事業の多角化の必要性とは?新規事業に顧問の知見が武器になる訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

プロダクトライフサイクルの短命化により、あらゆる企業を取り巻く環境はますます厳しくなっています。大手企業ですら自社の強みが突然失われ、経営が悪化する企業は多い傾向です。

会社の生き残りを図る手段の一つに、新規事業立ち上げがあります。

そこで今回は、事業の多角化の必要性とは?新規事業の開発にに顧問の知見が武器になる訳について解説します。

■事業の多角化の必要性とは?
あらゆる商品やサービスには必ず、プロダクトライフサイクルが存在しています。

プロダクトライフサイクルとは、製品ライフサイクルを指します。業界を問わず、全てのプロダクトやサービスには、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージからなるS字型のカーブの製品サイクルと市場の成長パターンが該当します。

その中でどんなに売れていた人気商品でも「衰退期」と言われる段階に至ると、売上げは低下し、利益も激減していきます。 新規投資がほとんど必要ないことから、一部の上位企業はキャッシュを生み続けることができます。

ですが、ブランドが無く指名買いが起きない企業は撤退するか、イノベーションにより新たな価値の創造を行うか、どちらかの戦略をとる必要があります。

新規事業立ち上げとは文字通り新しい事業を開始することであり、事業転換や多角化が該当します。本業の業績悪化は勿論、余剰資源の有効活用やリスクの分散などの目的でも、新規事業立ち上げが実施されます。

近年は事業承継の際に新規事業立ち上げを伴うケースも多く、新陳代謝の側面も持ち合わせています。新規事業立ち上げの際には、既存事業との関連性が高い分野ほど成功確率が高まります。

■新規事業と既存事業の大きな違い
新規事業を詳しく知るために、複数の観点から既存事業との違いを比較してみましょう。まず、対象とする顧客や市場の観点です。既存事業と異なり、新規事業は市場や顧客に関する情報が乏しいため、細かい事業計画を立てにくい特徴があります。

次に、期間に着目すると、新規事業は既存事業に比べて成功するまで長期間要します。予算や情報が少ない状態から立ち上げるため、アイデアや仮設を構築しなければならず、進捗を確認しながら試行錯誤を繰り返す必要が生じるからです。

そのほか、求める人材の要件もそれぞれ違います。既存事業では、従来のやり方や指示に沿って仕事をこなす人材が求められる一方、新規事業では、多少粗くても新しい考え方を提案して、それを実現するために自走できる人材が求められます。

これらの違いを把握せずに新規事業を立ち上げると、適切なアプローチをしてもプロジェクトが進まないケースがあります。新規事業を立ち上げる前に既存事業との違いを確認することが大切です。

■経営陣が新規事業の方向性を示す必要性
新規事業のアイデアを考える際に最初にするべきことは、会社として取り組む新規事業の大まかな領域を経営陣が明示することです。

例えば、「B2Bビジネスであること」や「飲食業は行わないこと」等、「○○であること」あるいは、「○○はやらない」という大枠を事前に提示することです。

その理由としては、「今までの考えに囚われることなく自由な発想で考えてほしい」という方針で新規事業プランを募集するものの、実際にプランが出てくると、「何故それを当社が取り組む必要があるのか?」や「その事業は当社らしいのか?」等の反対意見が多数出て、否決されてしまうというパターンが多いからです。

自社が取り組むべき正当な理由や自社らしいかというのは新規事業開発を行う際には当然考えて良い項目です。

しかし、事前にそれを明示することなく後から持ち出されて、プランが否定されるということが繰り返し行われると、「どうせプランを出しても何か理由を付けられて否決されるだけだ」というネガティブな雰囲気が社内に蔓延してしまい、新しいプランを出そうというモチベーションが下がってしまいます。

結果として将来性のあるプランが出にくい状況になってしまいます。このような事態を避けるため、どこがフェアで、どこがファールかを大枠でいいので事前に提示することが新規事業プランを作るうえでは非常に重要です。

■新規事業立ち上げの3つの方法
新規事業立ち上げの際には、勝てる可能性を事前に調べた上で、入念な準備や対策を施すことが大切です。新規事業立ち上げの実現可否を判断する方法として、「フィージビリティスタディ」が代表的です。

フィージビリティスタディとは、新規事業をはじめ、商品やサービスなどの実現性を調査することです。企業化調査や実行可能性調査などと同じ意味を持っています。社会・経済・市場・業界などのさまざまな観点から調査するのが一般的です。

この方法によって、3つの観点から新規事業立ち上げの可否を判断しつつ、新規事業の立ち上げ方法も説明します。

1、参入市場の将来性
新規事業事業を企画する上では、まず、市場の成長性を予測することが極めて重要な要素です。なぜなら、成長率が高い市場では、市場の伸びが後押しとなって事業自体をより成長させやすくなるかです。

当然競合他社が参入してくるというデメリットもありますが、市場の成長から来る事業の後押し効果はそのデメリットを十分にカバーしうるメリットと言えます。

新たなマーケットの将来性を考える上では、二つの軸に分けて考えると理解しやすくなります。一つ目の軸は「想定される市場規模の大きさ」、二つ目の軸は「市場の成長性」です。想定される市場規模が大きいということはその新規事業が成功した場合には大きな売上、利益をもたらす可能性が高いということを意味します。

次世代の成長の柱を作るという意味ではある程度の規模が見込まれる市場を選ぶ必要があります。その際、「ニッチな市場から入って行った方がいいのではないのか?」という考え方もあり得るかと思います。

これはその新規事業が目標とする売上額がどの規模なのかが大きく関係しますが、次世代の柱となる事業を創るという点を考えると、たとえニッチから入ったとしてもその市場から横展開が可能で、トータルで考えると大きなビジネスになり得るかどうかを考えることが必要となります。

2、競合企業の現状を把握する
市場規模がある程度あるということは既に競合他社が一定数存在すると考えられ、縮小していく市場をこれらの競合他社と取り合うということになります。

新規事業として参入してこの競争に打ち勝つこと自体も簡単ではありません。そのため、自社の製品がどれほどユニークで魅力的なのか他社との差別化を図りながらターゲットである顧客に示す「ポジショニング」戦略が欠かせません。

3、立ち上げを成功させるための条件
成熟度が低く、新規参入の余地があることです。特に各方面から熱い視線を注がれている分野への参入を検討する際、確認していただきたいです。

具体的にいえば、アマゾンで本の購入が流行しているからと言って、アマゾンに似たサービスを展開するのは高リスクとなります。その理由としては、既にアマゾンが圧倒的なシェアを握っている今、よほどのキラーコンテンツを引っ提げて投入しなければ、後発サービスは苦戦を免れないでしょう。

■新規事業立ち上げ3つのプロセスと手順
新規事業立ち上げにはフレームワークの活用も大切ですが、新規事業の具体的な作り方がわからず、何から始めればよいのか疑問に感じた方もいることでしょう。この項では、新規事業立ち上げのプロセス(手順)を順を追って解説します。

1、事業コンセプトの構築
まず初めに、事業コンセプトを構築するところから始まります。事業コンセプトとは、立ち上げる事業の概要を一文で表現したものです。たった一文と言えども的を外した内容になってしまうと、顧客に魅力が伝わりづらくなってしまう恐れがあります。

そのため、事業コンセプトを構築するためには、事業の強み、他者との違い、提供する製品などを明確にすることが大切です。コンセプトを構築したうえで事業化の可能性を検討し、新規事業立ち上げの分野を決定します。

2、事業モデルの検討
1で決定した新規事業を成功させるために、どのような経営資源が必要かを検討します。経営資源としてまず挙げられるのは「人」です。商品を企画したり、新規取引先を開拓したり、新入社員を教育したりとビジネスで必要不可欠な存在といっても過言ではありません。

また、製品や機械などを含む「物」も経営資源の一つです。具体的にはパソコンやデスクなどが代表的で、土地や建物自体も経営資源に含まれます。そのほか、お金や情報、知的財産など企業に関わる経営資源の種類はさまざまです。

自社に無いものは、自力で構築するのではなく他社に外注するなどの対策を取ります。

3、事業計画(スキーム)の策定
最後に、事業コンセプトやモデルを基に、具体的な事業計画を策定します。1や2では抽象的なプランの検討を進めましたが、事業スキームの策定では現実的かつ具体的に計画します。資金調達や投資額、いつまでに何を実現するか等を検討します。

スケジュールを計画する際に大切なのが短期的な視点です。新規事業立ち上げの際には10〜20年後の大きな目標を設定しますが、細かなスケジュール策定も欠かせません。

なぜなら、先の目標を設定すると、身近な変化に気づけないデメリットがあるからです。

中々結果が出ないとモチベーションが低下し、成長の為のヒントを見逃してしまいます。「木を見て森を見ず」とならない様に、新規事業立ち上げの際には10〜20年単位ではなく、1年単位のスケジュール計画を策定することがオススメです。

■新規事業立ち上げの3つの成功条件
新規事業を立ち上げても失敗してしまう事例は少なくありません。この項では、新規事業立ち上げを成功させる条件を3つご紹介します。

1、顧客のニーズ課題を把握しておく
まず、第一のポイントは、独善的にならずに顧客のニーズ課題を押さえることです。

企画作業が興に乗ってくると、ついつい市場調査結果を無視して「あんなことができたら、顧客に喜ばれるはずだ」という勝手な思い込みを企画に入れてしまう方がいます。そういった独善性は排除しなくてはいけません。

2、外部人材を取り入れる
第二のポイントは、ノウハウや知見の不足でも少し触れましたが、ない知恵は絞れませんので自社の既存要員のみでは課題解決ができないのであれば、早急に外部の要員の力を借りるべきです。

素人アイデアで上手くいくことももちろんありますが、知っている人に聞いた方が確実で早いです。今の時代のビジネスはスピード優先です。悩んでいる間に他社に出し抜かれたら元も子もありません。

3、組織をシンプルにする
第三のポイントは、チーム人数を多くし過ぎないこと、そして組織はシンプルにすることです。これには2つの目的があります。1つ目の目的は意思決定を迅速化することです。

スピード優先ですから非常に重要です。2つ目の目的は少人数の方が意見の発進やその伝播が速い、ひいては全員が同じビジョンを持っている状況を作りやすく、風通しも良くなるということです。つまり、新規事業は少数精鋭で始めるのがベターなのです。

■まとめ
今回は新規事業立ち上げに関して説明しました。新規事業立ち上げには失敗のリスクは高いものの、成功すれば大きなリターンを獲得できます。事前に調査した上で計画的に実行すれば、新規事業立ち上げの成功確率を高めることが可能です。

ですが、新規事業に力を入れるべきだ、という経営方針のもと、新規事業開発に力を入れ、なかなか成果が出ない、ということは良くあります。 もちろん、成果が出るに越したことはありませんが、そもそも新規事業は成功確率が低く非常に難しいのです。

新規事業開発とは良く分からない領域に新たに強みを打ち立てる作業でもあります。従ってどれだけ早期に小さなダメージで失敗しそれを糧にPDCAを回していくか、ということがポイントになります。

新規事業の難しさを乗り越えるためには既存事業のPDCAサイクルの何倍、何十倍のスピードでPDCAを回していく必要があります。

そのため、大手企業やスタートアップを問わず、新規事業開発を高めるためには、人材開発と事業開発がセットになっていると考えたほうが良いでしょう。

だからこそ、外聞人材のノウハウを借りながら社内の「人」の起業家マインドを育てつつ、経験値を積ませスキルや意識にも目を向けておく必要があるのです。

■最後に
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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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