがこれからの企業に必要な考え方です。これをスタートアップの業界では、「プロダクトマーケットフィット」と呼びます。
営業やマーケティング活動のゴールは、新規顧客の獲得を含めた「カスタジャーニー」を作り上げることで、継続的に顧客に支持され、長期的に利益をもたらす顧客を創造することにあると言えます。
■最後に
顧客満足を向上させると、自社や商品に対して「愛着」や「信頼」を持つようになる顧客、つまりロイヤリティーの高い顧客が増加します。ロイヤリティーが高い顧客の特徴に、以下のような例が挙げられます。
・解約率が低く、リピート率が高い。
・アップセル・クロスセルをしてくれるため、客単価が高い。
・口コミ紹介による拡散が見込める。
・リファラル紹介の場合、成約率が高い。
どの特徴も自社にとっては嬉しいものばかりですが、特に「リファラル紹介」は非常に大きなメリットになります。
それは、なぜかというと、知り合いからリファラル紹介されると、購買行動に大きな影響を与えるからです。
つまり、BtoB向けのインターネット広告への投資と比較すると、知り合いからの見込客の紹介を受けることは、投資の無駄が少なく、低コストで新規顧客を獲得しやすいという大きなメリットがあります。
基本的にベンチャー企業が難攻不落の大手企業と新規取引をしたい場合にも同様に、既に見込客との繋がりのある顧問からの「リファラル紹介」によるトップダウン営業で提案する方が、アポイントを獲得できるだけでなく、クロージングする際のスピードが速いとされています。
その理由としては、顧問からの「トップダウン営業」は、代表電話へのテレアポによるコールドコールとは、真逆の立ち位置になり、リード顧客との関係性が深く、人的に信頼性を担保することが可能だからです。
顧問の人脈を借りた「トップダウン営業」の場合、営業代行会社のように、コールセンターで無差別に全くの面識が無い会社に対して代表電話に電話してアポイントを獲得したり、一元客としてゼロベースからクライアント候補にアプローチするような効果の無い営業活動はまず行いません。
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